だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【Netflix動画紹介】 アグレッシブ烈子

今回の投稿は、3日ほど前からNetflixで配信が始まったNetflixオリジナルアニメ『アグレッシブ烈子』の紹介です。
この作品を知ったのは、私がNetflixで登録しているメールアドレス宛に対して、紹介メールが届いたからです。

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キャラクターの可愛らしさとタイトルのギャップに興味がそそられ、内容などは全く知らない状態で観始めたところ、あまりの面白さに2日程で最終回まで観てしまいました。
可能であれば、この作品を見たもの同士で集まって、面白さを誰かと共有したいところなのですが…
私の周りには、この作品を観た人がいない上に、リアルな知り合いではNetflixに入っている人もほぼ居ない為、その欲求を果たす為、ブログに投稿しようと思ったのが、今回のエントリーです。

先程の画像を見て、キャラクターに詳しい方の中には、もしかしたら『ピン!』ときた方もいらっしゃるかも知れませんが、このアニメは、サンリオが創ったキャラクターをアニメにした作品です。

サンリオといえば、私が社会人になって株式投資をはじめた20年ほど前は、サンリオの社長が株式投資にハマっていて、利益の殆どを株式相場に突っ込んだ結果、利益の変動が株式相場に連動するようになり、当然、株価も日経平均と連動。
結果、『投資信託とか買わなくても、サンリオの株買っとけばいいじゃん』と言われていた。
そんな経営方針も、リーマンショックで大損こいて、持ち株を大底でぶん投げてからは変化し、キャラクター一本で地道に頑張ってきた。そんな印象の会社です。
ティーさんが仕事を選ばないようになったのも、経営方針が変わってからの様な気がします。

こういう事が影響しているのかしていないのかは分かりませんが、最近のサンリオキャラクターって、単純に可愛らしさを前面に押し出してグッツを売るだけのキャラクターだけではなく、最近では、かなり攻めたキャラクターも登場し始めていますよね。
やる気ない感じのシュールなキャラの『ぐでたま』など、どこの層に向けて創ってるのかわからないけれども、何となく全年齢層に受けているキャラなども登場しています。

今回紹介する『アグレッシブ烈子』も、そんな尖ったキャラクターの一つです。

簡単に世界観を紹介すると、『アグレッシブ烈子』は、動物が人間のように生活している世界観の物語です。
ディズニーのズートピア的な世界観といえば良いんでしょうかね。

主人公の列子は、25歳独身の女性で、社畜
『NO!』と言えない典型的な日本人で、どんな無理を言われても、顔の筋肉だけで作り笑いをして引き受けてしまう。
服屋に入って接客してもらうと、『何も買わ無いと悪いしなぁ』と思い、特に必要のない3足1000円の靴下を買ってしまうような性格の女子。
満員電車に揺られながら通勤し、お局様にいびられて、部長からパワハラされ、日々ストレスMAXの生活を送っている列子の日常生活の話です。

可愛いデザインのサンリオキャラクターなのに、ストーリーはストレスMAX。
では、ストレスの原因になっている対象を取り除いたり、列子が行動を起こして『ぎゃふん!』と言わせたりする、水戸黄門的な話なのかというと、そんなこともない。
烈子は毎度のように、同じストレスに晒されて追い詰められているし、その状況をなんとかしてくれるヒーローが登場するわけでもない。

では、そんなストレスMAXの話の何が面白いのかというと、烈子のストレス発散方法です。
烈子はストレスがMAXになると…
一人カラオケで、激しいギターにのせてデスボイスで歌を歌うことでストレスを発散するんです!




このギャップがかなり面白い!
特定の曲を歌うというのではなく、ストレスの原因になった出来事について、烈子の心情をそのままストレートに歌詞に乗せて即興で歌うというスタイル。

単純に、一人でカラオケに行ってストレス発散しているだけなのですが、列子デスボイスで喚き散らしているところを観ると、何故か、視聴者側のストレスまで発散されてしまう。
その傾向は回を進めるごとに強くなっていき、最後の方では、『烈子、頑張り過ぎだよ! 早く歌って!!』っという気持ちになってくるから不思議です。

こんな感じの番組なので、視聴者に感情移入をさせる事が重要なのですが、その為に用意された脇役たちというのも、かなり魅力的。
『こういう人、居るよね』って感じのキャラクターが大集合しているのですが、そのキャラクターの作り込みがかなり凄く、番組では流されていない各キャラクターの私生活や、バックボーンまで見えてくるレベルです。

例えば、角田というキャラクターは、女子力を高めることにステータスを全振りしている様なキャラクターで、烈子の宿敵であるパワハラ上司に対しても、女子力を惜しむこと無く使い、お世辞を言いまくり、うまく立ち回るタイプの女子。
インスタなどのSNSも自分をプロデュースする感じで計算して使っているわけですが、そんな行動をしていると当然、女子からは嫌われるわけです。
ただ、この角田というキャラは、自分が女子から嫌われている事を自覚した上で、信念を持って、そのキャラクターを貫き通していたりするんですよね。
また、嫌われているからと、女子に対して諦めの態度で接するわけでもなく、社会人として建前で和やかな雰囲気を装うというスキルまで持っています。

このキャラと仲が悪いのが、フェネ子というキャラ。
人間観察を得意とし、ネットなどの情報を駆使して推理をし、相手がどんな人間なのかをプロファイルしてしまう癖を持つ、烈子の同僚です。
烈子と同じ部署ということで労働環境が同じな上、烈子の人の良さや不器用なところをプロファイルして知っている為、基本的には烈子の味方で良い相談相手というポジションなんですが、女の武器を使いまくる角田の様な女は嫌いというスタンス。

こんな感じで、烈子を取り囲む人間関係も妙にリアルで、一度観始めてしまうと、その世界観にはまり込んでしまうんですよね。
他のドラマでいうなら、ゲーム・オブ・スローンズみたいな感じでしょうか。

多くの人は、烈子に感情移入をするとは思うんですが、それ以外に、自分の好きなキャラとか感情移入しやすいキャラクターが見つけ、そこに自分を投影して、つい、応援してしまうような番組です。
一回あたり16分で、10話しか無い為、映画1本分ぐらいの時間で気軽に見れてしまうので、Netflixに入っている方は、是非、観てみては如何でしょうか。

漫画村に対するアクセス制限について思う事

先日の事ですが、WBSという番組で『漫画村』という違法サイトについてのニュースが取り上げられていました。
漫画村とは、私自身は利用したことがないので詳しい事はわからないのですが、無料で漫画が読めるサイトの事です。

無料で漫画をアップロードするというのは完全に違法なのですが、何故、問題になりながらも運営できていたのかというと、サーバーが日本の法律の及ばない海外にあるからだそうです。
一番の問題としては著作権違反なのでしょうが、海外にサーバーがあるけれども、サイトの作りとしては日本人をターゲットにしているという所が問題をややこしくしているようで、法律的には取り締まることが出来ない。
国民全てに『漫画村は違法だから、アクセスしないように!』なんて言ったところで改善もしないでしょうし、何なら、そのアナウンスで『漫画村』というサイトが認知されてしまって、悪影響も出かねない。
この様な状態のため、対策としては、ISPに働きかけて、そもそもアクセスできないようにしてくれと圧力をかけるしか無い状態になっているという話でした。

ただ、この対処療法にも問題が。
それは、IPSが国の要請を受けて特定のサイトをブロックするのは、憲法違反じゃないのかという問題です。

国民には知る権利というのがありますし、また、国が『見て良いサイト』と『見てはいけないサイト』を選別するという行為は、ネトウヨが批判しまくっている中国の政策と同じですよね。
今現在は、漫画村の様な違法サイトのみに適用という事になってますが、一つの例外を許すと、ダムが決壊するように『あれも!これも!』となるのは、今までの日本を見ていたら火を見るよりも明らか。
その為、ISP側が政府に対して抵抗しているという動きもあるようです

このニュースを観た私の印象としては、『もっとスマートな方法があるんじゃない?』という事。
その方法とは、公式が漫画村の様なサービスを運営すれば良いという事です。

この漫画村問題って、今に始まったことではなく、昔っからある問題ですよね。
昔でいえば、win MX や winny が全盛期だった頃は、映画やアニメ、音楽など、ネットに存在するありとあらゆる作品がファイル交換されていた時期がありましたよね。
その他にも、音楽に特化したサイトなどもあり、当時も、著作権などが問題視されていました。

しかし現在はどうでしょう。
音楽や映画の違法ダウンロードは、かなり減っているのではないでしょうか。
その理由としては、国が率先して著作権違反を捕まえたというよりも、定額サービスの定着が大きいと思います。

例えば、音楽の違法サイトで、自分が欲しい音楽を必死になって探して、ダウンロードする。
ダウンロード後は、その中にウイルスが仕込まれてないかを調べて、不安ながらも使う…
こんな面倒くさいことをするぐらいなら、AmazonApplegoogleが提供している音楽聴き放題サービスを使うほうが良い。

映画や動画にも同じことが言えて、画質がどの程度かも分からず、タイトル詐欺ではなく内容もしっかりしたものを探し、逮捕のリスクを考えながらも何時間もかけてダウンロードするなんてのは、今になっては馬鹿らしい話。
AmazonプライムNetflixに入って、観たい動画を選択して観るほうが、遥かにストレスも少なくて楽。

音楽や映画は、定額ストリーミング配信によって、違法サイトは駆逐されたと言っても良い状態になっています。
これと同じことを、日本の出版社が漫画で行えば良い。
各出版社が手を結んで、利益を分け合えるプラットフォームを作り出せば良いんです。

これは既に、雑誌分野では行っていますよね。
dマガジンというサービスでは、月額400円程度で200ぐらいの雑誌が読み放題。バックナンバーも1年程残っているので、遡って読むことも可能。
もはや、情報を手に入れたいだけであれば、雑誌は買わなくても良い時代に入っています

それを、漫画でやってしまえば良い。
そうする事で、さらなる市場拡大も目指せると思うんですよね。

というのも、私は昔、自分の小遣いの大半を漫画に注ぎ込んでいた時期がありました。
最終的には所有数が数千冊にまでなり、読みたいし買いたいけれども、置き場所に困った結果、買わない。どうしても買いたい場合は、あまり読んでないのを中古で売ってスペースを開けるというのを行っていました。
また学生時代などは、小遣いも多い方ではなかった為、古本屋で買うというのも頻繁に行っていました。

でも、定額読み放題サービスの場合はどうでしょう。
これらのサービスは電子書籍として提供される為、漫画の置き場が無くなるなんて事はありません。
また、金のない人が中古で買って中古として売るというサイクルを行う事で、作者や出版社にお金が入らないというケースも防げます。

その他には、Netflixの場合は英語音声や字幕を選択可能な為、動画配信サービスを使って英語を覚えるなんて使い方も一部でされていますが、漫画の読み放題サービスを世界展開して、セリフの文字を選択式にする事で、英語教材としても使われるかも知れません。
そうなると、今までは漫画を読まない層まで取り込むことが出来る為、市場拡大になりそうな気がするんですよね。

ただ、このサービスが本格化すると、潰れる印刷業者も今までの比ではないでしょうし、漫画の印刷を回すことでキックバックを貰っていた担当なんてのが居た場合は、旨味もなくなるんでしょうけれども。

ですが、出版社が従来の構造を残そう何もしなければ、この状態は維持できるのかというと、そうでもないと思うんですよね。
NetflixApple Musicのように、海外の企業が目をつけて、先にやることで日本が後手に回ってしまう可能性の方が高いんじゃないでしょうか。
具体的には、Amazonとか。

Amazonは、既にUnlimitedという定額読み放題サービスを始めてますし、個人で出版できるシステムも提供しています。
ツイッターを観ると、現状の出版社に対して不満を持つクリエイターも結構いて、そういう人達の受け皿がAmazonになりつつ有るので、時間が立てば経つほど、Amazonには有利な状況になって行くような気がするんですよね。

そうなる前に、出版社は今あるコンテンツを武器に、サービスを先に始めるべきだと思うんですよね。
仮に月額500円でサービスを始めたとして、全世界で会員が1億人集まれば、毎月の売り上げが500億になるんですよ。
1年間で6000億円!
2016年のコミック市場の規模は、電子と紙を合わせても5000億に届かない…
公益社団法人 全国出版協会

また、このサービスに完全移行した場合は、今までかかっていた紙代や本屋までの配送料なども省けるので、これは単純に、売上が1000億伸びる以上のリターンがある様に思えるんですけどね。

【海外ドラマ紹介】ゲーム・オブ・スローンズ (Game of Thrones)

今回紹介するのは、既に世界中で大人気になっていて、紹介するには、かなり今更感のある海外ドラマ
ゲーム・オブ・スローンズ】(Game of Thrones)です。

何故、こんな有名なタイトルを今更ながら紹介するのかというと、単純に、私が最近になって観たからです。
何年も前から始まってるドラマなので、既に観ている方からは情弱と言われそうですが、私のように最近になって観始めたって人は、かなり多いと覆います。
というのも、今までは動画の定額サービスでゲーム・オブ・スローンズを観ようと思うと、huluに加入しなければならなかったのですが、最近になってから(2018年になってから?)、Amazonプライム会員向けのサービスであるプライム動画でも視聴が可能になったからなんです。

色んな所で『ゲーム・オブ・スローンズは凄い!』という話を既に聴き、前から興味を持っていたので、ゆっくり見れる時期になって観始めたのが、最近というわけです。
実際に見た感想としては、小学生並みの感想になってしまいますが、『凄い!』としかいえない作品です。

ネタバレを嫌う人は、この投稿すら観ずに今すぐ観て欲しいのですが、少しは情報が欲しいという方の為に簡単な作品の紹介をすると、ヨーロッパの中世を舞台にした物語。
物語中には7つの国があり、7人の王がそれぞれの国を収めているのですが、その7人は1人の王に忠誠を誓っています。
この7王国を統べる王が座るのが、敵兵の剣を集めて溶かし、固めてつくった鉄の玉座

物語は、この鉄の玉座を狙う人物が現れることによる内乱。
北から迫る、驚異。 国を追われた、前王族の物語の3つが同時進行していく事で進んでいきます。

これだけを聴いてもピンとこない方の為に、この物語が始まる前の話を少ししていこうと思います。
繰り返すようですが、情報を一切入れずに観たいという方は、この投稿を読まずに今すぐ観てください。


この物語が始まる前の七王国は、ドラゴンの末裔と呼ばれるターガリエン家が鉄の玉座に座って国を治めていました。
何故、ドラゴンの末裔と呼ばれているのかというと、その昔、難攻不落の要塞と言われたキングスランディングという王が住む城を、使役したドラゴンで空から攻め落としたという伝説があるからです。
その後、数百年にわたってターガリエン家は鉄の玉座に座り続けたのですが、狂王と呼ばれたエイリス=ターガリエンが、徹底した恐怖政治を行った結果、謀反を起こされます。

キングスガードを勤めていたラニスター家のジェイミーが、忠誠を誓ったはずの王を殺し、バラシオン家とスターク家が手を結んで兵を出してターガリエン家と交戦。
その結果、ターガリエンは子供2人を残して滅亡し、残った子供は海を渡って別大陸に逃れます。
そして鉄の玉座にはバラシオン家のロバートが座り、共に戦ったエダート=スタークは、『王の手』と呼ばれる最高レベルの役職についた。

ここまでが、物語が始まるまでの話。
実際のドラマは、このロバート王が治めている束の間の平和から始まります。

束の間のというのは、平和なように見えて、実は水面下で物凄い権力争いが起こっていて、ドラマは、それが浮き彫りになったところから始まるからです。
これだけ聞くと、『権力者同士の権力争いの話?』と思われるでしょう。 まぁ、簡単に説明するとそれだけの話しなのですが…

この作品の凄いところは、この権力争いを物凄いスケールでやってのけているところ。
それなりの役割を持った人間の数だけでみても、100人を超えるというスケールです。

考えてみれば当然で、七王国という事は、最低でも7人の王が存在するわけで、その王には妻や子供がいる為、それだけでも30人を超える人数となります。
この他に、その王に仕えている従士や兵を率いている騎士が存在しているので、登場キャラクターは、かなりの数になってしまうわけです。
そしてそれらのキャラクターが、自分の信念や欲望にしたがって、それぞれの行動を取る為、単純な一本道のストーリーではなく、ストーリー自体が次々に派生していきます。

この様な感じで進んでいくため、このドラマは1話あたり1時間の放送なのですが、1時間の話の中に4~5の別々の話が同時進行で進んでいくという作りになっています。
例えば、ロバート王周辺の話をした後、全く違った話としてスターク家の話が入り、場所を大きく変えて、ターガリエン家の生き残りの2人の子供の話が入るという感じ。
分岐した話は1シーズンで決着が付くこともあるのですが、そのシーズン内で頭角を現したキャラクターが別の物語を始めたりもするので、常に4~5パートぐらいに分けられた放送が続くというスタイル。

この為、正直な話をすると、第1シーズンは意味がよく分かりません。

というのも、この物語をキッチリと把握する上では、登場する人物の家がかなり重要になってきます。
『この人物は、ラニスター家の次男。』『この人物は、スターク家の落とし子(不倫関係で正妻意外との間で生まれた子)』といった具合に、それぞれの家の家系図が頭に入っていなければ、登場人物の立ち位置も関係性も理解するのが難しいのです。

これがもし、日本のドラマであったなら、新キャラが登場する度に、『おお! お前は◯◯家の長男で、剣の腕前も凄く、父親から一番の期待を受けている◯◯じゃないか!』と、その登場人物のバックボーンを丁寧に解説してくれるんでしょうが…
このドラマは、良くも悪くも海外ドラマで、それなりのリアリティーを追求している為、その様な『その場にいない人間』に向かって懇切丁寧に解りやすく解説してくれるなんてことはしてくれません。
何なら、私が先程書いた前日譚の説明もありません。 各種様キャラクターが話すセリフをつなぎ合わせると、そんな前日譚があったんだろうなというのが分かる程度しか表現されていません。

その為、第1シーズンの第1話は、何の情報もないままに物語の世界に放り出される事になります。

ただ、この作品が凄いのが、そんな情報不足で手探りで観なければならない状態にも関わらず、ついつい、次のエピソード、次のエピソード…と観させる魅力を持っている事です。
そして、一通り観終わった後『家系図が頭に入った状態で、もう一回見直そう!』と思わせるところです。

