だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

Brexit(ブレグジット)イギリスのEU脱退の影で進行する危機

最近の経済ニュースといえば、イギリスのEU脱退。
専門家と称する人達や、テレビの情報を鵜呑みにして『イギリスは馬鹿だ』と騒いでいる今現在、EUでは新たな問題が出てきましたね。

どんな問題かというと、イタリアの銀行の不良債権問題。
不良債権問題といえば、日本でもバブル崩壊後に起こったので、この言葉を知っている方も多いのではないでしょうか。

日本の場合は、バブル景気で高騰した土地を担保に金を貸したのは良いが、バブル崩壊で担保の土地が大幅に下落してしまい、担保として機能しなくなってしまいました。
担保が下落したとしても、返済が通常通りに行われれば問題はないのですが、不景気になるとその返済も滞りがちになってしまう。

担保不足な上に、返済もうまくいかない。
最悪の場合は貸した企業や個人が破産するなんてことになってしまうと、その損失は銀行が被ることになります。
銀行の損失が増えて自己資本が減少すると、銀行は資金の貸出料を減らさなければなりません。
こうなると問題の無い企業にも影響が出てしまう為、日本は公的資金注入等で銀行の資本を増強し、何とか乗り切りましたよね。

その不良債権問題に、イタリアが直面しているようなんです。
不良債権額は、試算で400億ユーロといわれていて、結構な金額。

『日本と同じ様な状況なのであれば、イタリアも同じように、公的資金注入をして乗り切ればよいのでは?』と思われる方も少なく無いと思うのですが…
今回の件は、そんなに単純なものではないようなんです。
何故かというと、規制で域内各国をがんじがらめにしているEUが、国による公的資金注入を許可しないようなんですね。
もし資本注入が必要なのであれば、国ではなく民間銀行で救済ファンドを立ち上げて自分達で処理しろというのが、ドイツ帝国EUの方針です。

仮に損失が出た場合は、『銀行の債券保有者と株主が負債をかぶれ!』と正論をぶちかましております。

ステイクホルダーが全ての負債を被るという話ではなく、銀行負債の8%を株主と再建購入者が負担しろというものらしいのですが、人によっては結構な負担ですよね。
『銀行の株や債券を持ってるのなんて、金持ちばっかりだから問題はないでしょ?』と思われる方も多いでしょうが、実はそうでもない様子。
銀行は、ろくなリスク説明をせずに、銀行債の購入を預金者に持ちかけていたようなんです。
日本でも、『銀行預金なんて金利が付かない』と言われて久しく、それなら、国債社債を購入したほうが金利収入が得られるなんて話が結構されてますよね。
そんな感じで、なけなしの預金を銀行債に変えたという人が結構いたようです。

債権者や株主が損失を被るこの規則は、ベイルイン規則というらしいのですが、昨年末にイタリアの銀行が破綻した際にベイルイン規則を適用した所、多額の損失をだしてしまった年金生活者が、自殺してしまったという事件もあったようです。
イタリア政府としては、国民の被害を最小限にしたい為、ベイルイン規則を緩和や一時適応外にして欲しいと主張しているようですが、ドイツが納得せずに公的資金注入が出来ないという状態になっているようです。

ここでも存在感を出してきましたね、真面目なドイツ様が。

まぁ、この問題。
正直な話、イタリア国内で収束していれば、影響は有るにせよ、比較的小さなショックで収まる可能性もあります。
しかし、この件から派生して、もっと大きな問題が発生してしまう可能性が出てきました。

それが、ドイツ銀行の破綻懸念。
地上波のニュースばかり観ている人は、寝耳に水の話かもしれませんね。
しかし、ラジオNIKKEIやCNBCといった経済専門チャンネルでは、数カ月前から囁かれていたのが、ドイツ銀行の破綻懸念です。

では、ドイツ銀行は今現在、どのような状態にあるのでしょうか。

ドイツ銀行金融派生商品保有率が非常に高く、かなりのリスクを抱えているようです。
金融派生商品といえば、リーマンショックで一般的にも有名になりましたよね。
少額のお金で大きな変動リスクを扱えることが出来る金融派生商品は、仕組み自体が複雑。
その複雑な仕組みが多数組み合わさっている為、金融市場に大きな変動があった際に、どの様に影響が受けるのか分かりません。

という事で銀行に対し、金融リスクに晒された時に銀行に耐える体力があるのかを確かめるために、ストレステストが行われたのですが…
ドイツ銀行は、そのテストで見事に不合格。
IMFから直々に、『ドイツ銀行は影響力が大きいのだから、財務状態をなんとかしろ!』と警告されてしまいました。

規模的にいえばリーマン・ブラザーズが破綻した際に起こったリーマン・ショック以上と推測されている為、あのような混乱の再来を防ぐために必死といったところでしょうか。

ドイツ銀行の破綻は、本来であれば公的資金注入をするなり何なりして絶対に避けなければならない自体ですが、冒頭のイタリアの件でも書いた通り、ドイツはEUの規制を使って、国による公的資金注入を禁止しています。
真面目なドイツ様のことですから、他人に禁止している行動を自分だけ行うなんてことはしないでしょう。
まさに、自縄自縛といった所でしょうか。

この様なEUの混乱した金融市場を観ていると、いち早くEU離脱を決めたイギリス国民は馬鹿でも何でも無く、沈みゆく泥船から真っ先に飛び出した賢明な国民の様にすら思えてきますね。

この金融危機は数カ月前から指摘されていることですし、リーマンショックによる学習効果も有るので、EUは何が何でもリスクを回避しようと頑張るでしょう。
現にドイツ銀行は、保有しているデリバティブ商品を徐々に売却しているようですし、最悪の場合は、EUの規則を変更して、国による公的資金注入も認めるようになるかもしれません。

ただ、今回の投稿を通して頭に入れておいて欲しいことは、ヨーロッパではイギリスのEU脱退よりも影響の大きな経済的懸念が存在するってことなんです。
遠く離れた日本に住む我々からすれば、『イギリス人て馬鹿だよね~』と上彼目線で笑っているのは心地よいかもしれませんが、物事の表面だけしか観てないと、思わぬリスクに足を救われる可能性もありますしね。

経済ニュースにおける、恐怖のシナリオの作り方と煽り方 その悪影響について

前回は、マスコミやそれに関わる関係者が、恐怖を煽っているということについて書いていきました。
kimniy8.hatenablog.com

では、どの様にして恐怖を煽るのか。
今回は、このことについて考えていきます。

物事を正しく認識する為に最も必要なのは、情報を集めることです。
しかし更に重要なのが、この情報の使い方です。
先日まで放送していた深夜アニメ『ジョーカーゲーム』でも、『情報は集めるよりも使うほうが難しい』と言われていましたしね。

何故、情報の使い方のほうが難しいのか。
それは、事実は見方や立場によって、どのようにも捉えることができるからです。

一つの情報・物事には、多数の見方が存在します。
物事を正しく認識する為には、当然のことですが、情報を多方面から観ることが重要になってきます。
一方から見れば悪いことでも、裏側から見ると良いこともある。
そして、側面から見ると全く違ったようにも見える。
正しい理解をする為には、出来るだけ多方面から観ることで、物事を正確に理解することが大切になってきます。

これは、経済ニュースでも同じことです。
一つ例を挙げると、イギリス脱退についての分析で『イギリス脱退によってポンドが売られ、イギリスの購買力が落ちることによって経済が悪くなる』という意見があります。
確かに、通貨安には、この様なデメリットもあるでしょう。
しかし、このニュースを額面通りに受け取ると、通貨が高い場合は、購買力の上昇によって景気は良くなるはずですよね。

通過というのは天秤のようなもので、一方が下がれば一方は上昇します。
円とポンドを比べた場合、ポンドが下落すれば円は上昇します。
ポンド下落によってイギリスの購買力が落ちて景気が悪化するのであれば、円の購買力は上昇するので、日本の景気は上昇するはずです。

しかし何故か今回の解説では、そうはなりません。
諍論家によると、イギリスは通貨安の影響で景気悪化しますが、日本は円の上昇によって輸出が伸び悩み、景気悪化するというシナリオになってしまいます。
同じ通貨の上昇でも、イギリスの場合は好影響だけが出て、日本の場合は悪影響だけが出る。
これは、物事の都合の良い面だけを取り上げて、無理やりシナリオをつくったことによって起こる矛盾です。

通貨安には、悪い面もあれば良い面も存在します。
イギリスのポンドが下がる事で、イギリスの輸入は伸び悩む可能性はあります。
しかし、通貨が安くなることで、今までは輸入していたものを自国で作るようになり、内需が刺激され、雇用などに良い影響をあたえることも十分考えられます。
また、ポンドが安くなることで、近隣諸国から旅行にも行きやすくなります。
確かに、ユーロからの離脱によってパスポートが必要になったりと旅行関連でデメリットは有りますが、現地の物価が下がるというメリットが上回ることは十分考えられます。

ユーロに入ってからのギリシャは周期的に聴きを起こしていますが、ユーロ加入前のギリシャでは、財政が破綻しそうになると通貨安になって現地物価がやすくなり、観光客が押し寄せることで景気回復をしていたなんて解説もあります。
日本でも、為替が円安になった途端に、海外からの観光客が増えましたよね。
双方とも、パスポートが必要なのにもかかわらず、観光客の増加によってプラス面が出ました。

本来であれば、為替の変動によって引き起こされるデメリットからメリットを差し引く必要があります。
しかしマスコミや評論家は、自分達にとって都合の良い面だけを取り上げて予測を作り上げます。


そして、もう一つ行われていることが、不都合な真実は無視するという事。
これは、マスコミや評論家に限らず、銀行の資産運用部や不動産屋、保険の外交員などがよく使う手ですが、聴かれない限りは不都合な真実は自分から言わず、無かったものとして取り扱います。

今回のケースでは、イギリスはEU脱退によって、非常に大きな経済的損失を被ると言われています。
逆にEU側は、出て行くというイギリスを止めること無く『出て行くならさっさと出て行け。追随するものが出ないように、イギリスには懲罰的に厳しい条件を突きつける!』って感じの報道がされていました。

では、実際に株価はどのような動きをしたのでしょう。
この報道が真実であれば、経済的に先行き不透明なイギリスの株価は、ヨーロッパの中でもダントツに売られているはずです。
逆に、UEに残り続ける国々は安定的な状態を維持できるわけですから、影響が有るといってもイギリスに比べればマシなはずです。
という事で調べてみました。
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このチャートは、上がイギリスで下がドイツの株価です。
一目でわかると思いますが、イギリスの株価はショック後から一貫して上昇し、ショック前の高値を超えて上昇しています。
その一方でドイツの株価は、ショックによる下落分を取り戻せていません。

