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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

飲食店のシステムがいろいろ進歩してた件について

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今回は、人手不足と叫ばれている飲食店業界で、『物凄く効率的なシステムが導入されようとしている』ということについて書いていこうと思います。

目次

今までの飲食店のシステム

先週末(2019/07/14)のことですが、私が聴いているネットラジオ番組『BS@もてもてラジ袋』の祇園祭オフ会が行われるということで、参加してきました。
主催が市民生活を研究されている方ということで、店はリーズナブルな値段の店に絞っていく感じになり、1件目は『餃子の王将』に行きました。

ここは、全国チェーンの割と大きな会社ですが、導入されているシステムはというと、極普通のシステムです。
メニューを観て、どれを選ぶかを皆で相談し、決まれば店員を呼んで注文し、店員はその注文を手持ちの端末に打ち込んでいく。
そして、打ち込んだメニューを料理部門に伝え、料理部門がそれを見て料理を作り、出来上がった料理をホールの店員が客の元に運んでいく。

この様なシステムを、大半の飲食店が採用していると思います。
店によっては、店員が端末を持たずに客の注文をメモとして書いたり、店員を呼ぶ際には大声て『すみませ~ん』と言わなくてもいいように、テーブルのところに呼ぶボタンが付いている場合もありますが、その程度の些細な差しかありません。
大半の店舗がこのシステムを採用しているために、そこそこ席数のある店舗の場合は、ホール店員がそれなりの数必要となったりします。
しかし、ここ最近は人手不足と言われている状態。 そもそもが飲食店はそんなに儲からない為、人件費として出せる給料も多くはない。
にも関わらず、人が休んでいる時に働かなければならず、終わるのが深夜になることも珍しくないため、現状では従業員を集めるのも一苦労のようです。

新たなシステム

王将を後にし、2次会に行こうという話になり、候補に上がったのが、映画『夜は短し歩けよ乙女』に出てくる『月面歩行』というbarのモデルになった、『ムーンウォーク』という店です。
この店は、チャージこそ400円取られますが、ドリンク1杯の値段が200円(税抜き)という激安の店。
カクテルを3杯呑んでも、チャージと合わせて1000円(税抜き)にしかならないという店です。
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この店ですが、まず、入ると同時に1枚の紙切れを渡されます。
そこには、QRコードとフリーwifiのパスワードが書かれています。
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そのQRコードを読み込むと、どうなるのかというと…
店のメニューが出てくるんです。
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これですが、単純にメニューが出てくるだけではありません。
メニューをクリックすると【注文しますか?】といった感じの案内が出てきて、それをタップするだけで注文まで出来てしまいます。
自分がどれだけ注文をしたのかを知りたい場合は、注文履歴をタップするだけで、これまでに注文したものを閲覧することが出来ます。
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そして、お会計をする際には、【お会計】ボタンをタップするだけです。
これだけの操作で、スマホ画面に合計金額が出てきて、数分遅れで請求金額が書かれた紙を店員が持ってきてくれるので、その時にお金を払えば終わりです。

新しいシステムの何が凄いのか

もう一度、従来のシステムでホール店員が何をするのかを振り返ってみましょう。

1.客に呼ばれてテーブルまで行き
2.注文を聞いて厨房に戻り
3.厨房スタッフに料理を伝えて
4.出来上がったらそれを受け取って
5.テーブルまで運ぶ
6.客が返ったら片付ける

この6つを行うのがホールスタッフの仕事ですが、新しいシステムの場合は、この行程がかなり削られます。

1.テーブルまで商品をを運ぶ
2.片付ける

この2つだけです。
客が自分のスマホで注文をし、その注文がダイレクトで厨房のタブレットに転送される為、ホールスタッフは注文をわざわざ聞きに行く必要がありません。
当然のことですが、注文の度に客が店員を呼ぶ必要すらありません。 忙しい店だと、スタッフを呼ぶタイミングに客側が気を使ったりしますが、その必要すらありません。スマホでポチッと押すだけです。
決済の際も、ホールスタッフがいちいちレジ打ちをする必要がなく、客が決済ボタンを押したら客のスマホには合計金額が表示され、店側は自動で請求書がプリントアウトされるので、それをテーブルに持っていくだけです。

このシステムの導入により、飲食店で必要な最低人数が大幅に引き下がる事になります。

ヒューマンエラーが無くなる

古いシステムの場合、客が注文を口頭で伝えたものをホールスタッフが聞いてメモするなり端末に打ち込むなりし、それを再び厨房スタッフに伝えるわけですが…
この伝達の際に聞き間違えたり伝え間違えるといった事で、注文間違いが起こる可能性があります。
実際に、1軒目に訪れた王将では、客が伝えた注文と違うものをスタッフが持っていき、作り直すといったアクシデントを目撃しました。

しかし、新しいシステムの場合は、ホールスタッフを経由しての伝言ゲームが一切発生しないシステムになっている為、客が注文したものは確実に厨房に伝わります。
ホールスタッフは、それを持っていくだけです。 仮に料理が間違っているとするなら、客がタップミスした時ぐらいでしょう。

更に発展する可能性

私は、TwitterでIT系の方をフォローしている割合が多いからか、その手の話題が結構な頻度で流れてきます。
その中のTweetで、これと似たようなシステムを使うことが当たり前になっている国があり、その国では、このシステムが様々なpayサービスと結びついているというのを見たことがあります。
つまり、このQRコードを読み取って注文を行い、決済もスマホで出来てしまうと、ホールスタッフは会計の仕事からも開放されることになります。
客の全てがキャッシュレス決済を使うのであれば、店の開店前に釣り銭の用意で銀行に行くといった手間もなくなりますし、店に現金が無くなるということは、強盗の心配もなくなります。

また、店員がレジの金をごまかしたり、友達を店に呼んで無料で色々サービスするといった不正行為も防げることになります…
この会計システムが、そのまま会計システムにつながれば、税金関係も楽になる為、飲食店での雑用というのがなくなり、店側は、新メニューの開発など店の発展のために時間を使えたり、大幅な人員削減が可能になります。

このシステムの運用にどれほどのお金がかかるのかは分かりませんが、月に数万で導入できるのであれば、飲食店の損益分岐点もかなり下がるかもしれませんね。