だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【Podcast #カミバコラジオ 原稿】第51回【経営】ブランド(2)

広告

目次

注意

この投稿は、私が配信している Podcast番組『カミバコラジオ』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。

▼▼Apple Podcast▼▼

podcasts.apple.com

▼▼Spotify▼▼

open.spotify.com

note

noteにて、番組のサポートを受け付けています。応援してくださる方は、よろしくお願いします。
note.com

▼▼youtubeチャンネル登録はこちら▼▼

https://www.youtube.com/channel/UCqx0z_3n3tBH450v8CtNoUg
youtu.be

前回はこちら

kimniy8.hatenablog.com

ブランドの分け方


今回も、ブランドに付いて勉強していきたいと思います。
前回の話を簡単に振り返ると、ブランドというのは企業の立ち位置の違いによって、大きく分けて2つに分かれるという話をしました。
立ち位置の違いというのは、自分で製品を作っているのか作っていないのかの違いで、これによってナショナルブランドプライベートブランドに分かれます。

自分では製品を作っていない流通業や卸売をしている企業が企画だけを行って、製品製造はメーカーに委託して作られる製品がプライベートブランドです。
プライベートブランドという名前は流通王手のスーパーなどが積極的に使っていたりするため、ニュースなどで聞いたことがある方も多いと思います。
一方で、自分で製品を作っている企業が名乗るブランドが、ナショナルブランドです。

このナショナルブランドですが、単にメーカーが名乗っているブランドと言うだけでなく、その名前には様々な意味を含んでいたりします。
今回はその事について話していきます。

ブランド=イメージ


メーカーが名乗っているブランド名は、単に製品の呼び名というだけでなく、その他の様々な要素を含んでいます。
抽象的な言い方をするのであれば、ブランド=市場が抱いているイメージと捉えてもらうと分かりやすいかもしれません。
イメージは人の捉え方によって様々な意味を含むようになりますが、ブランドも同じように様々な意味合いを含んでいます。

例えば、精密性に優れた企業のブランド名は、それがそのまま製品の品質に対する信頼性に繋がります。
特定品種のフルーツや地域名が付いた農作物なども、美味しいだとか、それによって品質が担保されているというイメージを纏っています。
この様に、ブランド名というのはどこのメーカーが作っているという区別のためだけに存在しているだけではなく、その名前そのものにイメージが伴っています。

ブランドの種類


そのイメージのことを含めてブランド名と言いますが、このブランド名は学問的な種類としては4つぐらいに別れます。
この分け方ですが、『製品ライン間のイメージ』と『標的市場の類似性』とのマトリクス図になっています。
そのそれぞれが同質と異質で分けられているため、カテゴリーとしては4つに別れていると思って下さい。

標的市場の類似性


まず標的市場の類似性についてですが、これは、ターゲットにしている層が同じかそうでないかという違いだと思ってもらえれば良いと思います。
大雑把に分けるなら、販売相手は男なのか女なのか。富裕層か庶民向けかと行った感じで、どの層に向けて商品を売っていくのかの違いです。
何故、この様にターゲット層を分けなければならないのかというのは、過去に取り扱った回があるので詳しくはそちらを聞いて欲しいのですが…

簡単に言えば、全ての人を満足させるような製品というのは作れないからです。製品というのは、幅広い層に訴えようと思えば思うほど、誰の心にも響かないものしか作ることが出来ません。
想像して欲しいのですが、大富豪がパーティーに着ていくための洋服と、庶民が部屋着として使う洋服を1つのデザイン・品質で作ることが出来るでしょうか?
これは当然ですが無理です。 庶民が部屋着として使うために購入する服は金額が安くなければ買えませんが、そのような安い製品を作ろうと思えば品質を下げなければなりません。

当然ですが品質を下げれば、パーティーに着ていけるようなクオリティーの商品には仕上がません。
これを無理やり庶民と大富豪の両方のニーズを1つの製品で満たそうと思って商品開発を手掛けると、出来上がる商品は中途半端な製品となってしまいます。
中途半端な製品は誰に訴えているのかが分かりにくいですから、当然、誰の心にも響きません。そしてそんな製品が売れることはありません。これを避けるためにも、ターゲットに合わせた製品を作ることが重要になってきます。

そのターゲット層が同じ層なのか、それとも違う層なのかというのが、標的市場の類似性と考えてもらえれば良いです。

製品ライン間のイメージ


次に製品ライン間のイメージですが、これは顧客の方ではなく商品ラインそのものが持つイメージのことです。
分かりにくいと思うので、身近な例としてアパレル業で例えるのであれば、とあるメーカーがギャル向けの少しケバケバしい服を集中的に出していたとします。
そのメーカーが同じターゲット層に対して少し大人しい感じのデザインも考案して出したいと思った場合、今までと同じブランドで出してしまうと、ブランドイメージが崩れてしまう可能性があります。

というのも、そのブランドは元々はケバケバしい服を集中的に出していたわけですから、そのブランドを知る人達の間では、『そこで発売される商品はケバケバしい服』というイメージで固まっています。
これは一見すると顧客層を狭めてしまいそうな現象です。しかし一方で、『派手な服が欲しい』と思った消費者は真っ先にこのブランド名を思い出すことになります。
この真っ先に思い出すというのが、実は消費活動においては最も重要なことだったりします。