今現在は7シーズンまで放映されていて、1シーズンあたり10エピソードなので、全て観ようと思うと70時間。
2周目に突入すると140時間も掛かる計算になりますが、それだけの時間を使ってでも『観て良かった』と思える作品は、そうそう無いと思います。
Amazonプライムに入っている人ならシーズン6まで。 huluに加入している人ならシーズン7まで追加料金無しで見ることが出来るので、興味がある方はぜひ、みてみては如何でしょうか。

【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿 】第27回【ヒッピー】ティモシー・リアリー(3) ~メリープランクターズ

この投稿は、私が配信している Podcast番組『だぶるばいせっぷす』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。
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youtubeでも音声を公開しています。興味の有る方は、チャンネル登録お願い致します。
www.youtube.com

第20回と21回で、ヒッピー・ムーブメントがどの様にして起こったのかという簡単な説明をし、22回と23回で、その運動に大きな影響を与えた幻覚剤、LSDについて、開発の経緯や使われ方について説明しました。
そして前回の、25回からは、このムーブメントの中心的な人物であるティモシー・リアリーに焦点を当てて、より詳しく、この出来事を追っていっています。そして今回からも、その続きとなるんですが

その前に、当たり前の事では有るんですけれども、一応注意点として言っておきますと、ヒッピーを取り扱う回では、LSDなどの幻覚剤を始めとした禁止薬物が、頻繁に登場することになります。
それも、ネガティブな取り扱い方だけではなく、人間の可能性を伸ばすといった感じの取り上げ方をしますが、あくまでも、当時、そのように捉えられて研究されていたという解説をしているだけで
現在、使用することを推奨しているわけではありません。 現在は禁止薬物になっているものが大半なので、使用は行わないようにしてください。

という事で、本題なんですが、その前に前回の放送を簡単に振り返ろうと思います。
前回は、ティモシー・リアリーという人物がハーバードに就職してから、退職するまでの流れを見ていきました。
心理学者として有能だったリアリーが、幻覚キノコに魅せられて、その成分のシロシビンの研究を始めます。
そして、シロシビンによる幻覚の世界を研究していく中で、オルダス・ハクスリーが書いた『知覚の扉』を知ることになり、ここからビート・ジェネレーションの有名人たちと知り合っていくことになります。

リアリーは研究の過程で、古代のシャーマニズムとの関連性などにも注目し、グッドトリップを誘発しやすくする為の一連の儀式であるセッションなども開発したりします。
そして、トリップによる神秘体験が、人の精神にどのような影響をあたえるのかと行った研究を始め、実際に刑務所の受刑者にトリップ体験をさせて、再犯率にどのような影響があるのかを調べたりします。
そんなリアリーは、適正分量の100倍のLSDを飲んでぶっ飛んで悟りを開いた科学者、マイケル・ホリングズヘッドと出会い、彼からLSDを薦められます。

リアリーのLSD初体験ですが、これがかなり凄いものだったらしく、その体験によって価値観が塗り替えられたリアリーは、シロシビンからLSDに研究対象の軸足を移していくことになります。
ただ、リアリーのLSD研究は、多くの人に幻覚剤を投与して神秘体験をさせようとしていたのに対し、政府や大学はLSDをあまり公の場に出したくなかったようで、双方の思惑の違いから、リアリーは大学をやめることになります。
大学を辞めた後も、リアリーは独自で研究を続行する事にし、研究費用を稼ぐために、IFIFという組織を立ち上げます。

この組織は会員制の組織で、リアリー達の研究レポートを読みたいのであれば、会費を支払って会員になってくださいという感じで、資金集めを行っていたようです。
また、リアリーがこれまでに積み重ねてきた研究によって、一連の儀式を行うことでグッドトリップを誘発できるということがわかってきたので、そのグッドトリップを誘発するセッションが体験出来る施設も作っていたようです。
この活動ですが、CIAから目をつけられていたリアリーは、アメリカではなく、メキシコを中心に活動していたようですね。メキシコは、今でも麻薬製造や密売の話をよく聞く地域なので、活動しやすいと考えたのかもしれませんが活動がし易かったのかといえば、そうでもなかったようですね。
CAIからの妨害工作などがあって、国外追放を受けるなどして、いろんな地域を転々としていたようです。

活動は困難を極めたのですが、この活動を通して、リアリーはビリー・ヒッチコックという人物と出会うことになります。
ここまでが、前回までの簡単な振り返りですね。

今回は、この続きから話していきます。
リアリーを通してLSDの研究に興味をもったヒッチコックは、ニューヨークのミルブルックにある別荘を、リアリー達に貸し与える事を提案します。
拠点を置いては追放されるというのに疲れてきたんでしょうかね。 リアリーはこの話を受け入れて、今度はバレないように派手な活動はせずに、ひっそりと研究を行います。

リアリーがハーバードを去ったのが1962年なんですが、ミルブルックに移り住んだのが翌年の63年9月なんで、この1年ちょっとの間に、国を跨いで拠点を転々と変えていっているので、
かなりスピーディーというか、慌ただしい感じで活動をしている印象ですね。
そして、拠点を移したのを機に、組織の名前もIFIFから『カスタリア協会』に変更していますね。協会の字は、キリスト教などが作っている教える会という字ではなく、協力する会と書いて協会ですね。

活動内容としては、主にLSDによるトリップで、その体験を書き記すと言った事がメインになるようです。
LSDトリップというのは、トリップ中は全宇宙と一体になって、この世の真理が分かったような気になれるんですが、トリップが切れると、その感覚が無くなってしまうそうなんですね。
私は違法薬物を使った経験がないので、この感覚はわからないんですが、他の感覚に例えると、スポーツなどで反復練習をしている最中に、ゾーンに入る時がありますよね。
体の動かし方が理解できて、イメージ通りに道具が扱えて、思い描いている通りの結果が出せる瞬間の事なんですが、あの状態も、普通の状態ではないという意味では変性意識状態なんだと思うんです。

ゾーンに入っている状態では、何もかもがわかったような気になるんですが、その状態はそんなに長く続くものではないので、直ぐに通常の状態に戻ります。そうすると、さっきまでわかったような気になってた事が思い出せない状態になるんですね。
例えば、ゴルフの練習なんかをしている人は、何十回にもわたって開眼して打ち方がわかったと錯覚するけど、次の日になると分からなくなってるなんて事が結構あったりします。
LSDのトリップも、その様な感じで、トリップ中の悟った状態というのは、トリップが覚めると分からなくなってしまうようなんですね。

その貴重な体験を書き記したり、通常の意識状態の時に、トリップ中の記憶を思い出しながら皆とディスカッションをしたり、神秘体験その物を確実に体験できるような儀式の研究を行っていたようです。

この2ヶ月後、つまり、リアリーが拠点を移してから2ヶ月後の63年の11月22日に、ケネディー大統領が暗殺され、同じ日に、オルダス・ハクスリーが亡くなります。
オルダス・ハクスリーという人物は、前回にも登場しましたが、ティモシー・リアリーが幻覚剤の研究に打ち込むキッカケとなった『知覚の扉』という本を書いた人物ですね。
この人物と知り合うことになって、ビート・ジェネレーションの巨匠たちとの人脈も出来て、活発な意見交換の後にリアリーの方向性が決定するので、ある意味、出発点とも呼べる人物の死ともいえます。
オルダス・ハクスリー自身も有名人だんですが、大統領が暗殺されるという衝撃的な日に無くなったので、メディアの扱いなどは、ほぼ無かったそうですね。

この、オルダス・ハクスリーですが、危篤状態になったさいにはリアリーを呼んで、LSDのセッションをして欲しいと頼んだそうです。
その際にリアリーは、セッションの方法をハクスリーの奥さんに伝えて、奥さんにセッションをする事を頼んだそうです。
これは、リアリーが死に際に立ち会いたくないから奥さんに頼んだというよりも、人生の最後は、一番信頼できる伴侶と一緒に居るほうがリラックスできて、最高のトリップが出来ると思ったからなんでしょうね。

そして翌年の1964年、ケン・キージーという人物が、リアリーのもとに訪れます。
このケン・キージーという人物は小説家で、自身ががLSDでトリップした際に体験したヴィジョンを元に書いた小説『カッコウの巣の上で』が大ヒットしたことでも有名な人物です。
この人物もLSDの魅力に見せられて、陽気なならず者達という意味を持つ『メリープランクターズ』というコミューンを作り、その中でアシッドテストと呼ばれる会を開いていたそうです。

このアシッドテストは、音楽に身を委ねながらLSDセッションをするというのが、その内容だったようなんですが、この時に演奏をしていたバンドが、グレイトフル・デッドというバンドです。
また、メリープランクターズはアシッドテストだけではなく、コミューンのみんなでバスに乗り込んで、全国を回っていたそうですね。
このファーザーと名付けられたバスには、サウンドスピーカーやら照明機器が積まれ、ボディー前身に虹色の絵の具でサイケデリックアートが施してあって、この時代の一種の象徴のような感じでも扱われていたりします。
画像なども残っているので、興味が有る方は是非、調べてみてください。

後の1967年には、ビートルズがこの活動の影響を受けて、マジカル・ミステリー・ツアーというのを行い、そのツアー内容を映像としてとっておき、映画として公開することになります。
この、アシッドテストを行っいつつツアーをしていたケン・キージーとリアリーはウマが合ったらしく、リアリーはケン・キージーから影響を受けて、メンバーにも視野を広げる為に世界旅行を薦めて、自身も出かけていったようです。
この旅行で、リアリーはインドにも足を運んでいます。

リアリーの研究内容は、前にも少し触れましたが、幻覚剤による神秘体験を最重要視するんですね。
そして、神秘体験を研究していくにつれ、古代のシャーマニズムや東洋哲学思想などにも興味を惹かれていくんですよ。
東洋哲学思想の出発点といえば、インド哲学ですよね。 中国の仏教や、そこから派生していった孔子などの思想も、
元々はインド哲学や、そのカウンターであるブッダの主張を元にして作られているので、あらゆる意味のルーツとして、行っておかなければならなかったんでしょうね。

そして、これは私の憶測なんですけれども、インドに自分探しに行くといった若者が増えだしたのも、この辺りからなんだと思います。
ティモシー・リアリーは、ヒッピーの思想をちゃんと理解している人にとっては、かなり有名な人物でしたし、この方の主張にも耳を傾ける人は多かったんですね。
一部では、サイケデリックの高僧とまで言われて尊敬を集めていた人物が行った行動なので、これに影響を受けてインドに足を運んだ人も結構いたと思うんですよね。

というのもリアリーの研究内容も、そっちよりなんですよね。そっちよりと言うのは、かなり抽象的な言い方なんですが、具体的な話でいうと、研究の一環として『チベット死者の書』の翻訳本を出したりもしています。
この本ですが、資料によって1962年に出したというものと64年に出たというものが有るので、正確な時期というのは私はわからないんですが、とりあえず、このあたりに出してます。
なぜ、チベットの古代に書かれた本の翻訳本なんかを出版しようと思ったのかというと、昔に書かれた神秘的な出来事というのが、作り話ではなくて本当の出来事なんじゃないかという話になってきたからなんですね。

リアリーは幻覚剤の使用によって、神秘的な体験を実際に経験していました。その視点から古代のシャーマニズムを改めて研究し直すと、幻覚剤によるグッドトリップの誘導と古代に書かれた宗教的儀式との間に、関連性が見えてきたんでしょう。
古代というのは、現代以上に生存するには過酷な状態でしたし、単純に疲れから幻覚が見えるということも多かったでしょうし、現代人のように化学物質にさらされているわけでもないので、
自然に生えている植物に微量に含まれる物質でトリップしていた可能性もありますよね。
そういう人たちを、安らかな地へと誘導する方法として編み出されたのが、古代の一連の儀式だったんじゃないかということですよね。
そして自分の精神によって、トリップを行って見たいビジョンを見て、それが説明できる人間がシャーマンとして重宝されたという考え方ですね。

なので、リアリーはヨーガや瞑想を重要視しましたし、意識拡張によって得られる感覚を大切にしたんですよ。
簡単に言うと、幻覚剤と古代の宗教やそれにまつわる習慣を結びつようとしたんですね。
このリアリーの主張が、結構評判が良かったようで、瞑想やヨーガや禅の思想などは、ヒッピーの間たちでは結構受け入れられているんですよ。

例えば、ジョン・レノンのイマジンという曲がありますが、この曲も、古代のバラモン教の哲学やブッダの思想を理解した上で聞くと、印象が変わったり知るんですよ。
古代の東洋哲学は、この放送では第9回~19回ぐらいでやってますので、興味が有る方は聴いてみてください。
イマジンに込められたメッセージは、仏教になる前のブッダの主張に近い事で、自分と世界は同じものであって、その全てが無である事を主張する内容になっていたりします。

余談になりますが、テレンス・マッケナという人物は、リアリーの後継者的な位置づけとして見られているそうですが、この人物の専門も、科学をベースとしたオカルト的な分野になります。
この人物も、14歳の時にリアリーと同様に『知覚の扉』という本を読んで、神秘体験が薬物によってもたらされる可能性に衝撃を受けます。
その後は、勉強を重ねつつ成長して大学に入り、幻覚剤の研究に打ち込む事になって、LSDを含めた様々な薬物についての研究を行っていたそうです。
その中でも、ジメチルトリプタミン、DMTと呼ばれる物質は、脳の認識を変える事で、今、人間が住んでいる次元を飛び越えて、エイリアンが住む超空間にアクセスすることが出来ると考えていたようです。

この、別次元とのコンタクトや高次元の存在との対話というのは、ニューエイジの主張と基本的には同じですよね。
その後、大学を休学して、1968年にはネパールやアマゾンの熱帯雨林などの、現代の文化の外にいる人達に会いに行き、シャーマニズムについて学んでいったようです。
そらから3年ほど、シャーマニズムについて研究し、それまで自分が研究をしていた幻覚剤の研究と合わせて、71年には幻覚剤がシャーマニズムに重要な役割を果たしている事を確信するようにまでなります。

この頃には、マジックマッシュルームの栽培法についてまとめた本なども出版し、マジックマッシュルームのちょっとしたブームをアメリカで起こしたりもしています。
1980年頃になると、中国の易経を数字としてコンピューターに落とし込んで解明しようとしだして、独自のサイクル論などを展開します。
サイクル論というのは、一定の周期ごとに時代が移り変わっていくという考え方のことですね。

ニューエイジや、それに由来する占いなどの考え方では、2000年周期で時代が移り変わるという考え方がありますよね。
アクエリアスとも水瓶座の時代ともいったりしますが、その様な時代が2000年周期で訪れて、文明の発達などに影響を与えるという考え方ですね。
これを唱えている人物は、ニューエイジの重鎮とも交流があったようなので、相互に影響を与え合っていたのかもしれません。

これを聞かれている方の中には、何故、大学まで進学して、この様なオカルトや都市伝説を真剣に研究されているのか理解できない方も多いと思います。
エイリアンや別次元、パラレルワールドなんて、空想上のもので、現実的じゃないと思われている方も、少なからずいらっしゃるとは思うんですが…
言い方が難しいんですが、こういう理論は、未知の世界に興味があるほど嵌り込むんです。

例えば、量子力学という分野の学問が有ります。 最近では、量子コンピューターなんてものが、早ければ今年や、数年内に登場しだすかも?なんて言われていますが、
この量子力学では、世界は重なり合っている考えられていて、多世界解釈、つまり、パラレルワールドの存在が示されていたりもするんですね。
では、この量子力学は空想上の学問なのかというとそうではなく、現実の実験結果、例えば二重スリット実験などから導き出された、科学的にしっかりとした説だったりするんです。

知識が豊富な人達は、どの様にして知識を身に着けたのかというと、そういう人たちは自分が知らない事というのを認識していて、知らないことに対して真摯な態度で学ぼうとして、実際に行動するからなんですね。ソクラテスのいうところの無知の知ですね。
その為、あらゆる可能性を否定せずに、知らない分野については知識を吸収しようとし、解らない部分は真面目に考え抜くんです。
その一方で、そういう行動を取らない人というのは、自分が知らない分野に対しても、知ったかぶりで結論をだして、相手にもそれを押し付けようとします。
結果として、それ以上、知らない分野に対して考えることも学ぶこともしないので、前に進むことが無くなったりします。

まぁ、現状維持が悪いことなのかというと、そうとも限らないんですけどね。
例えば、オウム真理教事件に関わった幹部の人達は、結構、高学歴の人が集まっていたという話ですが、中途半端に頭が良いと、未知の分野であることを良い事に、相手が適当な事を行っていても、
真剣に聞いてしまうので、下手をすると相手に丸め込まれてしまうなんて事にもなってしまいますからね。

話がだいぶずれてしまったので、1964年の話に戻ると
この頃になると、ティモシー・リアリーの今までの活動や、ケン・キージーらのアシッドテストツアーによって、LSDのユーザーやヒッピー思想に惹かれた人たちを中心に、これらの考え方が若者の文化として浸透していくことになります。
この影響を受ける形で、若者たちが更に自分達の価値観を加えて、独自の考え方を持つようになり、似たような考え方の人たちが集まって、様々なコミューンが登場しだします。

結構時間が経ってきたので、その話はまた次回にしていこうと思います。

【ゲーム紹介】 Far Cry 5 (ファークライ5)

今回紹介するゲームは、FAR CRY5(ファークライ5)です。
簡単な作品紹介をすると、狂気の世界をテーマに、大自然の中で繰り広げられる戦いをテーマにしたオープンワールドFPSのシリーズ作品です。



      

今回は『5』という事ですが、このシリーズは基本的にストーリのつながりがないので、この記事を見て興味を持たれた方で前作をプレイしていないという方も、安心してプレイしていただけます。

私自身の、このシリーズのプレイ経験を書いておくと、前作の『4』をプレイした際に世界観やストーリーに惹かれ、それからは新作が出る度に(今作含めて2本ですが)購入しています。
共通している部分は、舞台が大自然というところと、ストーリーに登場する敵が狂った集団にみえる所でしょうかね。