これから分かる事は、少なくともヨーロッパで自分達の資金をリスクに晒している投資家は『イギリスは買いだが、ドイツは買えない』と判断したということです。
勿論、ショックから数日だけの動きなので、これから先の動きは分かりません。
この値動きも、投資家がイギリスの離脱を事前に予測していて、空売りを仕掛けていたものを、離脱決定後に一斉に買い戻した結果という可能性もあります。

ただ、現時点では、イギリスは買われてドイツは買われていないという事実は存在します。
しかし、これらの事実は余り触れられることは有りません。
ドイツの株価が下落したというのは、伝え方によっては不安を煽れるので、使われることもあるでしょう。
しかし、イギリスの株価が上昇していることは、ほぼ触れられません。

何故なら、『イギリスが馬鹿な選択をしたせいで、自分で自分の首を絞めた』というシナリオの邪魔になるからです。
今後、イギリスの株価が取り上げられることがあるとすれば、何らかの原因でショック後の安値を下回った時だけでしょう。

まとめると、恐怖の煽り方とは、まず恐怖を煽るシナリオを用意してから情報収集をし、そのシナリオを強化する様な情報のみを付け加えていく。
情報は組み合わせによっていろんな解釈が出来るが、自分達にとって都合の良い部分だけを強調して利用する。
利用できない、もしくは、自分達のシナリオを崩すような情報は、あったとしても無視をする。

こうして信用できそうな状態にまで質を高めていけば、後は連日のように皆で大合唱をするだけです。
人の精神は案外脆いもので、連日のように皆で一つのシナリオを連呼し続けると、そういうものだと思い込んでしまします。

これだけなら問題はないのですが、一番怖いのは、この創られた最悪のシナリオを信じて皆が不安な気持ちを行動で表してしまうと、本当に最悪のシナリオが実現してしまうという事です。
予言の自己成就というのでしょうかね。
最悪のシナリオに対して備えは必要だと思いますが、必要以上の煽りは、結局は害悪でしか無いんです。

前回と今回の投稿を通して私が伝えたい事は、みんな、自分で考えましょうということ。
私が観る限り、地上波で観れる経済ニュースの大半は、素人ブログ程度の考察だったりします。
本を数冊読む程度で、テレビのコメンテーター以上の意見を考えることは可能なので、変な意見には振り回されず、自分で考えるようにしましょう。
仮にその考えが間違ったとしても、それは次に活かせば良いだけで、テレビの意見を盲信しているよりかは、かなりマシだと思いますしね。

EU離脱問題から考える マスコミの報道姿勢

先々週にイギリスで行われた国民投票によって、イギリスがEUを脱退する意思を表明しました。
その直後から、日本のマスコミは『待ってました!』といわんばかりに、イギリス脱退による経済不安を煽りまくりましたね。

しかし実際には、蓋を開けてみれば脱退結果が出た翌日こそ大きく下がりましたが、その翌日以降は上昇し続けて6連騰。

テレビに出ている有名なコメンテーターは、揃いもそろって恐怖を煽りまくっていました。
中には、『リーマンショックを超える!』なんて大げさなことを行っていたのですが…
あれは、何だったのでしょうか。

という事で今回は、マスコミの報道姿勢について考えていきます。


この離脱問題については、投票翌日にも投稿を書きました。
kimniy8.hatenablog.com

内容を簡単に書くと、投票によって脱退の意思表明は行われたけれども、詳細はまだ何も決まっていないので、判断は出来ませんよということ。
テレビに出ている専門家様のいう通り不景気になる可能性も有りますが、特に変化がない可能性も充分にある状態というのでしょうかね。

そもそも、脱退そのものが2年先。
脱退後の経済や防衛についてはこれから議論して決めていく為、何もわからなくて当然なんです。

にも関わらず、マスコミやそこに出演している人の多くは、『どうなるか分からない』では無く、必要以上に恐怖を煽っています。
何故なのでしょうか。

これは単純に、その方がマスコミや出演者にとって都合が良いからなのでしょう。
人がニュースを欲する時というのは、世の中が悪くなって先行きが不透明な時です。
私は以前、経済系の話が中心のブログを書いていました。
有名なサイトではなく、個人サイトで細々と活動していた為、特にアクセス数が多かったわけでは有りませんが、そんなブログでも、たまにアクセス数が大幅に上昇する時がありました。
それは、株価・為替が大きく下落した時です。
細々と活動していた個人ブログですらそうなのですから、テレビのニュースとなれば、更に影響を受けるというのは当然でしょう。

テレビにとって視聴率は経営に直結するものですから、視聴率は高ければ高いほうが良い。
そうなると、視聴率を上げる為にも世の中の不安を出来るだけ煽った方が良い。
人々の恐怖を煽るだけ煽って、『先行きはどうなるんだ!?』と思わすことが出来れば、ニュースの視聴率が上昇してマスコミは万々歳。
これは、テレビに限ったことでは有りません。
新聞や週刊誌なども、同じ事です。

では、出演している経済の専門家はどうなのでしょうか。

実は彼らは彼らで、不安を煽った方が都合が良いんです。
理由を、2つ挙げてみましょう。

株や為替の専門家や評論家は、危機が起こらないと仕事になりません。
例えば、株が安定的に上昇し続けている状態というのは、経済的にも安定していますし、市場に関わる人の多くが儲けを出せるわけですから、非常に良い状態といえます。
しかしそんな状態が長期間続いた場合、評論家やコメンテーターは必要ありません。
何故なら、そんな人達にアドバイスを求めなくても、買って放置しているだけで儲けが出るからです。

しかし、金融危機が起こった場合はどうでしょう。
先行きが不透明な為、普段は経済について無関心な人達は、藁をも掴む思いで経済評論家に意見を求めます。
当然、テレビの露出も高くなりますし、顔も売れるでしょう。
有名になれば、講演会などで稼ぐことも出来ます。
こういう人達にとっては危機は来てもらわなければ困るものなので、僅かな火種でも危機になるように大切に育てようとします。
それが、必要以上の演出になっているのでしょう。

次の理由は、危機を煽っておいた方が安全だから。
例えば、『大したことは有りませんよ』と言っておいて、実際に大混乱が起こった場合は、物凄い数の苦情・非難を浴びることになります。
しかし、危機を煽っておいて実際には大したことがない場合、『予想していた程、酷くならなくて良かったですね。』と言っておけば、何とかなります。
当然、実際に酷いことが起こった場合は『私の言った通りになったでしょ?』と大きな顔が出来ます。
評論・コメンテーターという立場からすれば、とりあえず危機を煽るほうがリスクは少ないことになります。

また、こういった感じで評論家の大半が、同じ危機を煽るコメントになった場合は、更に別の保険がきくようになります。
というのも仮に予測が外れた場合、『あの時は、みんなが同じ予測をしていたでしょ?あの状況では、常識的に考えればあの予測になっていた。誰もが考え付かないようなことが起こったから、予測が外れた』といえば、結構な割合の人が納得します。

マスコミ業界と、それに協力しているコメンテーター・評論家は、共に危機を煽ることで利益をえることが出来ます。

では、どの様にして危機を演出するのでしょうか。

長くなってきたので、それはまたの機会にでも、

【映画紹介】 貞子vs伽椰子

今回は、2016年6月18日に公開された、『貞子vs伽椰子』の紹介です。
苦情がないように最初に書いておきますが、多少のネタバレは有りで書いていきます。
映画の情報を全く入れずに観に行きたい!という方は、今回の投稿は読まずに鑑賞後にお読みいただければと思っています。

『貞子vs伽椰子』
簡単に映画を紹介すると、貞子と伽椰子という、ジャパニーズホラーを代表する両名が対決する話です。
キャラクターを管理する会社がそれぞれ別なのに、その境界を乗り越えての恐演。
タイトルのインパクトも抜群ですし、人に話すためのネタとしても、観に行く価値が有るでしょう。




この映画ですが、リングシリーズの貞子と呪怨シリーズの伽椰子の恐演という事で、前作までの話を予習してみたほうが良いのかな?と思われている方も結構いらっしゃるかもしれません。
しかし実際に見に行った感想としては、過去作品を観ていないのであれば、予習の為にわざわざ観なくても良いと思います。

というのも今回の作品は、物語の都合上、若干設定を変えてあります。
その為、変に知識がある場合は揚げ足取りの方に注意がそれてしまう可能性もあります。

主人公のヒロインも、呪いのビデオや入ったら呪い殺される家があるという都市伝説を知っている程度の知識。
その為、リングや呪怨というシリーズは知っているけれども、内容までは知らない状態ぐらいで行くのが、主人公達に一番共感が出来て楽しめると思います。

と、前置きはこの辺りにして、そろそろ本題に入っていきましょう。
今回の映画のジャンルはホラーですが、実際に怖い映画なのか。

この部分に関しては、正直、人それぞれ。
恐怖の概念によって違うとしか、言いようが有りません。
私個人としては、恐いとは感じませんでした。

というのも、私にとって怖いと思う物語は、ほんの僅かに選択肢を間違うことで、誰でも道を踏み外してしまうような物語に恐怖します。
特に特別な環境でもなく、誰もが普通と思い込んでいる日常生活内に潜む闇とでもいうのでしょうか。
人間関のちょっとした摩擦であったり、思い違いなどから、自体がどんどん悪い方向へ転がってしまうとかね。

しかし今回の『貞子vs伽椰子』には、そういったストーリー的な怖さというものが一切ありません。
ではどういう怖さなのかというと、お化け屋敷の様な怖さ。
幽霊が出てくると分かっている状況で、注意深く探索。
ゆっくりと歩く為に視覚は然程、変化せず、音も足跡のみ。
入ってくる情報が極端に少なくなり、自然と細かい部分にまで意識が集中した時に、不意に思ってもいないところからバケモノが出てくる。
そんな感じの怖さです。

その為、幽霊が登場する映画なのにもかかわらず、観た後は不思議とカラッとした気持ちになる感じでしょうか。
勿論個人差が有るので、お化け屋敷的な怖さが大の苦手という人にとっては、非常に恐い作品に仕上がっているとは思います。

とはいっても、そんなホラー中心の流れは、中盤まで。
後半部分のバトルに関しては、少年漫画に通じる部分がある、熱い展開になったりします。
ちなみに、バトルする両名のスペックは、こんな感じ。
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精神力が強い貞子を、フィジカルが強い伽椰子が迎え撃つ感じでしょうか。
こんなグラフを見せられるだけで、『近距離戦闘に持ち込むと伽椰子が有利そうだから、貞子は距離をとって戦う?』なんて妄想が捗りますよね。
実際の結末については、劇場で確認して欲しいんですけどもね。