イメージを定着させる


例えば、最近ではネット検索が一般的になってきているので、みなさんも何かを探す際にネットで検索したことがあると思います。
その際の検索に引っかかる件数自体は、検索ワードによっては数万に及んだりします。しかし実際に見るページというのは、検索上位の数個の記事だけということが多いのではないでしょうか。
これは人の脳も同じで、人は自分の頭の中にある情報を思い出そう。つまり検索しようとした際に、最初の方に思い出した情報を重要視します。

例えば、『派手な服が欲しいけれども、どこのブランドの服を買おう…』と悩む事がある場合、一番最初に思い浮かんだブランドの服を買うということです。
これは、先程のネット検索上位しか観ないという話と同じことで、一番最初に思い浮かんだ情報に行動の方が引っ張られてしまうということです。
つまり、顧客に真っ先に思い出してもらって購入してもらうためには、この手の商品ならあのブランドと顧客の脳の中で紐付けられている状態にし、一番最初に連想してもらう必要があるということです。

このように、顧客の頭の中でイメージとブランド名の紐付けを強固にするためには、商品ラインナップのイメージは揃えた方が良いことになります。
先程のアパレルの例で言うのなら、ケバケバしい服ばかりをデザインして販売しているのであれば、そのブランドではそのスタイルを貫き通した方が、顧客の中で製品とブランド名が結びつきやすくなって思い出してもらいやすくなるということです。

思い出してもらうためには


このような状態にあるにも関わらず、ケバケバしい商品ラインナップの中に大人しめのラインナップを加えてしまうと、ブランドイメージが崩れてしまいます。

ブランドイメージが崩れてしまうとどうなるかといえば、せっかく顧客の中で固まっていたイメージがあやふやになってしまいます。
イメージがあやふやなってしまうということは、顧客の頭の中でイメージとブランド名との関連付けが薄くなってしまいます。
関連付けが薄くなるということは、顧客に思い出してもらい辛くなるわけですから、ブランドにとっては不利となります。

先程の例でいえば、ギャル向けのケバケバしい服ばかりを作って販売していたブランドが、販路を拡大しようと、清楚な女性向けの大人しい商品や不思議系の服を販売しだしたとします。
このような商品開発によってターゲット層そのものは、ギャル・清楚・不思議ちゃん向けと増えるわけですが、その一方でブランドイメージは崩壊してしまいます。
つまり、どのような商品を誰向けに作っているのかわからない服屋になってしまうということです。

このような状態になってしまうと、せっかく広げたターゲット層の誰にもブランドを覚えてもらうことが出来ません。
ブランドを覚えてもらえないということは、ネット検索で言い換えるのなら検索順位が下がっているのと同じです。
検索上位に上がっていないということは、顧客に自社製品を『買おうかどうかの選択肢にも入れてもらえていない』ということなので、当然、商品は売りにくくなります。

ターゲット層を拡大したにも関わらず、ターゲット層に認知され無いために商品が売れないというのは最悪なので、無闇矢鱈とターゲット層を広げるよりも、ターゲットは絞った方が良いということになります。

ターゲット層の分け方


ただ難しいのは、このターゲット層というのは数学や物理の世界のように、誰の目から見てもクッキリと明確には別れていないということです。
『つまりターゲットの区切り方は人による』ということです。

例えば先程例に出したアパレルメーカーで考えた場合、ケバケバしい服や清楚系・不思議ちゃん向けと、一見するとバラバラのジャンルの服を販売していたとしても、ターゲットを女子高生に絞った場合は問題がなかったりするということです。
女子高生のお小遣いで買えるような値段設定にしたり、彼女たちが遊びに行きそうな立地に店舗を構えるなど、価格設定や店舗の立地でもターゲットを明確にすれば、女子高生向けブランドとして成功できるかもしれません。
つまり、市場に自分たちのブランドを女子高生向けブランドと認知させることが出来れば、女子高生が服を買う際には、そのブランドの名前が真っ先に頭に浮かぶわけですから、ブランドとしては成功できる可能性があるということです。

しかし当然ですが、そのようにして市場での認知を高めてしまえば、他の層。つまり主婦やOL層には振り向いてもらえないわけですから、結果として、ターゲット以外の層は切り捨てることになります。
つまり特定分野で認知を高めて、○○といえばこのブランドとまっさきに思い出してもらえるように頑張るということは、他の市場を切り捨てるということにつながるわけです。
では、他のターゲット市場に進出したいと思った場合はどうすればよいのかといえば、これは前にも言ったかもしれませんが、別ブランドで出せば良いのです。

つまり、女子高生向けブランドとして進出して成功し、事業が軌道に乗って事業拡大出来る余裕が出来た場合、違うテイストの商品は同じブランドでは出さず、別のブランド名を立ち上げて出せばよいということになります。
このようなことを考えていくのが、ブランド戦略となります。
今回は、ブランドを考える上でのマトリクス図の説明のみとなりましたが、次回からは、その詳しい中身について勉強していきたいと思います。