だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

時代はゆっくりと変わってゆく

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最初に少し愚痴を。
先週の盆休みの事ですが、昔に通っていた店に呑みに行った際、知り合いに久しぶりに会いました。
その知り合いはブログの存在を知ってくれていた様で、話はブログでもよく触れている、資本主義の話に。
このブログを読んでいる方はご存知の通りですが、私は今のシステムが未来永劫続く事に疑問を持っています。
ですので、持論を展開しシステムの維持をする為には、再分配が必要だと主張すると、急遽、その知り合いが連れていた人物にキレられました。

その知り合いの連れ合いは、『共産主義なんて他の国で既に失敗している』
『そんなに自信があるなら、選挙に出れば当選するから、国会で持論を展開してこい』
『子供がいても同じことが言えるのか』
等と、急に意味のわからない事を言い出したしました。
リテラシーが無いんだなと思い、すぐに店を出て絡まれても困るので、酒を一杯い注文。
その間も色々と言われましたが、適当に流してゆっくりと呑んでから退店するという出来事がありました。

愚痴をいってすみませんでした。
が、テレビなどを見てみても、この様な意見の人って意外と多いですよね。
今のシステムの批判や矛盾点を指摘しただけで、【共産主義者】とレッテルを貼る人々。

その場で私が主張した事は、経済の大部分は消費によって回っているので、貧富の格差が進んで大部分が貧困層になれば、システム事態に不具合が出るというもの。
(目先の解決策としては、再分配を適切に行うしか無い。)
そして、貧困層に堕ちて這い上がれないと悟った大部分の人達は、新たな価値観を生み出す可能性があるということ。


これは、未来に起こりそうなことでは無く、今現在、実際に起こっていることです。
今の政府は経済に対して有効な手段を打つことが出来ず、結果として日銀に株を買わせることで株価を吊り上げるぐらいしか出来ていません。
では、今のシステム下で搾取されることが既に決定している若者層は【さとり世代】といわれ、消費活動をしなくても満足できる生活を模索しだしている。
例えば、今の若者に職業についてのアンケート調査をすると、お金よりも自由な時間を求める層がかなり増えています。
このことからも、若者層が現金至上主義のシステムの外に価値観を見出そうとしている事が確認できます。

ではここで質問です。
これから先の、未来の文化や常識を作り出していくのは、誰でしょう?

答えは、独裁者や革命家ではなく『大部分の若者』です。

数千年前のピラミッドに、『今の若者は…』というニュアンスの落書きが書かれているという話がありますよね。
これが嘘か本当かはわかりませんが、この話から分かる事は、『いつの時代も、若者は新しい価値観を見つけ出す』ということです。

これは考えれば当然の事で、新たな技術や文化レベルが進む事で、環境そのものが変化します。
変化前から生きている人間と、変化後に生まれた人間都では、価値観や常識が違って当然で、時が流れる事で年寄りが先に亡くなるわけだから、その若者の常識が一時代を築くことになります。

解りやすく、現代の世界の話に置き換えましょう。
私は現在30代後半ですが、高校卒業ぐらいにインターネットが普及し始めました。
その後、様々なサービスが登場し、世の中は大きく変わる事になりますが、この技術を基準にすると、大きく分けて3つの世代に分けられます。

・インターネットがない世界で仕事をする事が当然の世代。
・働くのと同時期にインターネットが普及し始めた世代。
・生まれる前からネット環境が普及し、ネットがない時代を知らない世代。

ネット環境がなかった状態で仕事をする事が当然の世代は、今まで自分達が行ってきた業務の価値が下がる可能性が有る為、抵抗する人間と環境に適応しようとする人間に別れます。
働くのと同時にネットが普及し始めた人は、ネットの力も知ってはいますが、ネットが無かった時代も分かっている状態。
ネット環境を導入する事が有効だと分かっていれば導入しようとしますが、それが理解できない人の気持も、なんとなくは理解できる。
しかし、生まれる前からネット環境が整備されている世代は、ネットがなかった頃を理解できない。
ネットを体の一部として使いこなす事が当然だし、デジタル技術で一瞬で出来る事を、わざわざアナログな手法で行う意味もわからないでしょう。

それぞれの世代がそれぞれの常識や文化を創ろうとして、実際にどのような世界に変わったのか。
今現在の生活を見なおせば分かりますが、かなりの業種がネットビジネスにシェアを奪われています。
具体例でいえば、Amazonが登場し、街の本屋は数を大幅に減らしています。
その一方で、Amazonは本以外の商品の取扱も増やし、更に成長を加速させています。

ネットの登場は営業職・小売店・仲介業から職を奪い、今でもシェアを拡大させていっています。
この変化は、独裁者や革命家の活動によって、ある日突然起こったわけでは有りません。
大多数の人間の求める方向へと、自然に、徐々に変化していっただけです。
当然の事ながら、時代に取り残された前既得権益者の意見なんて、反映されていないんです。

インターネットの例でいえば、大きく変わったのは、【情報の偏在】。
これがもの凄いスピードで解消された事によって、情報が偏在している事が前提で成り立っていたシステムは崩れ始めました。
そして、そのシステムの上で胡座をかいている人達が、痛い目を見ることになったわけです。

仕事を奪われた人達が考えなければならなかった事は、『大多数の人間が、何を考えていたか』です。
大多数の人間の生活環境はどうなっているのか。
何を考え、何を求めているのか。
何処に価値をおいているのか。
価値あるものの優先順位はどうなっているのか。
大多数の人間に意識を同調させ、何を考えているのかを理解しようと思わなければ、数年先の未来も想像できません。

冒頭に出てきた、知り合いの連れ合いは、私に対して『子供が出来ても同じことが言えるのか』と言いましたが…
大切な存在が生まれた時こそ、先の未来を想像しないと、自分自身も生き抜けません。
また、順当に行けば親よりも子供が長生きします。
本当に子供の幸せを考えるのであれば、子供世代に同調し、その子供たちが望む世界はどのような存在で、どの様に変わっていくのかを考えなければならないと思いますけどね。