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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

ZOZOからメーカーが離れていってる理由を考えてみた

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私は昔、株をやっていた事もあって(今でも活発に取引はしてないが株保有はしてる)、経済ニュースを毎日の様に見聞きしていたりします。
その中で最近よく聞く話題が、消費者とメーカーのzozo離れについて。

という事で今回は、何故、zozo離れが起こっているのかについて考えていこうと思います。
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zozo離れの発端?

詳しく追っているわけではないので、時系列は多少の違いは有ると思いますが、名前が頻繁に出始めたのは、代表の前澤さんがネットを中心に全面に出てきた頃だと思います。
750億かけて月旅行に行くとか、前澤さんのTweetをリツイートすれば、それだけで100万円貰える可能性があるというお年玉キャンペーンをやったりした事で、ネット界隈で有名になり始めた去年の年末頃だと思います。

これらのパフォーマンスによって、多くのフォロワーを得たわけですが…
それと同時に、多くのアンチも抱えてしまったようです。
匿名のネットでは、何をやっても噛み付いてくる人はいるもので、多くの注目を集めたお陰で、多くのアンチまで集まってしまった。

そんな人達が騒ぎ出して盛り上がりだしたのが、消費者のzozo離れが囁かれ始めた発端のように思います。
ただ実際には、このアンチ達は元々ユーザーではなかった可能性のほうが高いので、Tweetが原因でユーザーが劇的に減ったという事はないのでしょう。
アンチが騒いで企業の業績が傾くなら、もっと他にも傾いている企業は沢山あるでしょう。

匿名のネットでは、心無いユーザーが悪口を書く行為は目立ちますが、何の文句もなくサービスを利用しているユーザーは、わざわざネットに書き込むことなんてしません。
この様な行為はネットが存在する前からあるようで、ノイジーマイノリティ(声高な少数派)やサイレントマジョリティー(静かな多数派)なんて言葉があるほどです。
これは、アプリストアのレビューを見ても分かりますよね。 星1では、参考になるレビューを探すほうが難し買ったりする程です。

なので、消費者離れは、まだ起こってないと思われます。
売上も順調に増えているので、これで消費者離れが起こっていると考えるのは難しいでしょう。
netshop.impress.co.jp

メーカーのzozo離れ

正直にいうと、こちらの方が問題が深刻だと思います。
そこそこ有名なブランドの場合はブランドそのものに顧客がついているわけですが、そのブランドの取り扱いがなくなってしまうと、そのファンの消費額にダイレクトに関わってきます。
zozoは商品を右から左に流しているだけの存在なので、zozoそのものにファンが付いているわけではないでしょう。

消費者が求めているのは商品なので、消費者的には、出来るだけ買いやすい環境であれば、そこで買うでしょう。
では、買いやすい環境とは何かというと、『商品が多いか』『検索がしやすいか』といった基本的な事に加えて、配送や返品などの対応でしょう。
その中でも『商品が多い』というのは、かなり重要な要素だと思いますが、それがメーカーの撤退によって取扱商品が減ってしまうというのは、結構なダメージだと思います。

では何故、そんな事が起こってしまったのでしょうか。

ZOZOARIGATOメンバーシップ

経済系のニュースでよく語られているのが、『ZOZOARIGATOメンバーシップ』というサービスで、このサービスに年会費または月額料金を支払って入る事で、服の価格が10%引き(初月は30%引き)になるというサービスです。
割引は、メーカー側に無理やり負担を押し付けるわけではなく、zozo側が負担するようなのですが、これが原因でメーカー側が離れていっているようです。
www.asahi.com

何故、割引サービスがメーカー離れにつながるのかというと、他の販売形態に迷惑がかかるからです。
服飾メーカーは、zozoだけで販売しているわけではなく、百貨店や路面店、セレクトショップなどで販売されているわけですが、zozoでだけ勝手に割引をされてしまうと、同じメーカーの品であれば、みんなzozoで購入してしまう事になります。
メーカー側からしてみれば、最近できたzozoよりも既存の販売の方が付き合いも古いし、服を見て触って試着してから買いたい層も一定数は存在する為に、ないがしろにする訳にもいかない。

zozoでの販売が頼りという様なzozoに依存したメーカーでもない限り、価格競争から既存の販売店を守る為にも、撤退は良い判断なのかもしれません。

また、メーカーの服に対する値付けというのは、結構、重要な問題です。何故なら、価格そのものもブランド戦略に組み込まれているからです。
服というのは、単純に材料の料金に職人への手間賃を足しただけで価格は決まっていません。

