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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

政府主導の情報銀行は うまくいくのだろうか

少し前ぐらいから、情報銀行という言葉を聞くようになりました。
情報銀行とは何なのかというと、物凄く簡単にいえば、今、氾濫している情報をまとめて、それを企業に有効活用して貰うことによって、経済活動をより活発にしよう!といった感じの高層です。
国が主導して積極的に行っていくようです。

ビッグデータの活用といえば聞こえは良いんですが、私個人の意見としては、今更感が非常に強い印象しか受けません。
というか、新たな天下り先を作っただけとしか思えないんですよね。
私のブログでは、あまり政府を褒めるといった記事は書いていないので、また文句かと思われるかもしれませんが、過去に作った政府主導の組織を見てみると、文句も言いたくなりますよ

例えば、クールジャパン戦略の一環として立ち上がった、アニメ制作とかね。
wedge.ismedia.jp

日本を元気にするコンテンツ総合戦略60億円の負の遺産:ALL NIPPON ENERTAIMENT WORKS4年間の杜撰な経営実態と公的資金投資評価hiromasudanet.wordpress.com

この例でいえば、政府主導で世界に通用する日本のアニメ作品を作ろう!と60億円程の資金を投じた結果、今だに一本も発表されていないという状態だったりします。
私はアニメ業界に詳しいわけではないですが、地上波テレビなどで放送される30分枠のアニメ(実質20分の動画)を制作するのに、1話あたり1300万程度という話を聴いたことが有ります。
1クールが13話程度なので、動画の時間としては260分で1億6900万円。

映画の場合は放映時間は120分程度が多いですが、クオリティーが勝っている部分が多いので、予算は地上波アニメよりは掛かるようですが、それでも10億円以下というのが主流のよう。
あのジブリが傾いて経営危機になったと言われている『かぐや姫の物語』でも、かかった費用は50億のようですが、公務員が行ったクールジャパン戦略では、それ以上の予算を使って、未だ1本も公開されていない。

というか、そもそもが日本のコンテンツを世界に売り出そうという趣旨で組織されたのに、何故、ハリウッドに制作を投げるのかも意味不明。
こんなことなら、日本に有るアニメ製作会社20社程に、3億円ずつ配って『好きなアニメ作って!』って言ったほうがマシだったんじゃないかとすら思えます。

公務員が行う事業なんて、こんなものなので、組織は作るだけ無駄。
その上、その組織が損失を出した場合の原資が税金だというもの腹立たしい。
まぁ、損失を出したところで、担当者が借金を背負ったり、株主から責められるなんてことが無い立場なんで、こんな環境で上手くいくと考えるほうが、どうかしているのかもしれませんが。
優秀な公務員というのは、少ないコストで高いパフォーマンスを出すことではなくて、思いつきの案で大量の予算を確保出来ることですからね。

と、余談が長くなってしまいましたが、とりあえず言いたいことは、国が絡むと余計にややこしくなる上に、効率が悪そうとい事。
税金関係でもなんでもそうですが、国が作る仕組みや書類というのは、基本的には利用する人間のことは考えていない作りとなっています。
ユーザービリティが低いというのでしょうかね。

そんな国の作る仕組みだから、今回の銀行も、非常に面倒くさそうな感じなんじゃないか感が凄い。
って事で、軽く調べてみることにしました。
www.sankeibiz.jp

今、考えられている仕組みとしては、先ず、個人が『情報銀行』にアカウントを作り、そのアカウントに個人情報を入力していくらしい。

…まず、この時点で普及する見込みがなさそうな感じ。
情報銀行では、情報を集めた上で、企業に優良でそれを貸し出し、その利益の一部を個人にも還元する仕組みを想定しているそうなんですが…
物凄く面倒くさそう。

先ず、アカウントを作るのが面倒くさいし、現金を受け取るのであれば、そのアカウントに口座やクレジットカード情報を打ち込まないといけない。
そして、睡眠時間や歩いたルートなどなど、様々な情報を打ち込むか、専用アプリをダウンロードした上で、アプリ同士の連携をさせなければならない。
こんな面倒くさいことをして、一体いくらぐらいのリターンが返ってくるのだろうか?

