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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

『お金』と『やりがい』 ①

考え方 社会 政治・経済

先日、NHKの白熱教室で、『お金と感情と意思決定の白熱教室』という授業が放送されていました。
白熱教室シリーズは、一定期間毎に再放送されているようなので、もし見ていない方は、再放送を待ってみてください。
www.nhk.or.jp
www.nhk.or.jp

『お金と感情と意思決定の白熱教室』と聞いてもピンと来ない人も多いでしょう。
ということで、簡単にどんな分野なのかというと、行動経済学の授業です。

では、行動経済学とは何なのかというと、簡単にいえば、心理学と経済学をミックスさせたものです。
ここ最近、注目を浴びている学問ですね。
何故注目を浴び始めたのかというと、今までの経済学では説明しきれないことが増えてきたからです。

ではなぜ、そんな状況になってしまったのかというと、そもそも経済学が無理のある学問だったからです。
経済学というのは、経済人を前提に置いた学問です。
経済人とは、経済的合理性を優先し、個人主義的に行動すると想定した人間のモデル。

この様な経済人で世の中が満たされているという前提で、様々な計算をして経済を読み解いていくのが、今までの経済学です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E4%BA%BA
しかし普通に考えて、この設定には無理がありますよね。

例えば、『宝くじ』を例に考えてみましょう。
宝くじは、分配率が50%といわれているので、期待値で考えると、1万円分購入すると5000円になって返ってきます。
買えば買う程に損失額は増大していくので、個人として考えれば、購入する意味はありません。
もし、合理的な考えしかしない経済人であれば、宝くじの1等賞金がいくらになろうとも、購入することはないでしょう。
何故なら、宝くじを買うという行為は、経済学的な観点からは無意味な行為だからです。

しかし現実の世界では、購入する人が後を絶たないですよね。
つまり、経済学は『期待値的に買っても損をするだけだから、買う人なんて存在しないでしょ。』という前提を基に作られた学問。
その一方で、『実際に買う人いるんだから、それを前提にしないとだめでしょ。』というスタンスの行動経済学

行動経済学の方が、どことなく身近に寄り添ってそうなイメージを受けますよね。

この授業では、数回にわたって行動経済学の授業が行われたのですが、その中でも、一番印象に残っているのが、人の『やりがい』についての実験。
ここで証明する事は『社会的モチベーションと金銭的モチベーションは共存しない』という事でした。

例えば、道で人が困っていたとします。
車に乗っていたあなたは、困っている人、Aさんを発見して声を掛けました。
Aさんは、『ある場所まで行かないといけないが、その手段が無くて困っている』といったので、あなたはAさんをその場所まで送っていくことにしました。
善意で引き受けた事なので、あなたは報酬なんて期待していたわけではありません。
しかし、2キロ程先にあったAさんの目的地までついたときに、Aさんが『わざわざすみません。この場所まで2キロなので、タクシーなら1メーターだし、650円渡しますね。』といって、お金を差し出したとしたらどうでしょう。

あなたは喜んで、650円を受け取るでしょうか。
それとも、気分が悪くなるでしょうか。

人によっても変わるとは思いますが、結構多くの割合の人が、気分を害されると思います。
この場合、善意で運んであげただけなので、お金ではなく、『ありがとう!』という言葉と喜んだ顔を見せてくれた方が気分が良い。
それを、タクシー1メーター分の料金を渡されると、『自分の善意は、650円の価値しかないのか…』と調子が狂うのではないでしょうか。

先程も書きましたが、経済学が前提としている経済人は、経済的合理性を求めて利己的に動く経済人です。
人を助けた上に650円というお金まで貰えるのであれば、満足すべきなのですが…
実際には、善意で行ったことに対して650円を貰う事で、自分の善意とは650円程度のものなんだと実感してしまう為、幸福感が薄れるそうです。

CMなどで、様々な商品の値段を羅列して最後に思い出を語り、思い出の値段はプライスレスといったものがあります。
これも、思い出の値段はつけられないことが重要で、実際に計算してしまうと、幸福度は下がってしまう一例でしょう。
善意に対しては感謝で答えるべきなのに、そこにお金が介在する事で、善意からくる行為が急に無機質なものに変化してしまいます。

…と、一回の投稿で終わらせるつもりだったのですが、結構な長さになってしまった為、続きはまた次回に。

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