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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

『ふるさと納税』は本当に寄付文化を広めたのか

考え方 社会

私は以前、ふるさと納税について否定的な意見を、ブログに書きました。
kimniy8.hatenablog.com

簡単に投稿を振り返ると、ふるさと納税は実質2000円で物品を購入しているだけなので、寄付とはいえない。
控除などを含めて計算すると、金持ちほど安価で物品を購入することが出来るので、二極化がさらに加速するという内容でした。

しかし、先日放送されたWBSをみたところ、自体は更に深刻な状態になっていました。
という事で、今回もう一度、ふるさと納税について考えます。

ふるさと納税といえば以前、このブームを創りだした人が『日本に寄付文化を根づかせた人物』という形で表彰され、この数年で盛り上がってきています。
ですが、実態を見てみると、寄付文化とは程遠く、どちらかと言うと『合法的脱税』や『マネーロンダリング』を推進させているとしか思えない状況になってきています。
日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」発表 大賞は日本に寄付文化を広めた「ふるさと納税ブーム」の立役者に|ニュースリリース|日経BP社

では実際に、どのニュースを見て、私がそう思ってしまったのか。
それは、ふるさと納税の返戻の品が、金券で行われているというニュースです。

紹介されていた自治体は大多喜町というところなのですが・・・
その還元率が、実に70%!!

これがどういうことなのかを、簡単に説明すると、100万円を大多喜町に寄付すると、70万円分が金券として戻ってくることになります。
『じゃぁ、実質は30万円の寄付ってことになるの?』と疑問を持たれる方も多いと思いますが、そうでは有りません。
100万円の寄付をすると、所得税や住民税として支払うはずの税金99万8千円を、支払わなくて良くなるんです。

つまり、本来支払わなければならない100万円の税金が、ふるさと納税を行うことで、実質30万2000円に減額されるということなんです。
これ、かなりヤバくないですか?

とはいっても、支払われる金券は、大多喜町でしか使えない地域限定の金券。
自治体としては70%を金券で返金したとしても、その金券は地域で使われるため、地域活性化に繋がるという、もっともらしい説明をしています。

この説明を聞いて、『最終的には地域に還元されるし、多額の金券を貰ったとしても使い切れないので、悪用なんてされないでしょう』と思われる方も多いでしょう。
しかし、その対策もされていたんです。
それが、大多喜百貨店というサイト。
この通販会社では、高額で且つ換金率が高そうなブランド品の腕時計などを販売しています。
そして通販という利点を活かし、大多喜町に訪れること無く、多額の買い物ができる体制が作られていたんです。
しかも、経営しているのは大多喜町とは関係のない業者。
otaki-dept.com

つまり高額納税者は、限度額まで大多喜町ふるさと納税をして、大多喜百貨店でブランド品を買い漁る。
そのブランド品を、自分が住む地域の質屋などに流すだけで、手数料を引いても結構な額の税金が戻ってくるということになります。
また、このサイトによると、掲載されていない商品でも取り寄せて販売してくれるということなので、買う予定のある商品であれば、店にメールを入れるだけで何でも購入出来てしまいます。

やっていることは『脱税』であったり『マネーロンダリング』なんですが、本人たちは、『ふるさと納税を使って大多喜町寄付をしたんだ。』というわけです。

流石の国も、この状態はおかしいということで大多喜町に指導をし、大多喜町は金券の還元率を70%から60%に下げた上で、金券の発行上限を6万円に設定したようです。
大多喜百貨店の方も、通販は違法になり、実際に店舗を訪れないと買えない方式にしたようなのですけどね。


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でもこれ、かなりおかしくないですか?

個人的には、寄付というのは損得で行うものでは無いと思います。
寄付という言葉をネットで調べてみるとこの様な説明がされています。
寄付 - Wikipedia

『寄付(きふ)とは、金銭や財産などを公共事業、公益・福祉・宗教施設などへ無償で提供すること。』

先程も書きましたが、『ふるさと納税』の仕掛け人は、寄付文化を世に広めたという事で表彰までされています。
ですが、ふるさと納税という形で何万円寄付しようが、控除範囲内であれば自己負担額は2000円。
それ以上の額は、自分の本来支払うはずだった税金が、単に移動しているだけ。
実際に世間で行われていることは、マネーロンダリング紛いの合法的脱税だったり、物品目的の税金の移動なんですよね。

私は過去に、地震口蹄疫が起こった時に寄付をしました。
その際にも、金融機関の窓口の人から『申告すれば控除されますので、大半は戻ってきます』という説明を受けましたが、控除申請を出してしまうと、寄付の意味が無くなってしまうような気がして、申請はしませんでした。

これは私自身の個人的な意見なので、他人に押し付けるつもりは無いのですが…
物品または節税目的で税金の支払い窓口を変更しただけの人が、『故郷のために寄付をした』といっている現状や、こんな行為が寄付行為として推奨されている事に、モヤッとしてしまうんですよね。
控除や金品を当てにしない形での寄付を推奨していくことが、本当の寄付文化を広めることに成ると思うのですが、どうでしょうか。

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