だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

株とオカルト (後編)

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今回は前回の続きです。
まだ読まれていない方は、先ずそちらからお読みください。
kimniy8.hatenablog.com

前回は、株式投資の最初のページに書かれてそうな、移動平均線を利用したゴールデンクロスについて書いていきました。
簡単なまとめ的には、移動平均線は動きが遅いので、サインが出てから購入したとしても、儲かる保証はどこにもないという話。

この移動平均線ですが、これを応用した考え方なども存在します。
それは、ゴールデンクロスが2本の移動平均線を使うのに対し、1本の移動平均線を基準にするという考え方。
前回、そして先程も書きましたが、移動平均線というのはそもそも動きが遅く、結果としてサインが出るのが遅い為、指標としては意味をなさないわけですが、その欠点を補うのが、移動平均線を1本だけ使うという方法。

具体的には、25日移動平均線と現在の株価との関係で見る感じといえばよいでしょうか。
例えば日経平均株価は、基本的には25日移動平均線のプラスマイナス4%で推移し、まれに大きく動くときがあっても、プラスマイナス8%程度までしか行きません。
これを利用し、日経平均株価から4%売られれば売られすぎ、4%上回れば、そろそろといった考え方をする事が出来るのです。
しかし、これもアテになりません。

というのも、そもそも移動平均線というのは、株価の平均値なので、その日その日の株価が移動平均線に影響を与えます。
解りやすく極端な例でいうと、日経平均株価が2万円だとして、1日で8%の1600円下落して終了したとします。
そして株価は翌日以降変動せず、25日間、その位置をキープしたとしましょう。
するとどうでしょう。25日移動平均線は、株価がいる18400円のところまで下がってきているので、移動平均線と株価の関係だけをみれば、8%下落したところから25日移動平均線のところまで、株価は戻ったことになります。
しかし実際には株価は上昇しておらず、8%売られたところで購入していたとしても、儲けることは出来ません。
更に極端なことをいえば、最初に1600円下がり、その後、毎日20円づつ下がり続けたとしても、移動平均線は株価を追いかけてくる為、その差は縮まります。

当然といえば当然で、移動平均線は株価の平均値なので、その日その日の株価の位置そのものが移動平均に影響を与えます。
結果としてみれば、プラスマイナス4%で株価と移動平均線は絡み合いながら動くのですが、それを利用したとしても儲けが出るとは限らない。

次に、『サイコロジカルライン』。

サイコロジカルライン
こんな感じの横文字を聞くと、何となく科学的な根拠に基づいた、凄そうなシステムを思い浮かべるかもしれない。
しかし、このテクニカル指標の計算の仕方を知れば、そんな考えも吹き飛ぶことでしょう。
この指標の計算の仕方は簡単で、前日より上昇していたら『勝ち』で、下降していたら『負け』と言ったように、一日を勝ち負けの2パターンに分けるところからはじめます。
後は簡単。直近12回の勝負で、勝ちと負けがどのようになっているのかをグラフにするだけ。
元になる数字は、直近12日で『勝った日数』÷12を%表示しただけ。
つまり、12日間で6回上がってたら、6を12で割るので50になる。12回中9回勝ってたら、75ということになる。

サイコロジカルラインは、25を下回ると買い、75を上回ると売りといった感じで、一定の数値を超えると『買われすぎ』『売られすぎ』と判断して売買する手法。
こう聴くと聞こえは良いが、実際に行っている行動は、カジノに行ってルーレットの前に立ち『5回連続で赤が出たから、そこそろ黒が出てもいいんじゃないか?』と言っているのと同じだったりする。
確率論に詳しい人なら分かるが、何回連続で赤が出ようと、次に黒が出る確率は50%で揺るがない。
したり顔でこんなことをいうのは、遊びでやる分には盛り上がって良いが、資産運用のような生活設計に関わるような部分でやると、笑えない。
大数の法則が!なんて言う人もいるが、直近12回の勝負に限定している状態で、大数の法則なんて発動するのだろうか?