まずは最初の大自然というところから説明すると、舞台は毎回、申し訳ない程度しか家が建っておらず、その他は森や草原が広がっているフィールドが舞台になっています。
かなり広いフィールドに、河や丘、山や穀倉地帯などが配置されています。
マップには、自然に作られた洞窟や絶景ポイントなどが点在し、時間を忘れて、現実逃避しながら探索することが可能です。

普通のFPSの場合は、この大自然の中に敵が配置されていて…という感じだと思いますが、ファークライシリーズの場合、敵の兵士が待ち受けていることも当然あるのですが、それ以上に野生動物に遭遇します。
野生動物は、鹿などのおとなしい動物も中にはいますが、大抵の動物は、熊や狼など、人間を襲う肉食獣だったりします。
この動物が、普通の兵士よりも体力が多めで打たれ強くなっている為、簡単に間合いを詰められて噛みつかれるなんて事も。
その為、このゲームでは、敵の兵士以上に、動物にも気を配る必要があったりもします。

ただ、この大自然に住む動物達ですが、出現した場合はプレイヤーだけに牙を剥くとは限らなかったりします。
動物にとっては、主人公も敵の兵士も同じ人間なので、当然、出現場所によっては敵の兵士にも襲いかかります。
また野生動物は、餌を撒くことでおびき寄せることも可能だったりするので、肉食動物という自然環境を味方にして攻略を進めることも可能だったりするところも、このゲームの魅力の一つだったりします。

次にストーリー。
先ほど紹介したように自然あふれる、アメリカのモンタナ州にあるホープカウンティという街に、エデンズ・ゲートという宗教団体が入り込み、住民の多くを取り込んで占領状態にしたところから物語が始まります。
教団は、幻覚剤のような薬品を使用して住民を洗脳することで、住民を熱狂的な信者に転向させ、人数を拡大しつつ、街を制圧している状態。
大きくなった教団は警察まで抱え込み、正にやりたい放題。
ですが、こんな状態に置かれても、教団に入信すること無く、抵抗する住民たちがレジスタンスとして立ち上がる。

情報統制や外部との通信が立たれたホープカウンティですが、レジスタンスが教団に潜入して動画を取り、それを大手動画サービスに投稿。
それによって事態を知った連邦保安官である主人公が、ホープカウンティを元に戻す為に、仲間と共に現地に派遣されたというのが、今回のストーリーです。

次に、既にファークライシリーズをプレイ済みの方に向けて、従来のシリーズと違う点を書いておきますと、今回は、塔の開放がありません。
今までのシリーズでは、各エリアに複数の塔が設置されていて、電波系のインフラを敵が制圧しているという前提があって、この塔を開放していくことで、敵の勢力を弱めたり詳細マップを知れたり…といった要素がありました。

しかし今回は、一番最初のチュートリアルを学ぶ島では塔を開放するというイベントがありますが、この塔に登っている最中に『何を考えているか分かるぞ。 塔を一つ一つ開放して行けなんて言わないから安心しろ』というセリフが無線を通して流れてきます。
今までのシリーズをプレイしていた方にとっては、思わず『ニヤッ』としてしまうセリフですが、この台詞の通り、今回は塔の開放によって詳細マップを開放していくという作業が無くなっています。
その代わりなのか、拠点を制圧すると、大抵の場所には周辺の詳細地図が置かれていて、それをとるとマップが更新される様に変更されています。

塔の開放といえば、毎回のようにパズルのように上がる場所を探しながら登らなければならなく、面倒くさかったわけですが、それが無くなっているというのは、ストレスが無くなって良いですね。
その一方で、パズルの様に進む場所を探しながら登るのが楽しかったという方にとっては、残念な変更かもしれませんが…

そういう方も楽しめるように、今回は別の要素が追加されています。それは、各地に点在する『プレッパーの宝』というクエスト。
このゲームでは、特別な情報をくれるキャラクターの頭の上には記号が付けられているのですが、ダイアのマークを付けたキャラクターに話しかける事で場所がわかり、その場所に置かれているメモを見ることで始まるクエストで、入るためにはパズル的な要素をクリアーする必要がある施設。
この施設に無事に入り込むことが出来ると、お金や弾丸、クラフト用素材が手に入る上に、キャラクターを強化する為のスキル、パークを開放するためのスキルポイントが3P貰えます。

今回のシステムでは、前回のように経験値を一定レベルまで貯めればスキル獲得が出来るという制度ではなく、チャレンジをクリアーしていかないとパークポイントが貰えない仕様なので、施設開放だけで3pはかなり助かります。
逆にいえば、パークを取らなくても大丈夫という人は開放しなくても良い施設なので、選択肢が与えられたという点では、良い方向に変わりましたね。

その他の変更点としては、今回は装備のクラフト要素がありません。
前回までは、追加ホルスターや爆薬などを入れるバッグは、動物を殺して手に入れた革を使ってクラフトする必要がありましたが、今回は、これらの装備はパークによって開放されます。
この為、装備製作の為に動物を探し続けなければならないという事がなくなり、ブラッド・スポーツが嫌いという人にも優しいゲームになっています。

気になるゲームの難易度ですが、普段からFPSをプレイしない人にも楽しんでもらえるようなのか、デフォルト設定の場合は結構簡単な設定となっています。
具体的には、エイムアシストがかなり強めの設定という感じ。

私もそうなのですが、FPSをやりなれていない人間にとっての一番キツイのは、標準がなかなか合わないうちに、自キャラが蜂の巣にされてやり直しという状況です。
しかしこのゲームでは、エイムアシストがかなり強いため、敵を画面の真ん中あたりに捉えた状態でL2ボタンを押すだけで、敵に標準が合います。
その為、乱戦になったとしても、L2とR2を交互に連打するだけで、何とかなったりします。

逆にいえば、エイムアシストが強すぎるせいで、他のFPSなどでこの手のゲームをやりなれている人にとっては、ヌルいというよりも、他のゲームの技術に悪影響が出るレベルだったりします。
まぁ、この点に関しては、設定でエイムアシストを着れば問題ないわけですけれどもね。
ゲームに慣れてつまらなくなってきたら、エイムアシストを切る事で難易度が上げられますし、他のFPSの練習にも使えるようになるので、序盤過ぎた辺りからはエイムアシストを切ることも考えてプレイしたほうが、飽きも来にくいかも知れません。

また、FPSの練習という点でいうと、このゲームではマップエディタというものがあり、自由にマップを制作して拠点を作り、それをアップロードすることが可能です。
つまり、世界中のユーザーが作ったマップを使って拠点攻略が出来るということです。
ストーリーモードにもかなりの拠点がありますが、それをクリアーした後でも、世界中の人が作ったマップで練習が出来るというのは良いですね。



後は、『5』の話ではないのですが、このゲームのシーズンパスを購入すると、シリーズの中でもかなり評価が高い『3』のPS4バージョンがプレイ可能になったりもします。

FPSは、マルチ前提という作品が結構多いですが、このゲームはソロプレイが基本なので、このゲームで練習をして、マルチ前提のFPSに手を出すというのも良いかも知れません。
ストーリーも癖はありますが、好きな人にはたまらない内容だと思うので、興味がある方は、購入してみては如何でしょうか。


      

【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿 】お蔵入り その(2) イギリス経験論 ヒューム

今回の投稿は、Podcast配信初期、まだ方向性が決まってない頃に書いたけれども、結局は没になった原稿です。
書いた時期としては、第2回配信分直後です。
今のように全文を書いて読み上げるだけというスタイルではなく、ヒント的なものを書いて話す文章を考えるというスタイルだった為、分としては読みにくいと思いますが、御了承ください。

没になっていない原稿を使ったPodcastは、こちらのリンクからどうぞ。
goo.gl

これに異論を唱えたのが『イギリス経験論』のヒューム
ヒュームは『イギリス経験論』のリーサルウエポンと呼ばれた人物という紹介のされ方をしている。

前回の放送でもいいましたが、 デカルトの『我思う故に我あり』という最初の一歩は素晴らしかったのですが、それ以降の神秘的なものを持ち出しての超展開は批判されることになります。
そのデカルト批判の中から生まれた 哲学体型の一つがイギリス経験論
イギリス経験論とは、経験を重視する考え方で、デカルトが主張した演繹法とは違った考え方
帰納法(きのうほう)と呼ばれる考え方を使う。

編み出したのは、フランシス・ベーコン
1561年生まれのイギリスの哲学者 神学・法学 貴族 政治にも関わっていた

経験論 帰納法という考え方は
演繹法(えんえきほう)が、最初に揺るぎない前提を置いてから、一つ一つ事実を積み重ねて階段を作るような感じで、理論を積み上げて心理に近づこうとするのに対し
感覚的な経験を重要視した考え方

何故、理性によって生み出された確からしい理論を否定して、経験を重視したのかというと、人間の理性は偏見によって歪んでいるから
歪んだ理性を元に作られた理論は、当然のように歪んでいる もっと客観的な事実のみを重要視した

偏見=イドラ イドラは4つある
種族のイドラ
洞窟のイドラ
市場のイドラ
劇場のイドラ

一つ一つ説明すると

種族のイドラは、人間は人間の目を通した風景しか観ることが出来ないということ
太陽や月は、常に同じ大きさで存在しているにも関わらず、存在する市によって大きさが違って見える 
目の錯覚だが、人間である限り、これを前提とした情報しか得ることが出来ない。 人が太陽や月について考える時、錯覚を前提とした思考になってしまい、そこから派生した理論は間違う。
花も同じで、虫を利用して花粉を運ばせているような花は、虫にだけ見えるような発色をしていて、人間が観ても地味な花にしか見えなくても、虫からすれば派手に観てているということが有る。

同じ花でも、種族が違えば全く違ったものに見えるが、人間である以上、人間以外の視点を持つことが難しくなる為、人間の考えは人間による偏見が入ってしまう。
世界や真理は、人間だけのものではない

洞窟のイドラは、人間にはそれぞれの個性があり、また、性癖、習慣、教育や狭い経験などによって、ものの見方がゆがめられる
文化や教育環境が変わることで、考え方が変わるということは想像するのは難しくない
人を特定の空間に閉じ込めて、限定した情報のみを与えて思想を操作する洗脳などが分かりやすいかもしれない
私達が、カルト集団に洗脳された人達を見た際に、『目を覚ませ』と思うのと同じように、日本という限定された空間で、限定された情報だけを得ている人は、独特な考えになっている可能性
もっと広い視野を持つ人間からみれば、限定された地域から出ずに、日本語で発信されているニュースだけを観ている私達は、洗脳されている状態に見えるかもしれない

市場のイドラは、「人類相互の接触と交際」から生ずるイドラ
例えば、Aさんから、また出会ったことがないBさんとう人物が、胡散臭い人だと教えてもらった場合、その時点で先入観にとらわれて、Bさんと接する際には警戒心を抱いてしまう
でも、Bさんはそんな人ではなく、例えば、Aさんの方が、普段から常識がない様な振る舞いをしている人で、Bさんはそれを注意し、それを根に持ったAさんが、Bさんの悪口を言っているだけかもしれない
これは、Aさんによる誤った情報による偏見ですが、これを見極めるためには、先入観を振りほどいて、Bさんと一定期間 付きあって確かめるしかない

最後の劇場のイドラは、wiki引用で「哲学のさまざまな学説から、そしてまた証明のまちがった法則から人びとの心にはいってきたイドラ」
これは、権威のある人や団体の意見は、確かめもせずに信じやすいという偏見。
例えば、この『だぶるばいせっぷす』というコンテンツは、高卒の私が発信しているだけのコンテンツ 高卒と聴いただけで、大卒の人は『この内容はあってるの?』といった、
偏見・見下しといった感情を抱く人もいらっしゃると思います
このコンテンツ時代は、懐疑的な目で見てもらって、自身で調べて勉強してもらうということも念頭に置いて発信しているので、疑問に思ったことは、そのまま信じずに、自身で調べてもらえれば良いと思う

これが、東大の◯◯教授が言ってたとなると、無条件で信じる人は、多いんじゃないかと思う、教授ならまだましだが、テレビで言ってたからというのは、もっと酷い
某女優が、水素水が体に良いって言っただけで、そこら中に水素水のサーバーが置かれることになる。
テレビでも大学教授でも、間違ったこという事はあるんですが、偏見によって、迂闊に信じてしまう事が結構ある

この様に、人間の思考というのは偏見によって歪んでいる。
しかし、デカルトが採用した演繹法は、最初に前提をおいて、人間が思考することで確からしい事実を積み上げていく方法
人間の思考そのものが偏見によって歪められているのであれば、思考が積み上げられる度に歪みは大きくなっていくので、行き着く先は真理から程遠いものになっていく

この為、人間の思考に頼らない方法を見つけようとして生み出されたのが、帰納法
独断を避けて、客観的な目線で観察と実験を行って、集めてきた情報を帰納法によって整理することで正しい解析に到達することができるとする。
簡単な例で説明すると、特定の条件のもとで人がどのような行動を取るのかについて、考えるとします
演繹法の考えでは、人がその様な環境に置かれた場合は、こんな思考をするはずで、結果としてこの様な行動を取るのではないかと、段階を踏んで思考していきます。
その一方で帰納法では、とりあえず1000人ぐらいに、どんな事を考えるのかをアンケート取ってみて、可能であれば、その環境を作って実験してみれば良いんじゃない?という感じで
この考え方は、今の科学にも通ずる考え方ですよね

帰納法の考え方は これぐらいにして、本題のヒュームに入っていこうと思います。
ヒュームは、我思う故に我ありの『我』の部分に噛みつきます。
確かに、疑っている『私』という存在は確かなものなのかもしれないが、そもそも私とは何なの?
我思う故に我ありなんていい方をすると、まるで『疑っている私』という存在が、肉体から離れた霊や魂といった、精神的実態として別に存在して、客観視しているような物言いだけど、そんなものあるんですか?
そもそも私という存在なんか、痛みを感じたり、ものを聴いたり、何かに触れたりと言った様々な知覚・五感や感情が継続する事によって生じる擬似的な感覚にすぎないですよ。と言い出す。

これによって、デカルトの『我思う故に我あり』という我は、自身が感じている感覚のみという、極限状態まで限定されて、認識と言ったものは否定される事になります。
というのも、人間の認識なんて当てにならないからです。

皆さんも経験があると思うのですが、記憶違いや目の錯覚って結構有りますよね。
例えば、有る物を初めて目にして衝撃を受けた経験があったとして、その後、それを観ないままに数年が経過。
それを観ていない期間も、反芻するように何度も思い出して、『あの経験は凄かった。』と思うことで、その経験がドンドン美化されていく。

時には、その経験を少し盛った状態で、何人もの他人に話し続けることで、話している本人も、その話をどれだけ持ったのかがわからなくなってくる。盛った自分自身の話を信じることで、記憶が上書きされる
その後、その対象を再び目にした際に『こんなんやったっけ?』と思うことってないですか?
他にも、恋に落ちている人とそうでない人とで、同じ人物を観たとして、認識は違っている。アバタもえくぼ 欠点が魅力に見えることもある

認識なんてものは、確実に信用できるものではない。人間が自由に作り出したり操作したり出来るもの
この主張を展開し、ヒュームはあらゆるものに懐疑の目を向け、神や科学ですらも否定します。

【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿 】お蔵入り その(1)

今回の投稿は、Podcast配信初期、まだ方向性が決まってない頃に書いたけれども、結局は没になった原稿です。
書いた時期としては、第2回配信分直後です。
今のように全文を書いて読み上げるだけというスタイルではなく、ヒント的なものを書いて話す文章を考えるというスタイルだった為、分としては読みにくいと思いますが、御了承ください。

没になっていない原稿を使ったPodcastは、こちらのリンクからどうぞ。
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ソクラテス無知の知によって、心理を追求するためのモチベーションを取り戻したが、そんな簡単には真理は見つからない。

時代は流れて、次の舞台は、約2000年後の1600年。
登場人物はデカルト 本職は数学者
有名な言葉 『我思う故に我あり』

デカルト以前は、11世紀以降に確立したにスコラ哲学が学問の主流。
スコラ哲学は、西方教会キリスト教神学者で、当初は『本当の生き方とは何なんだろうか』といった哲学的なことを考えてた

時間の経過によって、徐々に哲学は進学を補佐するための学問になっていき、最終的には『針の上で天使は何人踊れるか』といった事を考える様な学問になる。
『針の上で天使は何人踊れるか』というのは、スコラ哲学に疑問を投げかけるために作られた皮肉という見方も 真偽の程は確かではない
キリスト教の教え以外を排除 ギリシャ時代に生まれた哲学や学問も、キリスト教の教えに合わなければ、排除されていった
中世暗黒時代
ダ・ヴィンチ・コード 科学者がキリスト教によって弾圧され、その復讐のために事件を起こすっていう始まり

文化的な進歩としては停止している状態で、

また、教会の腐敗を指摘する宗教改革(免罪符の販売
キリスト教その物を疑問視する社会に変化

日本でも同じで、死んだ時に、寄付金の金額に寄って戒名を変えたりする

神様を盲信するのではなく、科学・数学など 人間の理性の可能性を追求していく時代。
中世から近代への変化

デカルトも この様な考え方に疑問を持ち、方法的懐疑という方法で今までの流れに変化をもたらそうとする
デカルトは数学者としても優秀で、『x軸・y軸からなる二次元の座標系』
これを調べてみたが、グラフと数式が出てきて、言葉では物凄く説明しにくいので、ものすごく簡単に説明すると 縦軸Y 横軸にx 日本の基準線が交わるところを0にして、YとXの平行線を同じ感覚で引いていってマス目を作る。
ポイントをPとし、P(xの値.Yの値)という書き方にして、P(3.2)と書くと、X軸に3マス進んでY方向に2マス上がった所という表現ができる。
ちょっと違うとは思いますが、Minecraftの地図のようなもの マイクラの場合は高さも有るので3次元ですが
他には、画像編集ソフトで座標を指定してトリミングする場合の、ポイントの位置の書き方とか
ポイントを線で結ぶと、グラフにもなる

デカルトは数学者だったので、基準となる公理を考えようと思った
公理とは、数学の前提となるもの
第1公準 : 点と点を直線で結ぶ事ができる
第2公準 : 線分は両側に延長して直線にできる
第3公準 : 1点を中心にして任意の半径の円を描く事ができる
第4公準 : 全ての直角は等しい(角度である)
これを元に計算するという理論?をユークリッド幾何学

