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【Podcast #カミバコラジオ 原稿】第3回 起業とは何なのか

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この投稿は、私が配信している Podcast番組『だぶるばいせっぷす ~思想と哲学史』で使用した原稿です。
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目次

今回は、企業とは何なのかをテーマに話していこうと思います。

起業とは何なのか

皆さんにお聞きしたいのですが、企業とは、何なんでしょうか。この様な基本的な問いかけについて改めて考えてみると、意外と答えに詰まったりします。
この問いかけで思い浮かべるイメージは、サラリーマンの方と経営者の方で大きく変わると思いますし、サラリーマンをしている方であれば、企業は自分の時間を売る場所と考える方もいるでしょう。
この『企業』という単語をネットで調べてみると、wikiでは『営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。社会的企業を区別するために営利企業とも言う。家計、政府と並ぶ経済主体の一つ。』と説明されています。

結構、小難しく書かれていて、なかなか頭に入ってきませんが、簡単に言い直せば、経済活動を行うモノは大きく分けて3つあり、政府・家計・企業から成り立っているということです。
経済活動というのは、簡単に言い換えれば、『モノとお金の交換』のことです。 このモノというのには、物理的な商品だけでなく、サービスなどの形のないものも含まれます。

例えば政府は、国民から税金という名目でお金を集めて、それを使って新たに道路を作ったり、作った道路をメンテンナンスしたりといったインフラ整備をしたり、福祉政策を行ったりします。
この政府という組織は、国民からお金を集めて物に投資するという経済活動を行ってはいますが、企業ではありません。

次に家計とは、それぞれの人間、個人の事と考えれば分かりやすいかもしれません。
人間個人は、生きているだけでお金を消費しますし、その消費するためのお金を稼ぐために、自分の時間を労働力という形で切り売りしたりもします。
労働を行って得たお金は、市場を通して消費されたり、金融機関を通して貯蓄に回されたりします。

個人的な感覚で言えば、貯金というのはお金を貯めているだけですが、経済全体で見た場合は、金融機関への貯蓄は投資となり、お金が金融機関で止まっているわけではなく流れています。
ここ最近では、経済が成熟しきってしまって歪な形になっているため、貯蓄が本当に溜め込まれているだけの状態になっていることもありますが、通常の経済であれば、金融機関に預けたお金は、金融機関を通して金が必要な人に又貸しされます。
つまり銀行は、家計からお金を借りて、それを企業や政府や家計に又貸しすることで、金利差を得ているわけです。

お金を借りた人は、何らかの事情でお金が必要だったから借りているので、そのお金は何かしらに消費されることとなります。
例えば政府であれば、国の借用書である国債を刷り、それを金融機関が購入することで政府はお金を手にし、金融機関は毎年の利息を手に入れることができます。
政府は、その金を利用して、政策を行ったり、借金の借り換えを行ったりしています。

少し脱線すると、よく、ネットやテレビで、国の借金は数百兆円あり、それを日本国民から借りている。 国民一人当たりで計算すれば、国は国民一人当たり数百万の借金があるなんてことがいわれていたりしますが、あれは嘘です。
日本国は、国債という名前の借用書をお金を出して購入した人から借金をしているのであって、生まれたばかりの赤ん坊から老人まで含めて国民全員から借り入れを行っているわけではありません。

市場とは

話を経済活動の話に戻すと…
この個人の経済活動と、先ほど説明をした国の活動以外の活動が企業の活動と考えてもらって良いです。
この、国と家計と企業の3つの経済主体は、それぞれ市場を通して活動を行います。

市場はマーケットと言ったりしますが、ここを通して、それぞれの経済主体は取引を行い、経済活動を行います。
言い回しがややこしくなりましたが、要は、市場とは、モノやお金を交換する場所のことです。 この場所というのは、現実世界の特定の場所のことではなく、概念的なものと考えてもらって良いです。
この市場というのは経営を行っていく上で重要な概念で、これから先も頻繁に出てくるので、なんとなくで良いので覚えておいてください。