この『サイコロジカルライン』を更に進化させたのが、RSIという指標。
先程のサイコロジカルラインは、一定期間の騰落を数値化させただけなので、ツッコミどころも多い。
そこで改良が加えられたのがRSIで、簡単に説明すると、先程のサイコロジカルラインに、株価の変動幅も加えてみようじゃないかというもの。

例えば、600円ぐらいの株があって、11日連続で2円ずつ上昇し、622円まで上昇したとする。
そして次の日に、一気に30円下落した場合、株価は592円だが、サイコロジカルライン的には90超えとなり、いまだに買われすぎの状態となる。
この例だけを見ても、サイコロジカルラインの無意味っぷりが理解できるのだが、この部分に改良を加えたのがRSI。

計算式は、『過去14日間の値上がり幅の平均値』を、『過去14日間の値上がり幅の平均値』と『14日間の値下がり幅の平均値』の合計値で割ったもの。
先程の例で観てみると、日数が違うので14日で合わせ、600円の株価が直近13日、毎日2円づつ上昇して26円上がり、その後、30円下がって596円になったとします。
この場合、26を14で割た『1.85』を『1.85+2.14(下落幅30円を14で割った数字)』である0.46を%表示し、46%とするもの。
値幅が釣り合っている状態が50%なので、先程のサイコロジカルラインよりかは、優秀のような気がする。
見方としては、20~30%が回ゾーンで、70~80%がウリゾーンとなる。

しかしこの数値、使ってみれば分かるのだが、有効なのは一定レンジ幅で動いているときだけで、株価が上か下か、どちらか一方方向に動くトレンドを発生させると、途端に意味をなさなくなる。
何故かと言うと、上か下かに張り付きっぱなしになるからです。

でも、ココら辺りまでは、まぁいいです。トンデモとはいえ、数式などを使ってそれらしく見せてますしね。
しかし、株式市場には、これを上回る株価予測法が有ります。
これは、個人的に私が信じていないというだけで、信じている人を馬鹿にしているわけではないのですが、内容がけこう凄い。

メリマン特集 | ラジオNIKKEI

結構、有名なラジオ局も特集を組むぐらい人気があるのですが、簡単にいうと、サイクル論です。
株価というのは、一定のサイクルを描きながら循環していて、なんと凄いことに、その動きというのが、天体の動きとリンクしているんです!
地球は、太陽の周りを1年で一周のサイクルで回り、その他の天体も、それぞれ決まった動きをします。
当然、何十年に一度は同じ星の配列になるのですが、そのサイクルと株価の動きに相関関係が有るらしいんですね。。。

いやぁ、凄いですね。
株って、宇宙の星の動きも計算して動いていたんですね。
まぁ、世の中で起こる現象って、人間が想像もできないところでつながっていることも多数有るので、全否定はしませんよ。

ただね、全ての投資手法にいえることなんですが、そんなに儲かるのであれば、何故、公開するんでしょうかね。
株は、皆が同じ行動を取ると変動の仕方が変わります。つまり、絶対に勝てる手法があったとして、皆がそれを真似れば、その手法は通用しなくなります。
本当にその手法が当たるのであれば、誰にもいわずに、自分だけが使っていれば良い。

にも関わらず公開するということは、その手法を自ら実践するよりも、切り売りして講演会を開くほうが、確実に儲かるということなのではないでしょうか。
一見難しそうに見える投資の世界も、実はやっていることはギャンブラーと同じだったり、オカルトチックなものだったりします。

ちなみにですが、これらのファンダメンタルズ指標・テクニカル指標を駆使しているはずのファンドマネージャーですが、長期的な目線で観ると、日経平均連動型等のインデックスファンドにパフォーマンスで負けていたりします。
ほとんどのケースで負けているので、ファンドマネージャって職業が必要なのかどうかも疑問視されている程だったりします。

今の日本は、貯蓄から投資へと言った流れを加速させるため、様々な制度を作って、投資へと誘導させていこうとしています。
新規で投資を始める人も多いとは思いますが、投資の世界でよく分からない言葉を聞いた際は、『流石!!専門家!凄い!』と思うのでは無く、先ずは疑うところから始めてみてください。
手品と一緒で、タネを知ってしまえば、なんてことはないものだったりしますので。