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中小企業診断士の勉強 2日目 経営理念 ドメイン

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この連載は、私が独学で中小企業診断士の受験勉強をしている際の記録です。
人に教える事を目標に勉強すると学習が早まるという噂を聞き、ブログで不特定多数の人にレクチャーするという体で書いています。
今勉強中の内容である為、書いている内容が間違っている可能性もあるので、受験生の方は鵜呑みにはせずに、テキストを確認することをお勧めします。

前回はこちら
kimniy8.hatenablog.com

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経営理念

会社というものは、市場から人・物・金を集めてきて、何らかの活動を行うことで経済に参加するもののことを指す。
ここで重要になってくるのが、経営理念

経営理念とは、会社を会社足らしめているもので、これがなければ会社という概念は存在できない。
企業経営に置いて一番重要というよりも、なければ会社そのものの存在理由が問われるもので、会社・企業は経営理念が全てのスタートとなる。

具体的には、『どのような製品を提供するのか。』『製品を通して、社会とどのように関わっていくのか。』といったものから、もっと抽象的に、『社会をどのように変えていきたいのか。』といった事で、これがない企業は、存在理由がない。
例えば、八百屋は地域住民に野菜を提供することが存在意義だし、建設会社は建物の建設を通して社会に関わっている。
エンターテイメント企業は、人々に娯楽を与え、世の中を楽しく面白いものにしようと働きかける為に存在している。

ドメイン

『この企業は何のために存在しているのか』という経営理念をベースにして生まれるのが、ドメインという概念。
それなりの規模の企業は、ドメインを設定することで経営戦略を練る事になる。
では、この、ドメインとは何なのかというと、企業の方向性を指し示すものと考えればよいのかもしれない。
ドメインの設定によって方向性がハッキリする為、企業がどの分野に対して人・物・金を投入するのかが明確になる。

ドメインには、物理的定義機能的定義が存在し、定義としては機能的定義の方が広いイメージ。
物理的定義されたドメインとは、企業が提供している商品をベースにした経営方針。
例えば、テレビゲームを開発して提供している会社があった場合、この企業がドメインを物理的定義するとすれば、『テレビゲームの開発販売』が物理的定義されたドメインとなる。
物理的定義されたドメインは誰にでも理解しやすく、共有がしやすい。 社員が理解しやすいことはもちろん、顧客に対しても、『この企業は何をしている企業なのか』というのが分かりやすい。

一方で機能的定義は、実物がないものをドメインとして定義する為、抽象的ではあるけれども、広範囲の定義をすることが出来る。
先程のテレビゲームを開発販売している会社を例に出せば、エンターテイメント企業という事にしてしまえば、事業範囲はかなり広がる。
ドメインを物理的に決めた場合は、企業はゲームを研究開発して販売する事に注力することになるが、エンターテイメントと定義すれば、ゲームのアニメ化をしたりラノベ化するといった、ゲーム以外の分野にも進出することが出来る。

双方のメリット・デメリット

ドメインを物理的定義した場合のメリットとしては、先程も書いたが、実物がすでにある為に、企業の提供しているものや進むべき方向性が分かりやすい。
サプリメント会社はサプリを作って販売することが企業の進むべき方向ということなので、研究開発すべき製品も、それを売る相手もハッキリしている為、社員が会社の方向性で悩むこともないし、社外の人に自社を説明するのも簡単になる。
デメリットとしては、ドメインの範囲が狭すぎる為に、事業拡大がしづらい。 自社が取り扱っている特定分野の製品の市場が伸びている間は良いが、市場の成長が止まると会社の成長も止まってしまい、市場が衰退すると会社まで衰退することになる。

一方で機能的に定義した場合は、定義が抽象的であるが為に、様々な方向へと多角化することが出来、また、方向転換も容易にできるようになる。
しかし、会社が何を本業にしているのかというのが内外に簡単に説明することが出来ない事にもなる。
社内で自社の方向性の解釈が変わるということは、方向性のすり合わせに時間がかかるし、社員の方向性がバラバラということは、その集合体である会社の方向性もブレる可能性がある。
会社の進むべき方向性があやふやという状況は、ドメインを設定している意味が無くなる為、広すぎるドメインには意味がないことになる。

何故ドメインを設定するのか

何故、ドメインを設定するのかというと、企業の方向性を決め、その市場で勝つための戦略を練るため。
自分たちが携わっている市場に、どのような製品を投入すればよいのか、どのような市場を新規開拓するのかを決定するのは、設定されたドメインに沿って決めることになる。
ドメインが設定されていない場合、どのような商品をどの市場に投入するのかというのがブレブレになり、それぞれの社員が自分勝手な意見を述べるようになる為、社内コンセンサスを得ることも難しくなる。

社員の向いている方向性を揃え、収益拡大の為に一丸となる為には、ドメインの設定が必要になり、その設定は狭すぎても広すぎても企業の成長を阻害することになる。