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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

合法的詐欺に気をつけろ

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ここ最近ずっと続いている不景気・デフレのせいか、情弱の人から資産を搾り取るという手口の話が目立ってきているようなきがする。
オレオレ詐欺やなりすまし詐欺など、定期的にテレビなどで警告されていますよね。
ただ、これらの詐欺は頻繁に警告されていますし、認知も結構進んできています。
注意していれば大丈夫でしょうし、犯罪なので警察も相談にのってくれるでしょう。

ですが、個人的に特に悪質だと思うのは、不動産やコンビニのフランチャイズ等の、合法的で且つ、関わっている人達が犯罪とも思ってないようなケースの場合。
これらのケースは、テレビ業界のスポンサーになっているせいか、警告どころかCMを流しまくって、むしろ推奨していたりするしまつ。
当然、引っかかる人も多いと思うので、今回は警告の意味も込めて書いていきます。

先ず不動産ですが、これは少し前に記事を投稿したので、興味の有る方は読んでみてください。
kimniy8.hatenablog.com
kimniy8.hatenablog.com

不動産投資についてですが、現在は銀行の貸出先がないせいか、非常に低金利で簡単に融資が出来る状態に有ります。
その為か、私の住む京都でも至る所でマンション建設が始まっています。
しかし、冷静になって考えてみましょう。日本は現在少子高齢化で、人口が減ることが確実となっています。
この状況を言い換えれば、不動産市場は将来、確実に需要が減少する市場ともいえます。
普通に考えて、需要が減少すると家賃相場は下がるので、不動産投資をする上では厳しい局面に立たされます。
そんな環境の中でバカスカ建物を立てて供給を増やせば、相場は更に崩れて事業としては成り立ちません。

ちなみに、今現在の不動産の状態が今年半ばぐらいに報道されましたが、その内容は衝撃的なもので、東京23区でも空室率は30%超。
事業として成り立つレベルではありませんし、当然、参入すべき事業でもありません。
今現在建築中の建物は、近日中に次々と完成していくわけですが、これから先の日本は毎年の様に人口が減っていきます。
空室率が50%なんて事になったら、不動産投資で儲けるどころか、マンション建築と土地取得に関わる借金も返済できずに破産する人たちが増えてくると思われます。
www.nikkan-gendai.com

では何故、不動産屋・ゼネコン・銀行は、こんな斜陽事業をテレビ広告を使ってまで推し進めるのかというと、自分たちだけは儲かるからです。
不動産屋は土地を売却した時点で手数料が手に入りますし、ゼネコンはマンションを立てた時点でお金を貰えます。
銀行はというと、土地とマンションを担保にお金を貸しているので、金利と不動産の値下がり分のお金さえ回収が出来れば良い。
不動産は、新築は新しくて綺麗なので空室が埋まりやすく、家賃も高い状態を維持できます。しかし、時間が建てば集客出来ないようになり、資産価値も下がっていきます。
その為、最初の数年でマンション価値の値下がり分と金利をマンションオーナーに稼がせておいて、空室が出始めて家賃が下がり始め、事業として成り立たなくなり、返済が滞りはじめた所で銀行が担保として預かっていた土地をオーナーから奪い取り転売。
これで、不動産屋・ゼネコン・銀行の3者は見事に、不動産投資という甘い罠に引っかかった投資家から資産を搾り取ることが出来る。

『家賃保証が有るでしょ!CMで10年保証とか言ってるし!』と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、契約書の目立たないところに小さな文字で『家賃保証契約は、管理会社とオーナー、双方の合意が有ったときのみ』って一文が書かれていたりするんです。
そしてある日、不動産管理会社の営業が家に尋ねてきて、『1室あたり10万円を保証するって契約でしたが、空室出てきたので5万に下げますね。』って言ってくるんです。
これを聴いて、『え?そんな急に困るよ。家賃が半額になったら赤字になるから、条件を飲めないよ。』と反論すると、『え?オーナーさんは合意できないんですか?じゃぁ、双方の合意が無理ということで、契約は打ち切りにさせて頂きま~す』っていわれて終了ですよ。
その後の管理業務は自分がやるか、代行してくれる他の管理会社を探すしか無い。新築でもない物件で家賃保証なんてしてくれる業者は見つけにくいでしょうし、見つけたとしても足元を見られ、物件オーナーは厳しい局面に立たされます。

この段階になってオーナー側は、自分がお金を儲けるつもりだったのが、自分が食い物にされていることに気がつくんですよね。
自分が儲けつるつもりだったのに、自分が搾取対象になるケースは、結構、色んな所に転がっています。
その中でも酷いと有名なのが、コンビニのフランチャイズでしょう。

google検索で『コンビニ フランチャイズ 詐欺』等で検索すると、オーナーの悲痛な叫びや、足を踏み入れないように警告するサイトが結構出てきます。
コンビニというと、飲食物や日用品の販売だけでなく、振込や銀行引き出し・チケット販売・通販の荷物受け取り・荷物の発送など、様々な事が出来て生活の一部になっている人も多いと思います。
テレビでも頻繁に広告を見かけますし、認知度も高くて信用できそうな気がしてきます。
しかしコンビニは、客で利用している分には便利で良いですが、オーナーとして自分が店をするとなると、地獄となってしまいます。
『コンビニオーナーは現代の奴隷』と表現しているサイトは、1つや2つではありません。