この前提が変われば、その前提内で作られた数式は意味をなさなくなる
私達が住んでいる宇宙は、重力によって空間が歪んでいる為、この前提は通用しない。
ユークリッド幾何学

前提が変われば考え方も変わってくる。1+1=2は、その前提の元で成り立つが、前提が変われば成り立たない。
窓に当たった雨水は水滴になるが、水滴同士が重なり合うと、1つになる。この現象を個数という見方だけで観ると、1+1=1になる。
同じように、1個のパン生地を2個に分けると、個数だけを観ると2個になるので、1割る2は2になる。
量自体は2倍になったり半減したりしているが、個数に焦点を合わせるとこうなる。

その為、前提をしっかりとすることは大切。

公理というルールをしっかり決めてしまえば、そのルールによって物事が前に進んでいく
平行線が交わらず、全ての直角が同じ角度の90度なら、四角形の内角を足し合わせたものは360℃になる。
三角形は四角形を斜めに半分に切ったものなので、内角の合計は半分の180度になる。
この様な感じで、ルールを決めてさえしまえば、後は、そのルール上で確かのものを積み上げていくだけで進歩していきます。
この考えを演繹法(えんえきほう)と呼びます。有名なものだと三段論法

デカルトは、この出発点となる公理を探すために、徹底的に様々なものを疑っていきます。

例えば、目に見えている景色や、触った感覚など。
目に見えていて触れるからといって、存在しているとは限らない。
人の感覚は、電気信号に変換されて、最終的には脳へと送られることで感じる 極端な話、脳だけが別のところにあり、そこで何らかの装置で電気信号を送られていても、同じように感じる。
映画で例えるとマトリクス マトリクスの主人公は、現代の世界で生きていると思いこんでいたが、実際には人間電池として閉じ込められていて、首のプラグから電気信号を送られていた。


今の科学でも、世界5分前仮説も覆せない 世界5分前仮説の説明
簡単にいえば、ドラゴンクエストドラクエのゲームの世界には、歴史や人生が詰まっているが、そのゲームの制作にかかった時間が3年であれば、その歴史や人生も含めて3年前に作られている。
これは現実世界にも当てはまり、5分前に全てが作られたとしても反論が出いない

こんな感じで、デカルトはあらゆるものを疑って、疑わしいものを一つ一つ潰していった。
この方法を、方法的懐疑と呼ぶ。
疑い続けた結果、最終的に、疑っている自分だけは疑うことができなかった。疑っている自分が嘘だだとしても、やはりそれを疑う自分がいることになる。
デカルトは、最後に残った『我思う故に我あり』を公理とし、ここから全てを出発させようとした。

この様な、演繹法を使って物事を理性的に考えていこうという考えは、大陸合理主義とよばれて、ヨーロッパで支持されることになります。

しかしデカルトは、ここから超展開をし始める
本を引用すると
『私の存在は確実なのだから、私が明晰に理解したり認識するものも確実に存在する』
っていい出す そして
『なせ私の認識が正しいか。それは、神様が私を作ったからである。神様が作ったのだから、私の認識がきちんとできているに違いない』
と、かなりあやふやで抽象的なことを言い出す

演繹法の考え方や、最初の一歩は素晴らしいのに、次の段階から急に抽象的なものを持ち出してきたので、デカルトは一気に批判にさらされることになります。
このデカルト批判の中から生まれた 哲学体型の一つにイギリス経験論というのがあり、その最終兵器と呼ばれるのが ヒュームという人物

【ゲーム紹介】Blood born (ブラッド ボーン)

今回紹介するゲームは、blood born(ブラッドボーン)です。

      

このゲームは、PlayStationでオンラインマルチプレイに必須の会員サービス、PlayStation plus会員になってさえ入れば、無料でゲームをダウンロードできるサービス『フリープレイ』で、3月に配信されているゲームです。
つまり簡単に言うと、会員になってさえ入れば無料でプレイできるゲームというわけです。

このフリープレイですが、アメリカでは大型タイトルがバンバン対象になるっぽいんですが、日本では正直、あまり面白くないゲームばかりが対象に選ばれる印象で、ダウンロードだけしてプレイしないなんてゲームも多いわけですが…
今回対象に選ばれた『blood born』が、かなり面白かった為、紹介させていただくことにしました。

このゲームのジャンルは、アクションRPGという事になっていますが、世間一般で知られているジャンルとしては、死にゲーです。
『ダークソウル』や『デモンズソウル』といったのと同じタイプのゲームといわれています。
死にゲージャンルといえば、小説化し、その後、映画化された『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が有名ですよね。


超難易度設定で、理不尽なことが起こりまくる。そんな環境下で、敵の位置や攻撃パターンを覚えながら自身のスキルを磨いて進んでいく。
具体的にどんな感じで難しいのかと言いますと、操作するのはアクションゲームの主人公であるにも関わらず、攻撃を3回ぐらい受けると死んでしまいます。
その為、囲まれてしまうと、ほぼ確実に死ぬわけですが・・・最初のステージから敵が集団で闊歩していたりします。

最初のザコ敵でも3回攻撃を受けると死ぬので、ちょっとガタイが大きい強めの敵だったりすると、普通に1撃死します。
そんな1撃死させるような敵が、銃で遠距離攻撃を仕掛けてくる敵と一緒に出てきたりします。しかも、ガタイが大きいので体力も多めに設定されていたりしますし、スーパーアーマー付きで攻撃を受けながら反撃してきたりします。

こんなに頻繁に死ぬわけですが、このゲームの真に辛いところは、死んだ場合はゼロからのスタートというところです。
ブラッドボーンでは、敵を倒すと『血の遺志』と呼ばれる、経験値 兼 通貨を落とすわけですが、死んでしまうと、その場に全ての血の意思を落とします。
つまり、回復アイテムを使い切って死んでしまった場合は、回復アイテムを補充も出来ない為、取り敢えず、死んだ場所まで死に物のぐるいで到達して、落とした『血の遺志』を拾う必要があります。

ちなみに、自分が落とした『血の遺志』を拾う前に死んじゃうと、前に落とした血の意思は無くなります。。。
なんという、マゾ仕様。
ついでに書いておくと、『血の遺志』は経験値の役割も果たしていると書きましたが、普通のRPGの様に一定レベルまで『血の遺志』が高まると勝手にレベルアップ!なんて事にはなりません。
血の遺志を溜め込んだ場合は、拠点である『狩人の夢』に持ち帰り、それを消費するというアクションを起こさなければ、レベルアップは起こりません。
狩人の夢は、チェックポイントに行かなければ入ることは出来ないので、レベルアップをしたければ、チェックポイントまで死なない事が要求されます。

そんな、死にゲーと呼ばれるジャンルなんですが、このゲームは、その中でも特に難しいとされているゲームといわれていたりします。
では、どの辺りが難しいのかというと、今までのダークソウルシリーズなどに有った『盾』を利用した防御というシステムがありません。
防御がないということは、敵の制空権内に一定時間居るだけで、死を意味する事になります。

従来のシリーズであれば、今まで行ったことがないエリアだったりした場合は、取り敢えず盾を構えながら進んで、敵の位置や攻撃パターンを把握し、好きを見せたら攻撃に移るといった戦略も取れたようですが、『blood born』には防御の概念がない為、そんな戦法は使えません。
更にいえば、このゲームでは、攻撃を受けてから一定時間内に反撃をして攻撃を当てて血を浴びると、体力が回復できるというリゲインシステムがあります。
つまり、攻撃を受ける前に攻撃し、ダメージを受けたら回復の為に積極的に攻撃し…といった、積極的な姿勢が求められます。

紙装甲で、3発、時には1発当たるだけで死ぬにもかかわらず、常に攻撃し続けなければならないというシステム。
これで死ぬなという方が、無理ですよね。

ただ、こんな理不尽なゲームですが、一応、攻撃回避手段が用意されています。それが、ローリングやステップといった、緊急回避です。
ローリングにしてもステップにしても、敵と結構な距離を取ってくれる為、躱す方向さえ間違わなければ、大抵の攻撃を避けることが可能です。
ですが、この緊急回避、全く問題がないというわけではありません。

何故なら、このゲームでは、何らかの操作を行う度に、スタミナを消費するからです。
攻撃をする時はもちろんですが、緊急回避の際にもスタミナを消費します。 つまり、こちらの攻撃が当たったから攻撃し続けるなんて事を行うと、あっという間にスタミナが付きて、何も出来なくなってしまいます。
攻撃も緊急回避も出来ない状態になると、必然的に敵からの攻撃を喰らいやすくなりますが、その攻撃を、1~3回食らうと死ぬ…

この為、攻撃の際にも緊急回避の際にも、常にスタミナに気を配り、無駄な動きを一切しないような操作が要求されます。

…と、かなり難しい戦闘になっているわけですが、このゲーム。更に難しい操作を行う事で、敵を簡単に倒すようにもなれます。
それが、銃パリィ。
敵が攻撃しようと振りかぶった際に、タイミング良く銃を敵に当てることで、大ダウンを奪うことが出来、ダウンしている敵に対して近接攻撃を行うことで、内蔵攻撃が可能になります。
この内臓攻撃は、レベルにもよりますが、大抵の敵が1撃で死ぬ為、大変便利な攻撃となっています。

ただ、そのタイミングが難しい…
早過ぎても遅すぎてもパリィは成功しない上、敵にもよりますが、失敗した場合は銃で敵の攻撃が止まる事もなく、こちら側が一方的に蹂躙されたりもします。
しかも、銃の弾は基本的に20個しか持てないので、20回しかパリィを試す事が出来ないというね…
弾が尽きれば、パリィすら出来なくなる為、勝てる手段がパリィしかない場合は、詰んでしまうことになります。

こんなに難しくて厳しいゲームなので、ストーリーで一番最初に倒さなければならないボスである『ガスコイン神父』の撃破率が約半分と、お金出して購入した層の半分が一番最初のボスを倒せずにゲームを投げるという状態にまでなっている状態です。

と、ここまで、難しい難しいとネガティブなことばかりを書いてきましたが、何故、こんな難しいゲームを進めるのかというと、このマイナス要素を踏まえて考えても、面白いと感じられるからです。
その理由としては、まず、世界観が格好いい。


クトゥルフ神話をモチーフにして、荒廃したロンドンっぽい町並みを再現していて、それだけでかなり格好が良いのですが、ゲーム内で出てくる単語も、これまた格好が良い。
経験値を『血の遺志』と表現したり、『匂いたつ血の酒』というアイテムの説明文には、『酒はヤーナムには似合わない。むしろ血に酔うのだ』と書かれていたりと、とにかく中二っぽい。
この中二病っぽさも、中途半端ではなく突き抜けているので、むしろスタイリッシュで格好が良かったりする。

またゲームバランスも、最初は難しすぎるように思えるかも知れませんが、ある程度薦めていくうちに操作に慣れて来る事で、先に進めることが実感できる様なバランスになっていたりもします。
そして、一度身につけた技術は他のステージでも応用できるようになる為、ゲームがドンドン上手くなっていく実感が得られます。

更にいえば、このゲームで得られたスキルは、他のゲームにも転用できることが多いので、他のゲーム… 例えば、モンスターハンター:ワールドなんかで詰まってる人は、こっちをプレイすることで、MHWがかなり楽に感じられるかも知れません。
おそらくですが、このゲームをソロでクリアーできる人は、MHWは初見でエンディング見れると思います。

最初はキツイですが、慣れると進めるようになり、世界観にもハマっていって楽しく感じられるゲームだと思いますので、ps+に加入している人は、無料期間中にダウンロードしてプレイしてみては如何でしょうか。

      

人手不足の簡単な解消法

先日のことですが、ワールドビジネスサテライトというテレビ東京のビジネス番組で、保育園の求人の話が取り上げられていました。
簡単な内容としては、企業が子供を持つ従業員の為に、保育所を作るという動きが広がっているという取材で、従業員の子供だけでなく、周辺住民の子供も預かれるということで注目されているという話でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_151132/

ただ、保育所をつくるといっても、ネックになってくるのは保育士です。
保育士は、補修をかけても応募に来ないといわれていて、どの保育所でも人員確保が難しいと言われている業界。
この様な環境では、箱だけつくって従業員がいないなんて事にもなりかねません。

しかし、そんな心配は一切なかったようです。
というのも、保育士の業界の平均給料が20万らしいのですが、その値段に3万円だけプラスした23万円の基本給で募集した所、募集人数の4倍の応募が来たそうです。
この事が興味深かったので、ニュースで見たものをそのままTweetした所


バズりました。

まぁ、日本の人手不足は奴隷不足なんて言われていますが、保育士の人数が足りないんじゃなくて、単純に、労力や責任に対して給料が安すぎるから人が集まってなかっただけという事なんでしょうね。
少し前に話題になった番組『ねほりんはぽりん』では、現役保育士をゲストに呼んで赤裸々トークをしていましたが、短大出の保育士の給料が12万程度(手取り?)で、4大卒で19万に届かないぐらいだったと記憶しています。
初任給でもないのに、大学を出て20万も行かないというのも問題ですが、短大出身の方の12万は、正直、ヤバすぎでしょう…

保育士って、誰でもなれるってもんではないんですよ? 児童福祉法で定められた国家資格が必要な専門職なんですよ?
しかも、預かる子供は小学生になる前なので、最年長でも5歳か6歳で、平均だと3~4歳。 そこら中を走り回り、ちょっと目を話したスキにトラブルを起こす年頃の子供を大量に抱えるわけですから、労働的にもかなり辛い。
また、子供が勝手に行動した結果、怪我でもしたら、責任問題に発展する…

こんな労働条件で、その国家資格を取って得られる給料が12万ですか。 8時間労働だとしても時給換算で750円なので、最低時給を下回る金額ですね。
東京の最低時給は958円だそうなので、国家資格も何も必要の無いアルバイトをしていた方が、生活的には豊かになる計算になってしまいます。

この様な労働環境なので、日本では、保育士資格を持ってはいるけれども、保育士になりたがらないという人が結構多い。
重大な責任を背負って『はした金』を貰うぐらいなら、家で自分の子供の面倒を見ながら専業主婦をしていた方が良いと考える人もいるだろうし、スーパーのレジうちの方が実入りが良いと考える人もいるでしょう。
しかし今回、この企業が提示した23万円という給料は、様々な理由で保育士という職業から距離をおいていた人達に、『働いてみても良いかも?』と思わせる金額だったということでしょう。

結果として、募集に対して4倍の人数が集まることになりました。

でまぁ、こういう風にバズると、バズったTweetに便乗して有名になりたい人というのがクソリプを飛ばすものでして…
先程の私のTweetにも、そんな一方的にマウントを取りに来るリプが飛び込んでまりしました。

この他にも、『人件費を青天井で上げていったら、会社が潰れるんだが?』といった内容を、平日の昼間っから、何故か経営者目線で語る人も多数…

世の中には、自分のことを賢いと思いこんでいて、見ず知らずの人間に上から目線で自分の主張を押し付けたいという人は一定数いるものでして、これもその一つの例なんでしょう。
主張が有るなら、引用リツイートなどで自分のTweetとしてやればいいのに、何故か、バズったTweetにぶら下がる形でマウントを取ろうとしてしまう。。
ネット社会の闇の一つなのかも知れませんね。

こういうクソリプが多数付く事は想定していたので、今回は、それに対する意見というのを書いていきます。
『給料上げたら会社が潰れるだろw』とか、何故か経営者目線で突っかかってくる人は論外なので、Tweetを貼り付けた方に焦点を当てると、マクロとかミクロなんてワードを持ち出して、もっともらしく反論しているようですが、この方は経済の構造を表面的にしか理解していませんね。

というのも、そもそも資本主義というのは、全てのものに適正価格を付けましょうという考え方が基本となっています。
つまり、低賃金で募集しても人が集まらない場合、社会全体がその労働に対して考えている対価と、支払う側の対価が釣り合ってないから、取引が成立しないんです。
経済の基本中の基本である、需要と供給の問題ですね。 需要線と供給線が交わる所が適正価格なんです。

それよりも価格が低ければ応募はないし、高ければ応募が殺到するというだけの話。
現状で、日本が人手不足というのであれば、需要と供給が交わるラインまで給料を上げればよいだけの話です。これは、中学生ぐらいで学ぶレベルの基本です。
で、ここで反論が出てくるわけです。『日本人の総人口には上限が有るんだから、高い給料で労働力を取り合っても、根本的な人手不足は解消しないだろう?』と。

しかし冷静に考えれば、そんな事は無い事に気が付きます。
アメリカの大手企業は高い給料を提示して、世界中から優秀な頭脳と技能を集めています。ここ最近、急速に成長し、技術的にも日本を追い抜かしている中国企業は、中国国内でも技術者を募集していますし、日本支店でも新卒給料50万円を提示しています。
今はグローバル化の社会なので、高い給料を提示するだけで企業が求める人材というのは世界中から集ってきます。
先程のTweetで、高い金を出して移民受け入れ云々と書かれていますが、世界では普通のことですし、日本のグローバル企業はとっくに行っている事です。

また、人件費が高騰し過ぎれば、それに対抗して新たな動きが生まれます。それは、労働の機械化です。
人件費が高騰するのであれば、高いお金を出して自動で行える機械や生産体制を作れば良いという方向に進みます。
労働力が値上がりすればする程、新たなシステムに投資する為の資金は相対的に増えることになります。こうして、既存の仕事の従事者が減ることになるわけですが、その一方で、新たなシステムを生み出す為に、新たな雇用が生まれます。

技術や文明の進歩というのは、古い体制を壊して新たなシステムに移行する創造的破壊なくしてはありえません。
しかし、先程のようなTweetをドヤ顔でする人というのは、そういう事を考えず、なんだかんだ理由をつけて、何故か経営者目線で人を安く使おうとする方法のみを考えます。

しかし、その考え方の先に有るのって、破滅しか無いんですよね。
先程も書きましたが、今の世界の流れとしては、グローバルで活躍して優秀な人材を欲しがっている企業というのは、高い金を出して世界中から人材を吸収しています。
そんな中で日本だけが、『入社したてで若いんだから、給料は少なくて良いよな。文句は一人前になってから言え!』『お前のやってる仕事は誰にでも出来る。代わりはいくらでも居るんだぞ!』なんていってたら、優秀な人から辞めていきますよね。

