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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

アナウンサー長谷川豊氏のブログ炎上について考える

少し前ぐらいから、(2016年9月末頃)ネットではフリーアナウンサー・長谷川豊氏のブログエントリーについて話題になっていますね。
知らない方のために簡単に経緯を書くと、『自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!』というタイトルで、このタイトルのままの内容をアップロードした所、大炎上。
炎上はしたが、『レギュラー8本なめんなよ!』と今だに仕事も金もあることを書いてネットを煽ると、その直後から番組降板が続々と決まり、10日程でレギュラーを全部失ってしまったという感じ。
これを受けてブログタイトルは『医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!』と変更され、内容も注釈などが入ったりして変更が有ったようですが、記事本文は今でも読めるので、興味が有る方は読んでみてください。
http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/48479701.htm

結論から書くとと自業自得なのですが、私自身も仕事ではなく趣味とはいえブログで自身の考えを発信しているため、二の舞いにならない為にも、今回の事件について今一度考えてみようと思います。

何故、問題視されたのか。
理由は、大きく分けて2つと考えます
・そもそも長谷川アナは、お金に対してとやかく言えるキャラクターではなかった
・報道出身にも関わらず、一部の意見を一方的に盲信して、公平性に欠ける意見を過剰に演出して書いてしまった

まず、最初の『そもそも長谷川アナは、お金に対してとやかく言えるキャラクターではなかった。』という件。
これは、長谷川アナウンサーがテレビ局に努めていた頃、横領疑惑が浮上して降格し、その後、解雇されたという話が有ります。
この話は真偽の程は分かりませんが、噂があることは本当で、ネットではこの人の話題になる度に『横領』というワードが出てきます。

つまり、ネット上では『横領犯』というレッテルが貼られていたわけで、そんな人が医療保険の金の使いみちを指摘した所で、『お前が言うな!』としかなりません。
何度も書きますが、この件については真偽は分かりませんので、この方の中では『無かったこと』として処理されていたのでしょうけども、周りの人間は『有ったもの』として考えているため、叩かれてしまったのでしょう。
ただ、これだけでは、ここまで大きな炎上にはならなかったと思います。
一番の問題は次の『報道出身にも関わらず、一部の意見を一方的に盲信して、公平性に欠ける意見を過剰に演出して書いてしまった』事にあると思います。

ブログの内容としては、人工透析は医者からすると金の成る木で、患者一人当たり500万円の金になる。
その金の大部分は、国民保険から出ている。
糖尿病患者の大半は、栄養の過剰摂取による自業自得で、バランスのよい食事と軽い運動をするだけで予防が可能。
それすらしない奴の為にカネを使うのは無駄だし、この人達を助けろと運動している人達は優越感に浸りたいだけ。
こんなんじゃ医療保険制度が破綻しちゃうから、人工透析は自己負担してもらって拒否する人は死んだら良い。
って感じの内容なのですが…

結構、意見が偏っているというかなんというか…
記事の中には、『バカみたいに暴飲暴食を繰り返し、腹は出る、腰は痛める。周囲に注意されているのに、無視。
それでも食べ続け、運動もしない。周囲は必死に注意。でも無視。で、糖尿病になる。にも関わらず、運動もしない、食事も先生から言われたことをろくに守らず好き放題。』と、ごく一部の例を糖尿病患者全体がそうであるかのように書いてあるのですが…
糖尿病が贅沢病って、何十年前の認識なんだって感じがしてしまうんですよね。

今、世界で問題になっているのは、貧困型肥満なんですよ。
世の中に溢れる食品を見ればわかりますが、低価格外食チェーンのメニューやレトルト食品、ファーストフード、低価格で食べられるものの多くが、砂糖と脂肪で出来ている高カロリーなものなんです。
逆に、野菜などのヘルシーなものも加えてバランスの良い食事を取ろうとすると、1食当たりの食費は一気に引き上げられてしまいます。
野菜を原料にしたジュースが700円オーバーで販売されている一方で、500円出せば1000キロカロリーを超える食品を購入できる。
食べるものを選ぶ余裕が無い貧困層が、肥満になってしまうのが現代社会です。

では運動はどうなのかというと、これも出来る人は限定されています。
小泉政権以降、単純労働にも派遣社員を雇えるようになり、職場環境はブラック化する所が多くなってきました。
その為、今の世の中は、『女性でも働ける自由な社会』では無く、『共働きしなければ普通の水準の生活が出来ない社会』になりつつ有ります。
共働きで家事も分担し、これに子供の面倒も…なんてことになれば、運動をしている暇なんてありません。

つまり、現在の糖尿病は社会問題にすべき事であって、自己責任や自業自得で片付けられない事になっている事も考えるべきなんです。

しかし炎上したブログでは、そのあたりのことには触れず、自分が知り合った医師の意見だけを鵜呑みにし、実際に病気を患っている人に対する取材をしている形跡もないんですよね。
ブログは基本的に何を書くのも自由だとは思いますが、この方は、元アナウンサー・ジャーナリストという経歴をバックボーンにしてブログのアクセス数を稼ぐようなサイト作りをされているので、報道と同じように公平性や中立性を重要視する人も多いでしょう。
しかし実際の記事は、透析を担当する医師一人に聴いた話だけを参考にして、一方的な目線で書いてあります。

そしてその書き方も、テレビ的というか何というか…演出も凄い。
例えるなら、週刊誌が電車の吊り広告の目次だけで興味を惹かせ、販売につなげるようなショッキングな文字というのでしょうか。
テレビ番組が、実際には大したことのない内容なのに、CMマタギで重大発表をするような演出をするような、過剰な演出のようなものが文章から滲み出ているんですよね。
その一例が、『殺せ』という言葉でしょう。

過剰な演出と、一方的な決めつけ。
この2つが重なり合うことで、多くの人が不快に思う記事が出来上がり、今回の炎上に発展してしまったのでしょう。

長谷川さんが主張されているメイン部分の、『医療保険が危ない』という理屈はよくわかります。
医療保険は、低収入の方でも医療を受けることが出来る為、非常に便利なもの。このシステムが破綻してしまったら、多くの方が困ってしまいますし、この部分に警鐘を鳴らしたい気持ちはわかります。
しかしだからといって、一部の病気の人を殺せというのは、暴論だと思うんですよね。

という事で、今回の炎上で私が学んだことは『記事を書く際には、出来るだけ広い視野で物事を見る』という事でしょうね。
メンタルが弱い私は、例えアクセス数が増えたとしても炎上には耐えられないと思うので、気をつけようと思います。

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