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【映画 ネタバレ感想】カーズ2 & クロスロード カーズシリーズはロッキーだった

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ディズニーデラックスに入ったのを機にカーズシリーズを制覇してみました。
1作目については前に感想を書きましたので、今回は、続きとなる『2』と『クロスロード』についての感想を書いていきます。
ネタバレ前回で書いていきますので、ネタガレが気になる方は、観てから読まれることをオススメします。
画像は公式サイトからの引用


カーズについてのネタバレ感想はこちら
kimniy8.hatenablog.com

目次


カーズ2の簡単なあらすじ

自分一人で何でも出来ると思い込んでいたカーズは、周りのことを考えずに自分勝手に行動し、皆から愛想を尽かされて、人気や名声は有るにもかかわらず孤独な生き方をしていたのですが…
トラブルによって知り合った『ラジエーター・スプリングス』の住民と心の交友を通じて、人間性・・・というか車性を取り戻し、周りと強調して一緒に生きていくことを学んだライトニング・マックィーンは、拠点を『ラジエタースプリングス』に移します。

昔は一人でやっていたレースも、ラジエタース・プリングスの皆と協力することで勝利を重ね、上手くやっていたと思っていたが、そんなマックイーンに取って気になるのが、クレーン車のメーター。
メーターは注意散漫で、身体はサビだらけで一言で言うとダサい。 マックイーンに取ってメーターは気の合う仲間だし、彼の性格は気に入っているので、ラジエター・スプリングスにいる時は、彼の存在はそれ程気にならない。
何をしでかすかわからない危なっかしさは有るが、マックイーンはその部分も含め的にっているので、彼と遊んだり話たりする事は楽しく、街では問題なく過ごしている。

しかし、レース会場や前夜祭の席では、事情が変わってくる。
周りはスタイリッシュな車ばかりだし、出席している全員が場をわきまえている。

だがメーターは、ラジエタース・プリングスにいる時と同じ振る舞いをし、その場に合わせた振る舞いが出来ない。
身体もサビだらけで、とても格好が良いともいえず、振る舞いと合わせて笑いものになっている。
マックィーンはメーターを気に入ってはいるが、場をわきまえた態度をとって欲しいというが、メーターにはそれが理解できない。

その後トラブルが有り、マックイーンはメーターと喧嘩をしてしまい、メーターはレースの途中でラジエタースプリングスに帰ることに… なったはずが、犯罪者組織とスパイのゴタゴタに巻き込まれ、メーター自身がスパイだと思われてしまう。
犯罪者組織からは追われ、スパイからは仲間だと思われる。 メーターは自分がスパイではないことを必死に説得するけれども、素性を隠すのがスパイという事で、彼の言っている真実は巧妙な嘘だと思われて、凄腕のエージェントと勘違いされてしまう。
そのメーターに、事件に関わる様々な質問をされるが、メーターはレッカー車ということで車や部品の知識に長けていて本業のスパイを圧倒しているので、その質問に答えられてしまい、ますます誤解が解けない。

最終的にはメーターが機転を利かして事件を解決。 マックイーンとも再開して仲直りするというストーリー…

簡単な感想

この物語のメッセージとしては、普段、他人に迷惑をかける様な性格の人間だったとしても、状況が変われば、頼もしい仲間へと変貌するという話なんでしょう。
個性を大切にするというのでしょうか。 場の空気を考えないであるとか落ち着きが無いという行為は社会性がない行為と思われて、社会によって強制されがちです。
しかしこの物語では、その性格も環境によっては有利になるし武器にもなるという話で、同じピクサーでいうところの『ファインディング・ドリー』に通ずる話のように思われます。

物語にはメッセージ性が込められていて、その物語も、今のようにダイバーシティが叫ばれている世の中では大切なものだとは思いますが…
正直いうと、この話はカーズじゃなくても良かったような気がします。 今回の主役は完全にメーターで、ライトニング・マックィーンはちょい役程度しか出てきません。
レースに出場しているマックイーンもメーター意外の住民たちとは上手くやっているので、メーター抜きの方がレースに参加する上ではスムーズな感じだったのでしょう。

所々でマックイーンが、『少し言い過ぎたかな…』と寂しそうな顔をしますが、場を乱さないメーターがいなくてレース自体はスムーズに行き過ぎているので、彼が抜けた痛さというのもそれ程、感じられない。
物語はレースを通じての進むわけではなく、メインの物語がメーターが絡むスパイ物になっている為、『カーズ2』じゃなくてスピンオフでやれよって感じも少ししました。

散々な書きようですが、一つの作品として面白いのか面白くないのかでいえば、面白い作品です。
ただ、この作品を飛ばしたとしても、最終作品である『クロスロード』には何の問題もないので、全体としてのストーリーを置いたいだけの人は、飛ばしても問題ない作品でしょう。

カーズ クロスロードの簡単なあらすじ

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いつものようにレースに出場し、優勝を掻っ攫っていく主人公のライトニング・マックィーン。
勝負一筋で、勝利意外は目もくれないという感じではなく、ライバルたちと無駄口をたたきながら仲良さそうにトップ争いをするも、見たこともない新人にライバルと共にごぼう抜きされるマックイーン達。
速さの秘密を探ってみると、単純なテクニックなどではなく、スピードを出すために計算されつくされた設計によって生み出された新世代の車で、どう考えても旧世代のマックイーン達にはかなわない事が分かってくる。

