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とある魔術の禁書目録Ⅲを観る前に知っておきたいこと (前編)

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今期(2018年秋)から、『とある魔術の禁書目録 Ⅲ』がオンエアーされることになりました。
私は、原作のラノベは読んでませんが、アニメの方は全部観ていたので、さっそく『Ⅲ』を観てみたのですが… 全くと行っていいほど、内容が理解できませんでした。
というのも、前作の『Ⅱ』が放映されてからかなりの年月が経っていたので、内容の方を忘れてしまっていたのです。 そこで観るのを止めても良かったのですが、世界観などが好きだった記憶が有るので、見逃すのはもったいないということで、もう一度、最初から見直してみました。


という事で今回は、私のように前作までの話を忘れてしまっている方の為に、『とある魔術の禁書目録 Ⅲ』を観る前に知っておきたい事をまとめてみようと思います。
当然ですが、過去作の話は全てネタバレ前回で行いますので、アニメや原作で追いかけたいという方は、読まずにそちらを観ることをお勧めします。

これまでに放映されているシリーズ作品

一応、これまでに放映されている作品を書いておくと
とある魔術の禁書目録
とある科学の超電磁砲
とある魔術の禁書目録 Ⅱ』
とある科学の超電磁砲 S』
それに加えて劇場版が存在します。 放映された順は、先程書いた順番のようですが、物語の時系列としては、放映順にはなってい無かったりします。
では、時系列順に並び替えてみればよいのかというとそうでもなく、放映順に観ないと出てくる専門用語が分からなかったりします。 また、禁書目録(インデックス)と超電磁砲(レールガン)とでは、主人公そのものも違ったりします。

園都

この物語の舞台となるのは、基本的には『学園都市』と呼ばれる、最新の科学技術を詰め込んで作られた街です。
その技術力は凄まじく、学園都市の中と外では20~30年ぐらいの技術の差があるのではないかと言われている程に進んでいたりします。科学サイドの象徴的な街で、あらゆる最先端の科学情報は学園都市で生まれます。

また、普通の科学技術の開発だけでなく、人間の脳を研究・開発することによる超能力開発が活発に行われている。というかむしろ、こちらの方がメインだったりします。
超能力は、研究による利益の高さによってランク付けされており、レベル0~最高位のレベル5に分類されている。 ちなみにレベル5は7人しか居ない。
園都市では超能力の研究開発が行われ、その実験の協力という形で学生が実験に付き合うため、レベルによって都市からお金が支払われていたりする為、高レベル者は金持ちで低レベル者は貧乏だったりします。

ちなみにですが、この街での超能力は、生まれつき授かるものではなく、科学によって開発するものなので、レベル1だった人間が、努力と根性でレベル5にもなれたりする。
そんな状態であるため、低レベル者、特にレベル0に対して軽蔑する人間も少なくなく、低レベル者を遊び半分で狩る様な人間も居たりする。
その様な差別を受け入れられない人間は、群れることで自衛。中には、人数に物をいわせて反撃し、逆に能力者を狩る物もでてきたりしている。その様な人たちのことを、スキルアウトという。

この学園都市ですが、『学園』という名前が示す通り、学生がメインの街であり、人口の8割は学生だったりします。大半の仕事がオートメーション化されている為、街を回す為の人員は最低限で良いということなのかもしれません。
この街の治安ですが、警察ではなく、アンチスキルとジャッジメントと呼ばれる組織が担っているようです。
どちらも志願制のボランティアの様ですが、ジャッジメントは大人で更生されていて、銃火器などの武器や兵器の仕様も許されていたりします。
一方でジャッジメント(風紀委員)は、能力者の学生で構成されていて、街のちょっとしたトラブルを解決するお巡りさんの様な感じ。