個人的には、笑いどころが結構多い作品だったように思えます。

時間もそれほど長くなく、過去作品の情報も必要ない。
お化け屋敷的な怖さが味わえるうえに、少し笑える。そんな作品だと思います。
気になった方は是非、劇場に観に行ってください。


…と、一般的な紹介文はここまでで、ここからは、少しマニアックな見方をする為の方法を書いていきます。
個人的には、2回目を観る際に読まれると良いと思います。
ここからはネタバレ要素が強くなるので、情報を入れたくない方は、此処から先は読まない様におねがいします。

先程は、今回の『貞子vs伽椰子』は、それぞれの過去作品である『リング』や『呪怨』を観ていなくても楽しめると書きました。
それは、その通りなのですが…
この作品、過去の白石晃士作品を観ていると、更に楽しめる作品になっているんですね。

では、具体的に何を見ればよいのか。
理想をいえば、雰囲気を理解するためにも、観れる作品は全て観るほうが良いと思います。
しかし、そんなに時間がないという方は、今回勧める3つの作品を観ることをお勧めします。

先ずは、『カルト』




この作品は、構造が『貞子vs伽椰子』と非常に似通っています。
『貞子vs伽椰子』では、最初に登場する霊能力者は不動明王真言を唱えるも除霊できず、逆に貞子に呪い殺されてしまいます。
それから少し後に、オラついた感じのホスト風の霊能力者が登場し、ヒロインたちに力を貸すという流れなのですが、ここら辺りの流れがほぼ一緒。
デジャブ感を味わえますし、元ネタを知っていると、不動明王真言が流れた時点で爆笑してしまいます。

次に観てほしい作品は、コワすぎ!シリーズの2作品。
口裂け女捕獲作戦』と、『震える幽霊』です。






これらの作品を観ることで、貞子を少しだけ呼び出した後で、髪の毛をズタ袋に入れるというシーンの元ネタが分かるようになり、今回の迷セリフである、『バケモンにはバケモンをぶつけるんだよ! 』というセリフが、より楽しめるようになっています。

この作品は、大画面で観た方が怖さをより感じられる作品だと思いますので、興味を持たれた方は是非、劇場で楽しんでください。

おすすめです。

【イベント潜入】 『貞子vs伽椰子』 公開記念トークイベント (なんば紅鶴)

先週末(2016年6月25日)の事ですが、大阪千日前にある、なんば紅鶴にて開催された、『貞子vs伽椰子』の公開記念トークイベントの観覧に行ってきました。
という事で今回は、このことについて書いていきます。


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皆さんは既に御存知だとは思いますが、このイベントの開催日から遡ること1週間前に、映画『貞子vs伽椰子』が放映されました。



そして、その翌週にはもうトークイベントの開催!
という事で、早速、予約を入れて様子を見に行ってみましたよ。

会場に入ると、入口付近ではフードが販売されていました。
その内容も、霊体ミミズが入ってこない様に加工された食品や、多数の肉の後に注文する『後、サムゲタン』といったものが。
イベントでは、入場料の他に1ドリンクを頼む必要があるのですが、そこでも、未来に確実に流行ると言われているルイボスティー
残念ながら、バイオ鳥サワーは開店前から売り切れでしたが、白石監督作品を見続けてきた人は思わずニヤリとしてしまうメニューが揃えられていました。

私は開場15分後ぐらいに紅鶴についたのですが、観客は既にいっぱい。
しかし運良く、最前列のスピーカー前が開いていたので、そこに陣取ってイベントの開始を待ちました。


イベントは10分遅れぐらいでスタートし、出演者の方が登場。
アメコミ情報番組アメキャスや、紅鶴の責任者?として有名な林人生さんが登場し、その次に、ネットラジオ『ネットラジオ BS@もてもてラジ袋』の『ぶたお』さんと白石監督が、ハンバーガーをワイルドに食しながら登場。
ハンバーガーといえば、白石監督作品『カルト』で、岩佐真悠子さんがハンバーガーを食べてしまった事で霊に取り憑かれたというエピソードが有名ですよね。
しかし今回の『貞子vs伽椰子』では、無頼漢風の霊能力者・経蔵がハンバーガーをワイルドにかじりながら登場します。

そのシーンを完全に再現しての登場に、最初っからクライマックスな状態でのイベント開始となりました。

最初は、軽いトークから。
公開記念イベントということで、やはり『貞子vs伽椰子』の話題から。
私は先週に観たばかりなので、興味津々で聞いていたのですが、ここで一つ問題が。

『貞子vs伽椰子』の公開記念イベントなのにも関わらず、映画を観てない人が2人いちゃったんですよね。
という事で、イベントは核心部分のネタバレは無しの方向に。
まぁ、公開して一週間しか経っていませんし、仕方がないといえばそうなのですが、観た側からすると、少し残念な感じ。
といっても、それを差し引いても面白かったんで良かったのですけれどもね。

短めのトークが終わり、次は白石監督の映像を見ることに。
今回の映像は、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ』のスピンオフ作品。
コワすぎ公開イベントの際に少しずつ流されていたものが、一挙公開されました。

私は、京都の立誠シネマで『コワすぎ』が公開された時に放映された2作品しか観たことがなかったので、全て見られて得した気分でした。

その後は休憩をはさみ、再びトークショーへ。
今回は、事前に観客に配られていたアンケートを元に、インタビュー形式でのトークです。
インタビュアーと監督が壇上だけでやり取りしているのを観るのも良いですが、この形式だと観客を交えた雰囲気になるのが面白いですね。

この幕からは、映画関連で地上波ラジオの番組にも登場している、『縛りやトーマス』さんも参加。
参加者全員が、宇宙的な光るサングラスをかけての登場です。
この部分の写真は撮りそこねたので、興味の有る方はGoogleなり、ツイッター検索で『紅鶴 白石』と入れるなりして調べてください。

この部分のイベントは結構な時間を割かれていたように思うのですが、いざ終わってみると、物凄い短時間に思えたのが不思議です。
それだけ、楽しかったということなんでしょうね。

というのも、『貞子vs伽椰子』という作品は、リングを観ていなくても呪怨を観ていなくても、この作品単体で完結している作品なので問題は有りません。
しかし、映画の所々に、白石監督の過去作品のネタが頻繁に散りばめられているんですよね。
過去の白石監督作品を観ている方にとっては、その部分では思わず吹き出してしまう程に面白いシーン。
ですが、白石監督の作品群を知らない人にとっては、その意味はわからないし普通のシーンとして飛ばしてしまう作りになっています。

白石ファンの人からしてみれば、『あの部分のネタ分かった?』って感じで映画後に談笑したいわけですけれども…
一番の問題は、その知識を有している人が周りにいない。
結果的に一人で消化していく必要があるのですが、今回のイベントに集まった人達は違います。
大々的にに告知もされていないのに、味園ビルに集まった強者どもです。
自分の知らないようなネタに気がついたり、違った角度から観たりしてくれているんです。

そんな感想をアンケートに書き、それを元に壇上の方々は面白おかしくインタビューをしてくれているので、面白くならないはずが有りません。
そして、イベント開始から4時間が経過。
会場内で笑いが絶えず起こり続ける中、『貞子vs伽椰子』公開記念トークイベントは終了しました。

終了後も、サイン会や壇上の方々との交流の時間が設けられていましたが、電車で帰らなければならない私は、イベント終了と共に帰宅。
楽しい時間を楽しませて頂きました。

私の文章力では、会場内の面白さの5%も伝えられてはいないと思いますが、言い訳をさせて貰えれば、あの雰囲気は会場に行かなければわからないと思います。
特に、紅鶴でのイベントはMAXで入場しても4~50人程度の規模なので、演者との距離感が近いですし、参加している感が他のイベントに比べての高いのではないかなと。
また別の機会で白石イベントが開催されるようですし、もし興味を持たれた方は、参加してみても良いのではないでしょうか。

イギリスのEU離脱は、本当に大混乱を招くのだろうか

ニュース速報によると、今日の昼頃にイギリスのEU離脱が報じられましたね。
私は毎日の様に経済関係のニュースを見聞きしておりますが、多くの経済専門家の予測は、残留でした。
その予測は見事なまでに、華麗に外した事になりますね。

そういえば政治評論家や専門家は、『アメリカ大統領のトランプ氏は泡沫候補ですぐに消える』なんて豪語していましたが、実際には有力候補の一人として残り続けていますね。
更に遡ると、大手経営者の株価予想を日経新聞が掲載しておりましたが、予測は最安値が17,000円で高値が24,000円。
この予測も、僅か1ヶ月と持たずに1月末には全員がハズしていますね。

この現状を見ると、専門家とは一体何なのかと疑問を持ってしまいます。

で、その専門家が英国のEU離脱について何と言っているかというと…
経済的混乱が起こり、大変な時代になると大騒ぎしているわけです。

しかし本当のところは、どうなんでしょうかね。

オオカミ少年では有りませんが、ここまで尽く嘘と言っても過言ではないような予測をし続けてきた専門家。
この人達が騒いでいるという事は、逆に大した影響は無いとも言えるのかもしれませんね。
という事で今回は、イギリスのEU離脱について考えていきます。


専門家の方々やEUの現首相は、EU離脱をしたらトンデモない事になり、世界は混乱すると主張してきました。
では何が原因で混乱や損失が生じてしまうのか。
簡単に書くと、英国・EU間の貿易コストが上昇してしまう。
英国から、グローバル企業の本社がが逃げていく。
よく聞く原因はこの2つなんですが、両方共、ヨーロッパ間の貿易の事なんですよね。

この貿易によって起こる問題を取り上げて、『イギリスの損失が増大する!』『製造工場・本社機能の移転コストが!』なんて騒いでいるんですが…
そんなに大した問題なんでしょうかね。
この話は、イギリスが損失を出す可能性があるという話であって、全世界が莫大な損失を出すという話では無い。

その貿易関係についても、EU離脱後に新たに貿易協定をEUと結べば良いだけです。
今までの貿易関係で、英国だけが一方的に非常に有利な条件で貿易協定を結んでいたのであれば、それが解消されることで英国に損失が発生するかもしれません。

しかし、離脱問題が起こる前のEUでは、『EUが誕生してから、イギリスだけが貿易で儲けを出している!』なんて話は、少なくとも私は聴いたことが有りません。
ではどんな事をいわれていたかというと、『ドイツの一人勝ち!』。

ヨーロッパといえば、今も昔も、生産拠点となっているドイツの輸出が目立っていました。
この状態、EUが存在する前ではどうなっていたかというと、マルク高によってドイツの貿易が不利になっていたんです。