しかし、諦めの悪いマックイーンは自分が時代遅れだということを認められずに、『自分はまだやれる!』と新人たちに勝つためのトレーニングを行おうとする。
だが、最新のトレーニングにはカネがかかる・・・ ラジエタースプリングスの皆とスポンサーを交えて話し合った結果、皆が、マックイーンの『まだ頑張りたい。』という意見を尊重し、応援。
スポンサーから、『設備が用意できたから、この場所に来て!』と言われたところに行ってみると、広々とした最新設備が!

そして、感動しているマックイーンの元にスポンサーが訪れる。 マックイーンはお礼とともに、『こんな設備どうしたんですか?』と聴いた所、スポンサーは、経営している会社ごと新たなスポンサーに売却したことを告げる。
自分たちはもう歳だとして、次の世代に全てを託したのでした。 そして新たに始まる新生活。 気を取り直してトレーニングをしようとするも、自分ひとりではやらせてもらえず、自分よりも遥かに若いトレーナーを付けられる。
そのトレーナーはマックイーンのファンだというが、マックイーンの扱いがどう見てもお爺ちゃん…

昔のマックイーンならブチ切れていたところだが、カーズ1作目で協調性を学んだマックイーンは、渋々、若いトレーナーの指示に従うも、あまりのお爺ちゃん的な扱いについにブチ切れて、自分でトレーニングをやると言い出す。
だが、新たなスポンサーは、マックイーンがレースで負けることで商品価値が下がることを気にして、マックイーンの意見を聞かない。 そこで、『負けたら何でも言うことを聞くから、最後のチャンスをくれ』とお願い。
マックイーンは負けると思っていたスポンサーは、これを承諾。 しかし、トレーニングにはトレーナーを連れて行けと条件を出し、マックイーンとトレーナーのクルーズとのトレーニングの日々が始まる。

クロスロードの感想

この物語を一言で表すのであれば、『世代交代』になるでしょう。

カーズの1作目が、キングというチャンピョンの時代からライトニング・マックィーンの新時代へと突入したのに対し、クロスロードでは、マックイーンが過去の人として扱われていく作品です。
新しい技術によって、どれだけテクニックがあっても理論的に勝てなくなり、レースに出ても醜態を晒してしまう…
自分では、もっと上手く出来る気でいるのにも関わらず、体の方がついていかない。

精神力を奮い立たせて頑張れば頑張るほどに、『性能不足』という現実を突きつけられる。
諦めかけるも、性能で駄目ならそれ以外でと、1作目で師匠的な役割で登場したドッグハドソンと縁のある先輩たちの知恵を借りに行く。

ライバル的な存在がいた方が張り合いがあるからと、クルーズと共にトレーニングを頑張るマックイーン。
出された課題を徐々にこなしていき、最期は、ハンデを付けたクルーズに3週で追いつくという課題のみとなり、最終日にそれを実現しかけて最期に一瞬抜くも、クルーズに再び抜き返される。

その時に、マックイーンの心の中に何かが折れたのか、それとも吹っ切れたのか、マックイーンは最期のレースで、クルーズにバトンタッチする。
この部分の演出は、正直、涙なくしては観れませんでした。。

1作目で、あれほど傲慢だったマックイーンが、最終作では、自分の性能不足を認めた上で、今まで一緒にトレーニングしてきたクルーズの才能を見出す。
そして、新世代の車であるクルーズに晴れ舞台を用意してやる。

マックイーンの精神的な成長もそうですが、時代の入れ替わりという、あるものから観れば悲しい出来事だが、別の観点から観ると新たな門出となる出来事がきれいに描かれていて、感動してしまいました。
というか、映像を思い出しながらこれを書いている現在も、思い出し泣きをしてしまいそうです。

この『カーズ』という作品。 シリーズ通して観てみて思ったのが、『これ、ロッキーやん!』ってこと。
1作目のレースでは負けたものの、その負け方が評価されて物凄く名前を売ることに成功し、2作目では、連戦連勝で勢いに乗るも、身内兼、親友とトラブったり仲直りしたりして精神的に成長し…
最終作では、敵が最先端のテクノロジーを駆使したトレーニングを行う一方で、マックイーンは泥だらけになりながら伝統的な方法でトレーニングを行い、最終的には、自分は伝説的なレーシングカーという状態を維持しつつも、自分自身の限界を悟って後継者を育てる。。

唯一の違いは、ロッキーは育てた後継者に裏切られますが、カーズではそれがないことぐらい。だからこそ、子供でも観やすい作品に仕上がってるといえるかもしれません。
だからといって子供向けということではなく、引退云々や自分の限界といった部分では、大人だからこそ胸を打たれて感動できるシーンだと思います。

私個人の感想としては、できるだけ多くの人に見て欲しいシリーズではありますが、時間がないという人は、『1』と『クロスロード』だけでも良いので、是非、観てもらいたいですね。