例えば、服のデザインを責めたものにした場合は、万人受けしない為にそれほど売れるわけではない。
しかし、それほど売れないと分かっていても、ブランドとして挑戦したいデザインであれば出すのがブランドです。 ある程度の売上予想を立てて、機会損失が出ないように製造依頼をします。そして、作るとなれば、サイズを揃える必要が出てきます。
ある程度の計算をしていても予想が外れて売れ残る場合がありますが、服の場合は翌年まで持ち越して売るという事がしにくい商品なので、売れないものは50%引きなどでセールとして販売をする事になります。

消費者の中には、このセールまで消費行動を抑える人もいるわけですが、このセール売上も含めて黒字を出さなければ、メーカーとしては儲けが出ませんし、儲けが出なければ翌年以降の商品が発表できません。
それなりのブランドであれば有るほど、単純に消費者に迎合するだけの商品を出さずに、独自の世界観を演出するために努力するわけですが、それには常に挑戦する姿勢が求められますし、挑戦する場合は数が売れなかったとしても儲ける価格設定が必要です。

その価格を勝手に引き下げられるというのは、メーカーにとっては許すことが出来ない事だたのでしょう。
ただ、個人的な考えでは、メーカーの撤退理由はこれだけでは無いように思えます。

プラットフォーマーによる参入

私は、情報収集の一環としてPodcastを聞いているのですが、その中にテクノロジー系の者がいくつかあります。
その中のrebuild.fmという番組の最近の2回(233回、234回)で、プラットフォーマーによる事業参入の弊害というのがテーマになっていました。
zozoからのメーカーの撤退という理由の1つには、この件が大きく関わっているように思えます。
rebuild.fm

もう少し具体的に書くと、例えば、検索大手のgoogleは、検索サービスを提供しているわけですが、インターネットが普及すればする程、検索結果が重要になってきます。
この状況下で、検索結果を操ることが出来るgoogleが何らかの事業に参入したらどうでしょう。
例えば、服を販売するサイトをgoogleが作ったとした場合、googleは検索結果を操作して、『服』を検索したら、常にgoogle直営のサイトが検索トップに出てくる様に操作した場合、googleは簡単に服のEC事業でトップを取ることが可能になります。

他の例でいえば、Amazonは、他のメーカーの商品を陳列して販売することで、販売手数料を抜いています。
当然のことながら、Amazonには『今現在売れている商品のデータ』が蓄積されていくわけですが、このデータを利用すれば、『売れている商品』を『売れている価格帯』のちょっと下の値付けで提示することが出来ます。
そして、Amazonサイト内で商品を検索した際の検索順位は、自分の商品を一番上に持ってくることが可能となるわけです。

この様に、プラットフォームを提供する側が、自分たちでも商品を提供しだした場合、その分野で覇権を握れる可能性が出てくるわけで、現在、結構な問題になっていたりします。

ビッグデータに焦点を当てて、ビッグデータを使って商売をしている企業として有名なのが、日本の場合だとCCCなどですよね。
Tポイントカードを発行して、買い物の度にカードを通すことによって、買い物データがCCCに貯まっていき、それをTポイント加入点に販売する事で、収益を得ていたりしますよね。
CCCは加入点に消費者の情報を収集させて、その個人情報を使用させる権利を加入点に販売して儲けている企業です。

これをzozoに当てはめると、どうなるのでしょうか。
zozoは、zozoスーツを提供したぐらいから、自分たちでプライベートブランド(PB)を作って服を製造する方向にシフトしようとしはじめました。
netshop.impress.co.jp

zozoには、Amazonと同じ様に、自社で販売した他社メーカーの服の販売履歴が全て残っています。
性別や年齢、地域によって、どの様な服が好まれているのか、買われる価格帯はどれ位が多いのかや、どの様な組み合わせで買われる事が多いといったデータが全てある為、この情報を握るものは、売れそなものだけをピンポイントで作ることが可能です。
売れている商品の劣化コピーや、売れている要素を詰め合わせた商品をピンポイントで作ることで、服飾関係で覇権を握れる可能性が出てきます。

ただ、それを指を加えて黙ってみているメーカーではありません。
メーカーは、『顧客の好み』という情報を抜かれた上に、販売手数料として30%も抜かれているわけで、いってみれば、メーカー側が情報とお金を与えてライバル企業を育てている状態になています。
www.finance-seisekihyo.com

それなら、メーカー側は自社でECサイトを作るか、各アパレルメーカーが協力する形で、情報の共有ができるようなECサイトを新規で作る方が、1社に情報が集中しないだけマシといえるでしょう。
今現在でも、zozoはビッグデータを加入点に販売するという事業を行っている可能性もありますが、自身が製造に着手した時点で、そのデータが信用できるのかという問題も出てきます。
techblog.zozo.com

このような事は、適当にしかニュースを集めていない私のような人間にでも想像がつくので、服飾メーカーの本業の方は、とっくに考えていることでしょう。
他の細かい要因も結構あるかもしれませんが、個人的には、これが原因の可能性が高いような気がします。