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【Podcast #カミバコラジオ 原稿】第50回【経営】ブランド1

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目次

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この投稿は、私が配信している Podcast番組『カミバコラジオ』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。

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前回はこちら

kimniy8.hatenablog.com

ブランドは簡単には育たない

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前回は、価格戦略の中でも高価格戦略を取り上げ、それを採用するためにはブランド力が必要だという話をしました。
前回はその部分の話を少ししか出来なかったため、今回はその事についてもう少し話していこうと思います。

最初に注意として言っておきますと、ブランド力というのは専門書を読んだり人から話を聞いたからと言って簡単につけることが出来るようなものではありません。
運の要素もかなり絡んでくるものなので、この分野について必死に勉強したからブランド力が身につき、作った商品を高く売ることが出来るなんてことはありません。
もし、座学で勉強するだけでブランド力を身につけることが出来るのであれば、その勉強のコスパも高いことでしょうし、皆がこの分野の勉強に一番時間や努力を注ぐことでしょう。

例えば、今売り出し中の画家やイラストレーターは、作品に注ぐ時間を半分削ってブランド戦略について学べば、自分の作品を高い値段で売ることが出来るわけですから、優先してブランド戦略を学ぶべきだということになります。
では実際にそうなのかというと、そうでもありません。 この分野で売れている人達も存在しますが、それはマーケティングやブランド戦略のみで売れているのかというと、決してそうとは言えません。
その為、これを聞くだけでブランド力を高められると思って聞かれている方は、その期待には答えられないので、予めご了承下さい。

ブランドの勉強は不要なのか?

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これはどの分野にも言えることですが、楽して成功する道というのはありませんし、仮にあったとしても、それが無料に近い形で公開されるなんてこともありません。
ブランド力を身につける確実な方法は、人々から信頼を得られるように品質の高い製品を提供し続けることだけです。
これを実現するには地道な努力が必要になりますし、これをしたからと言って確実に大成功するとは言い切れません。

では全く勉強しなくて良いのかというと、そうとも言い切れません。知識として知っていると有利になったり効率的になったり、リスクを減らしたりすることが出来るようになったりします。
ということでこれからは、ブランドについて理論化されている事柄について紹介していきます。

ブランドの分け方

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ブランド、ブランドと先程から言っていますが、ブランドというのは様々な意味を含んでいます。
まず、ブランドは大きく分けて2つ存在します。1つがナショナルブランドで、もう1つがプライベートブランドです。
この区別はわかりやすく、自社で製品を作っているのがナショナルブランドで、自分では製造をしていない卸売や小売店が作るブランドがプライベートブランドです。

分かりやすい身近な例で言えば、ビールメーカーが自分たちの名前をつけてビールを出していたりしますが、それはナショナルブランドとなります。
例えばサッポロビールアサヒビールなどは、それぞれのメーカーが商品開発をして製造をし、それを流通に乗せることで商売をしていますが、彼らが名乗るのがナショナルブランドと呼ばれるものです。

その一方で、例えば流通王手で言えばイオングループやコンビニ大手などの小売店がブランド展開する場合もあります。これがプライベートブランドと呼ばれるブランドです。
こちらと先程のナショナルブランドとの違いは、彼らは製造設備を持っていないという点が大きく違います。
プライベートブランドというのは、例えばビールであれば、ビール会社に対して容量や缶のデザインなどを指定してメーカーに商品を作ってもらい、それを自社で買い取ることで新たなブランドとして販売しています。

プライベートブランド

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何故そんな事をするのかというと、これには様々な理由があるので一概には言えないのですが、一つの理由としてはこちらの方がコストが安かったり、他の小売店と差別化が出来たりするからです。
まずコストについて説明すると、製品の販売量というのは1年間の間で均一ではありません。ビールで言えば、夏は売れやすいですが、冬に同じ量が売れるかといえばそういうわけにはいきません。
何故なら、夏にはビアガーデンやBBQなど、ビールを消費する様々なイベントがありますが、冬は極端に少なくなるからです。

この様に販売量が一定にならない一方で、工場設備というのは暇な時期だから減らせるかというと減らせません。
前にも少し説明しましたが、会社が持つ工場や機械、それに正社員というのは固定費なので、暇であろうが忙しかろうが基本的には毎月決まった金額が発生します。
ということは、暇な時期には工場の生産性が著しく落ちてしまいます。

そのメーカーが暇な時期に、ある程度まとまった量のプライベート商品を発注すれば、工場側としては暇な時期にも同じ様に工場が稼働できるため有り難いことになります。
メーカー側が助かるということは、そこには交渉の余地が生まれるため、これを上手く活用すれば仕入れ値を下げることが可能となります。
ただ1つ注意点としては、暇な時期の工場をある程度フル稼働させるだけの発注量が必要となるため、かなりの販売力がなければ、この戦略は取りづらいことになります。

