だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

Huawei問題を考える

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ここ最近、世界的な動きとして、経済戦争が活発になってきましたね。
過去の歴史を振り返ると、経済的な戦争が武力的な戦争につながっていることが多いので、これが発展して戦争にならないことを祈りたいですね。

ただ、経済戦争といっても、あまりピン!と来ていない方もいらっしゃるかもしれないので、今回は、ここ最近で起こった事件などを取り上げて、経済戦争について考えていきます。

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米中貿易問題

ここ最近で起こった一番の問題は、Huawei問題でしょう。その前段階として、米中間の貿易摩擦問題があります。
今までのアメリカは、建前としては『世界の警察』といった感じで覇権を握っていたわけですが(本当に警察の役割ができていたかは別にして)、トランプ政権に変わってからのアメリカは『アメリカ・ファースト』を掲げて、アメリカの利益になることだけを最優先で考えるという方針に切り替えました。

その一環として経済面でも、アメリカ経済を最優先で考えるという方針に切り替えて、貿易関係などで世界中の取引相手国に圧力をかけてきました。
これは対外向けだけでなく、国内企業に対しても同様です。 海外の安い労働力を利用して利益を上げている企業に圧力をかけて、工場を海外から国内に変えさせるなんて事もしていましたよね。
具体的には、アメリカの人件費が高いからと、メキシコに工場を立てて車を製造していた自動車製造会社に圧力をかけるなどを行っていました。

対外向けには、アメリカが貿易赤字を抱えている国に対して圧力をかけて、アメリカ製品を無理やり買わせるといった事も行っています。
その流れの一環なのか、我が国の総理もものすごい量の兵器をアメリカから大量輸入してしますよね。 その買い物を正当化するように、中韓を敵視するようなコメントを行っていたりもします。
(観光客面でも貿易面でも中国は最大の相手国なので、中国と仲が悪くなった時点で日本は終わるわけですが…)

アメリカは、貿易関連で全世界的に喧嘩をふっかけているわけですが、その中でも特に重要視しているのが中国です。

アメリカは何故 中国を敵視するのか

理由として一番大きいのは、今現在、経済面で世界トップに居座っているアメリカですが、後10年程で、中国にその座を明け渡してしまう事が確定しているからです。
今の日本で、この様な中国を持ち上げるようなことを書くと、パヨク認定されて指を刺されてしまうわけですが…

これは、私が中国贔屓とかそういう事ではなく、普通に考えればわかることですよね。
経済を比べるのによく使われる有名な指標である『GDP』ですが、この計算は、人口が多ければ多いほど、上昇しやすい指標です。3~4億人しかいないアメリカに対し、中国は13~15億人いるわけですから、人口差が3~4倍あるわけです。
これを考慮して考えると、中国人はアメリカ人の経済力の半分ぐらいまで成長すれば、アメリカを抜くことが出来るわけです。 逆に、アメリカ人が世界1位を維持し続けようと思う場合、常に、中国人の3~4倍以上の経済力(1人あたり)を維持し続けなければならないということです。
中国人が、平均で月に15万円稼いで消費するところを、アメリカ人は平均で45万~60万円を稼ぎ出して消費しなければならない。 中国が成長して、平均の稼ぎが20万になれば、アメリカ人は60~80万に上げなければならない…

では、その様な成長を目指して頑張れば良いのかというと、経済はそんなに単純ではなく、その国の平均給料が高くなればなる程、企業は生産コストを下げる為に、給料が安い国に発注を変更する。
アメリカが中国の3~4倍のスピードで経済成長をすれば、平均給料もそれに比例して上昇してしまう為、アメリカ企業は中国への発注を増やすことになってしまう…

これらの事を踏まえ常識的に考えて、先進国のアメリカが中国の3~4倍のスピードで成長するのは難しい。 では、その他の方法は無いのでしょうか。
アメリカ人の稼ぎや消費額を極端に引き上げなくても、中国との差を守る方法は、無いわけではありません。 その方法とは、人口増です。
中国経済GDPの伸びが凄いのは、先程も書きましたが、人口が多いというのが大きな理由です。 その為、アメリカも移民受け入れを積極的に行い、人口を増やしてしまえば、今の順位は維持することが可能です。

しかし、今のトランプ政権の動きを見ていると、その様な動きにはなっていませんよね。トランプ政権になってから、メキシコに壁を作り、今まで以上に移民の国境超えに目を光らせていますよね。
アメリカは好景気で、株価も最高値を更新しているとは言いますが、実際には二極化が進みまくり、金持ちはより金持ちになりましたが、その一方でホームレスは増えているという状態。 この状態で、貧困層である不法移民を受け入れてしまうと、賃金が安い仕事を彼らに奪われてしまう為、貧困層にとっては更につらい状況になってしまう。
金持ちというのは少数なので、選挙のことを考えると、貧困層に不利なことは出いない。 この様な事情で、アメリカが短期間で人口を大幅に増やすことは不可能でしょう。

これらの事を考えると、近い将来、中国が経済でトップになるというのは当然の事で、この先、どれぐらいで2位のアメリカにどれ程の差をつけるのかって事を考えるべきなんだと思います。
この事を警戒し、出来るだけ、その時期を後ろに延ばしたいというのがアメリカの思惑なのでしょう。

なぜ経済が重要なのか

お金というのは、お金を生みます。 鶏が先か卵が先かといった話になりますが、より多くのお金を稼ぐ為には、より多くのお金が必要という事なのです。
書き間違えではありませんよ。 お金を生み出すにはお金が必要なんです。

