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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【本の紹介】 シグナル&ノイズ

今回は久しぶりに、読んだ本の紹介をします。
タイトルは【シグナル&ノイズ】




統計学の専門家が、人が何故間違った予測をするのかについて書いた本です。

間違う理由を簡単に書くと、物事を正しく理解する為の要因の捉え方を間違うからです。

物事を正しく捉えるためには、その対象に対する知識、周辺の知識等、様々な物事について調べる必要があります。
しかし、実際に調べて出てくる事柄は、正しく捉えるための材料であるシグナルだけではない。
そこにノイズが混じってしまう。

ノイズをシグナルと捉え間違えた時点で、物事の捉え方も間違ったものとなり、予測は完全なものではなくなる。

こうして結果だけを書くと、若干分かりにくいとは思います。
その為、この本は500ページ程を使って例などを上げて、丁寧に説明してくれています。
ここまで読んで気になる方は、是非読んでもらいたいのですが、もう少しだけ内容を知りたいという方に向けて、もう少しだけ簡単に紹介していきます。


シグナルとノイズの捉え間違いというのは、私達の生活の中でかなり頻繁に起こっています。
例えば、通勤で車を使用している人がいたとします。
この人は過去に何千回も車を無事故で運転していました。
その人物がある日、『今まで車の運転で事故を起こしたことが一度もないから、少しぐらい酒を飲んで運転してもよいだろう』と判断をして、飲酒運転をしたとします。

この人物は、過去に数千回にわたって安全運転をしていたというシグナルを元にして、飲酒運転をしても事故は起こさないだろうという予測をしたわけですが…
これは典型的なシグナルとノイズの捉え間違いをしています。
この人物は、【シラフの状態で数千回にわたって無事故で運転をした】という事実があるだけで、飲酒運転をした経験は1度も有りません。
つまり、【数千回にわたって無事故】という事柄は、シラフの時のみに適用できるシグナルで、前提条件が変わった状態ではノイズでしか無いのです。


これと同じ様な失敗の典型例として、外挿法という予測方法が有ります。
外挿法とは、今の前提がこの先も続くという予測法で、頼り過ぎると失敗します。
経験則と呼ばれる判断がこれに当たりますが、これは『前提条件が変わっていない』という思い込みによって、実際に変わっている前提条件に気がつかない場合に失敗します。

株式市場の予測が当たらないのは、この失敗の典型といっても良いかもしれません。
株式予測に使用する過去の値動きは、資料を取り寄せれば誰でも簡単に無料でグラフ化できます。
数十年に渡る値動きをグラフ化し、その中にパターンを見つけ出す為に最適化をすると、簡単に売買をするポイントがシグナルとして表示されるでしょう。
しかしこの予測が、先の未来で当たることは有りません。

過去の値動きを最適化したとしても、その情報は殆どの人が既に知っている事実です。
当然のことながら、周りの人達はその値動きを踏まえて、先回りして動くことになります。
結果として、過去数十年間の間で株価が上昇するタイミングより前に上昇しだし、下降に向かうタイミングも狂ってくる。
過去数十年で下降していたタイミングでは、皆が売り注文を入れやすい。
投機家の中には、空売りを入れる人も出てくるでしょう。
そのタイミングで逆に買い上がれば、買い手は売り手を出し抜く事が可能です。

この様に皆が知識を共有して更新出来る状態では、前提条件自体が変わりやすい。


その他の間違う典型例を挙げると

・因果関係と相関関係を間違える。
・持論がある場合、その説にプラスになる意見を取り上げ、反対意見を無視する
・人はそもそもバイアスがかかっている

という感じ。

文章が長くなってきたので、短く簡単に説明していきましょう。

因果関係と相関関係で予測が間違う場合は、大抵は相関関係しかないものに因果関係があると思い込んでしまう。
例えば、刑務所に収容されている人数と犯罪率に相関関係があったとします。
犯罪率が高い時には、刑務所の受刑者の数も多い。
この現象には相関関係がありますが、因果関係は有りません。
もし『因果関係がある』と勘違いしてしまうと、『犯罪率を下げる為に、受刑者を全員釈放すべき』という間違った結論に至る。


残りの2つ
持論が有る場合に、その節にプラスになる意見を取り上げて反対意見は無視する。
人はそもそもバイアスがかかっている。については、原発問題を例に挙げて一緒に説明します。

先の震災によって、原発事故が起こりました。
この事故により、世論は賛成派と反対派に別れる事になりました。
何故別れることになったのか、そして、前向きな議論が出来ないのかといえば、両者が自分の意見にtって有利になる話しか信じないからです。

極端な原発反対派にいわせれば、放射能の影響は軽微といった情報や、対策次第で事故は防げるといった意見は、全て政府の御用学者の捏造として処理されます。
逆に極端な賛成派にとって反対派の発言は、放射脳という理論的ではなく感情的に何でも反対する、言葉の通じない人たちの意見として扱われる。

その一方で、賛成派は『原発は使いこなせる』とうい意見を、反対派は『放射能が如何に危険か』という話を精査せずに積極的に取り込む。
何故この様な行動に出るのかというと、互いが前提として【反対】【賛成】という、どちらかのバイアスがかかっている為、多方面から観れば様々なことが読み取れる現象も、一方的にしか見ようとしないからです。

しかし冷静に考えれば、賛成派・反対派が共に真実だと思って集めたシグナルにも、一定割合のノイズが混じっています。
何がノイズで何がシグナルかを精査しなければ、答えにたどり着くことは永遠に有りません。
ですが、赤いレンズの色眼鏡をかけた状態で赤い文字が見えないのと同じで、バイアスがかかった状態では正しい情報を正しく理解することは出来ません。

色メガネを外す。
つまり、バイアスを取り除いた状態で、シグナルとノイズを見極める姿勢がなければ、予測は確実に外れてしまうということ。


ここで上げた例は、短く説明する為に本に書かれていない例を挙げて説明しましたが、実際にはグラフなどを使い、もっと詳しく丁寧に説明してくれています。
もし興味を持たれた方は、読んでみては如何でしょうか。



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