そうなると、日本企業の国際競争力はドンドン落ち込むので、新しいサービスや新製品の開発なんて行えない状況になっていきます。
そして最終的には、出来る仕事は下請けのような仕事しか無くなってしまう。となると、それこそ『こんな部品を作ってくれる企業なんてどこにでも有る!代わりはいくらでもあるんだぞ!』と世界中の顧客から言われ、儲からない仕事ばかりを押し付けられる。
こうなると本当の破滅で、企業が儲からないから、本当に給料を支払うことが出来ないようになり、低賃金でしか募集をできなくなる。当然、お金がないので設備投資もできなくなるので、設備の差を人力で埋めなければならない状態になる。

つまり、今まで搾取側が底辺労働者にいい続けていた事を、世界からいわれる状態に陥るわけです。
こんな環境では、優秀な人は日本を捨てて出稼ぎに出るようになるので、本当の意味で、この国はオワコンになってしまいます。

しかし、現状で労働者に適正な給料が支払われていないのって、こういう状態に陥っているからではありませんよね。 
世間一般では好景気を肌で感じることはまったくないのに、上場企業の業績は、バブル後最高益になってたりします。
にもかかわらず、労働者や下請け企業に分配が行われていないというのは、単純に、労働者や下請けの中小企業から搾取してるからです。

私が主張しているのは、その搾取をやめて、再分配しろという事なんです。 現状でも、大企業から搾取され続けて旨味のない中小企業は、子供に後を継がせるなんてことはせずに、廃業を選ぶ企業が増えてきています。
そして、今働いている高齢の経営者の方が体を崩すなりお亡くなりになるタイミングで、大廃業時代がやってくるでしょう。そうなった時、一部の技術や産業は失われる事になリ、そして一度失われた技術は簡単には復活することはありません。
そうなった時が、終わりの始まり。

今まで、無理を下の階層に押し付ける事で国際競争力を維持してきた企業は、押し付ける対象が無くなってしまう事で、開発力も競争力もなくしてしまうでしょう。
そして、今まで日本が後進国にしてきたように、やりたくない仕事を海外から押し付けられ、それを有難がって受ける選択肢しか選べなくなります。
この様な環境では、国民が手にする所得は常に低い状態に抑えられることになり、当然のように消費も落ち込み、経済はマイナス方向に加速していくことになります。

そうならないために重要なのが、適正な再分配であり、その第一歩が、従業員に対する適切な報酬ではないでしょうか。 

【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿 】第26回【ヒッピー】ティモシー・リアリー(2) ~独立

この投稿は、私が配信している Podcast番組『だぶるばいせっぷす』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。
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youtubeでも音声を公開しています。興味の有る方は、チャンネル登録お願い致します。
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前回の放送では、ヒッピー・ムーブメントの前身となる、ビート・ジェネレーションやビート運動について話、その後、ヒッピー・ムーブメントの中心的な人物である、ティモシー・リアリーについて話始めていったわけですけれども
今回は、その続きとなります。

本題に入る前に、一応、言っておこうと思いますが、前回も、そして今回からもそうなんですけれども、ヒッピーを取り扱う回では、LSDなどの幻覚剤を始めとした禁止薬物が、頻繁に登場することになります。
それも、ネガティブな取り扱い方だけではなく、人間の可能性を伸ばすといった感じの取り上げ方をしますが、あくまでも、当時、そのように捉えられて研究されていたという解説をしているだけで
現在、使用することを推奨しているわけではありません。 現在は禁止薬物になっているものが大半なので、使用は行わないようにしてください。

前回までの流れを簡単に振り返ると、近代化が進んだアメリカでは、人間が人間らしく生活するのではなく、システムを循環させる為に人を消費する事が当たり前だという価値観に徐々に成っていってたんですね。
そして人間は、そのシステムの循環の為に、効率よく利用しやすい様に、レールの上に乗せて培養される。
有名な映画でいうと、マトリックスの様な世界観なんでしょうね。

かなり昔の映画で、今更ネタバレも無いとは思うんですが、まだ観てない方でネタバレが嫌な方は、ここで一旦聞くのを止めてくださいね。 いいでしょうか。
マトリックスという映画は、哲学的な問題を多く含んで作られている作品なので、捉え方によって、どのようにも捉えられるわけですけれども、ビート世代が抱えていた漠然とした悩みも表現されているように思えます。
この映画では、人間は人間らしく、不安や絶望を感じながらも、そんな中に僅かな幸せを見つけながら暮らしていく世界観が最初に描かれているわけですが、それは全て、機械が見せていた夢でしか有りませんでしたよね。

人間は、マトリクスの中で自由に生活をしているように錯覚をしていましたが、現実の世界では、狭いカプセルに入れられてコードをつながれ、ただ、機械達の電気を補充する為に栽培されているだけの存在でした。
これ以上無いぐらいの完全管理社会の中で、主人公たちが夢から覚めて目覚める事で、現状の問題を知って立ち向かうというストーリーです。
仏教では、ブッダというのは目覚めた人という意味ですが、目覚めて本当の現実を知ってしまうことで、マトリクスで起こっていることに現実味を持てないというのは、悟りや幻覚剤による意識拡張の表現とも考えられますよね。

映画としてみると、かなり非現実的なシチュエーションですが、現実の世界でも、似たようなことが起こっています。
私たちはシステムを回す為に、ハードルを超えていくことを義務付けられています。
義務教育を受けなければなりませんし、進学しなければなりません。進学しないのであれば、就活をして仕事につかなければなりませんし、適正年齢になれば結婚をしなければならないプレッシャーに晒されます。

システムを管理する側は、効率よくシステムを回す為に、それらを『常識』として世間一般に浸透させていて、管理されている側は自分が自由で、自分の人生は自分の選択によって勝ち取ったものだと錯覚するわけですけれども
実際には、自分達が選び取ったと錯覚している現状は、実は管理されているもので、管理社会に囚われている状態という事ですね。
この状態に文学面から異論を唱えて、意識の変革をもたらそうとしたのが、ビート・ジェネレーションのビート運動なのでしょう。

こういった状態の中で登場したのが、ティモシー・リアリーです。
リアリーはハーバードに就職後に、友人に進められた幻覚キノコに魅入られて、シロシビンの研究に打ち込むことになります。
その中で巡り合った本が、『知覚の扉』というメスカリンの体験やその体験を経ての精神の変化の考察について書かれた本です。

これを書いたのは、オルダス・ハクスリーという、自身の体を人体実験として使用して、精神の変化や、それを踏まえた上での哲学的な思想を研究していた人物です。
特に、意識拡張からの神秘体験、つまり、神的なものとの遭遇などで神の実在を認識できた人間の思想などに興味を持ち、その流れで、東洋思想にも興味を持った人物だったようです。
リアリーは、この人物に興味を持ち、実際に会いに行って、その後、一緒にシロシビンの研究である、ハーバード・シロシビン計画を行っていくことになります。

計画は、1960年から2年間続いたようで、研究内容としては、幻覚剤を擁護するような内容になっていたようです。
具体的な内容としては、前にLSDの回でも話したとは思うんですが、幻覚剤によるトリップを、精神病治療に役立てるといった方向で研究していたようです。
簡単なものでいえば、アルコール依存症などの治療や、犯罪者の再犯率を改善させるような証拠を探すと言った感じでしょうか。

再犯率に関しては、実際にコンコード刑務所で32人の受刑者を使って実験が行われたようです。
実験内容は、仮釈放中に何人の受刑者が、再び犯罪を犯して刑務所に戻ってくるのかというのをモニターするわけですが、通常の場合は再犯率から考えて64%、つまり大体20人ぐらいが犯罪を再び犯して戻ってくるはずだった所
幻覚剤を投与した受刑者は、通常の場合から比べて圧倒的に低い25%、つまり8人だけが刑務所に戻ってきていて、そのうち6人が規則違反で戻ってきただけで、実際に犯罪を犯して戻ってきたのは2人だけだったという結果が出たんです。

モニターする人数が少ないという事は有るんでしょうが、それでも、劇的に犯罪率が低下している様に見えますよね。
後に同じような実験が行われたらしいのですが、その際には大きな成果は出ていないようなので、単純に幻覚剤の使用だけで効果が出るものではなく、扱い方が重要だったのかもしれないですね。
というのも、リアリーの実験方法は独特だったようで、リアリーは受刑者をモルモットの様に扱うのではなく、実験内容を詳しく受刑者に説明した上で幻覚剤を投与し、トリップ中の受刑者に状態を細かくヒアリングするという手法を取っていたそうなんですね。

このヒアリングの目的としては、過去の宗教的体験、つまり、教会に行ったり何らかの儀式を受るといった体験や、自然発生的に感じる神という存在、例えば、何らかの偶然が重なって奇跡を感じるといった体験ですね。
その他には、聖人や聖書を書いた預言者、牧師らが体験している神秘体験と同じ状態かどうかというのを、ヒアリングによって確かめていたということなんでしょうね。
この結果として、幻覚剤でトリップ中の人間の精神というのは、先ほど例で挙げた、聖人であったり預言者であったり、宗教的神秘体験をしたと言っている人達の経験と、全く同じとまでは言えないが、区別がつかないほど似ていることが分かるようになるんです。
まぁ、当然のことですが、こんな話は教会側は受け入れないんですけどね。

つまり、神なんて信じていないような自分本位のサイコパスに、幻覚剤によって神秘体験をさせることで、神を認識させたということなんでしょうね。
リアリーは、この神秘体験の発生率を上げる為に、古代のシャーマニズムの研究なども行って、その方法を取り入れたりもしていたようです。

何故、この様な実験内容になったのかというと、シロシビン計画が立ち上がった1960年頃に、リアリーは、ビート・ジェネレーションの詩人、アレン・ギンスバーグを家に招き入れて、シロシビンを体験してもらった上で対談を行っているんですね。
幻覚剤を体験したアレン・ギンズバーグの感想としては、この体験は万人がすべきだと主張したそうなんですね。きっと、アレン・ギンズバーグにとっても、最初のトリップというのは今までの常識を書き換えるほどの体験だったんでしょう。
ビート世代というのは、人々を統制する為に、知らず知らずのうちに圧力をかけてくるシステムに対して異論を唱えた人達ですが、幻覚剤によるトリップによって、皆が当然のように思い込んでいた現実という殻を打ち破る事ができるようになる。
つまり、仏教で言うところの悟りの状態を、体験を通して知ることが出来るという事なんでしょうかね。この様な、形而上学的な存在をリアルに認識するという体験を皆がすべきだと主張したんですね。

この主張に同意したリアリーは、先ずはビート運動で活躍した人達に、シロシビンを配って回ったんです。
この活動の延長線上に、先程の実験があったんでしょうね。 幻覚剤による神秘体験が、人間の今までの価値観その物を変えて、ものの見方その物を変化させてしまう。
そのインパクトは、再犯率の高い犯罪者ですら、その行動を変えてしまうほどに凄まじいものだという事を、証明したかったんでしょう。

この様な感じで、リアリーはなりふり構わずシロシビンをバラ撒きまくったわけですが、その大量のシロシビンの供給元となったのが、アルバート・ホフマンという人物ですね。
このアルバート・ホフマンという人物ですが、サンドス研究所の研究員で、シロシビンの発見だけでなく、1943年に麦角菌(バッカクキン)の研究を行った際に、その幻覚成分を抽出して、LSDを開発したことでも有名です。
リアリーは、この人物から大量にシロシビンを譲って貰って、求めてくるものには気前よくシロシビンを提供し、トリップの研究を行っていたそうです。

この様な、幻覚剤の大量のバラマキや補給が、何故、出来たのかというと、前のLSDの回でも言いましたが、政府や軍は幻覚剤の政治利用や軍事利用を考えていて、独自に研究をするだけでなく、一部の大学や研究機関に研究を委託していたりもしたんですね。
その大学の一つがハーバードだったので、多少の事には目をつぶってもらえたし、国からのアシストなども得られていたようですね。
ただ、このリアリーの行動は目立ちすぎていた為、CIAからも睨まれて監視対象になっていましたし、研究内容も思想がかっているからか、大学からも煙たがられていたそうです。

また、リアリーの幻覚剤による意識改革に対しては、仲間内からも異論が出たりもしていたようです。
異論を唱えたのは、ビート・ジェネレーションの巨匠として有名な、ウィリアム・バロウズという人物で、この人物自体はドラッグの否定派ではなく、自身も一時期ジャンキーだったようで、リアリーの主張に一定の理解は示していたようなんですが、
バロウズはあくまでも、ドラッグは意識改革の導入に過ぎず、それに頼り切ってはいけないと主張していたようです。意識拡張自体は重要だと捉えていたようなんですが、最終的には自力でその境地に到達すべきだというスタンスだったみたいですね。

何故この様な態度を取っていたかなんですが、先程も言いましたが、バロウズは元々が薬物中毒者だったんですが、1953年に考え方を改めて、15年間に渡るジャンキー生活を止めていたそうなんですね。
この期間中にリアリーと知り合ってやり取りしてるんで、正直、また薬物漬けの生活に戻るのが嫌だったんでしょうね。
例えるなら、タバコを15年間吸っていた人間が禁煙を始めた際に、周りの人間がそれに協力せずに、むしろ事ある毎にタバコを勧めてくるようなもんですからね。15年間吸っているんだから、タバコの良さとか今更説明されなくても分かっているけれども、それに頼りっきりでは駄目ってことなんでしょうね。
ただ、このバロウズですが、ビート・ジェネレーションの巨匠だったせいか、ファンが結構いて、その人達が会いに来る時に皆が麻薬を持参してくるんで、その誘惑に負けてなのか、79年にはヘロイン中毒になってたりするんですけれどもね。

話を戻すと、バロウズは53年~79年の間はドラッグを自粛していたので、ドラッグを使わないで変性意識状態に入るために、感覚遮断装置、これは今でいうと、アイソレーションタンクになるんでしょうけれども、この装置にも興味をもっていたそうです。
アイソレーションタンクは、日本でも体験できる施設なんかが有るみたいですし、興味の有る方は試してみてはいかがでしょうか。
どんなものかというのを簡単に言うと、全ての感覚を遮断するような装置です。タンクの中に水が入っていて、その水は、冷たくも熱くもない丁度良い温度で、そこには塩が適量入っているので、体が浮くようになっている。
この時点で、温度と重力が遮断されるわけですが、それに加えて、光と音が遮断されます。 中に入ると全ての刺激から開放される通常とは違った環境になり、そこで一定時間過ごす事で、変性意識状態に入りやすくなるようです。

この様な感じで、大学側の目線、国側の目線、同じ思想家からの目線で、賛否両論が巻き起こる中、リアリーはめげること無く、幻覚剤の研究に精を出すことになります。
そんな中で、マイケル・ホリングズヘッドという人物が登場します。
この人物もリアリーと同じような研究者なんですが、ホリングズヘッドが出会った幻覚剤は、シロシビンではなくLSDだったんですね。

当時、LSDの研究がまだ初期段階だったからなんでしょうか、ホリングズヘッドは適量が分からなかったのか、最初に通常の100倍の量を摂取ししまいます。そして、ぶっ飛んだホリングズヘッドは、簡単に言うと、悟りを開いてしまいます。
他人と自分とを同一視してしまい、宇宙と自分が溶け合った感覚を体験してしまい、現実という夢から覚めてた体験をリアルに認識してしまった結果、現実を現実だと思えない現実感の喪失状態になって思い悩みます。
この事を、知り合いのハクスリーに相談した所、丁度、そのことについて研究している人間が居るよと、リアリーを紹介します。これが、1962年の春だそうです。

ホリングズヘッドは、リアリーとの対面の際にはLSDを持参し、リアリーに試して欲しいと訴えたようですが、当初リアリーは、政府や軍が研究に絡むLSDに対して良い印象を持っていなかったようで、すぐには手を出さなかったようです。
ただ、事ある毎にホリングズヘッドがLSDを薦めてくるので、ついに折れて、LSD体験をした際に、これまで以上の神秘的体験をしてしまったようです。
これ以降、リアリーの興味と研究対象はLSDへと移っていくんですが、これによって、今まで以上の逆風にさらされることになります。

というのも、LSDはMKウルトラ作戦の研究対象で、CIAからは精神病を誘発させる薬物として認識されていましたし、ハーバードには既にCIAを抱えの研究員が予算を貰って研究していたからなんですね。
CIAにとっては、研究は進んで欲しいし研究の成果も欲しいけれども、あくまで自分達の目の届く範囲内で研究はやってもらいたいと思っていたんでしょう。
勝手にやられても困るという訳ですね。 それに、CIAから援助を受けてLSD研究を行っている研究員からすれば、単純にライバルが増えることになるので、面白くもなかったんでしょう。

また、リアリーは先程も行ったように、トリップを求めるものには誰にでも分け与える人物だった為、それが元で事件などが起こった際には大学の責任になるということで、大学側も乗り気ではなかったようですね。
まぁ、リアリーは、幻覚剤による洗脳や軍事利用には興味がなく、意識拡張からの神秘体験や、それによる人格の変化などに興味を持っていて、その研究を行う為に大学を利用していたフシが有るので、大学側も煙たがっていたんでしょうね。
丁度その頃、闇市でLSDを含ませた角砂糖が販売されるようになり、今までの行動から、当然のようにリアリーに疑いの目が向けられて、大学に居づらくなったのか、1963年にリアリーはハーバードを辞める事になります。

その後、リアリーは、東海岸でLSDに関して独自の研究をする事になります。ただ独自の研究となると、問題になってくるのが研究費用ですよね。
大学から独立することで、自分の好きなように研究は出来るようにはなるわけですけれども、当然のように給料は無くなりますし、LSDの仕入れ費用なども自分で支払わなければならなくなりますよね。
リアリーは、何の準備もせずに大学を辞めたわけではなく、そのあたりの準備も抜かりがなかったようです。

