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中小企業診断士の勉強 4日目 ポーターの競争戦略論

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この連載は、私が独学で中小企業診断士の受験勉強をしている際の記録です。
人に教える事を目標に勉強すると学習が早まるという噂を聞き、ブログで不特定多数の人にレクチャーするという体で書いています。
今勉強中の内容である為、書いている内容が間違っている可能性もあるので、受験生の方は鵜呑みにはせずに、テキストを確認することをお勧めします。




前回はこちら
kimniy8.hatenablog.com

目次

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前回の更新から随分と時間が経ってしまいました。
言い訳をすると、日々、勉強をしていなかったわけではありません。毎日、時間を作っては勉強をしていたのですが、勉強の仕方として、1科目ずつ完成させていくスタイルでは勉強を行なっていません。
何回も復習することを前提にして、数日単位で勉強する科目を変えています。

その為、他の科目。例えば、財務会計の科目を勉強中に企業経営理論のブログを書く気持ちにはなれず、期間が空いてしまいました。
ですが、再び企業経営理論の復習期間に戻ってきた為、再び、執筆を開始します。
今後、似たような理由で更新期間が悪可能性もありますが、予め、ご了承ください。

ポーターの競争戦略論

前回までの投稿で、企業にはまず、企業が存在する目的としての企業理念が必要で、それを元にして、企業ドメインや事業ドメインが作られて、経営戦略が練られるという話をしていきました。
その戦略の練り方ですが、大きく分けて2つ存在します。
1つは、企業の強みを分析して、それを生かした戦略造りをするという方法で、前回に紹介したコアコンピタンスなどがそれに当たります。 似たような用語としてはケイパビリティなどがあります。

そして、もう1つのアプローチ方法が、外部の環境を意識したアプローチ方法で、それが、企業のポジショニングを意識したポーターの競争戦略論になります。
(注意: どちらかが正解で、もう一方が間違っているというわけではない。)

内部環境と外部環境の違いをもう少し詳しく書くと、内部環境というのは、抱えている人材や設備は、他社に比べてどの点で優れているのかと言ったことを分析し、他社にできないものを社会に提供することで、事業を継続していこうという考えです。
既に大きな生産設備を抱えていたり、専門分野に詳しい社員を抱えている。または、育成方法が確立しているといった感じで、他社が真似しようと思っても簡単に真似できないような強みがあるのであれば、それを最大限に利用して事業展開をすれば、競争を優位に進めることができます。

一方で、外部環境に焦点を当てる戦略というのは、自分の市場でのポジショニングを確認して、その中で生き抜く戦略を考えていく方法です。
例えば、自分の会社が何らかのものを生産して販売することを目的として存在している製造業だとします。
多くの製造業は、素材を1から自分で集めて製品を作り、それを顧客一人一人に販売するなんてことは行なっていません。

素材の調達は、素材の調達や開発を専門で行っている会社に発注し、販売は、流通システムに乗せることで手間を省いています。
このように、一つの製品を製造して市場に流す場合でも、資源の調達から販売までで、自社以外の多くの会社が関わってくることになります。
この、自社以外の環境が、外部環境です。

業界構造の分析(5フォースモデル)

自社を取り囲む環境には、5つの注意しなければならない要因があります。
1つは、一番身近で分かりやすい、同業他社の存在です。
似たような商品を作って販売する同業他社の動向は、絶えず注意が必要で、彼らを意識した戦略は常に求められます。

では、その他の4つは何なのかというと、新規参入・供給業者・買い手・代替品です。

ひとつひとつ見ていきましょう。

新規参入

まず、新規参入ですが、これはそのままで、新たなライバルの登場です。
自分たちが関わってくる市場に、新たに参入してくるライバル企業で、将来の同業他社となる存在です。

これが、どの割合で乱入してくるのかというのは、その業界自体の参入障壁の高さが重要になってきます。
仮に、国が規制などをしていて、新たに事業参入するのが非常に難しい業界であれば、新規参入の事はほぼ考えなくても良いでしょう。
例えばテレビ業界などは、新たに電波帯域を借りて新たにテレビ局を作るというのは難しいため、参入障壁としては非常に高い為、この分野における新規参入に気を使う必要はありません。

一方で飲食店などは、数百万の軍資金が有れば誰でも開業が可能である為、参入障壁は非常に高いといえます。

代替品

自分たちが関わっている市場の参入障壁が非常に高いからといって、安泰なのかといえば、必ずしもそうとは言えません。
先程、例を上げたテレビ局は、参入障壁が非常に高い業界といえますが、テレビに代わる代替品が存在し、そこにシェアが奪われる形になっている為、代替品による驚異にさらされている状態と言えます。

具体的には、ネットの登場により、従来の電波が必要ない状態で番組を配信することが可能になってしまいました。
また、最新のテレビにはネット接続機能が付いているため、わざわざPCを立ち上げなくとも、大きな画面でネット配信のNetflixyoutubeを観ることが可能になりました。
新たに登場したネット配信は、テレビのように番組表に沿って放送をしなければならないなんてことはなく、視聴者が好きなタイミングで好きな番組を何度でも繰り返し観ることが可能である為、機能的には従来の放送を上回っています。

この代替品の登場により、テレビ局は更なる競争力の強化を求められることになります。

買い手と供給業者

買い手と供給業者は、主に製造業で関係してくる重要な要素です。
まず買い手についてですが、製造業が作った製品は、何らかの龍柱システムに乗せることで消費者に行き渡ることになります。
販売を全て自社で行う事も可能ですが、その場合は、販売店の運営費などを自社で負担する必要も出てくる為、コストが非常に大きくなり、そのコストを削ってしまうと、本来顧客になるはずの人の手に渡らないという機会損失が発生してしまう可能性があります。

ですが、これを流通システムに乗せることによって、コストを大幅に抑えることが出来る上に、機会損失も回避することが出来るようになります。
具体的には、日用品を作っているメーカーが商品を売る場合、スーパーマーケットやドラッグストア・コンビニなどに卸せば、販売店舗が一気に数万点になる上に、各企業が持つ運送システムに乗っかることが出来るため、非常に効率が良くなります。
ですが、この買い手である流注業者の力が強くなり過ぎれば、それは新たな脅威となります。

例えば、製品を主にコンビニ向けに展開していて、自社の売上割合の9割がコンビニ販売になっていた場合、コンビニ側が無理な値下げを要求してきた際に、その要求を飲まなければならない事態に追い込まれることになります。
最近の実際にあった例でいえば、ネット販売を主力にしていた企業は、Amazon楽天の無理なコスト上乗せを飲まざるを得ない状況に追い込まれていたりと、問題になっていますよね。
この様に、買い手の力が強すぎると、相手の交渉力が強くなりすぎてしまうために、驚異となります。

供給業者は、これの逆です。
製造業が製品を作る際に、特定の材料が絶対にいるとしましょう。 その材料を製造している業者が世界に1つしかない場合、製品を作る場合にはその会社から材料を買うことを強制されている状態と同じになる為、供給業者の力が非常に強くなってしまいます。
この状況で、供給業者が無理な値上げ要求をしてきたとしても、それを飲まざるをえないので、驚異となります。

外部環境の生存戦略

外部環境を主軸にした戦略とは、これらの驚異に対処する為の戦略となります。
内部環境を主軸にした場合と比べると、後退しているようなイメージもありますが、実際の戦略には責の姿勢もあったりする為、必ずしも後ろ向きというわけではありません。
例えば、外部環境で生き抜くために内部環境の分析を行なって、自社の強みを探って伸ばすなどです。