市場についてもう少し説明すると、例えば、特定の物やサービスを販売する商売を始めようとする場合、その商品の市場が大きくなっているのか縮小しているのか、そもそも市場があるのか無いのかというのを把握することが重要となります。
基本的に、市場がない場合や小さい場合は、その商売はうまく行かない場合が多いです。

この部分について、もう少し説明すると…
市場があるというのは、自分が売ろうとしている物やサービスが実際に売買されているのか、実際に売買されていなくとも、その製品やサービスを欲している人がいて、商品を売り出せば取引が成立する場合のことです。
この有る無しというのを判断するのも一筋縄では行かなくて、その商品が画期的で、まだ、世の中に出ていない場合は、その商品について知っている顧客がいないわけですから、当然、市場は無いことになります。

しかし、その商品が便利なもので、人々に広く知らしめることができれば。 これを認知と言いますが、認知度が上がることで、皆が『欲しい!』と思う場合は、潜在需要があるため、市場はあると表現したりします。
この、市場から、ヒト・モノ・カネを集めて、付加価値をつけて市場に流すことが、企業の活動です。ここでやっと、今回のテーマが回収できました。 
企業は、労働市場からヒトを、金融市場から金を、そして、様々なモノが販売されている一般的にいわれている市場からモノを調達して、それに新たな価値を付け加えて、再び市場に流すのが役割です。

付加価値とは

ここで新たに、付加価値と呼ばれるものが出てきましたので、この言葉の説明をすると…
付加価値とは、その企業独自の価値のことです。 私達が物を購入した際に上乗せされる税金として消費税がありますが、この消費税は別名付加価値税とも言い、企業が新たに付け加えた独自の価値に対してかけられた税となります。
つまり、企業というのを『お金』という観点から捉えるのであれば、企業とは付加価値を生み出すものということが出来ます。

もし、付加価値が生み出せない企業があったとすれば、これは厳しい言い方になりますが、経済的にはその様な企業は無くても良いということです。
例えば、企業がヒトを雇って、材料を仕入れて、それを加工して何らかの商品を作ったとします。 当然ですが、その商品の値段は、材料費と人件費を足した金額よりも大きくならないと、仕事になりません。
仮に、材料を買ってきてヒトを雇って加工したのにも関わらず、材料費と同じ値段でしか販売できないのであれば、その企業は無意味なことをしていて、役に立っていないと判断できる為、無くても良いということです。

この付加価値という言葉は、馴染みのない方にとっては小難しく聞こえるかもしれませんが、世間一般でいう仕事というのは、この付加価値を生み出す事と言い替えることが出来るわけです。

具体例を出すと、分かりやすいのが、加工の仕事です。
例えば、森林に生えている木材を切り倒して持ち運べるようにすれば、単に木が生えている状態よりかは高い値段で売れるのではないでしょうか。
その木を、規定の大きさに切りそろえて、角材や板にすれば、更に料金を上乗せして売れそうです。 その木を、製材所から木材屋やホームセンターに運べば、人々は買いやすくなるわけですから、更に値段は上がるでしょう。

その木を買い揃えて、木造建ての家にすれば、その木材は更に高い値段で売れるでしょう。
この様に、何らかの手間を加えることで価格が高くなれば、それが付加価値となります。

GDPとは

この付加価値ですが、起業単体でみると、その仕事の手間賃の額ともいえますが、各企業が出す全ての付加価値の額を合計して、国全体としての付加価値にすると、その国の経済規模が分かったりします。
この『国全体の付加価値の合計金額』がよくニュースなどでいわれているGDPと呼ばれる数値です。
国の成長率というのは、この数値をどれだけ伸ばせるのかというのにかかってくるわけです。

国の経済成長の目安としても使われる、このGDPですが、簿記的には何で見るのかと言うと、売上総利益であったり、営業利益に人件費や支払利息や家賃、税金関係の支出を足し合わせたもので見たりするのですが…
このあたりのことは、会計の知識がないとわからないので、また会計について取り扱った会に取り上げようと思います。

まとめると、企業というのは何かというと、市場からヒト・モノ・カネを集めて付加価値をつけて、再び市場でものを販売する事で経済活動を行うものとなります。
次回は、この企業についてもう少し掘り下げて、企業の利害関係者であるステークホルダーについて話していきます。