これと全く同じような事をしている民間企業のCCCを例に、考えてみましょう。
『CCC』なんて、聴いたこと無いよ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、『Tポイントカード』を発行しているTSUTAYAの母体です。

このTカードですが、普通の小売店が顧客囲い込みの為に発行しているポイントカードとは、根本的に違います。
普通のポイントカードと混同している方などは、『同業他社のようなライバル企業も導入しているし、囲い込みにならないよね?』なんて発言をされる方もいらっしゃいますが、Tカートの本当の狙いは囲い込みではなく、情報収集です。
簡単にいえば、買い物履歴を全て記録し、そのデータをCCC本社に溜め込む事が目的なんです。

では、CCCの情報収集に、何故多くの企業が協力をするのかというと、CCCが溜め込んだ大量のデータというのは、加盟店であれば有料でレンタル出来るからです。
これにより、大手企業は情報収集の手間が大幅に省けるだけでなく、同じ様に加盟している他社の販売履歴も閲覧ができるようになる為、戦略上、非常に優位に立てるということです。
例えば、映画館に行っている客の20%が、その後、ファミレスで食事をしたというデータが有ったとします。
この場合、ファミレスが独自でポイントカードを発行して顧客データを集めた場合は、自分の店舗と映画館の売上の相関関係が分かりません。
しかし、Tカードに加盟して相関関係が分かった場合、映画の半券を持ってくると、ドリンクバーを無料にしますよというキャンペーンを行うことで、映画館帰りの客をピンポイントで狙い撃ちすることが出来、映画館帰りの客の比率を20%だったものを40%に増やせるかもしれません。

こんな感じで、他業種の消費動向も含んだ戦略が立てることが出来る為、効率的だということでTカードを導入しているんです。
では、Tカードの消費者への還元率はどれぐらいなのかというと、200円の消費で1円程度。つまり、0.5%しか還元されていません。
私は、還元率の低さが馬鹿らしくてTカードは持っていませんが、民間企業が経営として個人に支払う情報利用料は0.5%だということです。
提携先サービス早見表 | Tサイト[Tポイント/Tカード]

では、情報銀行はどれぐらい貰えるのでしょうか。
これは、まだ始まってないので何ともいえませんが、データ販売量がCCCと同じ場合、1年間せっせと情報を打ち込んだとしても、年間で1000円も貰えないような気がします。
と言うかそもそも、消費に結びつくような分野では、既にCCCやAmazongoogleなどがビックデータ市場を押さえ込んでいるので、今更どの分野で情報を集めるんでしょうか。

ビッグデータというのは、それなりの人数とデータが揃わないと、そもそも意味を成さないものです。
それなりの人数からデータを集めようと思う場合、誰でも簡単に使えて、尚且つ、個人のリターンが大きい仕組みを作らなければ、個人は情報を提供しようとすらしないでしょう。
仮に、提供しても良いと言ってくれる人がいたとしてお、入口部分で面倒くさければ、手続きを行うこと無く、それで終了です。

国は余計な組織を作ろうなんてせず、民間を効率的に動かすための法整備だけに特化したほうが、良いと思うんですけどね。
そういえば国は何年も昔に、『病院ごとに診察券を作らず、1枚の診察券に統合しよう! カルテも電子カルテ化することで、効率が上がるぞ!』なんて事を言ってましたね。
ある病院で検査をして、設備的に手術が無理だから、別の病院を紹介されたら、そこでも同じ検査をされるというのが頻繁に起こっているので、診察券を統合して、電子カルテで情報も共有すれば、無駄がなくなって医療費削減にもなるといった感じで。

それって、まだ実現してませんよね。
今でも、薬局に行くと『お薬手帳』を作られて、印刷されたシールを自分で貼らなければならないし、病院に行く度に、手帳を持参しなければならないので荷物が増えている状態なんですけど…
医療業界という一つの業種内での情報の集積が出来てないのに、何故、分野を跨いで出来ると思ったんでしょうかね。

まぁ、情報銀行なるものが出来る前から文句ばっかり言っていても仕方のないことなのかもしれないですし、2018年中には出来るそうなので、私の予想に反して、この銀行によって世の中がより暮らしやすくなってくれれば良いんですけどね。