何故こんな事になってしまうのかというと、儲けが出ない仕組みになっているから。
先程書いた不動産投資の件と同様で、コンビニ本社はフランチャイズ契約をしたコンビニオーナーから搾取するシステムを採用しています。
これは、客にとっては便利だが、オーナーにとっては地獄というわけです。

例えば仕入れ。スーパーの場合は売れ残った分を割引して売り切ってしまうといった工夫を行いますが、コンビニではこの様なことは基本的にありません。
売れ残ったものは基本的に廃棄です。何故こんな勿体無いことをするのかというと、商品はフランチャイズ店オーナーが本社から買い取る仕組みになっている。
廃棄による損失の殆どをフランチャイズ店側が負担するので、本社からしてみれば、発注時点で利益が確定するので売れようが売れまいが関係ない。損失を補填するのはフランチャイズのオーナー。
値下げして売られるよりも捨ててもらった方が次の注文が入る為、好都合という状態になる。

その他は、定期的な店内改装の義務。
コンビニは、何年か毎に改装することが義務付けられています。その改装費用はオーナー負担ですが、工事を請け負うのはコンビニ本社の子会社だったりするので、本社はここでも利益があげられる。

この2つを聴いただけでも利益が出ないであろう事は容易に想像できるわけですが、オーナーはそれ以外にもリスクを負います。
それは、固定費支払い。個人で雑貨屋を営むのであれば、開業時間は自分で勝手に決めればよいのですが、コンビニとなると話は別で、24時間営業しなければなりません。
常時2人勤務の場合、時給900円としても一時間辺り1800円の人件費が発生する。これに加え、水道光熱費。そして土地が自分のものではなく借り物の場合は、テナント料も発生する。
これらを全て計算に含めると、一日で最低限売らなければならない売上が出てくるわけですが…
その売上を達成することが非常に困難であることは、容易に想像できます。
売上が減ることは収入が減ることを意味するので、それを防ぐ為には道は一つ。バイトを雇わずに自分たちが長時間、店に立ち続けるしかありません。
その上、大手コンビニ本店のマニュアルでは、1店舗の月の売上がある一定以上を上回ると、その近所に同じコンビニを建てる事が決められています。
つまり、必死になって好立地のところを探し営業努力をして売上を伸ばしても、実際に売上が上がれば隣や正面に同じコンビニが建つということ。
これで儲けろという方が、無理な相談です。

ネット検索で『コンビニオーナー 自殺』で検索をかけてもらえればわかりますが、オーナーの自殺者は増えているようです。
何故こんな状態になるのかというと、先程も書きましたが、コンビニのフランチャイズというのは、そもそもがコンビニオーナー志願者から、資産を削り取る為に生み出されたシステムだからです。
一般消費者は、デフレや不景気の影響を受けて動向が変化してしまうため、安定して搾り取ることが難しい。そこで白羽の矢が立ったのが、コンビニ開業が出来る程の資産を持ったオーナー志願者です。
ここから全財産を搾り取る方が安定的だし、簡単というわけでしょう。

正直な話、コンビニオーナーになるぐらいなら、コンビニでバイトしてた方がマシといえるかもしれません。


今回、問題として挙げたものは詐欺同然ともいえる行為ですが、これらの業者がマスコミの標的になることはありません。
何故なら、彼らはマスコミの大手スポンサー。大切なパトロンの悪口を吹聴するメディアなんてありません。

では、こういったことから自身の身を守る為にはどうすればよいのか。
これは簡単なことで、『儲け話をわざわざ自分のもとまで持ってきてくれる人間は居ない』ときっちり認識することです。
マンションもコンビニの経営も、本当に設けることが出来る楽な仕事であれば、わざわざ人を募集したりしません。
情報を持ってる人たちだけで、甘い汁を啜ろうとします。
それを敢えて赤の他人である貴方の耳に届くようにお金を使って宣伝するのは、『自分たちではリスクが高すぎてやりたくないから』です。
高リスクな事は、欲の皮の突っ張った他人に丸投げし、自分たちは安全な所で欲の突っ張った馬鹿から搾取すれば良い。

やってることは、『裕福な老人からならお金をとっても良い』と犯行におよぶ、オレオレ詐欺の若者と同じレベル。
リスクを投資家に丸投げし、自分たちだけは確実に利益を確保する手法なので、安易に美味しい話に飛びつかず、投資の際は一度立ち止まって、もう一度ゆっくりと考える事が重要ではないでしょうか。