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【本の紹介】 「量子論」を楽しむ本

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今回紹介する本は『「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! 』です。


購入したキッカケ

この本を購入したキッカケとしましては、私は趣味で、哲学や思想を取り扱うPodcastをやってまして、その原稿を書いている中で、量子論の内容を簡単に知りたいと思ったからです。
ちなみに、私がやっているPodcastはこちら
goo.gl
youtubeチャンネルも有るので、興味の有る方はチャンネル登録して観てみてくださいね。
www.youtube.com

読んだ感想

量子論と聞くと、『理解するのが、もの凄く難しい』とか『理系の人じゃないとついていけなさそう…』という印象を持つと思いますが…
この本は、理系や文系の区別がない様な高校出身で高卒の私でも最後まで読み切れる様に書かれている、分かりやすい本でした。

では、私はこの本を読んで、量子論を理解できたのかというと…
結論からいうと、全く理解は出来ていません。
『最初に言ったことと矛盾しない?』と思われる方も多いでしょうが、この本は、量子論というものを使って、世の中は思っているよりも複雑ですよというのを表現しているような本なので、この本を読んで『世の中って分からないことだらけで、不思議』と思えれば、それだけで、この本は役割を果たしているのだと思います。

それに、量子論という分野は、専門の学者でもよく分かってない分野なので、素人が簡単に『わかった!』なんて言えるものでも無かったりします。
その事について、分かりやすく丁寧に説明しているといった感じでしょうか。

とはいっても、現状で分かっている事や、有力な仮説などはわかり易い言葉を使って説明してあるので、読んで知識が増えないというわけではありません。
また、有力な仮説は、議論が分かれている部分について説明する際には、数式などは使わずに、出来るだけ言葉を使って、誰にでも分かりやすく説明されているので、数式アレルギーの人にも読みやすく書かれています。

量子論とは何なのか

量子論とは何なのかという事を、簡単に説明すると、ミクロの世界で起こっている事を解明していこうという分野の事です。
この世にある全てのもの、あらゆる大きさのものも、元を辿ればミクロの世界に辿り着きます。
どんな大きさの物質であったとしても、最小単位のモノの集合に過ぎないので、ミクロの世界を解き明かせれば、真理がえられるかも?といった感じの学問という捉え方で良いと思います。

ちなみに、この量子論を、数学的に解き明かそうとし、難しい計算式などで表そうとしているのが、『量子力学』と呼ばれるモノのようです。

光は粒子なのか波なのか

この量子論ですが、発表された時期がアインシュタイン相対性理論と同じ様な時期で、なおかつ、相対性理論と相容れないところがある為、アインシュタインからかなりの批判を受けていることでも有名な理論のようです。
そして、発表された時期が被るだけでなく、この理論が生まれた経緯も、どことなく相対性理論と似ていたりします。

相対性理論は、光の観察から始まったようですが、この量子論も、光の観察から始まっているようです。
光といえば、私達は毎日にように目にしてしますし、光がないと物が見えない為、かなり重要なものなのですが、その光そのものが何なのかという事については、分かっていなかったようなんです。

そして調べた結果…光は、粒子という証拠と波という証拠が出てきたんです。
アインシュタイン相対性理論が、光速度不変の原理に辻褄を合わせるように、空間と時間の解釈を買えたのと同じ様に、量子論では、光は『粒子』であり『波』であるという前提に立って作られた理論のようです。

今までの常識を覆す量子論

一つのものが『粒子』という物質であり、尚且『波』であるというのは、従来の常識では受け入れられないものだったようです。
というか、今でも、完全に受け入れられているかどうか…といった感じで、反論している人もかなり居る解釈だったりします。

何故、『粒子』と『波』の性質を併せ持つことが受け入れられないのかは、考えてみれば解ります。
例えば、ライヴ会場のステージに自分が立って、観客席の沢山の人達に向かって、野球ボールを投げた場合、そのボールを受け取るのは1人です。
この野球ボールというのは、1つの粒である為、粒子と考えると、粒子1つを投げると受け取れるのは1人という事になります。

その一方で、ステージの上にスピーカーを用意して、そのスピーカーから音を出すとします。
音は空気の振動、つまりは『波』ですが、その波を受け取るのは1人だけでしょうか? そんなことはなく観客席全員が音の『波』を聞くことが出来ます。

粒子は特定の位置に存在するものですが、波は、広い範囲に同時に存在できるわけですが…
その相反する特性を同時に持っているというのは、人間が持つ想像力では、なかなかイメージできません。
しかし、それが観測されて『事実』だったりするんです。

物質は確率の波

先程、光は『粒子』であり『波』であると書きましたが、話はこれだけでは終わりません。
光という、もともとが『波』と思われていたものに『粒子』の性質が見つかったという事で、その逆も研究も進み、物質と思われていたものにも、『波』の性質が見つかることになります。
しかも、その波は、確率的な波という、更に意味不明なものだという事が分かってきました。

更に重要なのが、ここでいう確率とは、計算上の仮の確率ではないという事です。
例えば、中が見えないコップの中にサイコロを入れて、少し振った後に地面に蓋をするようにして置いたとします。
この際に、中のサイコロの目は、確認できないだけで、実際には確定しているはずですよね? でも、確認できないから、6分の1という確率で答えているだけで、現実の世界では、出目は確定しているというのが、常識です。

しかし、量子論で出てくる確率の波の『確率』は、物質を観測して初めて確定するというもので、観測するまでは、確定したものは無いという、意味不明なものだったりします。
この『確率』という考え方をアインシュタインは批判し、『神はサイコロ遊びを好まない』という有名な言葉を残した程です。

また、この『確率』を掘り下げた上で、素直に解釈すると、多世界解釈、つまり、パラレルワールドが実際にあるという理論にまでつながるらしく、『現実は小説よりも奇なり』と本気で思わせてくれますね。

量子論は机上の空論?

簡単に説明しただけなので、『粒子』と『波』の両方を併せ持つという観測結果が出たから、つじつまを合わせた机上の空論でしょ?と思われる方も多いかもしれませんが…
この量子論を研究した結果、半導体を作ることに成功したようなんですよね。

半導体といえば、PCやスマホに絶対に入っている素材なので、このブログ読む為には必要不可欠といって良い物なのですが、そんな実用的なものが、量子論の理論の延長線上にある為、机上の空論でもなかったりします。

今回は、ほんの紹介という事で、本の一部だけを紹介しましたので、これを読んで興味が有る方は是非、購入して読んでみては如何でしょうか。