企業の例でいえば、資金力のある企業は高い給料で優秀な人材を雇うことができますし、多額の研究開発費を投じることが可能です。
良い人材と環境が揃えば、より良いものやサービスが生み出される確率が高くなるので、その企業はその製品を元に、更に多くのお金を稼ぐことが可能です。

一方でお金の無い企業は、安い給料しか提示できないので、雇える人材は限られてきます。 研究開発費も投じることができないので、社員の『頑張り』に期待するしかありません。
こういった企業は、経営者に余程のカリスマ性がない限りは、ブラックな環境に耐えられずに辞めていきますし、その環境でも残る人で作れる物やサービスが大ヒットする確率は、ゼロではありませんが高いとは言えないでしょう。

これは、更に大きな枠組みである国になっても同じです。 経済力の高い国は余裕がある為、よりよい環境を提供できますし、その環境によってより良い人を集めることが可能になります。
今までは、アメリカが経済力世界一位という立場を利用して、世界中から優秀な人材を獲得し、様々なサービスを展開し、武力だけでなく経済面でも覇権を握っていたわけですが…
中国の台頭によって、この構造が崩れつつあるわけです。 そこで焦ったアメリカが、中国に対してあからさまな圧力をかけて来たわけです。

普通の国であれば、アメリカの圧力に屈して、全面降伏するのでしょうが… 今回、事情が違うのが、中国はアメリカに屈しないという事。
考えてみれば簡単で、アメリカは3億人しかいないので、世界レベルのサービスを展開しようと思うと、様々な国に圧力をかけて屈服させてマーケットを広げていかなければならない一方、中国は、自国に15億のマーケットを抱えている為、その気になれば中国国内だけの経済でも回っていける。
また、アメリカは武力を背景に様々な国に圧力をかけている為、敵も多いのですが。 中国は、アメリカの敵に対して友好的な外交をするだけで勢力を伸ばせてしまう為、屈服する必要がない。

中国は下手に出る必要がない為、普通に対抗してくるわけですが、それが気に入らないのがアメリカで、色んな事をでっち上げて、難癖をつけているというのが現在でしょう。

中国が情報を奪ってる?

冒頭で書いたHuawei問題ですが、物凄く簡単に書くと、『中国の製品によくわからない部品が使われている為、きっと、その部品を使って除法を抜いている! だから、みんな使うなよ!』とアメリカが言い出して、それを盲信した日本政府も追従しているというのが現在です。
私は別に、『中国がそんな事をするはずが無いでしょ!』と言うつもりはありません。 今現在は、中国が情報を抜いているという証拠は何もないですが、抜いている可能性はゼロではないでしょう。注意するに越したことはないと思いますので、その警告に意味は無いとは言いません。

しかし、情報を抜いているのは中国だけなのでしょうか?
googleは? Facebookは? Appleは? Microsoftは? Amazonは??

今、私達のスマホやPCには、先程あげた会社のアプリが入っていると思いますが、彼らは、個人情報を抜いていないのでしょうか?
彼らの作ったプログラムは、全てのブラックボックスを破壊して検閲し、『絶対に情報は抜いていない』と証明されたアプリなのでしょうか?
そんな事はないですよね。 Facebookは、個人情報をユーザーの許可無く販売していたとアメリカで問題になっていましたし、他のアプリも似たようなことをしている可能性がありますよね。

またアメリカは、政府がCIAというスパイ機関を持っていますよね。 CIA職員が、身分を隠してGAFAに社員として潜入し、様々なデータをぶっこ抜いてる可能性もありますよね。
アメリカは、大統領が政治家に対して盗聴器を仕掛けて事件になったような国なので、彼らが集めた情報を抜いてないと考える方が不自然です。
つまり、情報を抜いてる可能性があるのは中国だけではなく、一番抜いてるのはアメリカの可能性が高い。 『情報を抜いている』という一点のみで不買い運動をするのであれば、まず、アメリカ製品を疑うべきなのかもしません。

中国は共産党一党独裁だから駄目

中国が駄目という理由でよく聞くのが、『中国は共産党一党独裁で、全ての権限が共産党に集中してるから駄目。 中国の大きな企業には、共産党員が入り込んでるから、共産党に情報を全て吸い上げられる。』というもの。
これも、理屈がよくわからない… というのも、日本も自民党の独裁みたいなものですよね。 首相の周辺や友達が罪を犯しても見逃されてますし、政治が腐敗していないなんてことは言えない状態。

『日本は公正な選挙が行われている』とはいっても、ワイドショーやニュースで放送される国会映像は、野党がバカみたいな質問をしている部分だけを抽出して流してますし、それを信じきった多くの人々が、『自民党以外入れるやつは馬鹿w』みたいなスタンスで、マウントをとってくる状態。
毎回、同じ人か、その人に縁のある人にしか投票しないので、2世議員3世議員がかなりの割合でいる。 そのうち、政治家が同じ家系の人に固定されて身分制度になるんじゃないかって程になってます。

政府に対して異論を唱えるなんてもってのほか。 沖縄問題に疑問を持ったローラさんが行動を起こしただけで問題視して、『そんな事いって、仕事無くならない?』と心配されるレベル。 これで仮に、ローラさんの仕事がなくなったとしたら、日本も中国を笑えない独裁ってことになりますよね。
情報を抜きまくってるアメリカ。 独裁の日本。 中国だけが駄目って理由がいまいちよくわからない。。

アメリカと中国という二国の覇権争いに、日本が巻き込まれてるってだけなのですが… ついていくのは、アメリカで良いのでしょうかね?
先程も書きましたが、日本は観光面でも経済面でも、中国が咳払いしたら肺炎を起こすレベルで影響を受けるんですけどね…