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【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿】第47回 移り変わる宇宙の捉え方(3)『光は粒子であり波』 前編

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この投稿は、私が配信している Podcast番組『だぶるばいせっぷす ~思想と哲学史』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。
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前回はこちら
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光は粒子なのか波なのか

前回は、前半に相対性理論の話をし、その後、後半からは、量子論の話をしていきました。
量子論の部分を簡単に振り返ると、量子論も相対性理論と同様、光の性質を調べていくところから始まります。
相対性理論が、光速度不変の原理という、光の速度はどの状態から見ても同じだという、速度という切り口から始まったのに対し、量子論は、光はそもそも何なのかというところから始まっています。

光の正体は、『波』なのか『粒子』なのか? 当初は、ビッグネームであるニュートンが粒子派だった事もあって、粒子説が優勢でしたが…
その後、二重スリット実験によって、光も、干渉という波独特の現象を起こし、干渉縞を作るという事が分かってからは、形成が逆転し、光は波派が優勢に立つ事になります。
しかし、その後、光は波だという前提に立って、黒体放射の観測を行って、物体を熱した際に放つ光と温度との関係を調べていくと、光には最小単位が有るということが分かってきました。

光には最小単位が存在する

つまり、波という、今までは連続的なものだと考えられてきた現象が、実は、不連続な現象だったという事が分かってきたんです。これは、結構な衝撃だったようです
科学者ではない私達には、これがどれ程の衝撃かというのはイマイチ理解できないと思うので、別の例で例えてみましょう。

これは、例えとしてあっているのかどうかは分かりませんが…私達は、時間というのは連続的なものだと捉えていますよね?
もし、この連続的だと思っていた時間に最小単位があって、不連続なものだったとしたら、結構、衝撃的じゃないですか?
ゼノンのパラドックスというのを、前に紹介したと思いますが、その1つに『飛んでいる矢は止まっている』というものがありましたよね。

これは、時間に最小単位が有るのであれば、最小単位内では時間は停止しているわけだから、弓から放たれて飛んでいるように見える矢も、最小単位まで分解すれば止まっている事になってしまう。
実際には動いているように見える『飛んでいる矢』も、静止状態の連続なので、止まっているのと同じというパラドクスでしたが、現実が本当に静止状態の連続なのであれば、衝撃的ですよね。

例えば、格闘ゲームでストリートファイターVというものがあります。 このゲームは、キャラクターがなめらかに動いているように見えますが…
実際には、60FPS。つまり60分の1秒の静止画の連続によって、キャラクターが動いているように見えます。
これがゲームの世界の話ではなく、仮に現実が、200FPSで動いていますよ。 つまり、時間の最小単位は200分の1秒でその静止した時間の連続が現実なんですよと言われたら、結構、衝撃的じゃないですか?

波だという光には、実は最小単位が有ったというのは、それぐらいの衝撃だったのかもしれませんよね。

アインシュタインの光量子仮説

この、光には最小単位が存在する、不連続なものだという現象は、アインシュタインに影響を与えて、その後、『光量子仮説』という説が生み出されます。
この仮設は簡単にいうと、光を粒子と考えると、今まで解明できなかったものの説明が付きますよという説です。

光を波だと考えると説明がつかなかったもの一つとして挙げられるのが、『光電効果』と呼ばれるものです。
これは、金属に対して光を当てる際に、色によって電子が飛び出たり飛び出なかったりするという現象が起こっていたのですが、これは、光が波の性質だと説明がつかないようなんです。
というのも、波には、振動数と波長、それに振幅といった物があるのですが、この中でモノに影響を与えるのは振幅だけと考えられていて、振動数はそれほど影響は与えないと考えられていたからです。

波が物質に与える影響

分かりやすく、海に船が浮かんでいるというシチュエーションで考えてみましょう。
海に船が浮かんでいたとして、細かい波が小刻みで大量に船に向かってきたとしても、それほど、影響はありませんよね。これは、この波の多さは振動数で表され、どのような間隔でくるのかは波長で表されます。
波長が短くなって、波の振動数が増えたとしても、浮かんでいる船にはそれ程、影響は与えません。