ドイツから物を輸出する場合は、ドイツが物を販売し、その代金はマルクで受け取りますよね。
そのマルクを調達するために、他国は自国通貨を売ってマルクを購入しなければならない。
結果としてマルク高になり、ドイツ製品は割高になることで、国際競争力が削がれていたんです。

しかしユーロが導入されると、どうでしょう。
通貨が同じになる為、為替による製品の変動が無くなるわけです。
その結果として、ヨーロッパじゅうのお金がドイツに集中することになったのです。
また、ギリシャやスペイン、イタリアなどの国が通過ユーロの足を引っ張ってくれることで、ドイツ単独の頃よりも通過的には安い状態を維持できる。
ドイツにとっては、結構良い環境といわれていました。

そしてEUは、単にユーロを導入するだけでは有りません、人の行き来も自由にする枠組みです。

貿易でドイツが一人勝ちになって、企業が儲けを出すという事は、より優位な条件で求人募集が出せるということです。
これにより、ヨーロッパ中のエリートはドイツに吸収されることになります。
日本で例えると、地方の有名大学を出た人間が、就職で上京するようなものです。

こうなると、ドイツの競争力は更に増強されます。
正に、ドイツ1強の状態です。

つまり、現状ではEUに加盟していることで、イギリスが非常に優位な状態で貿易が出来ているというわけではありません。
どちらかと言うと、得をする部分もあるがデメリットも有るという、EUとは持ちつ持たれつの様な関係だったわけです。
イギリス国民も、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、デメリットの方が大きいと判断した人が多かったから、離脱になったのでしょう。

また、EUから脱退したとしても、条件的に似たような貿易協定を結ぶことは、交渉次第で不可能では有りません。
現に、EUに加入していないけど、貿易面では同じ条件で取引している国もありますしね。
交渉によっては、EUに残留するよりも有利な条件で結び直すことも可能かもしれません。

また、『貿易!貿易!』と行っていますが、イギリスが大量の工場を抱えていた時期って、産業革命期ですよね。
それからは製造工場はどんどん海外に移っていき、イギリスは金融国家になっています。イギリスの産業で製造業が占める割合は、10%程度まで縮小しているようです。
EUから抜けたら『金融国家としても成り立たない!』なんて声も聴きますが、同じ金融国家であるスイスは、そもそもEUに入っていません。

マスコミはや専門家たちは、不安を煽ってナンボ!ってところが有るので、結構大げさな騒ぎ方をしていますが、今回の出来事は、莫大な損失が発生したリーマンショックのような経済危機では有りません。
今ある枠組みから、国が1個抜けるだけです。
ヨーロッパ地域にある国々は、EUに加入していなければ存続すら出来ない状況というわけでもなく、加入していない国も沢山有ります。
抜けたからといって、どちらかが破綻するわけでもないんですよね。

よくよく考えてみると、今回の出来事は、これからイギリスがどのような行動を取るかが重要なのであって、離脱そのものに、そこまでの意味は無いと思います。
今後、重要になってくるのは観察することなのですが、世間ではこの騒ぎっぷり。

普段からマスゴミマスゴミ!と、テレビの報道を全く信用していない人達が、何故かマスコミの意見を盲信して、一緒になって危機を煽っている。
そりゃ、金融市場などでは予想していなかったことが発生したわけですから、一時的なポジション調整などの動きによって、乱高下も起こるでしょう。
その一時的な現象だけを取り上げて、マスコミと一緒になって危機を煽る現状には、なにか違和感を感じてしまうんですよね。

もう一度、冷静になって考えてみてください。
今、テレビに出て危機を煽っている人達は、1月に出した今年の株価予想を僅か20日程でハズし、トランプの躍進を見抜けず、イギリスの離脱を予想できなかった人達なんです。
景気なんてものは、悪くなると思ってお金を使わなければ、本当に不景気になってしまうものなんです。
そして更に冷静になって思い出してください。
世界は、全世界を巻き込んで大幅な損失を出した、リーマンショックですら壊れなかったんです。

イギリスがEUの枠組みから抜けるだけで、世界は本当に大混乱になるのでしょうか。

映画館で常時1000円ちょっとで鑑賞する方法

私は以前から、『映画料金は高い』と思い続けていました。
2時間で1800円というのは、他の遊びと比較すると安いのかもしれません。
しかし、少し時間置くだけでDVD・BDになり、レンタルで貸し出されることを考えると、相対的に高いなと思ってしまうのです。
時には、その環状をブログにぶつけるんなんてこともあったのですが、実はちょっとした事で、映画料金を半額に出来ることに気が付きました。

映画を頻繁に観ている方にとっては常識だとは思いますが、そこまで頻繁に映画を観に行かない人間にとっては、案外知らないことだとも思いますので、今回ブログで紹介することにしました。

私は今まで、映画を安く観る為の方法を3つぐらいしか知りませんでした。
一つは、前売り券を買う。
もう一つは、レイトショーに行く。
最後は、映画の日などのサービスデーに行くことです。

行くことを既に確定していて、『前売特典が欲しい!』なんて人は、前売り券を購入すればよいのですが、前売り券は映画が公開される前しか販売していない為、公開してから話題になって観に行きたくなる場合は、使えません。
サービスデーなどは、日にちが固定されていますし、曜日で決められているわけではなく日にちで決定している場合が多いので、多くの場合は平日になってしまいます。
となると、一番現実的なのはレイトショーで見に行くことなのですが、これも開始時間が遅めだと、見終わると12時前になる事も有り、その後の予定が入れにくいという欠点もあります。

どちらにしても、結構使いづらいなと思う部分も結構あるサービスなんですよね。

しかし、そんな問題を解決し、今回紹介したどのサービスよりも割安に映画を観ることが出来るサービスがあったんですよね。
その方法とは、映画館の会員サービスに加入すること。

『そんなの常識だよ!』と思われている方も多いかもしれませんね。
映画館の予告前のCM等でも頻繁に宣伝していますから。
そんな方は、今回の記事は読み飛ばして頂いても結構です。


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しかし私の様に、CMを目にしつつも詳細を知らなかった方は、知っておくと結構便利なサービスだったりします。

私がよく行く映画館は、movixです。
その為、今回はmovixを含むブループが作っている会員サービスの『SMT Members』について紹介します。
www.smt-cinema.com

この会員サービスは、入会時に100円だけ料金が発生しますが、月会費や年会費は有りません。
つまり、会員になるためのコストは、たった100円で済むということです。

ちなみに100円という費用は、利用方法によっては一瞬で取り返すことが出来ます。

会員になると、その日から会員特典を受けることが出来ます。
その特典が、結構凄いんです。
フル活用すると、映画が実質半額で観ることが可能です。

ではその、詳細を書いていきましょう。
まず、映画を1回見ると、ポイントが10pt貰うことが出来ます。
このポイントを60pt貯めることで、映画の無料鑑賞チケットを貰うことが出来ます。
映画の通常料金が1800円なので、6回見ると次が無料という事は、1回あたりの割引金額は300円程度となりますね。

『たった300円?』と思われる方も少なく無いと思いますが、実はこの特典だけではないんです。
次の特典としては、映画を1回見に行く毎に、翌日に『次回割引クーポン』が貰えます。
このクーポンは有効期限が発行から2ヶ月なのですが、利用することで、1300円で映画を見に行くことが可能です。

ネット上で座席指定をしてチケットを購入する場合は、更に割引されて1200円で観ることが可能です。
ネット購入の場合の割引金額は、600円程度ですね。

ちなみに、この『次回割引クーポン』、これを利用して1200円で映画を観た場合でも、翌日にはまたクーポンが発行されます。
つまり、2ヶ月以内に次の映画を見続ければ、毎回1200円で観られるということです。

これらの割引を全て足すと、300円+600円で、900円引きで半額?なんて思われる方もいらっしゃいますが、実際には7回分の上映を1200円で6回分の料金で見れるということで、7200÷7で、一回あたりの鑑賞料は1028円となります。

その他にも、誕生日には1000円で鑑賞できるクーポンが貰えます。
これも、使用期限は60日限定。

通常料金で年に8回、映画館に行く場合は、14,400円のお金がかかります。
しかし、この会員システムのクーポンを利用して映画を見る場合は、8200円で鑑賞が可能な為、6200円ぐらいお得という事になります。
8回全てをレイトショーで観る場合は、差額は2200円とお得感は薄れますが、レイトショーは時間が20時以降と限定されているのに対し、この会員システムは時間を選ばずに好きな時間で行くことが出来るという点でも優れていますよね。

鑑賞料が1800円と聞くと、『高いなぁ。。』と思って足が遠のいていた方も、一回あたり1000円チョットで鑑賞可能となれば、見に行くハードルも少しは下がるのではないでしょうか。
映画の中には、映画館で観て初めて良さが分かるものも結構多いようなので、興味を持たれた方は、会員になってみるのも良いのではないでしょうか。

【本の紹介】 魔女の世界史

今回紹介する本は、『魔女の世界史』です。



この本を知った切っ掛けですが、私の趣味の一つがPodcastを聴く事で、多くの番組を聴いています。
そんな中の一つに、『東京ポッドキャスト』という東京リチュアルというところが配信しているオカルト番組が有るのですが、その方々が公式サイト内で紹介されていたので、興味を持って購入してみました。

『魔女』と聞くと、オカルトに全く興味のない人は、白雪姫に登場するような不思議な魔法を使う老婆を思い浮かべるひとが多いのではないでしょうか。
魔女の宅急便』を思い出す人も居らっしゃるかもしれませんね。
いずれにしても、ホウキにまたがって宙を舞う、人間にはない力を持った女性ですよね。

そんな『魔女』の世界史なので、このタイトルを聞いてファンタジー的なイメージを抱かれる方も少なく無いと思います。
しかし実際には、先程書いた様な魔女のイメージは、この本で紹介されているものの一部にしか過ぎなかったりします。

この本では、【魔女の定義・起こり】【魔女の活動】【現代における魔女カルチャー】の大きく3つの章に分けて、魔女の起こりから現代へと継続していく流れを、大雑把に紹介されています。

始まりは、まず、魔女とは、何なのかということから。
私が読んで解釈した範囲で書くと、それは、カウンターカルチャーサブカルチャーを代表するもの。
常識を、逸脱するものでしょうか。

では何故、女なのか。
それは、古くから女性が蔑視され、差別され続けてきたからのようです。

例えばキリスト教の聖書で、イヴは蛇にそそのかされて知恵のみを食べ、それをアダムにも食べるよう薦めて、結果としては楽園から追放されることとなります。
蛇はサタンの化身ともいわれているので、悪魔に唆されて堕落した女性が、男性を引きずり込むとも解釈できるわけです。
別にキリスト教等の宗教に限らず、人の文明は男性によって支配され、男性がつくってきました。