上条当麻

この物語の主人公は、上条当麻という学園都市に住む高校生。
困っている人は絶対に見捨てることが出来ないという性格の持ち主の為、いろんなトラブルに自身から突っ込んでいく。 この考えは徹底していて、例え敵であったとしても、犯行に及ぶ理由が正当なもので、『そうせざるをえない』状況に追い込まれての犯行なら、その境遇に同情して助けようとする程のお人好し。
そんな熱い人間だからか、上条当麻に関わった人間は、色んな意味で影響を受けることになリ、行動や思考が変わったりする。
そんな性格にプラスして、元々持っている不幸体質が重なって、常にトラブルにみまわれていたりする。

トラブルに巻き込まれる、または積極的に飛び込み、自分の命をかけてトラブルを解決して人を救い出す為、事件が起こるたびに、上条当麻は誰かの命の恩人になったり、返せそうにない程の貸しを作ることになる。その為、ストーリーが進むに連れて、上条当麻の人脈はどんどん広がっていくことになる。
ちなみに、トラブルの解決方法は、犯行を起こした犯人の前で演説をして右手でぶん殴る事。 例え、相手が女子供であろうとも、解決方法は同じ。 男女平等。

上条当麻はレベル0の無能力者という事になっているが、幻想殺しイマジンブレイカー)という特殊能力を持っている。イマジンブレイカーは、異能の力であれば全てを打ち消すことが出来るという能力。
その上条当麻が、布団を干すために自身の家のベランダの扉を開けたところ、そこで行き倒れている白い修道服を着た銀髪の少女を見つけるところから、この物語は始まります。
行き倒れになっていて少女は、インデックスと呼ばれる10万3000冊の禁書目録を丸暗記した、絶対記憶を持つ少女で、悪い魔術師に追われていることを上条に告げる。

科学サイドの都市で育った上条は、魔術の存在を最初は全く信じていなかったが、実際にインデックスが襲撃され、彼女を追うステイル=マグヌスという魔術師と交戦したことで、彼女の話を信じて守ることを決意する。
しかし、敵である魔術師の話を聴いてみると、彼らとインデックスは、同じ組織である必要悪の教会(ネセサリウス)の仲間同士で、彼らはインデックスを助けるために行動していたことを知らされる。というのも、インデックスは10万3000冊を丸暗記したことで脳の容量の85%を使用しており、残りの容量の15%では1年間の記憶しか貯め込むことが出来ず、それ以上詰め込むと脳がパンクして死んでしまうから。助ける方法は、彼女から1年分の記憶を消去することしか無いと告げられる。
迷った挙げく、インデックスを助けるために、彼女を彼らに預け、記憶を消去する準備を進めるが、どうも納得がいかない上条当麻。 絶対記憶を持っているからといって、1年間の記憶だけで15%も使うのか?と疑問に持ち、教会側が魔導書を記憶しているインデックスを手放さない為に、何らかの細工をしているのではないかと思い、インデックスに対してイマジンブレイカーを使う。

上条当麻の憶測どおり、教会側が魔導書を守るためにインデックスに魔術で防壁を施しており、その魔術によってインデックスの脳が圧迫されている。もしくは、1年毎に防壁をかけ直さなければならない状態にされていただけで、記憶がパンクする云々は関係がなかったことがわかる。
上条は、イマジンブレイカーを使ってインデックスに施されていた魔術による防壁を無効化するが、それがきっかけで攻性防壁が発動。 インデックスは聖ジョージの聖域が展開し、その聖域から放たれるドラゴンブレスで上条達を迎撃する。
『インデックスは魔術が使えない』と教会側から教えられていたネセサリウスの同僚2人は、教会側に嘘を教えられていた事に気が付き、上条に協力する形で、インデックスを制圧しようとする。
その際、インデックスを仰向けに倒すことになるが、インデックスが放っていたドラゴンブレスの軌道も上方へとずれる形になリ、インデックスの遥か上空に偶然あった衛生『おりひめ1号』を破壊することになる。