しかし、振幅はどうなんでしょうか。 振幅とは、波の山の部分と谷の部分の差の事です。
例えば、波の山と谷が50センチであれば、船に与える影響は小さいかもしれませんが、波の山と谷との差が10メートルを超えるような大波であれば、ボートは転覆してしまう可能性も出てきます。
つまり、振幅というのは他の物体に与える影響が大きい一方で、波長や振動数はそれ程、影響を与えないというのが、波の特徴と考えられてきました。

光が物質に与える影響

しかし、実際の光はどうなんでしょう。
石油ストーブから出る光を浴びても、日焼けすることはありませんが、太陽光を浴びると皮膚に影響が出て、下手をすると水ぶくれが出来る程に肌に影響が出ます。
この両者の違いは、石油ストーブから出ているのは主に波長が長い赤い光なのに対し、太陽光には紫外線という、波長の短い光が含まれているからです。

この現象を、実験によって確かめたのが、『光電効果』と呼ばれるモノのようです。
光電効果は、光を金属に当てた際に、金属から飛び出る電子の量や勢いを確かめるという実験なのですが、金属に当てる光の色によって、電子の飛び出し方が違うというものです。

wikiに具体的なことが乗っているので引用すると…
電子の放出は、ある一定以上大きな振動数の光でなければ起こらず、それ以下の振動数の光をいくら当てても電子は飛び出してこない。
振動数の大きい光を当てると光電子の運動エネルギーは変わるが飛び出す電子の数に変化はない
強い光を当てるとたくさんの電子が飛び出すが、電子1個あたりの運動エネルギーに変化はない

ちなみにですが、波長と振動数は反比例の関係にあって、波長が短くなる程、振動数は増えます。 そして、振動数が増えるほど、光は紫色に変化していって、可視光線の範囲を超えると、紫の外の光線、紫外線になります。
光電効果の実験によって、この様な現象が観測されたのですが、ここで疑問が出てくるのは、何故、光の色を変えただけで、つまり、光の波の振動数の増加が、他の物体の電子に影響を与えたのかという事です。

光の振動数によって物質への影響度が変わる

先程の、海に浮かんだ船の話を思い出して欲しいのですが、波と他の物体が衝突した際に、物体に影響が出るのは、波長や振動数ではなく、振幅だけでした。
光の色というのは、波長と振動数によって決まり、振幅は関係がありません。 にも関わらず、振動数の違う光を当てる事で電子の飛び出し方に差が出るというのは、現象としては『おかしい』らしいのです。
また、強い光つまり、振幅の大きい光を当てても、電子一個あたりの運動エネルギーが変化しないのも変です。 何故なら、波が他の物体に大きな影響を与えるのは振幅のはずだからです。

そこでアインシュタインは、先ほど紹介した、光には最小単位が存在するという話をヒントに、光は粒子なのではないのかという仮説、『光量子仮説』を立てます。
この仮説の詳しい説明については、私のように本格的に勉強していない人間が、音声のみで伝えることは無理なので、興味を持たれた方は、ご自身で調べてみてください。

私が理解している範囲で、簡単に説明すると、光の粒である光量子が持つエネルギー量は振動数によって決まって、振動数が増えるほどにエネルギーが多くなるという仮説です。
光をこのように仮定すると、先程の光電効果の実験結果に矛盾がなくなるんです。

光の粒が持つエネルギーは振動数によって決まるので、振動数が少ない光量子はエネルギーが少なく、金属にぶつかったとしてもエネルギー不足から電子をはじき出すことは出来ませんが…
振動数が高くなればなるほど、光量子のエネルギーは大きくなるので、同じように金属にぶつかった場合、金属のエネルギーに応じて電子が飛び出す具合も変わります。

振幅が強い強い光は、単純に、光量子の量が増えるという様に置き換えてしまえば、沢山の光量子がぶつかるために電子の飛び出す量は変わるけれども、電子が飛び出す際の勢いは光量子のエネルギー…
つまり、光量子のもつ振動数によって決まるために、強い光を金属に当てた場合は、飛び出す電子の量は増えるが、飛び出す勢いは変わらないという事になります。
(つづく)
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