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【Podcast #カミバコラジオ 原稿】第64回【財務・経済】固定資産

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目次

注意

この投稿は、私が配信している Podcast番組『カミバコラジオ』で使用した原稿です。
放送内容は、私が理解した事を元に行っています。ご了承ください。

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前回はこちら

kimniy8.hatenablog.com

固定資産と減価償却


前回は、固定資産の大まかな説明をしてきました。
簡単に振り返ってみると、固定資産とは会社が購入したもので減価しないモノ、もしくは減価していないものの事とでした。
例えば車を購入する例で考えてみると、車というのを買うためには現金という資産が必要になりますが、その現金と引き換えにして手に入れた車というものは、売却することで再び現金を手に入れることができるものとなります。

つまり、その気になればいつでも現金という資産と交換が可能なものであるため、この車も会社が持つ資産の1つとして考えます。
このようにして考えると、前に紹介した減価償却という考え方も、より理解しやすくなると思います。
車の場合は、購入した翌年に売る場合と、2年後に売る場合とで考えるのであれば、当然、1年しか使用していない状態の方が高く売れます。

その車を10年間使い続けてから売却しようと思うと、さらに価値は目減りしてしまいますし、15年も使えば、買い取りどころか逆に処分費用を請求されてしまうかもしれません。
この様に車というのは、新しければ新しいほど資産としての価値が高く、古ければ古いほど、その資産の価値は減っていくことになります。
この減った価値の部分に関して経費扱いしようというのが、減価償却費の考え方の基本となります。

土地は減価償却できない


当然ですが、価値が減らない部分については会社内に資産として残り続けることになります。
何故なら、その資産は売却すれば現金化することが出来るからです。これは簡単に言えば、売却して現金化出来るようなものであれば、全て資産とみなされるということです。
ということは、購入後に経年劣化しないものについては、経年劣化部分が存在しないために経費計上する金額がなく、全額が資産に計上されます。

会社が実際に買う資産で分かりやすい例で言えば、土地がこれにあたります。
土地は、取引タイミングによって価値は変わりますが、それはその時々の経済状態や需要と供給によって価格が変動しているだけで、基本的な価値には変化がありません。
その為、土地は経年劣化しないと考えますし、当然、減価しないわけですから減価償却もないことになります。

何故経年劣化しないのかは、土地の用途を考えればわかります。
土地というのは、都市部の場合は主にその上に建物を立てたりするために使いますが、この土地は、購入後10年経とうが100年経とうが、変わらず使用することが出来ます。
購入後100年経った土地だから、家をたてることが出来ないほど土地が老朽化するなんてことにはなりません。 その為、機械のように購入から年数が経ったから、その本質的な価値が下がるなんてことにはなりません。

土地は購入すると、毎年、その土地を持っていることに対する税金である『固定資産税』が請求されるため、分かりやすいと思います。
仮にこの土地の上に建物を建てたとすると、その建物に関しては経年劣化していきますので、劣化して価値が減る分に関しては経費として計上できることになります。
つまり、土地の上に立てる建物に関しては、減価償却費として毎年経費を計上できることになります。

建物の修繕


ここで余談ですが、建物の場合は雨漏りや外壁の塗装が剥げたりといった破損が起こり、それを直すということがよくあります。
これに関しては、仕事で使う建物を維持管理するために必要な出費であるため、当然、この出費は修繕費という経費になるわけですが…
この建物を改装し、大幅に寿命を伸ばしたり、建物の価値を上げるような規模の修繕を行うと、修繕費には計上できなくなったりします。

何故なのか。 この基本的な考え方としては、これまでに説明してきたことと基本的には同じで、修繕費として出費したのではなく、固定資産を購入したと思われるからです。
わかり易い例で言えば、ある建物があったとします。この建物は、倒壊寸前で売ることすら出来ず、売却するためには建物を壊さなければならないようなものだとします。
この場合、建物に価値はなく、実質解体費用分だけマイナスになっているわけですが、この建物に2000万をつぎ込んで、骨格は残しつつ大胆なリフォームをしたとします。

建物の骨格は残っているわけですから、『これは建物を直して使えるようにしただけだ!』と主張することも出来ますが、実際問題として、直した後の建物には資産的価値が生まれてしまいます。
つまり、直した後の建物は、売ろうと思えば普通に売れてしまう程に資産的価値があるわけです。
であるのなら、当然、この建物のリフォームにかかったお金は修繕費という経費で一括で落とすのではなく、一旦固定資産に組み入れて、減価償却で落とすべきです。

つまり考え方としては、新たに建物を購入したと考えるわけです。
2000万もかけて建物を直しているわけですから、当然、建物の価値も上昇していますし、対応年数そのものも上がっています。
その為、これまでの考え方に照らし合わせれば、出費した2000万円は伸びた対応年数分で分割し、減価償却費として毎年経費を計上すべきとなります。