女性は時には男性の所有物のように扱われる事も、しばしば。
そんな男性社会に立ち向かうため、そして変革させる為に取る行動が、一つの文化を作っていった。

男性が作った男性社会に対して反抗するのは、やはり女性で無くてはならない。
という事で、女性がシンボルになり、現体制に対して積極的に反抗する女性が『魔女』と呼ばれるようになったということでしょう。

現体制やメインカルチャーに対して抵抗し、カウンターカルチャーを実行するものを『魔女』と呼ぶようです。

例えば有名な例でいうと、キリスト教全盛期に、教えに反して科学を追求して聖書に書いていないことを主張するのは、キリスト教を基礎にした社会に対する反抗とされたので、魔女ということで裁かれます。
しかし実際に魔女が行っていたことは、様々なものを混ぜて加熱して、今までにないものを創りだそうとする錬金術や、森に生えているハーブなどを調合して薬を作るなどの行為。
今の社会でいえば、科学者や医者が行っている事をしていただけなんですよね。

価値観が変わった今となっては普通のコトですが、当時は前提となる常識が全く違う為、神の意志に逆らったことを実行したり主張する人達は、忌み嫌われていたのでしょう。

『今の常識を打ち破り、新たな価値観を見出す』という行為。
これって、今現在でも行われていることですよね。

この本では、それらの行為を行っている人、全般を『魔女』として取り扱い、その歴史を振り返るという趣旨で書かれている本です。

読んでみた感想ですが、全体的に知らないことが多く書かれていたので、新たな知識が身につけられるという点で、楽しく読むことが出来ました。
全く知識がない分野の本は、知らない単語や用語が大量に出てきて読むのに苦労するという印象なのですが、この本は、そもそも知識がない人に向けて解りやすく説明しようという思いで書かれているためか、非常に読みやすくて助かりましたね。

読んでみて意外に思ったことは、魔女の定義がかなり広いことでしょうか。
魔法少女もののアニメは勿論ですが、『かわいい』といった新たな概念を浸透させた『きゃりーぱみゅぱみゅ』のようなアーティストまで含まれていたとこには驚きでした。

他に興味を持った部分は、魔女という概念が拡散・浸透していく過程ですね。
昔は、絵画などに描かれた女性を観ることとで、今までにない価値観を植え付けられた女性達が、『自分たちも』と意識が徐々に変化し、行動に移していくというローカルなものでしたが、技術が進歩するにつれて、影響を与えるメディアも変化していきます。
印刷が発明されれば、大量に印刷されて安価に手に入れられる本が影響を与え、テレビが誕生すれば、主体はそちらに移ります。
そして今現在はネットによって、今までは一部の限られた人間しか接することが出来なかったような、アングラな情報にも手軽に接することが出来るようになり、意識の変化が爆発的に進んでいっているという点ですね。

この爆発的な情報の拡散により、今現在は何がメインカルチャーで何がサブなのか、カウンターなのかすら解らない曖昧なものになってきています。
捉えようによっては魔女に一番接しやすい様にも思えますが、メインカルチャーが曖昧で存在が分からない状態であれば、そのカウンターも曖昧なものとも考えられます。

この様な視点で世の中を見てると、想像以上に世界は混沌としていて、結構面白いなとも思えたり。

メインカルチャーに対するサブカルチャーカウンターカルチャーについて、過去に一度でも深く考えたことがある人にとっては、既に知っていることが多数書かれている為、読む必要のない本かもしれません。
しかし、特に何も考えずに漠然と生きてきた人は、全く違った視点を与えてくれるという点で、結構、面白いのではないかなと思います。

【ゲーム紹介】 アンチャーテッド  海賊王と最後の秘宝

今回紹介するゲームは、アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝



スピンオフを除く、アンチャーテッドシリーズの4作目。
そして、シリーズの完結編でもあります。

アンチャーテッドシリーズを全くご存知のない方の為に簡単に説明すると、体験する映画の様なゲームです。
インディー・ジョーンズなどのアクション映画では、ハラハラ・ドキドキするような事が次々に起こり、敵が主人公に襲いかかりますよね。
主人公は襲いかかる追手と戦い、時には逃げながら、様々なハプニングを乗り越えて目的地を目指していく…
そんな主人公を自分が操作できるのが、このゲーム『アンチャーテッド』です。

タイトル名は、このシリーズの第一作目で、主人公のネイトが冒険費用欲しさにテレビのアドベンチャー番組『アンチャーテッド』に話を持ち込んだところからきているようです。
過去にエルドラドやアトランティスを発見してきたネイトですが、今回挑戦するのは、海賊の財宝。
これまでと同じように、敵対する傭兵軍団が有り、それらと争いながら謎を解いていく感じになっています。

基本的に一本道でストーリーが進んでいくスタイルで、やるべきことがハッキリしていて迷わなくて良いのがこのシリーズの良い所。
ゲームのプレイ時間も短めで、なかなかゲームをする時間を作れない社会人にとっては、有難いシリーズですね。
とはいっても、ゲーム時間に比べてお値段は据え置きって感じなので、その点については厳しいんですけどね。

気になる今回の物語ですが、ストーリーは死んだと思い込んでいたネイサンの兄さんが生きていて、助けを求めてくるところから始まります。
過去作には兄の存在が一切語られていなかったと思うので、ちょっとビックリな展開ですね。

やってみた感想ですが、一番衝撃を受けたのが、グラフィックの美しさ。
物凄く良く出来た映画のセットの中を動き回れるって感じといえばよいでしょうか…
特に、自然の描写が凄すぎですね。

今回は孤島をメインで探索するのですが、そこら中に50センチ程度まで成長した草木が生えているんですよね。
その中をかき分けて進んでいくと、ちゃんと草木が対応して揺れるところが、かなりリアルで凄い感じ。

またこの『少し背の高い草』等は、敵から隠れる為にも使えたりします。
敵の巡回ルートを隠れつつ確認し、一人になった所で草むらに連れ込んで暗殺なんてことも。
この様なアクションのお陰で、今までのアンチャーテッドシリーズとは戦闘が少し変化したようにも思えますね。

今までのアンチャシリーズの戦闘といえば、無限と思えるほどに湧いてくる敵を銃で打ちまくる戦闘スタイルだったように思えますが、今回の作品に関しては、ステルスキルや敵を倒さずにやり過ごすなんて事が出来やすい用に感じました。
前作までは軍隊相手に一人で撃ち合って勝つって感じでしたが、それに比べると、より現実路線の選択肢が選べるともいえますね。

とりあえず敵を全滅させてから進むというスタイルだけでなく、出来るだけ殺さずに、且つ、見つからないように先に進んでみるというのも、面白そうですね。

その他は細かい部分にはなりますが、砂や泥、水の描写も凄い。
例えば、水の浅瀬を走ったりすると、足の前の水を蹴り上げるような感じになりますが、それも結構リアルな感じで表現されています。

また砂や泥の上を歩くと、ちゃんと足跡が付きますし、泥の上を車で走ると、タイヤの跡がくっきりと残ります。
銃撃戦などでも、ブロックのような壊れやすい物に当たると、その部分だけ崩れ落ちるといったことも表現されています。
細かい部分まで丁寧に作られているため、このグラフィックを観ているだけでも満足してしまいそうなほどですね。

PS4のゲームでは、現状で最高レベルのグラフィックだと思いますので、技術の進化を観るという点でも、一度体験されてみては如何でしょうか。
おすすめです。

【おすすめPodcast紹介】 大阪の一般人によるPodcast ( #だげな時間)

私の独断と偏見のPodcast紹介コーナー。
第114回。

過去に書いた投稿
タイトル紹介はこちら
エピソード紹介はこちら

今回は、【大阪の一般人によるPodcast】
https://itunes.apple.com/jp/podcast/da-banno-yi-ban-renniyorupoddokyasuto/id1082196615?mt=2&at=10l8JW&ct=hatenablog
です。


今回紹介するwebラジオは【大阪の一般人によるPodcast】

正式名称は
阪の一般の男と女が
阪市のワンルーム
ぁーっとしゃべったり
ラゲラ笑ったりしてたら
んだかんだでめっちゃええ感
になるんちゃうか?そんな
じでやってまうん。

という、結構長いタイトルで、各行の一番最初の文字を縦に読んで『大大だゲなじ感』。
それを更に略して、『だげな時間』としたものが通称となっています。

放送時間は15分前後と短いですが、更新日が月~金曜日の週5回と素人ラジオとしては驚異的な更新頻度となっています。

どんな番組かというと、公式サイトの説明文が分かりやすいので引用すると
『≪毎週 月~金 更新!≫ 「大阪人二人寄れば漫才師」 果たしてそれは本当なのか 大阪市ワンルームから お送りする一般人による一般人のための たぶんエンターテイメント!!! これが、浪速のポッドキャストやで!!』
という事で、簡単にいえば、柴山ケンさんと おかよ さんの大阪の男女によるフリートーク番組です。

テーマとして取り扱う話題の多くは、日常で思ったことや感じた事など。
コンビニでちょっとモヤッと思ったことから、過去の思い出話しや、ゲームの話まで、結構幅広く話されています。
そんな中でも得意分野があるようで、柴山さんは映画の話を取り上げられる場合が多く、おかよ さんの方は競馬について熱く語られます。
メールがある場合は、その内容から話を広げるといった感じですね。

聴いてみた感想ですが、先ず最初の印象としては、話が上手い!
15分番組で、編集などもそんなに行われてはいないと思うのですが、かなりクオリティーが高いです。
『大阪人二人寄れば場漫才師』果たしてそれは本当なのか。と公式に書かれていますが、本当に漫才師という感じ。
この二人が大阪人の基準になってしまうと、他の大阪の人も同程度の話術を持っているんじゃないかと期待されて、可哀想なんじゃないかと思ってしまう程ですね。

番組構成は、どちらか一方が話し役というわけでもなく、テーマによって話し手と聴き手が入れ替わる番組ですが、双方ともに聞き役も上手く、良い感じでリアクションや合いの手なども入れてくれます。
また、お二人の趣味趣向も違う為、相手の知らない分野について話す際に、その分野について知識が深くない人向けに基本的な説明などから入ってくれる為、リスナー側としても非常に聴きやすい番組に仕上がっていますね。
ただ15分番組という事なので、1から丁寧に説明してくれるということは、必然的に深い部分にまで話が及ぶことは少ないのですが、いろんな分野のことを広く浅く知りたい私の様な人間にとっては、これぐらいがちょうどよいって感じの掘り下げ方になっています。

その他の印象としては、お二人を取り囲む環境がラジオを通して漏れ伝わって来る感じも面白いですね。
例えば、おかよ さんの場合は、妹から番組宛てにメールが来たり母親の話題が出たりと、家族の仲の良い感じが伝わってきます。
一方で柴山さんの場合は、プライベートな話は出てきませんが、自身で聴いているPodcastの話題などを出されます。
そこで取り上げられたPodcastの方々がメールやTwitterを通して反応され、回を増す毎にPodcastの交流範囲が広がっていく様を感じ取れます。

こんな感じで、お二人の近況や周りを取り囲む環境、興味を持った出来事や関心を持った話を連日聞かされると、お二人とは全く面識がないはずなのに、結構、仲の良い友達のように感じられて不思議な感覚になったりも。
番組に寄せられるメールなどでも、『友達の家にいるような・・・』といった感じの感想が多く寄せられているので、同じように感じておられる方も多いんでしょうね。

この様な感じの雰囲気のラジオは、個人的には聞く側が番組の雰囲気や配信者の情報を知っていれば知っている程、面白いと思いまね。
もし、この投稿を読んで興味を持たれた方は、第一回目から全て聞くことをお勧めしますね。
週5回更新のため、更新回数は既に結構な数になっていますが、放送時間が15分と短い為、1.5倍速で聴けば今からでも十分追いつけるのではないでしょうか。
番組との一体感が楽しい番組なので、積極的にメールを送るなどの行動を取ると、より楽しめるかもしれません。

聞いている人との距離感が近いラジオ。『だげな時間』
お勧めです!

