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【映画紹介】 貞子vs伽椰子

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今回は、2016年6月18日に公開された、『貞子vs伽椰子』の紹介です。
苦情がないように最初に書いておきますが、多少のネタバレは有りで書いていきます。
映画の情報を全く入れずに観に行きたい!という方は、今回の投稿は読まずに鑑賞後にお読みいただければと思っています。

『貞子vs伽椰子』
簡単に映画を紹介すると、貞子と伽椰子という、ジャパニーズホラーを代表する両名が対決する話です。
キャラクターを管理する会社がそれぞれ別なのに、その境界を乗り越えての恐演。
タイトルのインパクトも抜群ですし、人に話すためのネタとしても、観に行く価値が有るでしょう。




この映画ですが、リングシリーズの貞子と呪怨シリーズの伽椰子の恐演という事で、前作までの話を予習してみたほうが良いのかな?と思われている方も結構いらっしゃるかもしれません。
しかし実際に見に行った感想としては、過去作品を観ていないのであれば、予習の為にわざわざ観なくても良いと思います。

というのも今回の作品は、物語の都合上、若干設定を変えてあります。
その為、変に知識がある場合は揚げ足取りの方に注意がそれてしまう可能性もあります。

主人公のヒロインも、呪いのビデオや入ったら呪い殺される家があるという都市伝説を知っている程度の知識。
その為、リングや呪怨というシリーズは知っているけれども、内容までは知らない状態ぐらいで行くのが、主人公達に一番共感が出来て楽しめると思います。

と、前置きはこの辺りにして、そろそろ本題に入っていきましょう。
今回の映画のジャンルはホラーですが、実際に怖い映画なのか。

この部分に関しては、正直、人それぞれ。
恐怖の概念によって違うとしか、言いようが有りません。
私個人としては、恐いとは感じませんでした。

というのも、私にとって怖いと思う物語は、ほんの僅かに選択肢を間違うことで、誰でも道を踏み外してしまうような物語に恐怖します。
特に特別な環境でもなく、誰もが普通と思い込んでいる日常生活内に潜む闇とでもいうのでしょうか。
人間関のちょっとした摩擦であったり、思い違いなどから、自体がどんどん悪い方向へ転がってしまうとかね。

しかし今回の『貞子vs伽椰子』には、そういったストーリー的な怖さというものが一切ありません。
ではどういう怖さなのかというと、お化け屋敷の様な怖さ。
幽霊が出てくると分かっている状況で、注意深く探索。
ゆっくりと歩く為に視覚は然程、変化せず、音も足跡のみ。
入ってくる情報が極端に少なくなり、自然と細かい部分にまで意識が集中した時に、不意に思ってもいないところからバケモノが出てくる。
そんな感じの怖さです。

その為、幽霊が登場する映画なのにもかかわらず、観た後は不思議とカラッとした気持ちになる感じでしょうか。
勿論個人差が有るので、お化け屋敷的な怖さが大の苦手という人にとっては、非常に恐い作品に仕上がっているとは思います。

とはいっても、そんなホラー中心の流れは、中盤まで。
後半部分のバトルに関しては、少年漫画に通じる部分がある、熱い展開になったりします。
ちなみに、バトルする両名のスペックは、こんな感じ。
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精神力が強い貞子を、フィジカルが強い伽椰子が迎え撃つ感じでしょうか。
こんなグラフを見せられるだけで、『近距離戦闘に持ち込むと伽椰子が有利そうだから、貞子は距離をとって戦う?』なんて妄想が捗りますよね。
実際の結末については、劇場で確認して欲しいんですけどもね。

個人的には、笑いどころが結構多い作品だったように思えます。

時間もそれほど長くなく、過去作品の情報も必要ない。
お化け屋敷的な怖さが味わえるうえに、少し笑える。そんな作品だと思います。
気になった方は是非、劇場に観に行ってください。


…と、一般的な紹介文はここまでで、ここからは、少しマニアックな見方をする為の方法を書いていきます。
個人的には、2回目を観る際に読まれると良いと思います。
ここからはネタバレ要素が強くなるので、情報を入れたくない方は、此処から先は読まない様におねがいします。

先程は、今回の『貞子vs伽椰子』は、それぞれの過去作品である『リング』や『呪怨』を観ていなくても楽しめると書きました。
それは、その通りなのですが…
この作品、過去の白石晃士作品を観ていると、更に楽しめる作品になっているんですね。

では、具体的に何を見ればよいのか。
理想をいえば、雰囲気を理解するためにも、観れる作品は全て観るほうが良いと思います。
しかし、そんなに時間がないという方は、今回勧める3つの作品を観ることをお勧めします。

先ずは、『カルト』




この作品は、構造が『貞子vs伽椰子』と非常に似通っています。
『貞子vs伽椰子』では、最初に登場する霊能力者は不動明王真言を唱えるも除霊できず、逆に貞子に呪い殺されてしまいます。
それから少し後に、オラついた感じのホスト風の霊能力者が登場し、ヒロインたちに力を貸すという流れなのですが、ここら辺りの流れがほぼ一緒。
デジャブ感を味わえますし、元ネタを知っていると、不動明王真言が流れた時点で爆笑してしまいます。

次に観てほしい作品は、コワすぎ!シリーズの2作品。
口裂け女捕獲作戦』と、『震える幽霊』です。






これらの作品を観ることで、貞子を少しだけ呼び出した後で、髪の毛をズタ袋に入れるというシーンの元ネタが分かるようになり、今回の迷セリフである、『バケモンにはバケモンをぶつけるんだよ! 』というセリフが、より楽しめるようになっています。

この作品は、大画面で観た方が怖さをより感じられる作品だと思いますので、興味を持たれた方は是非、劇場で楽しんでください。

おすすめです。