だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

同盟と具体と差別 2

広告

今回の投稿は、前回の続きです。
まだ読まれていない方は、そちらからお読みください。
kimniy8.hatenablog.com

今回の話は、アメリカ軍の基地が日本に有ることは、日本にとってプラスなのかという問題について考えていきます。

戦後、日本はアメリカによって軍隊を取り上げられたので、その代わりにアメリカが日本を守るということで、日本にアメリカ軍の基地が作られました。
アメリカが日本を守るわけですから、もっとも重要なのは、アメリカと日本との同盟関係という事になります。

この同盟関係ですが、何方か一方が主張していれば成立するものではありません。
双方が同意して初めて同盟関係が成立するわけです。そして、成立すれば未来永劫続く関係でもありません。
過去の歴史を振り返れば、同盟の一方的な破棄なんて事は普通に行われています。
これは、同盟関係が一番重要になってくる戦時中でも同様で、同盟破棄からの裏切りなんて事は、一度や二度ではありません。

このことを踏まえると、同盟関係を常に維持し続ける為には、双方が相手にとってプラスになる事を提供し続けなければなりません。
では、日米関係では互いに何を提供しあっているかというと、アメリカは軍隊で、日本は軍用地やお金という事になります。

今のところはバランスが取れているかの様に観える関係ですが、よくよく観てみると、結構危なっかしい関係になっていたりします。
その要因となっているのが、中国の経済成長。

先程も書きましたが、同盟関係というのは双方にとって利益がなければ成り立たない関係だったりします。
アメリカは軍隊を提供し、日本がお金を提供することで成り立っていた関係ですが、中国が成長して日本以上に経済的に重要になってくると、このバランスは崩壊してしまいます。

中国は現在、人口が日本の10倍いるということで、GDPで観ると日本を抜いて2位の立場です。
バブルが弾けそうで経済的にも失速してきているとはいっても、一人当たりGDPで観るとまだまだ低い。これは、別の観点からみると、まだ成長の余地があるとも考えられます。
中国が経済成長して人々の平均年間所得が2万ドルぐらいになると、物を販売する市場として非常に魅力的な存在になります。
その一方で、日本では格差が年々拡大し貧民層は年々増加。国自体が衰退していっているとも思える常態です。
中国が成長して日本が衰退するという状態が継続すると、近い将来、中国がアメリカの一番の得意先になる可能性も十分考えられます。

この様な常態になった場合、何が考えられるのか。
ネトウヨ・右翼と呼ばれる方は中韓が嫌いで、何かというと敵対視しますが、本当に中国と日本の仲が悪くなって敵対してしまった場合。
中国が、日本以上にアメリカに対して利益をもたらすことが出来るとなれば、アメリカが一方的に同盟を破棄して中国と仲良くするという可能性も出てきます。

『今までの関係が有るんだから、そんな事はない!』なんて方もいらっしゃるでしょう。
しかし、自分が薄情な事をしないからといって、相手も行わない確証なんて無いんです。

アメリカは世界の警察なんて表現をされたりしますが、彼らの行動を観てみると、一貫して自国の利益の事しか考えていません。
今回の大統領選でも、アメリカファーストを掲げるトランプ氏が次期大統領に内定してますよね。
環境問題にしても、話し合った結果、自国の利益にならないと判断して京都議定書からは脱退しています。
軍事行動でいえば、とりあえずイラクを叩きたいからと『イラク大量破壊兵器が有る』と難癖をつけて戦争を吹っかけましたよね。実際には大量破壊兵器なんてありませんでしたが。
そもそも論としてイラクアルカイダも、元々はアメリカが自国の立場を有利にする為に武器を渡して育ててきた組織だったりするわけですけどね。

昔っから、後先考えずに『今が良ければ良い』と現在の利益を最優先に動いているのがアメリカだったりします。
そんなアメリカ。中国の成長によって、日本と組むより中国と組む方が利益が大きい状態になったらどうなるのか。
過去の行動をみると、迷うこと無く、日本を捨てて中国と組むと考えるほうが自然です。

仮に、そんな常態で日本と中国との中が悪くなり、争いが起こったとしたら?
中国と組んだアメリカが日本を占領するのなんて、簡単ですよね。
何故かって、日本には既に大量の米軍基地が有り、武器も武装した軍人もいるわけですから。
こんな極端な事が起こらなかったとしても、アメリカは中国と日本を天秤にかける仕草を見せるだけで、日本に対して圧力をかける事が出来ます。
こうしてみると、米軍基地が有るから日本が守られているというよりも、米軍基地が有るから日本が色んな要求を突きつけられている。
経済的にも外交的にも、日本が自由に考えて行動を起こす為には、米軍基地が邪魔だとも考えられるわけです。

『米軍基地が撤退したとして、じゃぁ日本の守りはどうするのか』という話に関しては、個人的には日本が独自で防衛できる軍隊を持つ事も考える必要があると思います。
『日本が軍隊を持つと、戦争を行う!』って主張も有ると思います。しかし、米軍が駐在していてアメリカの主張が強い現在は、南スーダン自衛隊を送らなければならないような圧力をかけられるわけです。
このままなし崩し的にドンドンと憲法解釈を変えていき、派兵する実績を積み重ねていけば、いずれはアメリカが起こす戦争に追随せざるをえない状況に追いやられる可能性は十分に考えられます。

こうしてみてみると、沖縄の人を差別までして基地を受け入れさす必要が本当にあるのかどうかが疑問に思えてきます。
ネトウヨと呼ばれる方やテレビで右翼と言われているコメンテーターは、何故か中韓が嫌いなので、このような事を書くと左翼とレッテルを張られるのでしょうが、個人的にはアメリカと距離を取り、中韓を含む東・東南アジアと仲良くし連携を強めていく方が、日本にとってはプラスのような気がしてなりません。
というか、東アジアが仲が悪くて一番 得をするのって、存在感が増す立ち位置にいるアメリカなんですよね。

アメリカもトランプさんが次期大統領に内定し、米軍の費用を全額負担しないと撤退なんて言い出しているので、これを機に、米軍に撤退してもらうってのも一つの案だと思うんですけど、どうでしょうか。