【映画・ネタバレ感想・考察】 ハンガーゲーム

私が愛聴しているネットラジオ番組『狭くて浅いやつら』で、ハンガーゲームという映画が推されていたので、観てみました。
という事で今回は、映画『ハンガーゲーム』を観て、感じた事や思った事について書いていきます。
既に観ていることを前提でネタバレ全開で書きますので、興味を持っていてまだ観ていない方は、まずは観てからお読みください。
ハンガーゲーム『1』『2』については、Netflixでも公開されています。








この映画ですが、結構いろんなことを考えさせられる、素晴らしい映画でした。

まずは、世界観。
キャピトルという首都があり、その他に地区が1~13まで存在する世界。
一番最後の13地区は、過去に起こった反乱の見せしめとして壊滅している為、人が住む地域は12地区までしかない状態となっています。 
ハンガーゲームは、各地区から男女1名ずつの代表が選ばれて、それぞれが殺しあうゲームとなっています。

この世界観、現実の世界や昔の政治体制と共通点が有り、観る人によって受け取り方が変わるような仕上がりになっているんですよね。
キャピトルを頂点とした各地区という構造。
この地区も全てが平等というよりも、格差が徐々に開いている様子が描かれています。
第1・2地区は、ハンガーゲームに挑戦する為のプロを育成できる程に発展し、恵まれています。
しかしそれ以降の地区については、鉱山で働く地区や木を切って加工する地区など生活に必要な物資を生産する拠点になっていき、経済的な余裕も無くなくなります。
主人公の故郷である12地区は貧困街と呼ばれていて、ただのパンがご馳走と呼ばれるほどに貧しい地区。

この構造は、昔の日本の士農工商身分制度のようでもありますし、石油・木材など、各国が得意分野の製品を輸出しているのに格差がある、現在のグローバル化された近代社会のようにも見えます。

この様な世界で、12地区出身の女の子の行動がきっかけになって貧民地区を中心に暴動が起こり、革命へと移行していくとうストーリー。
これも、百姓一揆のようにも見えるし、アメリカの独立戦争のようにも・・・
別の見方をすれば、今現在、世界各地で起こっているテロも、構造としては同じようなものなのかもしれません。

この、捨てるものがない程に貧しい者たちが、体制を変えるために行動を起こす。
物語としてはかなり、ありがちな展開なのですが、この作品の凄い事は、そこまでの展開が従来のものとは全く違うことです。
ひとことで言うと、物語を支配しているのは空気感。
超人的なヒーローが出現しない、かなり『リアル』な表現となっています。

登場人物の皆が自分自身で考えているように見えて、実はその場の雰囲気に流されているだけなんです。

物語の中心となる主人公の少女は、体制に不満を持ち、革命を狙って動いたわけではありません。
自分の性格とその場の雰囲気で、取れる行動をとっただけ。
しかしその行動に多くの人の心が動き、暴動という微かな火が燃え始めた。
以前から革命を計画していた人達は、その火を消さないようにに薪をくべるという作業はしたけれども、自分から火をおこしたわけではない。
革命のリーダーである首相ですらも、雰囲気に乗っかっただけの人なんですよね。

つまり、全ての行動の原因になっているのは、雰囲気や空気感といった曖昧なもの。
その空気を読む事に長けた者が、民衆の行動を自分達の思う方向に誘導できるように、雰囲気を調整していく。
戦争や革命をテーマにする映画の多くは、最前線で戦う人や指導者に焦点を当てがちですが、この映画の主役はあくまでも、雰囲気なんです。
ここが凄い。

しかし、雰囲気や空気感なんてものは、具体的な形を持っているわけではないので、映像にしにくいですよね。
では、目に見えない雰囲気をどの様にして表現したのかというと、ゲームメーカーという存在。

ゲームメーカーは2人存在し、1作目と2作目以降でゲームメーカーは違います。
そして2人のゲームメーカを使い分けることで、物語がどのように転んでいくかという差を、対比して見せています。
1作目のゲームメーカーは、どちらかというと無能で、雰囲気を操るというよりも雰囲気にのまれるタイプの人物。
キャピトルの観客・大統領・各地区の人々の雰囲気を読むことが出来ず、逆に主人公のカットリスを取り巻く環境が生み出す空気感にのまれてしまいます。
結果として暴動は起こり、大統領からは信用を失い、死を強要されてしまいます。

しかし2作目以降のゲームメーカーは違います。
その場の雰囲気をよく理解し、その空気感を演出によって自分達の有利な方向へと導いていきます。
3作目以降は反乱軍がキャピトルに向けて進行していく為に徐々に戦争状態に突入していくのですが、その際も、一番注力して描かれているのが、演出です。

スノー大統領・コイン首相は、それぞれ、より良く自分のイメージを大衆に伝えるためのイメージ戦略を行っていきます。

主人公のカットリスは、革命軍のシンボルであるマネシカケスとして演出され、同行する映画監督によってカリスマへと変わっていきます。
革命のためにカットリス役に立つ行動は、実質的にはこの演出による戦意高揚だけ。
反乱軍にとってのカットリスは広告塔で、それ以上の価値も力もありません。
自分自身で決断して行動しようとした大統領暗殺計画も、見事に失敗。
しかしそんな失敗も物ともせず、反乱軍は当初の計画通り、大統領を追い詰めて降伏を勝ち取ります。

この映画の登場人物の誰もが、『自分こそがこの物語の主人公』と思っていたのでしょうけども、実際には皆が雰囲気を演出するための役者に過ぎない。
そして、その事を十分理解し、舞台から降り、自ら裏方にまわったゲームメーカーだけが、世界を俯瞰して観ることができていたんです。

この物語の最後は、『ハンガーゲームに勝者はいない。 だがこいつは・・・』といった感じの言葉とともに、絶えず要人の隣に居るゲームメーカーが映しだされて終わります。

雰囲気を読むことが出来る人間が、絶えず勝者の近くにいる。
こういった構図って、現実世界でも結構あることだと思うんですよね。

例えば、今の世の中は政治家が動かしているように見えますが、実際には全面に押し出されて目立っている政治家も、役者にすぎなかったりします。
政治家が自分で考えて主張しているように見えて、実際に物事を決定しているのは場の雰囲気だったりします。
実際の暴動や革命も、誰か一人の呼びかけに呼応するというよりも、不満が貯まりやすい環境といったものが根底にあり、誰かが少し力を加えるだけで爆発してしまいそうな雰囲気になったから起こるものなんでしょう。
その雰囲気を敏感に感じ取り、演出する事ができる人間だけが、少しだけ先の事が分かるというのが、世の中なんだと思います。

そういった意味でこの映画は、場を支配している雰囲気の重要性を上手く描けている点で、素晴らしいなと思いました。

AmazonビデオとNetflixを比べてみた

私は去年末ぐらいから、amazonプライムに加入しました。
アマゾンのプライム会員になると、送料無料や配達の時間指定などのオプションが使えるようになるのですが、去年の9月ぐらいからプライム動画という動画見放題サービスも利用可能になりました。
今までの配達オプションだけの場合、配送が少し遅くなる程度の差しかなかった為、特に魅力は感じなかった会員サービスですが、動画見放題もついてくるということで、加入してしまったんですよね。

月額400円未満で動画が見られるということで、今までは満足していたのですが…
一度こんな体験をしてしまうと、他のサービスがどのようになっているのか気になってしまいますよね。
という事でNetflixの1ヶ月無料体験を試してみました。

『Huluは?』と思われる方も居らっしゃると思いますが、私は家族と同居なので、基本的に家族で楽しめるサービスにしか今のところ興味が有りません。
AmazonNetflixの場合、同時視聴が2台以上可能ですが、Huluは1台限定ということで、基本的には個人向けサービスだと思われます。
その為、選択肢からは外しています。

また、私が使用しているテレビはスマートテレビではないので、PS4を通して観ています。
PS4での閲覧アプリがないものも、外しています。

という事で今回は、AmazonビデオとNetflixを、個人目線で比較していきます。

まず価格ですが、これはAmazonの価格に軍配が上がります。
Amazonの場合は動画配信サービスに加え、通販部門のサービスもついてきます。
さらにkindleを持っている場合は、本は限定されますが、毎月1冊だけ無料で電子書籍を貰う事が出来ます。
それに加え、Amazonミュージックという、100万曲が聞き放題のサービスまでついて、年間で3900円。
月額に直すと400円以下で使用できるという優れものです。
同時視聴は2台までOKのようです。

その一方でNetflixですが、プランが3プランあるのですが、多くの人が利用するであろうスタンダートプランは、約1000円。
このプランの場合の同時視聴は2つまで大丈夫のようです。
更に上のプランの場合は、4台までの同時視聴が可能のようです。
Amazonとは違い、これは動画視聴のみで請求される値段の為、料金だけで見れば、少し高い印象を受けますね。

しかし、コストパフォマンスは、コストとパフォーマンスをそれぞれ考慮して考えなければなりません。
安さだけに目がくらみ、安物買いの銭失いになるのだけは避けたいですしね。