コストを下げる発注方法

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ただ、今回取り上げた工場は規模の大きな工場で考えていますが、工場の規模が小さくなれば、当然、発注量そのものも少なくて済むことになります。
例えば小さな町工場などに、閑散期に大量発注をかけて製造分を全て買い上げれば、安い値段で購入することが可能となります。
アパレルで言えば、ワークマンなどがこの方式でコストを下げていたりします。 ワークマンの場合は、数量指定ではなく相手が作った分を全て買い取るといった形で取引するため、安い値段で買い取れることになります。

私自身も家族経営の工場で働いているので分かるのですが、この、『発注量を相手に任せてしまう発注方法』というのはロスを極限まで減らせるために、製造者にとっては非常に嬉しい発注方法だったりします。
例えば、私が携わっている紙箱の例で言うのなら、紙の購入枚数というのは最低ロットが決まっているので、相手側が個数を指定して発注してこられた場合、材料が余ってしまいます。
この材料がほかで使いまわしが出来るのであれば良いのですが、出来ないのであればそれはそのままロスとなってしまいますし、当然、そのロス分の材料費も価格に転嫁しなければなりません。

これは、人件費についても同じことが言えます。1回の発注が1日半分の仕事だったとした場合、残りの半日で他の仕事ができれば良いですが、出来なければロスとなるため、人件費は2日分請求することになってしまいます。
しかし、生産個数をこちらに任せてもらえるのであれば、材料や人を余らせない形での生産が可能となります。
すると当然ですが、ロス分として上乗せしていた価格はなくなるため、最低でもその分は安くなります。

ブランドによる差別化

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もう一つの差別化しやすいという部分について説明すると、プライベートブランドというのはその性質上、他の小売店では販売されません。
これは当然ですよね。 ローソンが作り出したプライベートブランドが他のコンビニやスーパーで販売されるはずもなく、ローソンが作ったプライベートブランドはローソンだけで販売されることになります。
他で販売されることがないということは、これらの商品をTVCMなどを使って宣伝してヒットさせれば、よそから顧客を引っ張ってこれるということです。

売店としては、どこでも手に入るものを単に仕入れて販売するよりも、そこにしかない商品を作って販売したほうが顧客を独占しやすいということになります。

ナショナルブランド

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次に、ナショナルブランドの詳細について説明していきます。この言葉にも単にメーカーという以外の多くの意味を含んでいたりするのですが、その一つが、イメージです。
ブランド名として企業名を使っている会社もあれば、会社名とは別にブランド名を複数所有している会社もあったりしますが、それらを使い分ける理由としては、製品のイメージをどうするのかというのが基本としてあります。
例えば、家電などの製品としての品質が重要な製品であれば、その製品の品質を担保するために、大本の会社の名前をブランドとして使用したりもします。

その一方で洋服といった、機能や品質よりもイメージを優先させるような製品については、会社名とは別にブランド名をつくり、そちらをメインにして売り出したりもします。
同じ服の例えで言えば、ある服飾メーカーが若者の男性をメインターゲットにして事業を起こして製品を販売していたとしましょう。
この事業を長年行っていくと、そのブランド名は若者男性の中で有名になっていきますし、更に有名になれば、若者向け男性ブランドとして知名度が高くなっていきます。

この企業が、若者男性向けの商品だけを作っていくのであれば、ブランド名は1つでも問題はないかもしれません。
しかし、ターゲット層を広げて、中年男性向けにも販路を広げていこうと思った場合、同じブランド名では商売がしにくかったりします。
何故なら、最初に展開していたブランドは、若者男性向けのブランドとして世間から認知されているからです。

ブランドとイメージ

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この様に世間から認知されている場合は、中年男性はそのブランドの製品を買おうと思わない可能性が高いです。何故なら、人は年相相応の服を着たかったり、若作りしていると思われたくなかったりするからです。
中には、そういうのを気にしない人もいるでしょうが、気にする人がいる時点で見込み客が減ってしまうため、商売としてはマイナスです。

ではどうすれば良いのかというと、ブランド名を変えてしまえばよいわけです。
若者向けブランドを作っていたメーカーが別のブランド名でターゲットの違う商品を作れば、先程挙げたような年相応の服を着たいという人や、若作りしていると思われたくない人達を取りこぼすことがなくなります。
余談になりますが、若者男性向けブランドの常連客に対して、来客時に『うちのメーカーは、もう少し年齢層が高いブランドもあるんです』と言って誘導すれば、1人の顧客を長い間、顧客として引き止めておくことも出来ます。

この様に、ブランド名というのはその製品群に対する顧客が持つイメージとなっています。

このブランドですが、1つのブランド名で貫き通すのか、それともターゲット毎にブランド名を分けるのかが難しかったりするのですが、一応教科書的には分け方や、その名前が決められていたりします。
その分け方については、次回に話していきます。