具体的には、IFIF、日本語で言うと「精神的自由のための国際財団」というのを、大学の研究とは別で、東洋思想の研究家のアラン・ワッツ達と共に立ち上げていていたんですね。
活動内容としては、LSD研究を行って、その成果を『サイケデリック・レビュー』という冊子にまとめるんですが、これを手に入れる事が出来るのは、IFIFの会員だけということにして、会費を取るようにしたんです。
その他には、LSDの使用で神秘体験がしやすいように、ガイドを付けてLSDのセッションを行う為の施設を作ったりとかですね。
この試みは順調に進んでいたようで、会員もみるみる増えていったそうなんですが、CIAからの横槍などが入って、行き詰まってしまいます。

ただ、この活動の中で、資産家のビリー・ヒッチコックと出会った事で、この人物がパトロンになってくれることになるんですね。
これでリアリーはめでたく、資金を気にせず研究に没頭することが出来るようになるのですが、此処から先は、また次回にということにしようと思います。

オリンピックでeスポーツ!? 最近格ゲーを再開して感じたこと

ここ最近になって、eスポーツという名称が前面に出てきて、話題となっていますね。
2020年の東京オリンピックには、eスポーツも組み入れられるのか!なんて議論までされ、普段からゲームをしている私は、ゲームに対する偏見が徐々になくなっている感じが心地よかったりします。

さて、そんなeスポーツですが、最近はプロライセンスなんてのも生み出され、業界全体が盛り上げようと必死になっている感をヒシヒシと感じるのですが…
その熱意とは裏腹に、実際に一般に浸透しているのかというと、そうでもなかったりします。
私の周りを見渡しても、日本でプロ化している種目である6種目のゲームをやっている人間は殆ど観ない。

まだ、モンストやパズドラといったゲームをやっている人間は偶に見かけますが、その殆どが、サンクコストを考えて惰性でやってる感じで、数年前の盛り上がりがあるのかというと、そうでも無い。
据え置き機の種目である4種目に至っては、周りでやってないどころか、存在も知らない人もかなり見かける。
少し前、知り合いの働くレストランにいった際にゲームの話になったので、ストリートファイターの話をしたら、『あれって、まだ続編出てたんですね!』なんて言われる始末ですよ。
そんな状態なので、Call of Duty WWⅡなんていっても、『FPSってなんですか?』とか言われてしまう。

業界はこんなに頑張ってるのに、何故、こんな状態なのか。
今回は、久しぶりに私自身が格闘ゲームを再びプレイし始めたという経験を踏まえた上で、考えてみようと思います。

その前に、私のゲーム事情を書いておきますと、小学校から20代半ばぐらいまでは、ゲームが趣味というような子供でした。
ですが、社会に出てからは徐々にゲームから離れていき、次にゲームを始めたのが37歳ぐらいから?つまり、2015年ぐらいからだと思います。
子供の頃は、小遣いの主な使いみちはゲーセンで、ストリートファイターシリーズやSNKの格ゲーを小遣いの範囲でプレイしていました。
ただ、格闘ゲームも中学時代がピークでその後は、ビートマニアDDRといった音ゲーに流れていき、高校卒業と共にゲームに費やす時間も徐々に減っていきました。

そんな私ですが、スマホを手にしたのを機にPodcastにハマりだし、そこでゲーム系の素人ラジオを聞くうちにゲーム熱が再燃し、再びゲームをやり始めたという次第です。

PS3とPS4を大人買いしてゲームに没頭。
そして、eスポーツのプロライセンス発行団体がプロ競技に採用したストリートファイターVが発売された際には、発売日に購入し、プレイしました。

初めてストVに触れた感想としては、グラフィックも綺麗で、音楽も演出も凄い!
これ程のゲームを、1プレイ毎に50円入れずに出来るというのに感動しました。

しかし、そんな感動も一瞬だけ。少し経って冷静になると、徐々にネガティブな感情が沸き起こってきます。
その理由はというと、小さな理由を上げていくと沢山ありますが、要約すると、難しいという事。

どんなスポーツでも初めて行うのは難しいものですが、その中でも、最近の格闘ゲームの難しさは断トツだと感じました。
その一番の理由というのが、ゲームスピードの上昇でしょう。

私が子供の頃にプレイしていたストリートファイター2や、初期のSNKの格闘ゲームは、総じてゲームスピードはゆっくりでした。
これは、そもそも格闘ゲームなんてものが殆どプレイされていなかった状態で、多くの人が初めてジャンルに触れるという状態だった為、スローテンポでもゲームとして成り立っていたというのが大きいでしょう。
しかし、一つのジャンルとして定着してから30年近く経っている現在は、そんなスローペースではゲームとして成り立たない。現状、マイナージャンルである格闘ゲームで生き残っている人を対象にしている最近のゲームは、とにかくスピードが早く、初心者からすれば何が起こっているのかどうかもわからない。

これを読まれている方の中には、『いやいや、慣れろよ!練習しろよ!勉強しろよ!w』と叩く方もいらっしゃるでしょう。
確かにその通りですし、昔と同じゲームスピードでやった場合は、20年近くゲームをやり続けている人は全ての技に見てから対応できる為に、競技としてつまらないという言い分も分かります。

ただ、この環境の場合、ストV から参入してきた人間の多くは、かなり初期で挫折してしまうのではないでしょうか。
先ず、一番最初につまづくのはコマンド。 私が初めてスト2に触れた時もそうでしたが、昇竜拳以前に波動拳が出ない… 必殺技が出ない格闘ゲームなんて、正直、何の魅力もないので、初心者は取り敢えず安定して必殺技が出るように練習しなければなりません。
最近の格闘ゲームは、初心者にも受け入れられるように、コマンド受付なども甘く作られて入るとは言いますが、全く触れたことがない人間にとっては、それでも難しく、数時間以上の練習を強いられます。

必殺技が安定して出るようになると、次は通常技からのキャンセルです。 通常技が当たった瞬間にコマンドを成立させる事で、通常技の後半部分のモーションをカットして必殺技に繋げられる基本テクニックなのですが、これまた難易度がかなり高い。
昔のようにゲームのテンポがスローであれば、ある程度コマンドを確かめながら入れても何とかなりましたが、今のようにテンポが早い状態だと、とにかく早く正確にコマンドを入れるように集中しないとコンボが成立しない。
これも、技の発生が遅く、攻撃が当たった際にヒットストップと呼ばれるダメージが入る瞬間に画面が一瞬止まる演出が大きい『大』攻撃の場合は、まだ、それなりに練習したらなんとかなるでしょうが…
これが、出始めが速い上にヒットストップが殆ど無い『小』攻撃をキャンセルして出せなんて言われたら、素人からすればその時点で無理ゲーになったりします。

更にいえば、大攻撃から入るコンボなんていうのは、当てるチャンスというものが殆どありません。今の格闘ゲームの主流は、敵の攻撃が当たりそうで当たらない中距離を維持し、『小』や『中』といったスキの少ない攻撃を牽制として出していく。そして、牽制がガードされれば反撃を受けないように距離を調整し、当たった時だけキャンセルかけてコンボを発動させるというのが基本戦術となってたりします。
牽制のヒット確認した上でコンボに繋げるなんて、一体、何百時間練習したらモノになるんだ?ってレベルの技術ですが、格闘ゲームでは、このレベルの技術を付けて初めて、スタートラインに立てます。
では、それ以前のレベルの場合はどうなるのかというと、対戦をした際にはサンドバックにされ続けます。

そして、サンドバック状態から抜け出す為にネットで初心者講座なんかをみてみると、初心者はそこでまた、壁にぶち当たります。何故なら、書いてある文章の意味がわからないから。
例えばネットの基本講座には、『この攻撃はガードさせると-5fだけれども、当てると+3f。このキャラの屈コパは3fなので、キャンセルで◯◯につながる。コマンドは、623ではなく323の簡易で出る。』なんて書かれてたりしますが… 一体、何の呪文なんですか?

ちなみ解説をすると、fというのはフレームの略で、ストVは60fps(一秒間に60フレーム)なので、3fやら5fというのは、60分の3秒や60bンン5秒の事を指しています。
コマンドの数字は、電卓などのテンキーをレバー入力に置き換えたもので、→=6で↓=2となり、3は斜め右下という事になります。コパは小パンチ攻撃です。

ここで改めて、格闘ゲームの難しさが分かってもらえると思います。
というのも、このゲーム。 攻撃が60分の3秒とか60分ん5秒の攻撃が当たるまでに必殺技のコマンドを入れないと、連続技そのものが出せないということです。
上級者になると、当たるかガードされるかがわからないような3fの攻撃に必殺技のコマンドだけを入れておき、当たったらボタンを押して牽制にキャンセルをかけて必殺技とか出すんです。

安定的に勝利を掴み取るためには、このレベルの技術を身につける必要がある為、ひたすら、コマンド入れとコンボの精度を上げていくというトレーニングを定期的にやらなければならない。
まぁ、言ってしまえば、この行動そのものが、スポーツにおける反復練習と同じとも言えるので、eスポーツなんて言われているわけですが…それにしても、難易度が高すぎませんか?

それに加え、対戦で勝つ為には、相手のことも知る必要が出てくるわけで… 自分がプレイキャラとして使うキャラクター以外に、皆がよく使うキャラクターの事も研究しなければならない。
よく使われるコンボを知り、そのコンボがガードできた際には、どの攻撃を出せば確定で入るのか、ガードして不利になる場合は、どう立ち回ればよいのか等々。
こうして考えると、普通にゲームとして楽しめるようになる為に、いったい何百時間の練習が必要になるの?って感じです。

今、若者の格闘ゲーム離れなんて言われていますが、スマホの画面をポチポチ押すだけのポチポチゲーが全盛期の今、60分の1秒のスキを狙って牽制し合って読み合い、僅かなスキに攻撃を当て、そこから最大のリターンを得るために超難度コンボを決めるなんてゲームに、今から参入しろという方が無茶な気もします。
だからといって、ストVを初心者でもお手軽にプレイできるような難易度に設定し直せなんて暴論は言いませんが、初心者でも楽しめるレベルの入門ゲームを作って全面に押し出すって事も必要だと思うんですよね。

これに対し、『格闘ゲームは観戦に重心を置いてるから大丈夫。』という意見も聞いたりします。確かに、youtubeでは自分でプレイするよりも実況見てた方が良い勢っていうのも結構いますし、その理屈も分からなくはありません。
ですが、オリンピック種目を目指すのであれば、凄いプレイが誰でも一目で判断出来るようなゲーム作りであったり、実況というものが必要になってくると思います。

この実況に対しては、現状でも解りやすく解説してくれる解説者が既に存在しているという話も聞いたりしますが、私からしてみれば、格闘ゲーム界で分かりやすいと言われている実況のレベルが、世間一般とズレているような気もします。
つまり、現状で分かりやすいと言われている実況は、格ゲープレイヤーにとって分かりやすい実況であって、一般人にとっては呪文にしか聞こえないということ。
ここで、私が前提としている一般人の定義がわからないという方の為に、例を上げて一般人がどのレベルなのかというのを説明したいと思います。

私は今年のはじめに、友達が働いている美容院に髪を切りに行ったのですが、その際、正月に放送していたeスポーツ特集の話をされました。
ちなみに言っておくと、彼女はゲームというものに余り触れておらず、据え置き機はスーファミぐらいで止まっている感じです。
私はその番組を観ていなかったのですが、彼女の話によると、eスポーツと言うものを一から説明しつつ、ウメハラ特集的なものをやっていたそうなんですが、そのウメハラさんの凄さを紹介するために、一つの動画が映し出されたそうです。それがこちら。

体力ゲージがゼロの状態で、必殺技をガードした時点で負けが確定する試合で、春麗の必殺技を全てブロッキングで防いだ上で、逆にコンボを決めて勝利するという逆転劇で伝説となっている試合ですが、この動画を見た彼女の反応は、どのようなものだったと思いますか?
『あの逆転て、凄いことなの?』という単純なものでしょうか。『ブロッキングって難しいの?』という技術的なことでしょうか?

答えは全く違ったもので、彼女の感想は、『結局、ウメハラって人は、春麗とケンのどっちを操作してたん?』といったもの。
冷静に考えれば、当然といえば当然の感想ですよね。 格闘ゲームをやってない人間にとって、必殺技ガードでライフが削れるとか、ガードとブロッキングの違い、ブロッキングそのものが難しいなんて事は知らないわけですから、先程の動画のどの部分がスーパープレイなのかというのが、そもそも理解できない。
じゃぁ、彼女だけが特別レベルが低いのかというと、そんな事も無く、むしろ普通だと思うんです。 格闘ゲームをプレイしてない人類なんて山程いますし、むしろプレイしている人類のほうが絶滅危惧種の状態です。

こんな現状で、オリンピック競技なんかになったとしても、試合内容その物を理解できない人が大半ですし、結果として、裾野も広がらないと思うんですよね。
『じゃぁ、実況者を育てれば…』という意見もあるでしょうが、先程も書きましたが、最近の格闘ゲームのスピードは早すぎるので、そもそも実況が追いつかないと思われます。
一つの攻防の解説を早口で5秒かけて行ったとしても、その5秒の間に2個ぐらい心理戦が挟まったりしてしまいます。この状態で分かりやすい解説を的確にしろと言う方が、無理難題なのかもしれません。

こうしてみていくと、格ゲーと呼ばれるものがスマブラに食われるのもよく分かる気がします。

必殺技は方向キーと必殺技ボタンだし、敵をリングアウトに持ち込むというルールを説明されただけで、簡単にゲームを楽しむことが出来るし、ゲームスピード的にも実況が楽な上に理解しやすい…
ゲームに限らず、あらゆるスポーツやコンテンツが裾野を広げる為に必死に頑張ってる現状ですが、格ゲーだけが、マニア以外お断り!という雰囲気を出し、自ら絶滅に拍車をかけているように、私には見えてしまいます。

個人的には、格闘ゲームというのは私の人生の一時期を占めていたジャンルなので、なくなって欲しくはありませんが、現状の路線を突き進む限り、近い将来、無くなってしまうかもしれませんね。

【MHW】チャージアックス ソロでハンターランク(HR)開放に挑戦! (1)

皆さんこんにちは。 良いハンターライフをお過ごしでしょうか。
前回までは、どんなクエストを進めていけばよいのかと言った事を中心に書いていきました。

      

準備編
kimniy8.hatenablog.com

簡単に振り返ると、今回のMHWは、ストーリーを進めるだけであれば、任務クエストだけを薦めていけば良いのですが、その任務クエストを進めていく上で大切になって来るのが、食材クエスト。
モンハンでは、食事をしてから狩りに行くというのが流れとしてありますが、その食事に使われる食材の多くは、探索で手に入れたりクエストを通じて取りに行かなければなりません。
結構面倒くさいのですが、これをこなす事で、食材が揃う事で食事で得られるスキルが増えますし、狩りが有利になるんですよね。

その他に優先すべきは、古代樹の成長と肥料クエ。このクエストをこなす事で、1クエスト消化する度に指定の3個のアイテムを6~8個増やすことが可能です。
大タル爆弾Gに使用する鬼ニトロダケや秘薬に必要なマンドラゴラ等も、簡単に増やすことができるようになる為、古代樹間施設の拡張は必須ともいえますね。
前回までは、この2つのクエストをクリアーしつつ任務クエストを進めて行くと、非常に効率が良いというのを紹介しました。

古代樹で生産するアイテムとしては、ハチミツは当然として、マンドラゴラと光虫は増やしておいたほうが良いです。
マンドラゴラを使用する秘薬は、短時間で摂取することが可能な上、全体力が上限まで回復します。
初期体力が100の場合は150まで回復しますし、初期が150なら200まで回復。倒れて体力が初期化された際に使用すれば、いつでも上限まで上げることが出来るので、大量に用意しておきたいですね。

光虫は、スリンガー閃光弾の材料になる為、狩りには必須の素材となります。古代樹の枠に余裕があるなら、取り敢えず光虫を増やしておきましょう。
閃光弾は、飛んでいる敵に向かって撃つ事で、地面に叩き落とした上にダウンを奪える優れもの。
チャージアックスは、如何にして超高出力属性解放斬りを当てていくのかという武器ですが、閃光弾で叩き落とした敵には、確実に急所に超高出力属性解放斬りをヒットさせることが出来る為、必須といって良いです。

スリンガー閃光弾は3つしか持ち込むことが出来ませんが、光虫は10個まで持ち込むことが可能で、この素材だけで調合が可能。特定アイテムの調合はショートカットキーに入れることが可能な為、戦闘中でも簡単に調合可能。
これを利用すると、合計で13の閃光弾を持ち込むことが可能。 これ程の閃光弾を持ち込めば、例え古龍のクシャオダオラでさえも使い切る前に倒せるので、飛ぶ相手に対しては調合分も合わせて持ち込んでいきましょう。
スリンガー閃光弾を13個満ちこむことによって、飛竜系のリオレイアリオレウス・レイギエナ・クシャオダオラなどは、良い的になります。特に、頻繁に飛び続けるリオレウスとレイギエナは、一旦飛び立つと閃光弾が無い状態だと攻撃その物を当てることが出来ないため、当てることが出来ない為、必須と言っても良いでしょう。

このブログでは、チャージアックスでの攻略を前提として書いていますが、正直、スリンガーは閃光弾以外はほぼ使いません。
作るのが面倒な音爆弾も基本的には使う機会が無いので、ショートカットキーには閃光弾と、その調合をセットしておく事をお勧めします。
ここまで、狩りとは直接関係のないことばかりを書いてきましたが、ゲームを効率よく進めるためには結構重要な事なので、覚えておいて損はないでしょう。

という事で、早速、攻略を行っていくわけですが、文字で読んでも分かりにくいという方の為に、動画を作ってみましたので、こちらも合わせて見ていただくと幸いです。


今回から初めてMH:Wに触れる人もいらっしゃるかもしれませんので、近接で狩りを行う上での一番基本的なことを書くと、基本的にはモンスターの真正面には絶対に立たないようにしましょう。
では、真後ろに立てば良いのかというと、実は真後ろも危険ゾーンだったりします。
というのも、このゲームに登場するモンスターの多くは尻尾が生えているのですが、その尻尾で攻撃してくる敵というのがかなり多いんですよね。
尻尾攻撃は出るのも速い上に射程も長いので、尻尾を切り落とすなどの明確な目的でもない限り、基本的には避けたほうが良いでしょう。