という事で、まずは、画像の質から。
これは、Netflixの方が、綺麗なものが多い印象です。
Amazonの方は、標準画質(SD)が基本となっている様です。
基本となっているだけで、数は少ないですが高画質のものも有りますが、数はまだ少ない印象です。

その一方で、NetflixはHDが基本。
中にはSD画質のものもあるといった感じなので、全体的な印象からすると、Netflixの方が綺麗ですね。

次に、配信動画。
私の個人的な印象では、Netflixの方が、大人向けに配信している印象を受けました。

例えばアニメ。
Amazonのプライム動画では、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『まんが日本昔ばなし』といったものや、『弱虫ペダル』などの子供でも安心してみることが出来るようなラインナップが多めな印象です。
また、仮面ライダーシリーズといった特撮も結構多めなので、どちらかと言うと子供を持つ家庭向けといったラインナップです。
その一方でNetflixは、『魔法少女まどか☆マギカ』『シュタインズ・ゲート』『サイコパス』なと、深夜に放送されていて、どちらかと言うと大人に受け入れられたアニメが中心となっていました。

この傾向は、映画のラインナップも若干引き継がれている感じ。
Amazonの方は、『007シリーズ』『テッド』といった、割と有名で、深く考えなくても良くサクッと見れる感じのラインナップが全面に出ている感じです。
Netflixの場合は、『ウフルオブウォール・ストリート』や『ハンガーゲーム』の様に、深めのテーマのものが多い印象。

これは、あくまでもパッと見た感じの印象なので、Amazonでも検索かけて探せば深い作品は出てきますし、Netflixでも何も考えずに見れる軽い作品もありますけどね。

その他の細かい差を見ていきましょう。
まずは、アカウントの有無。
Amazonの場合は、基本的にプライム会員個人に向けたサービスなのか、アカウントは1つだけ。
その一方でNetflixは、家族に向けたサービスを意識しているようで、アカウントを個人個人で作ることが可能です。
この個人アカウントの存在が、家族で使う上では結構重要です。

というのも、例えばドラマのように、一回の視聴で全て見ることが出来ない動画の場合は、次回に続きから見ることになります。
これ、アカウントが分かれている場合は問題ないのですが、一つの場合、ややこしい状態になります。
例えば父親が3話までドラマを観ている状態で、同じドラマを母親が1話から7話ぐらいまで見た場合、アカウントが一つの場合は、続きの再生は7話になってしまいます。
これは、同じドラマを複数人でバラバラに視聴する場合、自分がどの話まで観ているかを覚えていないといけないことになります。

その一方で、アカウントがバラバラの場合、この様な紛らわしい事がいっさい起こりません。
この点でいえば、Netflixの勝ちといえますね。

続いて、アプリを立ち上げた際のトップページです。
Amazonの場合は、基本的な動画や新着動画が掲載されていて、何らかの動画を見た場合は、その動画に関連した動画が映し出されるという感じ。
その一方でNetflixは、自分が見た動画を元に、興味を持ちそうな動画をチョイスしてくれて、アカウント毎にカスタマイズされたトップページが作られます。
このチョイスが、どれほど正確かは、まだ検証は出来ていませんが、半月程度使った感じでは、Netflixの方が優れている印象を受けます。

またAmazonの場合は、吹き替えと字幕の2種類の動画が別で用意されていますが、Netflixの場合は一つの動画で字幕や音声の設定が可能です。
少しの差ですが、Netflixの方が作品を探しやすい状態になっています。
探しやすいといえば検索ですが、Netflixの場合はジャンル毎の検索も可能なので、ストレス無く好みの動画にたどり着ける感じですね。

その他に考えることとしては、今後、PSVRの存在が大きくなってくると思います。
PSVRは、単にVRを楽し無だけでなく、モニターとしても使用可能です。
モニターとして使った場合は、S/M/Lの3種類の大きさが有り、最大で2.5m先に226インチの画面で設定できるようです。
モニターが大きくなれば大きくなるほどに重要になってくるのが、画像の綺麗さ。
Netflixでは、一番高いプランでは4K画質での提供を行っているため、これを考慮すると、Netflixが有利にも思えてきますね。

というわけで総合的に見ると、どちらを選ぶのかは、ライフスタイルによって変わるんじゃないかと思います。
家に小さい子供がいて、ゆったりと映画などを楽しむ時間がなく、画像にもそれほどこだわりの無い人は、キッズ向けが充実しているAmazonが良いかもしれません。
その一方で、一人の時間を作ることが出来る比較的余裕のある方は、Amazonでは物足りないと感じる方も多いのではないかと思います。
そういう方は、Netflixをためしてみるのも良いかもしれません。

どちらにしても、双方とも1ヶ月間無料のお試し期間を設けているので、先ずはそちらから試してみるのも良いのではないでしょうか。

一般人が政治のことについて考える事に意味は無いのか

私の投稿を頻繁に見てくれている方は、既にご存知だと思いますが、私は政治経済について個人的に考えたりします。
考えた内容は、時にはブログなどで公表したりもしています。

とはいっても、積極的に主張しているのかといえば、そうでもない。
ブログのように、読もうとする気のある人に伝われば良いかなといったスタンスでの主張なので、聴く気のない人を捕まえてきて、クドクドと話し続けるなんてことは有りません。

そんな私ですが、週末に呑みに出た際に、まれに政治の話を振られたりするんです。
自分から積極的に主張する方ではないですが、相手から振られた場合は、基本的に答えるようにしています。
アルコールが入っている時などは、少々ヒートアップした感じで答えることなんかもあったり。

そして議論に発展する事があるのですが、相手がこの手の話題について深く考えていない人の場合、大抵は議論がかみ合わず、相手が文句を言ってくるという状態になってきます。
その文句に対して、こちらが反対意見を主張して相手が議論に負けそうになると、捨て台詞のように『じゃぁ、お前が選挙に出ろよ!そして、どこかのタレント議員みたいにキチガイ扱いされておけ』なんて言い出します。

最終的には、『素人は政治のことを考えても意味が無い。』
『どうせ考えるなら、もっと建設的なことを考えろ』なんて言い出します。

しかし本当に、庶民は政治のことを考える必要はないのでしょうか。
政治や経済は、それを専業としている政治家や経済学者に任せておけば良いのでしょうか。
そこに暮らす人々は、自分に不都合なことが起こった時だけ、政治家や経済学者に責任をなすりつければ良いのでしょうか。

という事で今回は、一般人が政治のことについて考える事に意味は無いのか?について考えていきます。

結果から書いてしまうと、個人それぞれが、政治について考えるべきです。
その理由は、私達が住む日本は、民主主義国家だからです。

民主主義とは、人それぞれが自分の国の行く末を考えた上で、今後どういう行動を取るべきかというのを皆で話しあい、最終的に決定したことには従う事です。
理想をいえば、その国に住む人間全てが国民会議に参加して、議論すべきなんです。
ただ、そんなスペースもなければ、1億人超の会議なんて収拾がつかない。
その為、各地域から自分たちの意見を代弁してくれる代表・
つまりは、代わりに議会に出て自分たちの主張を行ってくれる人である【代議士】を選出して、その人達に代わりに議論してもらうのが、民主主義国家です。

代議士は政治家と呼ばれますが、政治家とは本来、自分の所属する地域の人達の意見を代弁する存在。
主体となる国民一人ひとりに先のヴィジョンが無ければ、政治家にヴィジョンが無いのも当たり前です。

1万円札には、福沢諭吉が描かれていますが、この方は、こんな言葉を残しています。

(以下、引用)
政治とは、国民の考えや行動の反映にすぎない。
どんなに高い理想を掲げても国民がそれについていけなければ、政治は国民のレベルまで引き下げられる。
逆に、国民が優秀であれば、いくらひどい政治でもいつしか国民のレベルにまで引き上げられる。
(引用終わり)

この言葉は、福沢諭吉を代表する本である『学問のすゝめ』に書かれている文です。
民主主義国家では、国民一人ひとりが政治について考えるべきということは、明治時代に書かれた本で、既に指摘されている事なんですね。

政治というのは、私達が住む国のシステムを決めていく事です。
その国に住む私達がシステムについて考える事ほど、建設的な事はないようにも思えます。

しかし、今現在の状態はどうでしょう。
政治について軽く自分の意見をいうのは、意識高い系を演出できて格好つけるのには持って来い。
ですが、真剣に考える人間はウザい人間として、レッテルを貼られます。
そして、そんな真剣に考えている人間と議論を交わし、自分が劣勢に立たされると『そんなに意見があるなら、立候補しろよw』と茶化して逃げる。
挙句の果てには、『そんなことを考えている暇があれば、建設的なことを考えろよw』と上から目線でアドバイス

ですが、実際の政治運用で自分にとって不都合な事が起これば、とりあえず目立つ政治家を探しだして叩きだす。
全ての責任を政治家のせいにし、自分は被害者というポジションに逃げこむ。

システムのことを表面的にしか考えない人達ばかりになった現状が、今の考えが浅い政治家が行う政治であり、国の状態なんですよね。

少し過激な言い方になりますが、個人的に、政治について自分の意見を持ちたくない方々は、民主主義の国よりも独裁国家に移住して頂いたほうが良いんじゃないかと思います。
独裁国家であれば、全ての政治的決定は、独裁者が自分で勝手に考えて行ってくれます。
国民は、政治について考える自由を奪われますが、そもそも考える行為から逃げているような方々なので、何の不自由もない事でしょう。

こういう目線から見れば、何も考えていない人間よりかは、まだ、自分なりに考えて行動している活動家やSEALDsなんて団体の方が、考えて行動しているだけ良いとも思えます。
民主主義国家でもっとも非生産的なことは、自分自身は何も主義主張が無いのに、考えて行動している人を馬鹿にし、議会で決定したことに後から文句だけ言うことだと思うのですが、どうでしょうか。

windows10へのアップデートの際に起こったプリンターのトラブル(対処編)

前回の投稿では、私がwindows10を導入した際に起こった、プリンターの不具合の症状について書いていきました。
kimniy8.hatenablog.com
プリンターメーカーはbrotherで、機種名はMFC-J825Nです。

今回は、その不具合にどのような対処をしたのかについて書いていきます。
注意書きとして一応書いておきますが、これは私が対処した方法なので、他の人が真似をして失敗し、酷い状態になったとしても、私は責任を負いません。
実行する場合は、自己責任でよろしくお願いしますね。

前回は、アンインストール専用ソフトをダウンロードしたところまで書きました。
早速、ファイルを回答してみると、rempnpというなのフォルダーが出来るので、そのフォルダーを開いて、『BrRemPnP』というソフトを起動。
インクジェット複合機の項目から、機種名のMFC-J825Nを選び、アンインストールを実行。

アプリも正常に起動し、これで、アンインストールが出来たはずですが…
実際にはアンインストールは出来ていないよう。
プリンター一覧を確認すると、プリンターは消えたようなのですが、いざ、ドライバーをインストールしようとすると、『このドライバーは既に入ってます』といった警告が出て、インストールできず。
一覧からは消えただけで、ドライバー自体は残っている様な状態になりました。

これは・・・更に自体が悪化したような?

