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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

EU離脱問題から考える マスコミの報道姿勢

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先々週にイギリスで行われた国民投票によって、イギリスがEUを脱退する意思を表明しました。
その直後から、日本のマスコミは『待ってました!』といわんばかりに、イギリス脱退による経済不安を煽りまくりましたね。

しかし実際には、蓋を開けてみれば脱退結果が出た翌日こそ大きく下がりましたが、その翌日以降は上昇し続けて6連騰。

テレビに出ている有名なコメンテーターは、揃いもそろって恐怖を煽りまくっていました。
中には、『リーマンショックを超える!』なんて大げさなことを行っていたのですが…
あれは、何だったのでしょうか。

という事で今回は、マスコミの報道姿勢について考えていきます。


この離脱問題については、投票翌日にも投稿を書きました。
kimniy8.hatenablog.com

内容を簡単に書くと、投票によって脱退の意思表明は行われたけれども、詳細はまだ何も決まっていないので、判断は出来ませんよということ。
テレビに出ている専門家様のいう通り不景気になる可能性も有りますが、特に変化がない可能性も充分にある状態というのでしょうかね。

そもそも、脱退そのものが2年先。
脱退後の経済や防衛についてはこれから議論して決めていく為、何もわからなくて当然なんです。

にも関わらず、マスコミやそこに出演している人の多くは、『どうなるか分からない』では無く、必要以上に恐怖を煽っています。
何故なのでしょうか。

これは単純に、その方がマスコミや出演者にとって都合が良いからなのでしょう。
人がニュースを欲する時というのは、世の中が悪くなって先行きが不透明な時です。
私は以前、経済系の話が中心のブログを書いていました。
有名なサイトではなく、個人サイトで細々と活動していた為、特にアクセス数が多かったわけでは有りませんが、そんなブログでも、たまにアクセス数が大幅に上昇する時がありました。
それは、株価・為替が大きく下落した時です。
細々と活動していた個人ブログですらそうなのですから、テレビのニュースとなれば、更に影響を受けるというのは当然でしょう。

テレビにとって視聴率は経営に直結するものですから、視聴率は高ければ高いほうが良い。
そうなると、視聴率を上げる為にも世の中の不安を出来るだけ煽った方が良い。
人々の恐怖を煽るだけ煽って、『先行きはどうなるんだ!?』と思わすことが出来れば、ニュースの視聴率が上昇してマスコミは万々歳。
これは、テレビに限ったことでは有りません。
新聞や週刊誌なども、同じ事です。

では、出演している経済の専門家はどうなのでしょうか。

実は彼らは彼らで、不安を煽った方が都合が良いんです。
理由を、2つ挙げてみましょう。

株や為替の専門家や評論家は、危機が起こらないと仕事になりません。
例えば、株が安定的に上昇し続けている状態というのは、経済的にも安定していますし、市場に関わる人の多くが儲けを出せるわけですから、非常に良い状態といえます。
しかしそんな状態が長期間続いた場合、評論家やコメンテーターは必要ありません。
何故なら、そんな人達にアドバイスを求めなくても、買って放置しているだけで儲けが出るからです。

しかし、金融危機が起こった場合はどうでしょう。
先行きが不透明な為、普段は経済について無関心な人達は、藁をも掴む思いで経済評論家に意見を求めます。
当然、テレビの露出も高くなりますし、顔も売れるでしょう。
有名になれば、講演会などで稼ぐことも出来ます。
こういう人達にとっては危機は来てもらわなければ困るものなので、僅かな火種でも危機になるように大切に育てようとします。
それが、必要以上の演出になっているのでしょう。

次の理由は、危機を煽っておいた方が安全だから。
例えば、『大したことは有りませんよ』と言っておいて、実際に大混乱が起こった場合は、物凄い数の苦情・非難を浴びることになります。
しかし、危機を煽っておいて実際には大したことがない場合、『予想していた程、酷くならなくて良かったですね。』と言っておけば、何とかなります。
当然、実際に酷いことが起こった場合は『私の言った通りになったでしょ?』と大きな顔が出来ます。
評論・コメンテーターという立場からすれば、とりあえず危機を煽るほうがリスクは少ないことになります。

また、こういった感じで評論家の大半が、同じ危機を煽るコメントになった場合は、更に別の保険がきくようになります。
というのも仮に予測が外れた場合、『あの時は、みんなが同じ予測をしていたでしょ?あの状況では、常識的に考えればあの予測になっていた。誰もが考え付かないようなことが起こったから、予測が外れた』といえば、結構な割合の人が納得します。

マスコミ業界と、それに協力しているコメンテーター・評論家は、共に危機を煽ることで利益をえることが出来ます。

では、どの様にして危機を演出するのでしょうか。

長くなってきたので、それはまたの機会にでも、