ちなみに『おりひめ1号』には、樹形図(ツリーダイアグラム) と呼ばれる、技術的に今後25年は追い抜かれる事が無いといわれているスーパーコンピュータが積まれていた。
ツリーダイアグラムがどれ位凄いのかというと、月に1度だけ地球を観測するだけで、地上の空気の分子の全ての動きを完全に観測し、一ヶ月間の天気予報…というより予言を行う。これが壊れたことで、学園都市の計画に結構な影響が出ることになる。

話を上条当麻に戻すと、ネセサリウスの魔術師二人と協力して、教会の魔術からインデックスを救い出すことに成功した上条だが、インデックスが放ったドラゴンブレスの余波を食らって、脳細胞が物理的に破壊されてしまい、記憶喪失となってしまう。
しかし、その事実をインデックスが知って悲しい顔をしたことに耐えられず、実際には記憶喪失だが、記憶喪失のフリをしてからかったと嘘を付き、以降、記憶喪失を隠しながら生きて行くこととなる。

この事件後、インデックスが所属するイギリス清教は、全てを穏便に済ませる為に、ネセサリウスのメンバーの処分も行わず、インデックスの保護を上条当麻に一任する事になる。
以降、上条当麻は、10万3000冊の禁書を完全記憶している重要機密を預かっている状況と、イマジンブレイカーの存在をイギリス清教に知られた事で、様々なトラブルに巻き込まれていくことになる。

超能力と魔術

先程も書きましたが、この作品に出てくる超能力は、脳の開発によって科学的に起こすものなので、学校で授業を受ければ誰でも能力開発が可能な能力だったりします。
その超能力の源となっているのは、パーソナルリアリティーと呼ばれる『自分が観測する世界』の原理。 その原理を、現実の世界に割り込ませることで、他者から見ると異能に見える力を発現することが出来る。
あくまでも、他人から見れば異能なだけで、本人にとっては理屈が通っている常識だったりする。 このパーソナルリアリティーは、現実世界の法則によって強化することが出来るので、本人の努力次第でレベルアップが可能だったりする。
例えば、電流を操作するというのは、それ単体では弱い能力だが、現実世界での電気の振る舞いを勉強することによって、効果範囲が広がる事になる。 電流によって磁力が発生することを勉強によって知れば、電流操作によって磁力操作が可能になるし、機械系統の電気の流れを熟知すれば、ハッキングが可能になったりする。

一方で魔術は、神を中心として作られた世界観を信じ切ることにより、その世界観で生み出された奇跡を発動することが可能になる。
特定の世界観の中で培われてきた作法や手順に則って儀式を行う事により、どんな人間でも異能の力を発動することが出来るが、逆にいうと、魔術というのは既に作られて受け継がれてきた世界観を信じきれる人間にしか使うことが出来ない。
パーソナルリアリティーという、各個人が観測した現実をそれぞれが信じる科学サイドの超能力者は、パーソナルリアリティーと宗教の世界観との間に矛盾が生まれるからか、魔術を使おうとすると体が破壊されてしまう。

科学サイドと魔術サイドは、相容れない性質の為か、交流などはなく、互いに敵視している状態だが、物語当初は、均衡状態が保たれていたからか、表立った戦闘行為などは行われておらず、冷戦状態を維持している。

基本的なストーリー

この物語は、1本の筋の通ったストーリーが続いていくというよりも、学園都市内で起こる事件やトラブルを通して、学園都市という舞台そのものの秘密が明らかになっていくという作りになっています。
とはいっても、全くの無関係の事件やトラブルだけが起こっているわけでもなく、特定の事件が起こったので、別のトラブルが誘発されるという事も起こっている。
この様な作りになっている為、単純にストーリーだけを追うのであれば、トラブルによってトラブルが連鎖的に誘発されているものだけを追いかけていくだけで、大体の話は理解が出来たりもします。

では、どんな事件を抑えておけば良いのかを、これから書いていくわけですが… 基本的な事を抑えるだけで、既に文字数が結構な量になってしまったので、続きは次回に書いていきます。
(つづく)
kimniy8.hatenablog.com