資本的支出


この様に、修繕費として計上できないタイプの出費のことは、専門用語で資本的支出と呼んだりもします。
自分が出した金がこの資本的支出に属するのか、それとも修繕費に属するのかは、個人の判断ではしにくい場合もあるかもしれませんが、その場合は、税理士などの専門家に相談したほうが良いと思います。
というのも、この辺りの出費は結構難しかったりするからです。

ただ、会社に余裕がなく税理士に相談する金も節約したいという方のために簡単にいえば、固定資産の原状回復については修繕費で、それ以上の価値を加える様な工事については資本的支出と考えれば良いと思います。
このあたりの詳しいことは国税庁のサイトに書かれているので、そのサイトを参考にしてみるのも良いかもしれません。

債権


余談はこのあたりにして、話を固定資産に戻すと、建物や設備以外の固定資産としては、1年以上現金化されないような金融資産も含まれます。
金融資産とは、株式や債券と考えてもらえれば良いです。債権とは、他人に貸している金と考えれば分かりやすいと思います。
国や大きな会社というのは、金融機関からお金を借りる方法以外に、自ら債権を発行してお金を調達する手段があります。

国で言えば国債がこれにあたります。 国は国債という借用書のようなものを発行し、それと交換でお金を手に入れています。
例えば、額面が100万円の借用書を用意し、それを100万円で販売するといった具合にです。 これは借用書を発行している側からすれば借金なので、当然、金利も支払われます。
国債にはクーポンというものがついていて、それが一定期間ごとに現金化されるため、それが金利の役割を果たします。

この国債は、最終的に償還期限を迎えると元本が戻って来るという仕組みです。 この償還期限に関しては、発行する国債ごとに決められていますので、期限が短いものも長いものも存在したりします。
国債は国が発行している借用書ですが、会社が同じ様な仕組みで借用書を発行すれば社債となります。
この様な国債社債を買うという行為は、会社や国にお金を貸しているという扱いになりますが、貸した金は相手が潰れない限り基本的にはそのまま戻ってくるため、その借用書は資産扱いとなります

一年基準


ただ、1年以内に直ぐに現金化されるというわけではないため、固定資産として扱います。
ちなみにですが、実はこの国債というのは、償還期限が何年であろうとも直ぐに現金化出来たりします。 というのも、国債という金融商品は投資対象になっていて、国債を売買する市場が存在するからです。
その為、仮に償還期限が10年の国債であろうとも、取引市場で償還期日前に売ってしまえば現金化は出来るわけですが、それでも、1年以上持ち続ける目的で国債を購入したのであれば固定資産となります。

こういう話をすると、少し混乱してしまうかもしれませんが、この、『数年持ち続ける目的で購入した』というのが重要だったりします。
というのも、先ほど紹介した国債の場合は償還期限というものが決まっていて、一定期間が過ぎれば現金化されるわけですが、全ての金融資産がこの様な性質を持っているわけではありません。
例えば株式の場合は、その会社が存続し続ける限り存在し続けますし、償還期限なんてものも存在しません。

では、株式は購入すると全て固定資産になるのかといえば、そんな事はありません。 1年以内に売却予定の株は、固定資産には含みません。
なら1年以内に売却予定の資産はどこにいくのかといえば、流動資産という項目に行きます。 この流動資産という項目には、すぐに対価として支払えるような資産が含まれています。
馴染みのあるもので言えば、現金や銀行預金などです。 これらは、何かを仕入れるといった出費の際にすぐに使えることが出来ますし、現金売上なども入ってくるため、常に出し入れが行われている類の資産です。

この様な資産は、流動資産としてまとめられています。 1年以内に売却予定の株式などは、このカテゴリーに入れます。
これは株式だけでなく貸付金なども同様です。 数年間貸していた金の期限が迫って、1年以内に貸した金が戻ってくる状況になれば、固定資産から流動資産に振り替えます。

1年の基準


この流動資産と固定資産の分類ですが、結構、経営者の裁量に任されている部分が多いなと感じた方も多いかもしれません。
というのも、債権ならまだしも、株なんてどのタイミングで売るのかは割と自由に決めることが出来ますし、自分の思惑通りに売買できるとも限りません。
1年以内に売却する目的で購入したのに、思った以上に値下がりしてしまって売るに売れないなんてこともありえますし、長期で持つ目的だったにも関わらず、予想外に値上がりしたので利益確定の売りを出してしまったなんてこともありえます。

ただ、ここに関しては正直、そこまで厳密に分類しなくても良いです。 というのも、流動資産に分類仕様が固定資産に分類しようが、支払い税額が大きく変わるなんてことはありませんから、税務署も細かくツッコんでは来ないからです。
この分類は、税金計算というよりも財務分析の際に必要になってくるものですので、個のコンテンツで想定しているリスナーである中小零細企業の場合は、あまり深く考えなくても良いと思います。
ちなみにですが、流動資産と固定資産の分類は、それぞれに対応する勘定科目で分類します。貸付金の場合は、短期貸付金と長期貸付金で分けるといった感じです。

今回は主に、貸借対照表の資産の部について見ていきましたが、次回は資産や負債などを流動と固定に分ける意味について考えていこうと思います。