では、何処に立てば良いのかというと、基本的には敵の横が良いでしょう。それも、後ろ足に近い辺りは、基本的には安置といっても良いぐらいの位置なので、基本的にはこの場所をキープするように心がけましょう。
下位のモンスターは、そんなに頻繁に動かない為、立ち位置の練習にもってこいですので、ここで位置取りを練習しておきましょう。

基本的には、納刀時はダッシュ、武器出し時は回避行動などで近づき、間合いに入りそうになったところで突進斬りを出して間合いに入ります。
突進斬りは、脳当時は方向レバーを入れながら△ボタン。武器出し時は△◯ボタン同時押しで出すことが出来ます。
そこから△を連打してもコンボが繋がるのですが、このコンボでは剣撃エネルギーが全然貯まらないので、突進斬りを出した直後に◯ボタンを押しっぱなしにして、溜め二段斬りに移行しましょう。

溜め二段斬りは、エネルギーが一番溜まりやすい攻撃で、2発当てるだけで赤まで貯めることが可能です。剣での攻撃の際は、この二段斬りを狙う事が基本となってきます。
剣撃エネルギーを最速で貯めるコンボは、二段斬り→盾突き→二段斬りで、コマンドとしては◯ボタン一定時間押しっぱなし→丸ボタン離す→△◯同時押し→◯ボタン押しっぱなし…という感じ。
この二段斬りの溜め時間は、スキル『集中』で最大20%まで時間短縮することが可能です。

剣撃エネルギーが溜まって赤くなると、それ以上は剣攻撃が出来なくなりますので、エネルギーを盾に移しましょう。操作は、ガード中(R2)に◯ボタン。
チャージモーション中に◯と△同時押しで盾突きが出て、盾突き中に◯と△同時押しで高出力属性解放斬りがさせるので、その出始めのモーションをR2を押してキャンセルすると、盾を属性強化状態にすることが出来ます。
属性強化ジョウタにすると、ガード性能と斧でのダメージが上昇するので、積極的に行いましょう。 属性強化状態は、ビンの消費本数×30秒です。

盾にエネルギーを移した後は、再び剣で切ることが出来るので、剣攻撃で再び攻撃をしていき、盾にエネルギーを移すという作業を行います。
このチャージの際、盾が属性強化の場合は、チャージ中に△ボタンを長押で、剣の方を属性強化にする事が出来ます。剣を属性強化すると、剣に心眼効果(弾かれ無効)が付く上にダメージが上がるので、チャンスを伺いながら強化しましょう。

ここまでの立ち回りを観て、ちょっと不便な片手剣という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、属性強化を終え、ビンを貯めるという下準備が終わってからが、チャージアックスの本領発揮です。
というのも、この状態でのみ放つことが出来る攻撃手段である、超高出力属性解放斬りというのが、本作でぶっ壊れ性能と呼ばれている攻撃手段だからです。

特に火力を意識しない装備で使ったとしても、古龍相手に900近くのダメージが出ますし、火力増々で、超高出力のダメージを底上げできる砲術スキルを付けた時の火力は、正に、ぶっ壊れ性能。
更に凄いのが、この攻撃。運用によっては2連発で出せることが出来るという事。その方法は簡単で、ビンをタメた状態で剣にもエネルギーを貯めておくという方法。
超高出力を撃ってビンが空になったら、即座にチャージする事で連続して打てます。

とは言っても、出るまでのモーションが結構長い為、当てるのが結構大変だったりはしますが。
まぁ、突き詰めれば、チャージアックスという武器は、如何にして超高出力属性解放斬りを当てていくのかという武器なので、その辺りの練習は必要なんですけれどもね。

操作に慣れてくれば、モンスターの動きの方に注目しやすくなってきますし、パターンも分かってきますので、超高出力を出すタイミングも分かってきます。
それまでは、頑張って、練習してみてください。
それでは、良いハンターライフを!

【本の紹介】銃・病原菌・鉄 下巻

今回の投稿は、結構前に書いた『銃・病原菌・鉄』の下巻について書いていきます。
上巻の投稿をまだ読まれていない方は、こちらからお読みください。
kimniy8.hatenablog.com

      

一応、上巻についての投稿を簡単に振り返ってみましょう。
現状の地球を見渡すと、様々な地域に様々な人種の方が住んでいて、それぞれの文化を形成しています。そして、それらの文化には、『差』というものが存在します。
文化の差というのは、何を基準にして『進んでいる』とか『遅れている』というのを定義するのかという話もありますが、それは取り敢えず置いておいて、地域によって、『進んでいる』とか『遅れている』なんて事もあったりします。

では、遅れているとされている地域の人達は、何故、遅れているのでしょうか。
様々な発明を行い、先進的な技術を持ち、文化が進んでいるとされている地域の人達は何故、進んでいるのでしょうか。
白人至上主義が考えるように、白人が遺伝的に優れていて、有色人種が遺伝子的に劣っているから、差が生まれているのでしょうか。

この本を書いた筆者は、自分の研究をしている最中に、パプアニューギニアに住むヤリという人物と会い、彼から『何故、私たちは多くのものを持っていないんだろう?』という問いを投げかけれられます。
その単純でありながら難解な問に応える為、歴史を紐解いていくというのが、この『銃・病原菌・鉄』という本です。

この解説を読んで、単純に歴史書と思われる方も少なくないとは思われますが、この本は、どちらかと言うと科学の本に近いです。
歴史を振り返るとは言っても、数千年前に誕生した有名な四大文明が誕生する前からの話で、その四大文明が何故、誕生したのかというのを、地形や生物学の知識を元に読み解いていきます。

例えば、四大文明は大きな河のそばで生まれたとされていますが、何故、大きな川があれば文明は生まれるのでしょうか。
そして、何故、4つの地域だけだったのでしょうか。
答えを言ってしまうと、その4つの地域の人々が優秀だったとかそういうことではなく、単純に、地形的に恵まれていたからです。

人類で一番最初に農耕を始めたのは、メソポタミアに有る肥沃三日月地帯と呼ばれる場所でしたが、この土地は、植物が育ちやすい気候である上に、人間が食べられる種類の植物が他の地域に比べて断トツで多く生息していました。
また地形も、なだらかに標高が高くなっていくという地形。 標高というのは、100メートル上昇する度に1度気温が変わると言われていますが、なだらかに標高が高くなっていくという事は、同じタネを撒いたとしても、収穫時期がずらせるという事。
簡単に説明すると、15度で発芽する植物の種を撒いた場合、発芽するタイミングが標高が高くなるに連れて遅くなるということ。当然、収穫時期もズレる為、1つの植物の種を撒いたとしても、収穫期が長くなります。

つまり、古代メソポタミアの人達が努力して植物学を発展させて工夫したからではなく、土地として恵まれていたというだけだったという事です。
その一方で、不利な土地の方は人間が食す事が出来る種類自体が非常に少なく、その植物も、量産が難しかったりする。この有利不利は、科学や流通が全く発達していなかった古代においては決定的な差となる為、農耕が定着するかどうか、またその時期に大きな影響を与える。

これは、家畜においても同じです。馬のように背に乗って移動できる家畜や、牛の様に農耕に利用できる家畜。豚のように食べられる家畜というのは、人間の近くにいたから家畜化されたのではなく、家畜するのに都合の良い正確をしているから家畜化されています。
例えば、馬と同じような姿形をしているシマウマは、大人になるに連れて凶暴化するという性格である為、馬のように移動手段として利用することは難しかったりするようです。

家畜化されている動物は、性格がおとなしかったり、食べる作物が人間とバッティングしないなど、人間にとって都合の良い性質を備えているものが人によって選ばれて家畜化されているわけですが…
その家畜も、先程の農作物と同じように生息域が限定されている為、全世界で同じ動物がいるというわけではない。 となると、当然ですが、家畜化し易い動物が元からたくさん分布している地域の方が有利ということになります。
人間が食べることが出来る作物が沢山有る地域で、尚且つ、人間にとって家畜化しやすい動物が沢山いる地域は、それだけ人間が生息しやすい地域といえる為、文明化しやすいというわけです。

今回紹介する下巻は、この続きからとなります。
人間にとって栄養価が高く収穫しやすい食物がたくさん採れ、家畜化しやすい動物がたくさん生息する地域というのは、生活基盤が安定してきます。
また、農業や酪農の技術が徐々に進歩していけば、一人あたりの生産力も向上していきます。そうなると、大量の人間を一つの集落で養うことが可能となります。

こうなると、文明が誕生する土台が生まれます。

では何故、人口が増えると文明が誕生するのでしょうか。それは、発明の性質に有ります。
発明と聞くと、多くの人間が、頭のいい人たちが頭を捻った上で、世紀の大発明をしてきたと思っておられると思います。
しかし実際には、そんな事はなかったんです。

今現在の研究や発明をみてもわかりますが、大半の発明は偶然の産物でしかありません。
ピンポイントで何かの道具や薬を発明しようとした結果、その研究過程で予想外のものが出来てしまい、そちらの方でお金を稼げたなんてよくある話でしょう。
その他にも、何らかの用途を目的とした道具を商品として市場を通して売り出したら、客が全く違った使用方法を思いついて、それをキッカケとして商品が大ヒットするなんて話もあります。
食品を保存するための道具として売り出したジップロックが、スマホタブレット端末を風呂場に持っていく為に利用されて売れたなんて話もありますよね。

発明というものは、ある日、偶然 生まれるものなのですが、その生まれた発明の利用方法を、発明者の多くは見いだせません。
印刷という技術が生まれたのは1400年前のようですが、それよりも数百年前に、同じような技術を使ったものが生み出され、発掘されていますが、その技術は世界に広まっていません。
車輪という概念が世界に広がる前に、とある部族の玩具に、車輪の技術が使われていたのにもかかわらず、その部族の中では、それを運搬道具としては利用しませんでした。

発明というのは、その道具の利用方法まで発明者が明確に分かっているものではありません。大抵の発明品の利用価値は、発明者が分かってなかったりします。
では、誰が発明品の利用価値を見出すのかというと、全く別の観点からその道具を観ている他人だったりします。

つまり文明が発達する重要な要素として存在している発明は、その価値を見出す他人がいないと無意味なものが多いという事。
という事は、文明が発達するためには、発明品が多くの目に晒されなくてはならない事になります。 人の目は多ければ多い程よく、10人の集落よりも100人・1000人・1億人がその発明品を見たほうがその用途を見出しやすくなります。

これで、文明が何故生まれたのかというのがつながりましたね。 つまり、文明が生まれた発達するために最も必要なのは人口ということになります。
人口が多ければ多いほど、アイデアや発明は多くの人の目を通して価値を見出されます。 そして、一つの発明品が生まれれば、それをキッカケとして、また新たな商品が生み出される。
この連鎖によって、文明は生まれて発達していくということ。

農業や酪農が安定し、安定した食料生産が可能となれば、より多くの人口を養うことができるようになる。そして、人口が増えれば増えるほど、些細な発見でも大きな意味を見出され、文明レベルがドンドン発展していくという事。
そして、食料生産が安定し、人口が増え、文明レベルが上昇すると、より多くの人口を養う為に、そして食料を確保する為に、土地が必要となります。
こうして起こるのが戦争なのですが、その戦争の勝敗を決するのが、鉄や病原菌だったりします。

ここで病原菌というのが出てきたわけですが、この病原菌は、殆どの場合は、文明が進んでいる方に味方をします。
そのメカニズムを簡単に言うと、インフルエンザの流行と同じです。 インフルエンザは、鳥の間で流行した後に豚を媒介として人間に感染します。
つまり、家畜を飼う文化が有る地域では病原菌に頻繁に晒される為、病原菌に対する免疫を勝ち取りますが、文明が低い狩猟民族は、家畜を飼う習慣が無い為に、その様な免疫が一切ない。
その結果として、最悪の場合、武力による衝突がなくとも、接触するだけで絶滅する恐れすら有るという事です。

多くの場合は、武力による衝突が有るわけですが、その際に鉄の武器を有しているかどうかで有利不利が決まり、その接触によって病原菌が狩猟民族に襲いかかる。
実際に部族同士が衝突してしまうと、その差は絶対的なものに感じてしまい、文明の差に目が行きがちですが、もともとの原因を遡ると、土地の高低差であったり食べることが出来る植物が多い、家畜化しやすい動物が多いというだけの利点でしかなかった。
偶然にも、その恵まれた土地に生まれた部族は文明が発達し、不幸にも、恵まれない土地に生まれてしまった人達は、狩猟採取生活をせざるをえなかった。

・・・と、結構ネタバレを含んで、簡単な『あらすじ』を書いてみたわけですが、こうしてみると、特定の地域で文明が進む大きな要因は、人種による優劣というよりも、生まれ落ちた環境が大きなウェイトを占めている。
そして、その地域に生まれるというのは実力ではなく運。 という事は、人種の優劣というのは、そこまで関係がないということなんですよね。。

今回は、駆け足で内容を書きつつ、簡単な感想を書いてみましたが、この『あらすじ』を読んで、イマイチ納得されてない方や、書かれている内容が理解できないという方も少なくないと思います。
まぁ、私の書き方が下手だという事もありますが、そもそもが下巻だけで400P 超えという大作なので、それを一つの記事でまとめること自体に無理があったりもします。
これを読んでもし、本の内容に興味を持たれた方は、購入して読まれる事をお勧めします。 実際のデータなどを踏まえて、一つ一つの事柄について丁寧に説明されているので、より、理解しやすいことでしょう。
おすすめです。

【Podcast #だぶるばいせっぷす 原稿 】第25回【ヒッピー】ティモシー・リアリー(1) ~ビート・ジェネレーション

この投稿は、私が配信している Podcast番組『だぶるばいせっぷす』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。
https://goo.gl/Bj2Kfh

youtubeでも音声を公開しています。興味の有る方は、チャンネル登録お願い致します。
https://www.youtube.com/channel/UCJQBE0rMdCbC0eT8BVe4GKA

第20回21回では、ヒッピームーブメントが起こる時代背景について、そして、22回、23回では、そのムーブメントに大きな影響を与えた、LSDと、その開発に関わっていた政府や軍について話していきました。
過去の4回は、ヒッピー革命を理解する為に、その前提となる内容を中心に話してきましたが、今回からは、それらの話を踏まえた上で、より詳しく勉強していこうと思います。

本題に入る前に、何故、ヒッピームーブメントについて取り上げる事にしたのかについて、話していきます。
前回までの放送で、ヒッピームーブメントを取り上げた理由として、東洋哲学との関連についても話してきましたが、理由はそれだけではないんです。
その他の理由としては、思想の変化というのが分かりやすいからなんですね。

思想の変化とはどういうことかというと、例えば仏教の場合は、開祖のブッダは、そもそも宗教その物について否定的でしたし、主張していることも、哲学者の懐疑主義的なものでしたよね。
宇宙と個人の根本原理が同一という前提から、更に発展させて、私自身が無である無我という境地に達する。
自分以外のあらゆるものと個人の主観を同一視する事で、他人を自分と同じように考えることが出来る、また同時に、個人を客観視することが出来るようにもなる。
そして、それらのもの全てが無いという事を体験によって理解することで、現実を客観視する事が出来るようになります。

では何故、この様な考え方が重要視されたのかというと、それまでに社会の前提となっていた考え方では、身分制度というのが大前提としてあって、それを肯定するために輪廻転生やカルマと言った考え方があったからです。
これは、どういう考え方なのかというと、下の身分として生まれてきた人間というのは、前世で悪いことをしたから下の身分に生まれた。そして、身分の高い者たちは、前世で善い行いをしたから身分が高い状態で生まれたという考え方です。

この考え方に対して異論を唱えたのが、ブッダですね。
ブッダは、今までの前提となっている考え方を完全否定するわけではなく、根本的な主張である梵我一如、つまり、宇宙と個人の根本原理は同じものだというのは踏襲しつつ、その解釈を変える…というか正確に解釈し直すことで、
輪廻転生やカルマといった、身分制度を肯定する考え方に異論を唱えたんです。それが、輪廻転生なんて存在しないし、生まれながらの身分制度なんて無いという事ですね。
そして、目の前にある世界というのは、当然のように有るわけではなく、自分が認識しているから存在しているように見えるだけと考え、この世界そのものも、混沌とした状態である事を主張しました。

しかしこの考え方も、時代を経る毎に変化していくことになります。
輪廻転生やあの世、極楽や地獄という存在は、いつの間にか存在していることになりますし、その宗教が下で、派閥が生まれたり、派閥が生まれることで争いが起こったりもしています。
中国や日本なんかでは、お坊さんが武装していた時期があったりもしますよね。

これは、仏教に限ったことではなく、どんなものが対象であったとしても、起こっていますよね。
キリスト教なんかでも、訴えているのは隣人愛ですよね。『与えよ、さらば与えられん』というのも、自分の欲を満たすのではなく、施しを与えることによって、人間が一番欲しいと思っている承認欲求が得られます。
また、この行動によって他人が自分に接する態度も変わる為、幸福感も得られます。
そして、そういう行動を皆が取れば、皆が幸せになれるという価値観の提示ですよね。
でも、時が流れれば流れるほど、解釈はドンドンと変わっていき、最終的には、世界中で戦争を起こすようになっていってますよね。

この様な解釈の変化が、何故、起こってしまったのかというのは、今となっては、詳細に知ることは出来ません。
しかし、ヒッピームーブメントというのは、今から50年ほど前の出来事で、比較的情報量も多いんですよね。その上、期間が10年程度という事で、追っていきやすいんです。
という事で、前置きが長くなってきましたが、本題に入っていこうと思います。

まず、このヒッピームーブメントと呼ばれる白人の若者たちが中心となって始まった動きですが、いきなり登場したわけでは無いんです。
社会というのは、基本的には絶えず問題を抱えているもので、その問題を解決する為に、社会に関わる『人』そのものの考え方が変わっていくことで、社会全体に変化をもたらしていくもので。
その変化が継続的に起こり続けることで、社会そのも変わっていきます。

ヒッピー革命も、その流れの延長線上で起こっていて、その前段階となる社会の環境が存在していました。
それが、ビート・ジェネレーションと呼ばれる人達が関わっていた、ビート運動と言うものです。
ビート運動というのは、主に思想的な運動だったようで、簡単に調べてみたところ、詩人たちの活躍が目立ちます。
この運動の中でメインとなっていた音楽はジャズで、集会を開いては、自作の詩を朗読するポエトリー・リーディングなどを行っていたようです。

