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【おすすめPodcast紹介】 未来世紀サクライ

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私の独断と偏見のPodcast紹介コーナー。
第76回。

過去に書いた投稿
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今回は、【未来世紀サクライ】

未来世紀サクライ

未来世紀サクライ

  • 夜行性の生き物4匹
  • コメディ
  • ¥0

です。


今回紹介する番組は【未来世紀サクライ】
仲の良い夜行性の大学生さん(?)達が集まって、雑談形式でお送りするラジオです。
番組構成としては、オープニング・テーマトーク・各種コーナー・エンディングという感じで、放送時間は1時間~1時間半と短すぎず長すぎない感じですね。


この放送を聞いて一番最初に抱いた感想は、分析が凄いって事ですね。
男性3人の放送で声質も似ている為、誰の発言かというのが区別がついていませんが、様々な話題に対しての分析や切り込み方が面白い。

まず分析部分から説明すると、物事をかなり冷静な目で見て考えている事が伝わってきます。

番組の初期の回で、メンバーの一人が失恋をし、その時の事を解説しつつ分析するという回があるのですが、これが凄い。
私なんかが、失恋などの感情が大きく揺れ動く自体に遭遇した場合、『自分を庇いたい』というバイアスがかかって、冷静に考えるなんて事は出来ません。
しかしこの番組の出演者の方は、自分と彼女を俯瞰した視点で分析し、時には彼女が何を感じて考えていたかまで考えを巡らせています。
これって結構凄いことだと思うんですよね。

その他にも、日常生活の様々なことに対して分析や考察を行われています。
思考の仕方も細かく説明されている為、物事を冷静に判断する為のプロセス自体が勉強になる事も結構ありますね。


次にテーマへの切り込み方ですが、かなりアバウトな表現になりますが、簡単に表すと若いって感じです。
社会人の場合だと、自分の経験に照らし合わせた表現が多くなりがちです。
これは、社会人としての経験の蓄積量が多かったり、直近の記憶や経験という事もありますが、主な理由はその表現の方が伝わりやすいからでしょう。

大学は全員が行っているわけでもないですし、学部によっても習うことが全く違う。
その為、多くの人の共感を得ようと思うと、社会での経験などを引用して説明したほうが伝わりやすい。
結果として、個人の経験を面白おかしくネタにして発表しあう雑談番組が多くなっているんだと思います。

しかしこのラジオでは、大学生が現在進行形で勉強している様な例えが頻発します。
例えば、『○○主義』『○○思想をかじっている』といった言葉がバンバン出てきます。
主に哲学系や社会学等の用語が、割りと多用されている印象です。

この様な分析方法は、聴き手にその方面の興味や知識が無かったりすると、伝わりにくい…
というか、そもそも理解が難しいと思います。
その為、聴く人をかなり選んでしまう放送になってしまうとは思うのですが、この様な形態の放送をが受け入れられる人にとっては大変面白い。

Podcastやラジオ・テレビの中には、社会学者の方が出てくる放送というのは結構あります。
しかし多くの放送が、出演されている方が私と同年代だったり年上の場合が多い。
人間は、社会に出て生活する時間が長くなると、擦れていって丸くなりがちです。

その為、多方面に気を使い過ぎたり、いろんな人達の考えがわかってしまって、結果的に出てくる答えが面白くないものになってしまったりする。
しかしこの番組は良い意味で、気を使わない刺激的な意見が聞けるのが良い。
『自分が思ったことを主張する』というのを、飾ること無く堂々と発言されている点が、好感が持てますね。


この様な分析や考察はメインのテーマトークなどでも楽しめるのですが、一番楽しめるのは、【カンフニの 週末ゲオに行って あれ借りよう!】のコーナーですね。
具体的には、映画の感想・考察をするコーナーで、紹介回が終わった次の回に感想回を行うコーナーなのですが、この映画分析が面白いですね。

私の様に学のない人間は、映画を見ても表面的なものしか読み取ることが出来ないのですが…
このラジオの出演者の方は文系の学生さんの様で、前提となる文学なども結構読まれている様子。
その視点から、脚本家が何を主張したいのかを説明しつつ考察されている所が大変面白く、勉強になりますね。

また、メンバーの中には劇団に入っておられる方も居らっしゃるようで、演劇を実際に行う側の視点で話されている部分なんかも、かなり興味深いです。
作品に対しても、歯に布着せぬ感じでズバズバと言っている感じで、その意見には爽快さすら感じます。


番組の雰囲気的に好き嫌いがあるとは思いますが、個人的にはお勧めです。