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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

今話題のヘリコプターマネーとは??

ここ最近、経済ニュースを聴いていると頻繁に、ある単語を耳にする用になりました。
その言葉とは、『ヘリコプターマネー』
ちょっと前にも騒がれたことがある言葉なのですが、最近、また騒がれ始めているようです。

という事で今回は、ヘリコプターマネーについて考えていきます。

この単語を簡単に説明すると、金融政策の名前です。
今の資本主義社会は緩やかなインフレによって成長していきますが、今の先進国はインフレが起こらず、物価が下がるデフレ状態になってしまって成長が鈍化しています。
そのデフレ状態を解消し、もう一度インフレにしようというのが、このヘリコプターマネーの目的です。

デフレの主な要因は、消費が低迷する事。
何故消費が低迷するのかというと、消費者が何らかの理由でお金を使わないからです。
『じゃぁ、消費者にお金を配れば良いんじゃね?
中央銀行が大量にお札を刷り、そのお札をヘリコプターで空から街にバラ撒こう!!』

って感じで生まれたのが、このヘリコプターマネーです。

この政策ですが、世間で最初に脚光を浴びたのは、前FRB議長のベン・バーナンキ氏がFRB議長に就任した時だったと思います。
バーナンキ氏は、自身が学者時代だった時にヘリコプターマネーを支持していた為、『ヘリコプターベン』という異名で紹介され、その時にこの政策も注目を浴びた記憶があります。

数年前に注目された金融政策が、何故、現在の日本で再び注目を浴びているかというと、そのバーナンキ氏と安倍首相が面会したというニュースが流れたからなんですね。
なんでも安倍首相は、自身のやりたいことをする場合に、その筋の専門家や学者を呼び寄せて話を聴き、『専門家からアドバイスが有った』という名目で実行することが何度か有ったようで、今回のバーナンキ氏との面会も『ヘリコプターマネーを実行するための口実として呼び寄せた?』との憶測を呼び、注目されたようです。

では実際に行う場合は、どの様に実行するのか。
『刷ったお金を、ヘリコプターで空バラ撒く』なんて事が、本当にできるわけでは有りません。
日銀で刷ったお金は、市場を通して何かしらの資産と交換し、流通させる必要があるからです。

では、どんな資産と交換すれば良いのか。
これは、価値が安定していればしている程、良い事になります。

例えば大昔などは、通過を発行するためには、それに対応した『金(ゴールド)』が無ければ駄目でした。
昔の通貨は、紙切れに信用を付けるために、金と紙幣の交換比率を固定していたんです。
この状態であれば、中央銀行は無尽蔵にお金をする事が出来ず、お金をする為には金を調達しなくてはなりません。
紙幣の価値と実物資産である金とを連動させて、紙幣の信用力を維持していたんです。

しかし金本位制も破綻し、通貨発行の条件は引き下げられることになります。
その為、現在では金以外にも株式・不動産・国債・外貨といった、金融商品と引き換えに発行することも可能となっています。

この制度を利用し、日銀に大量の金融商品を購入させることで、大量のお金を引き出し、『政府が使ってしまおう!』というのがヘリコプターマネーです。
経済というのは難しく考えようと思えば難しく出来ますが、単純化すれば需要と供給に辿り着きます。
不景気な状態というのは供給過多で需要が弱い状態なのですから、政府が大量に消費することで需要を増やせば、需給バランスが変化して供給過剰を解消することが出来る。
政府が下支えしてお金を使い続けて、良い具合に好景気のサイクルに入れば、税の増収によって政府の赤字は解消できる!というのが、ヘリコプターマネーの基本的な考え方です。

この話を聴いて、『従来のバラマキ政策とは違うの?』と思われる方も居らっしゃると思いますが、基本的には同じです。
では何が違うのかというと、現状のニュースなどで言われている話をまとめると、資金の調達先が若干違います。

従来のバラマキ政策は、政府が赤字国債を市場で販売する事で、政策実行の為の資金を得ていました。
しかしヘリコプターマネーの場合は、市場で国債を販売するというよりは、中央銀行に引き受けてもらおうという話になっているようです。
勿論、日銀のよる国債の直接買い入れは、法律的に不可能です。
ですが、ヘリコプターマネーを推し進めようとうする勢力の方々は、この部分の法律を変えてでも、日銀に買わせるべきだと主張しています。

何故、日銀による直接買い入れが必要なのかというと、インフレ対策なのでしょう。
日銀は、2%のインフレ目標を立てていますが、仮に従来通りのバラマキ政策をする為に国債を大量発行して実行し、その政策が成功してインフレになった場合、その分だけ国の金利負担が増大します。
というのも、金利というのはインフレに連動しています。
当然ですよね、だって、国債を購入しても1%未満の金利しか付かないのに、土地を購入するだけで価格が毎年2%上昇するなら、国債を購入するよりも土地を購入したほうが、運用的には良い事になります。
インフレ率が2%以上になり、5%・10%と上昇していけば、より現物資産で持つほうが有利になるので、低金利国債は売れなくなります。
日本は、支払い金利と元本の借り換えだけでも凄い量の国債を発行していますが、この発行分の金利を相当高くしないと、市場で国債を捌けなくなってしまいます。

ですが、日銀に買わせればどうでしょう。
例えば、償還期限の無い無期限国債を発行し、それを全額、日銀に買い取らせます。
国債は償還期限が長ければ長いほど支払い金利は上昇しますが、聞いた話によると、日銀が得る金利収入は国に返還されるようなんです。
つまり、仮にヘリコプターマネーが成功してインフレになったとしても、発行している国債の殆どを日銀が購入していれば、支払い金利は実質ゼロという事になるんですよね。

ただ…
政府の借金の大半を日銀が背負うという状況は、誰の目から見ても『財政ファイナンス』です。
簡単にいえば、政府がお金を刷って経済を動かしているのと一緒。
過去に、お金を刷る事で財政難を克服しようとしてきた国は、大抵、ハイパーインフレになって破綻しているんですよね。

これは、当然といえば当然です。
お金は、ただ単に数字を印刷しただけの紙に過ぎません。
その紙に信用力を与えているのは、発行元である中央銀行がそれ相応の資産を保有しているからです。
しかし、その中央銀行が持つ資産の大半が、返済されることの無い債権だったとしたら?
そんな通貨を信用する人間なんて、いませんよね。

今はまだ、実行しようという話にはなってはいませんが、仮にヘリコプターマネーが実行されるような事になれば…
日本は、終わってしまうかもしれませんね。

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