そこでもう一度、アンインストール方法を探すことに。
すると、違った機種では有りますが、アンインストール方法が書かれているページを見つけたので、それを実行してみることに。

その方法は、まずはプリンター一覧から、デバイスを削除する。
私が先程、ダウンロードして実行したアンインストールソフトによって、プリンター一覧からは削除できていたようなので、この部分まではOKの様です。

機種やメーカーによっては、先程紹介した削除方法が出来ない可能性も有りますので、一応、プリンターの削除方法も書いておきましょう。
先ずは、コントロールパネルからプリンターページに飛びます。
コントロールパネルの出し方は、タスクバーにあるウィンドウズマークを右クリックです。

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コントロールパネルという文字をクリックし、『ハードウエアとサウンド』の項目内にある『デバイスとプリンターの表示』を選択。
すると、プリンター一覧が出てきます。
ここに表示されるプリンターは、物理的なプリンターの他に、PC内で制作したものをPDF化するといった、紙以外に出力する為のアプリなども同時に表示されます。

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アンインストールする場合ここで先ず、アンインストールしたいプリンターを右クリック。
すると、【デバイスの削除】という項目が出てくるので、これをクリックします。

次に、コントロールパネルでプリンター一覧を呼び出し、どれでも良いので選択した後、上の方にある、プリントサーバー プロパティをクリックします。

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【用紙】【ポート】等のタブに並び、【ドライバー】の項目が有るので、それをクリックします。
すると、今現在インストールされているドライバー一覧が出てきます。
その中から、消したいドライバーを選択して削除します。
私の場合はbrother製品のドライバーを消したかったので、頭にbrotherの文字があるドライバーを消しました。

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もしこの時に、『他のプログラムで使用されている為、削除できません』的なメッセージと共に、ドライバーの削除が拒否された場合。
プリンター一覧にあるプリンターをかたっぱしからクリックし、同様にドライバー一覧を呼び出しましょう。
そして、ドライバー設定の変更を選択し、消したいドライバー以外のドラーバーを割り当てます。
割り当てる方法は、下の方にある『ドライバー設定の変更』ボタンを押し、ドライバーを選択すればOKです。

全てのプリンターでこの作業を行い、ドライバーがどのプリンターでも使用されていない状態にしたら、一度、PCを再起動させましょう。
その後、再度、プリントサーバープロパティを呼び出し、削除したいドライバーを選択して下の方にある【削除】ボタンを押します。

これで、一応、アンインストールは完了のようです。
これらの作業が終了した後は、念の為に再起動しておきます。

次に行うことは、ドライバーのインストールなのですが、メーカーが配布していたり付属CDに入っているドライバーは、win10には対応していないので、これを導入した所で問題は解決しません。
ではどうするのかというと、コントロールパネルから【プリンターの追加】を選択します。
すると、USBでもWiFiでもなんでも良いとは思うのですが、何らかの方法でPCが認識できる状態にしていると、windows10が自動的に使用可能なプリンターを検索し出します。

後は、検索結果に出たプリンターをクリックするだけ。
自分の使っているプリンターが対応していれば、Microsoft側が用意した標準のプリンタードライバーが自動でインストールされます。

これで、一件落着。
とはいっても、この標準ドライバーは、出来ることが限定されています。
カラー・モノクロを選ぶことと、用紙サイズの指定といった、基本的なことしか出来ない仕様です。
また、点線などの細かい表現も認識できないようで、私が点線と実践が交互で並ぶ表を印刷した際は、全ての線が実践で表示されました。
細かい部分で至らない点は有りますが、主な利用方法が個人利用で、この機能だけでも充分という方は、これで問題は解決です。

私の場合は、プリンターは個人というよりも仕事で使うことがメインの為、両面印刷等の設定ができないと仕事では使用できない為、この状態では駄目。
とはいっても、これ以上の解決方法を見つけることが出来なかった為、結局は、win10の登場以降に発売したプリンターを新たに購入しました。
私が購入したものは、今までのものよりも高性能にもかかわらず、値段が1万円ちょっと。
当然インクもついてきて、インク代が3000円程度する為、実質価格は7~8000円。
しかも、仕様インクが従来のものよりも少し安めなので、色々考えると、昔のプリンターを試行錯誤しながら使うよりも、効率的なのかなと。




プリンターは日々進化しているようで、新しい物には新たな機能が追加されていたり、細かい昔のモデルで不具合があった場合は、解消されていることもあります。
買ってから数年が経過して、メーカーがドライバーやファームウエアの更新を行っていないモデルをお使いの方は、買い換えるほうが手っ取り早いかもしれませんね。

windows10へのアップデートの際に起こったプリンターのトラブル(症状編)

ここ最近、windows10へのアップグレードの催促がひどくなってきたので、仕方なく、win10へとアップグレード致しました。
私が使っていたOSは7で、発売は2009年と結構前のOS。
メインストリームでのサポートは既に切れていて、延長サポート期間に入っている状態です。

メインストリームと延長サポート期間の違いは、前者は最新プログラムなどの提供も行われるけれども、後者はセキュリティー関係やバグの修正ぐらいしか行われないとい違いがあるようです。
一般でも使うDirectXなんかも、延長サポート期間に突入してしまうと最新のもの導入されないなんてこともあるようです。
最新の状態にならないということは、最新のソフトを購入しても動かない可能性が出てきたり、そもそもwin7をサポートに含めないデバイスやソフトも増えてくるでしょう。

昔は、同じPCを5年も使っていたら、技術的にはとっくに取り残されている状態なので、新OSが入ったのをPCごと買い換えるなんてことも行っていましたが…
最近のPCは、普通に使っている分にはパワー不足なども感じないため、物理的に潰れない限りは買い換えるなんてことも行いません。

その為、OSが買い替えによって強制的に変更されるなんてことが無くなり、古いOSをそのまま使い続ける!なんてケースも多いようです。
XPなんていう、既に延長サポート期間すら過ぎているようなOSを使い続けている人達がいる現状では、しつこいぐらいにアップデートを促すのも必要なのかもしれません。
自己責任でアップデートしない人はともかく、さんざん警告しているのにもかかわらず頑なにアップデートを拒み、延長サポート期間が終わったOSで不具合が出たら文句をいうクレーマーなんかも、世界レベルで見れば沢山いそうですしね。

…と、前置きが長くなりましたが、今回のアップデートに関しては、Microsoftは今年(2016年)の7月までなら無償でOSがアップグレードできるようにしてくれているようで、早速、アップデートを行ってみました。

ネットなどでは、win10の評価で良い物は余り聴かず、『今のOSのまま使わせてくれ!』なんて意見をよく聴きますが、実際にインストールしてみると、そこまで毛嫌いするほどのものでも有りませんでした。
私はwin8は使っていないので分かりませんが、7からの移行だと、スマフォ感覚で使えるのが良い点なのでしょうね。
私などは、スマフォが登場するずい分前からPCを使用しているので、今までのPCの仕様でも問題はないのですが、そもそもタブレットやスマフォ中心でPCから離れていしまっている若者世代等は、抵抗なく使えるような仕様になっていると思いました。

ただ問題なのは、新OSを導入してから起こるいろんな問題です。
ネットなどでは、win10では従来から使用していたソフトが動かないなんて苦情を聴きますが、私の場合はプリンターの動作がおかしくなりました。

という事で、前置きが長くなりましたが、今回はOSアップデートによって起こったプリンター問題と、その際に対処した事について書いていきます。

私が使用したいたプリンターは、ブラザー工業の【MFC-J825N】という機種でした。
このプリンターはネットワークプリンターなのですが、偶にオフライン状態になって使用できないという状態になり、その度にドライバーをインストールし直すという情強が続いていました。
しかし余りに続くので、最終的にはUSB接続で使用するという状態で使用していました。

win7の頃から不具合が出ていたプリンターなのですが、それがwin10にしてから、PCがプリンターを認識しない症状に。
しかも、7の頃よりも更にひどい状態になってしまいました。

というのも、今までは不具合が出たらドライバーを入れ直す事で何とかなっていたのですが、10にアップデートすると、そもそもアンインストールソフトが起動出来ない状態になってしまいました。
プリンターを購入した時に付いていた付属のCDを使用しての修復も受け付けず、『お使いのOSには対応しておりません』というメッセージが出るのみ。

コントロールパネルを開き、【プログラム】の項目にある【プログラムのアンインストール】を実行してみるも、同じ様に『お使いのOSには対応していない』というメッセージ後に警告音がなり、アンインストールができず。

仕方がないのでブラザーの製品ページに飛んでみると、ドライバーがアップロードされていたので、それをダウンロード。
その後、ZIPを解凍してインストーラーを起動させ、USB接続用のドライバーを入れてみると、何とか直りました。

『これで安心』と一息ついたのも束の間。
数日経つと、同じ様にプリンターが認識されない。
ドライバーインストールソフトがwindows10に対応していないため、ドライバーの修正を行ってみても、『このOSには対応していません』という警告が出て、修復も出来ず。
アンインストールを試みるも、同様に出来ない。
仕方なく、再度、USB用のドライバーの再インストールを試みるも、『このドライバーは既にインストール済みです』との警告とともに作業が打ち切られる状態。
他に方法はないので、今度は追加でwifi接続用のドライバーをインストールしてみると、何とか復帰。

しかし・・・
既に予測されているとは思いますが、これも、もったのは数日のみで、今度はオフライン状態になり、使用出来ない状態になってしまいました。

公式サイトからダウンロードしたドライバーは、WiFi用とUSB用と、有線LAN接続用のみ。
残る選択肢は有線LAN接続用のドライバーのインストールだけなのですが、仮にこのインストールが上手く行ったとしても、数日後に不具合が出ることは、今までの流れから予測できます。

何か解決方法はないのかと、ドライバーをダウンロードしたサイトを注意深く見てみると…
結構したの方の配布ソフトに、アンインストール専用ソフトが見つかりました。
http://support.brother.co.jp/j/b/downloadlist.aspx?c=jp&lang=ja&prod=mfcj825n&os=10013
それと同時に、ドライバーの更新日を確認してみると、いずれも2012年の年末で更新が止まっていました。
そりゃ、win10なんかには対応してませんよね。

という事で長くなってきたので、今回はここまで。
次回で、私が実際にこなった対処法を書いていきます。