年代としては、1955年~1964年で、中心となっていた作家は、アレン・ギンズバーグウィリアム・バロウズなどですね。
余談になりますが、サブカルの世界では、ブレードランナーという作品が結構有名で、観ていないとバカにされるレベルなんだそうですが、この作品の原作は、フィリップ・K・ディックが書いた『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』なんですが、何故、『ブレードランナー』というタイトルになったのかというと、先ほど名前を出したウィリアム・バロウズが書いた小説のタイトルから取ったそうです。

本題に戻ると、ビート・ジェネレーション、ビートニクと呼ばれた人達は、何に不満を持っていたのかというと、アメリカという社会の方向性なんでしょうね。
人間の社会というものは、基本的には大きくなればなる程、シゴトの分化と言うものが起こってきます。
例えば、少数民族の場合は、生活を成立させるために必要な仕事の大半を、自分達で行わなければならないですよね。

でも、人が集まって人数がドンドン増えていくと、生活に必要な全ての仕事を一人で行う必要はなくなって、専門職が集まって、一つの社会を形成し始めます。
例えば、農業を行う人、酪農を行う人、家具を作る人、政治を行う人、治安を守る人、人を裁く人といった具合に、生活に必要な仕事が分かれていって、それぞれの専門職となっていきます。
そして、この流れは、産業革命以降の製品製造の自動化や、それに伴う資本主義、そして通信機器の発達によって、更に加速することになります。

この社会の方向性と行き着く先というは、非人間的なものになってしまいますよね。
時代はもう少し古くなってしまうんですが、チャップリンのモダン・タイムスという映画の内容が、この思想を理解する近道だと思います。
機械や情報技術が発達することで、人間が生活をする為に機械を使うのではなく、人間が経済というシステムを回す為に、機械に使われる事になります。

機械に使われる程に進んだ社会では、仕事の分化が更に進む事となり、そこまで技術が進んだ社会では、人間は自分が任された狭い範囲の事柄しか理解することも出来ないし、知る必要もなくなります。
そして人はドンドンと無知になっていき、自分で情報を調べることもなくなっていきます。
こうなると、社会で起こっていることを知る方法は、テレビや新聞度、一方的に発信される情報を鵜呑みにしていくわけで、これらの情報でシステムをより強化するような事が論じられると、人はそれを疑うことなく信じることになります。

仕事を分化して細切れにすることで、全体を見れないようにして、一方的な情報を与える事によって、このシステムをより強固にしていく。
人は、生まれた段階でこのシステムに組み込まれてしまい、このシステムを回す為に、選択肢を限定されていくわけですが、情報操作によって、まるで自由が与えられているかのように錯覚し、与えられた選択肢を自分の腕で掴み取ったかのように錯覚してしまいます。

分かりやすいように、日本の現状で説明すると、子供が生まれた段階で、子供の将来のことを考えて、親は教育する事になります。
当然のように義務教育を受けて、当然のように高校に進学し、大学に行って就職する。
良い会社に就職できれば勝ち組で、ブラック企業に勤めれば負け組となるわけですが、じゃぁ、良い大学を出て良い就職先に務めることは、自分自身で勝ち取ったものなのかというと、そうではありません。
学歴というシステムによって選別されて選択肢を限定されます。その中で、性格や見た目などの情報によって、更に選別されて、社会の一員としてシステムに組み込まれていきます。

では、社会に入って仕事をすると、社会のことが分かるのかというと、そうでもありません。
社会はピラミッド構造になっていて、上の人間は下の人間に指示だけを出す為、現場のことが分かりませんし、下の人間は指示を受けた仕事を機械的にこなす為、自分のしている仕事の全体像が分かりません。
自分が何をしているのかわからない状態ですが、取り敢えず毎日出勤をして、意味があるのか無いのかわからない仕事をして、それを終えて帰宅する。
帰宅すると、夕方や深夜に放送されるニュースを観て、世の中が分かったような気になって、次の日に備えて眠りにつく。

この世の中には、一見すると様々な選択肢が与えられていて、自分の生活はその選択肢の中から自分で選び取ったものだと思わされているわけですが、実際には行動は縛られていて、限られた範囲の中で自由を与えられているにすぎないんです。

学校に在学中は受験勉強に追われて、学校を卒業する頃には就活に追われる。そして、就職が終われば仕事に追われ、その中で婚活をしなければならない。
婚活が終わると、子供を産まなければならない圧力に晒されますし、産めば産んだで、その子をレールの上に載せなければなりません。
全てが終わった頃には体力も限界に近づいているでしょうし、今度は死ぬための準備として、終わる活動、終活をしなければなりません。

これでは、自分達が生活する為にシステムを利用しているのか、システムを維持する為に繁殖させられているのか分かりませんよね。

こういった状態を管理社会とも言うのですが、この管理社会の現状に疑問を持ち、文学面から問題提起をして、反抗した人達というのが、ビート・ジェネレーションだったのでしょう。
ビートという言葉の意味は、『打ち負かされた』という意味で、ビート・ジェネレーションは当初は、『打ち負かされた人達』や『人生に疲れた奴ら』というネガティブな意味でドロップ・アウトした人達に向けて使われていたようですが、後に、『アップビートでいこう』とか、『幸せをあなたに』といったプラスの意味も付加されて、正と負の2つの意味を含むようになったようですね。

ヒッピーというのは、先ず、このビート世代を前提として、そこに新たな価値観が加わって大きく成長したものだと考えた良いと思います。
その新たな価値観というのは、LSDによる意識拡張ですね。
そして、このLSDという幻覚剤で、最も大きな影響を受け、そして最も大きな影響を周りに与えた人物というのが、ティモシー・リアリーという人物だと思います。

という事で、今回からのヒッピー・ムーブメントの考察は、このティモシー・リアリーという人物を中心に、考えていこうと思います。
一応最初に言っておきますけれども、今回からの放送では、人物名や団体名、年号などが結構多めに出てくると思いますが、別にそれらを覚える必要はありません。
受験勉強などではないんでね。 大体、どんなことが起こっていたのかというのを理解してもらえれば、それで大丈夫です。

という事で本題です。
このティモシー・リアリーという人物ですが、元々は臨床心理学者で、心理学関係の教科書なども執筆している、結構優秀な学者さんだったようです。
心理学を応用して心理テストなども制作し、その心理テストはできが良かったのか、CIAが社員を選別する為に使ったとも言われています。
この様に、心理学者としての道を順調に進んでいたリアリーは、その優秀さからかハーバードから声がかかりそこで教職を得ることになリます。

ハーバードでも、自分なりに心理学の道を進んでいたようなんですが、これまでが上り調子で順調に進んでいたのに対し、ハーバードに就職後は、思ったよりも功績も出せずに、足踏み状態、踊り場に差し掛かっていたようなんです。
1959年のそんなある日のことですが、同じ心理学者の友人から、マジックマッシュルームを進められることになります。
当初は乗り気ではなかった様なんですが、物事が順調に進んでいない時だったからか翌年の60年には、リアリーは誘いに乗って、幻覚成分を含むマジックマッシュルームを試してしまいまうんですね。

この最初のトリップで、リアリーの人生が大きく狂うことになります。
というのも、キノコによってもたらされた幻覚によって、今までの価値観が書き換えられてしまったからなんです。
幻覚成分を含むキノコというのは、キリスト教の世界では特に厳重に禁止されていたようなんですが、その理由というのが、この、価値観が書き換えられるほどの経験です。
うまい具合にトリップすれば、誰でも神の声を聞くことが出来るし、啓示を受けることも出来ます。天使が目の前に降りてくるという軌跡も、実際に見て体験することが可能となるわけです。
幻覚剤はそれ程までに強烈な代物で、リアリーはこの時、今までの人生が揺らぐほどの大きな影響を受けたようです。

リアリーは、これまでの心理学の研究で、人間の行動を変化させる鍵は自分自身を性格に知る事だと主張していたようなんですが、それが薬物によって瞬時に起こることが分かり、また意識拡張によって、自分自身の殻を瞬時に破ることが出来る。
そして、それを幻覚という形で実際に体験する事で、いつでもその体験を思い出すことで再現できる事に興味を持ち、このトリップ以降、リアリーは研究対象をキノコの幻覚成分であるシロシビンに移します。

この研究を進めていく中で、リアリーはオルダス・ハクスリーという人物の書いた、『知覚の扉』という本を知ることになります。
この、『知覚の扉』という本は、私は読んだわけではないんですけれども、作者自身が幻覚剤であるメスカリンを投与した際のサイケデリック体験と、その体験の考察を書いているようですね。
ですから、体験中に何を考えていたのか、また、体験後に、現実世界をどのように感じることになったのかと言った体験する前後の感覚の差や、その考察などでしょうね。

私自身は、幻覚剤に限らず禁止薬物は使用したことがないので、当然のことですが、幻覚剤も使用したことはありません。
ですので、これらの幻覚剤の話は出版されている体験記やネットからの受け売りが多いのですが、この幻覚剤体験を一番理解しやすいものとしては、LSDを投与直後に、自画像を描いてもらうという実験が面白いです。
実験内容はそのままなんですが、絵がかける人に短時間で簡単な自画像を描いてもらい、LSDを投与してからも、一定時間ごとに書き続けてもらうという実験です。
LSDのトリップは6時間ほど続くと言われているので、その中で人間の感覚がどのように変わっていくのかというのが、目で見て理解しやすいと思います。
『LSD 絵』なんかで検索すると、すぐに出てくると思いますので、興味の有る方は見てみてください。

この『知覚の扉』を書いた、オルダス・ハクスリーという人物ですが、多数の科学者を排出したハクスリー家に生まれて、父親はダーウィンの進化論を指示する有名な学者のようですね。
オルダス・ハクスリー自身は、科学ではなく小説家として有名で、『素晴らしき新世界』という作品では、ディストピアとしての管理社会を風刺しているようです。
SF作品なんかでは、完全管理社会の中で抑圧される人々が、自由を求めて政府に対して向かっていくなんて作品が多いですが、それらは、先ほど紹介したビート・ジェネレーションの影響があるのかもしれないですね。

リアリーは、本を通してハクスリーに興味をいだき、本人にも会いに行くのですが、これ以降の話は、また次回にということで。

働き方改革? 裁量労働制で人々の暮らしは楽になるのだろうか。

ここ最近、ニュースでは、働き方改革の一環で行われようとしている、裁量労働制性問題が話題になっています。
という事で今回は、この問題がどういうものかというのを、簡単に説明しつつ、この問題について考えていきます。

日本の現状の働き方は、基本的に定時の8時間労働が基本で、会社によっては残業が行われていることを前提として人を雇用している状態に有ります。
これからの少子高齢化社会、この様に、長時間高速が前提の職場が多い状態では、何かと国民に負担がかかって来ることになります。

例えば、子供が欲しいと思っている人は、子供の準備の為に仕事を長期間休まなければならなかったり、最悪、辞めなければなりません。
生まれたら生まれたで、小学校に行くぐらいまでは子供に手がかかり、フルタイムで働くなんて事は難しい。

では、子供がいない家庭では問題がないのかというと、そうでも無い。
人間は誰しも親から生まれてくるもので、子供がいなくても親はいるし、長生きすれば介護問題も出てくる。
仮に、体は元気だけど認知症なんて事になれば、長時間、家を空けておくと徘徊なども起こってしまう…
そこから更に問題や事件につながるケースを考えると、介護の為に仕事を辞めなければならないなんてケースも出てくるかもしれない。

日本の少子高齢化社会は今後も変わる気配がない為、この問題は今後、更に悪化して社会問題化してくるケースが十分に考えられます。
この様な事を想定して考えられたのが、いま議論されている『裁量労働制』という事なんでしょう。

裁量労働制は、労働の時間を自分の裁量で決めるという考え方。
例えば、納期が1週間後の仕事が有ったとして、その納期に合わせることが出来るのであれば、1日あたり何時間働くのかは自分で決めろということ。
この裁量労働制を導入する事によって、効率の良い社員はサッサと仕事を片付ける事で、労働時間を短縮することが可能となる。
結果として、労働生産性も向上し、労働者も雇っている会社もwin winになるという話なのですが…

これを聞いて多くの人が、こう思うと思います。
『ホントか?』と

この、一見すると良い話にしか見えない裁量労働制
推進しようとしているのは与党で、野党は反対しているわけですが、その反対意見を聞くと、同意する人も多いと思います。

しかし反対意見も出ていて、その意見というのは、『裁量労働制を導入した場合、従業員の給料は定額になり、残業がむしろ増える』というもの。

書き忘れていましたが、裁量労働制の特徴としては、割り当てられた仕事に対して支払われる額が固定されている為、その仕事に1日4時間かけようが16時間かけようが、支払われる金額は同じです。
これを知った状態だと、野党が反対している理由がよくわかりますよね。
つまり会社側は、1日16時間ぐらい働かないと達成できないような仕事を労働者に押し付ければ、どれだけ残業をしようとも、労働者は追加料金無しで定額で仕事をやってくれるということになるわけです。

仮に労働者が過労死したとしても、会社側は『長時間労働は強制してないし、第一、労働時間を決めているのは労働者自身なので、我々には関係ない』と言い訳が出来ます。
会社に無理難題を押し付けられて亡くなった社員は、自己責任の4文字で片付けられ、ヘタをすると『無能だから短時間で終わらすことが出来ないんだ』なんて言われてしまうかもしれません。

そんな事にはならないよと仰る方は、今の運送業界の現状を見てみることをお勧めします。
運送会社は自前の社員とは別に、事業請負という形で、個人経営者に自分たちの会社のユニホームを着せて配達をさせていたりします。
この関係は個人経営者と運送大手のB to Bの関係なので、運送大手から支払われるお金は給料ではなく、配達1個あたりいくらという感じでの契約が多いようです。
今回取り上げた、裁量労働制と同じ様なシステムですよね。

仮にこの請負事業者の人が、荷物の配達を1個100円で請け負ったとした場合、1日に3万円の売上を得るためには300件の配達を行わなければなりません。
この300件の配達を、3時間で終えても16時間かけても、支払われる料金は3万円で固定です。
では運送業の請負業者というのは、この制度の恩恵を受けて、自由な時間を労働に当てる事で豊かな人生を歩んでいるのでしょうか?

現状、そんな事はありませんよね。
運送業界といえば労働環境が悪いことで有名で、就職したい人も激減し、人手不足で大変な事になってます。

この動きが他の業種にまで広がると、どの様に社会になっていくのかというのは、想像に難くありません。
例えば、世の中の仕事の大半が、数学のドリルを1週間で100ページ終わったら帰ってよいという感じの、個人で完結する仕事で、且つ、ちゃんと出来ている、出来ていないというのが分かりやすい仕事なのであれば、『時間を無駄にかける奴が無能』という理屈も、分からなくもありません。
しかし、世の中の仕事の大半は、この様な種類の仕事ではありませんよね。
一人で完結するものではなく、複数人が絡んでの仕事が大半ですし、算数ドリルの様に正解かそうでないかがハッキリしている仕事ばかりでなく、正解がわからない様な仕事の方が多い。

例えば、ある製品のデザインを考えるとして、そのデザインの正解が有るのでしょうか?
デザイナーとしての正解は有るでしょうが、それがクライアントや上司に認められるのかは、また、別の話となってきます。
また、依頼してくる側に明確なビジョンがなく、正解がわからない状態で発注しているということも有るでしょう。その様な状態で、『正解が出たら、帰っても良いよ』と言われても、困ってしまいますよね。

他にも、それなりの大きなプロジェクトの場合は、複数人が絡む事というのもありますが、自分ひとりが優秀だったとしても、その中で1人の人間が無能の場合、プロジェクト全体が、無能な人間に合わせて遅くなっていきます。
日本の場合『じゃぁ、手伝ってあげたら良い』という話になるのですが、それだと自分に割り当てられた以外の会社の仕事をする事になる上、プロジェクトの進行状況に労働時間を合わせる形になるので、目指すべき裁量労働制じゃ無くなりますよね。
また、会社側がプロジェクトの完遂期限をギリギリに設定する事で、残業せざるを得ない状況に簡単に陥りますが、残業したとしても残業代が発生しないという状態も十分に考えられます。

野党側が反対するのもわかりますよね。
この反対意見を突っぱねる為に、政権側が行ったことというのが、偽造データを使った検証です。

政府は、裁量労働制を採用している会社とそうでない会社に、残業時間がどれぐらいなのかと言った複数のアンケートを取り、その結果を比べたデータを提示し、裁量労働制がどれだけ優れているかというのを主張したんですが、その根拠となるデータを捏造していたんです。
どの様な捏造の仕方だったのかというと、裁量労働制で仕事をしている人に対しては、一日の平均的な労働時間を聴き、普通に働いている人は、1ヶ月間で最長の残業時間を聴き、それに8時間を足した時間で計算していたんです。
つまりは、裁量労働制の時間が短くなる様に細工したって事です。

これだけでもデータを信用できなくなるわけですが、そのデータをより詳細に観ていくと、1日で45時間の残業をしていたり、そうかと思うと、その週の合計残業時間が20時間になってたりと、算数レベルの間違いなども有る様子。
1日が24時間しか無いのに、45時間も残業をする矛盾! そして、残業時間を単純に足していくだけなのに、何故かその週の合計残業時間が45時間よりも減るという矛盾!
そんなデータをチラつかせて、『データ的にもこういう結果が出てますので、裁量労働制を導入しますね~』なんて言われても、『ちょっと待て!』となりますよね。

今回取り上げた裁量労働制ですが、本当に導入を進めるのであれば、そもそも、仕事に対する価値観を根本的に変える必要が有ります。
具体的には、仕事の更なる分化と、仕事に対して適正に値段を付けていくということ。そして、会社に就職して滅私奉公する『就社』ではなく、『ジョブ型』と呼ばれる社会に構造その物が変化しない限りは無理でしょう。
その前提となる下準備を行ってない時点で、見せかけの裁量労働制を導入したところで、企業に都合よく使われて終わりだと思いますけどね。
kimniy8.hatenablog.com