だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

共産主義についての誤解

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タイトルが『共産主義についての誤解』となっていますが、これを読んでいる皆さんがというよりも、これを書いている私自身が誤解していました。
誤解が解ける原因となったのは、とある動画を観たからです。
その動画は、こちら。



この動画を観るまでは、私は共産主義社会主義が混同していました。
その為か、私自身の考えも、上手くまとまっていなかったんですよね。

私の他にも、共産主義社会主義を混同している方は、結構、いらっしゃるのではないでしょうか。

動画を面倒くさくて観てないという方の為にも、動画の内容を簡単に説明しましょう。

皿に盛られた餅があるとします。
これを、【資本主義】【社会主義】【共産主義】のそれぞれの場合で、餅の分配方法を考えていきます。

10個の餅を10人で分けるとして、餅をお金で購入するのが、資本主義です。
大金持ちであれば、10個のうち7個独占することも可能かもしれません。
その一方で、お金がなければ持ちを手に入れる事が出来ないのが、資本主義。(この部分は動画での説明はないので、私が勝手に付け加えています。)

では社会主義はどうかというと、10個の餅を10人で分ける場合、大きな権力を持つ人が『一人1個づつだからね!』と決めて、それに従うのが社会主義です。
全員に餅は行き渡りますが、餅の分配方法を決める権力者の権限は、非常に大きくなります。

最期に共産主義はどうなのかというと、完全な平等を目指します。
資本主義と社会主義の場合は、更に盛られていた10個の餅を10人で分配するルールの決め方の違いでした。
社会主義の方が資本主義に比べると平等といえますが、体格差や食欲を考慮すると、一人1個というのは完全な平等では有りません。
そこで共産主義は、10人の人間が食べたいだけの餅を用意するという環境を作ります。
皆が『○個食べたい』と主張し、その合計の数以上の餅が存在すれば、そこには争いも存在しませんし、全員が満たされますよね。

『分け合う』のではなく、皆が『欲しいだけ得る』ので、分配方法を決めるルールもないし、ルールを強制するための権力や機関も必要ありません。
つまり共産主義とは、無政府主義とも言えるわけです。

でも、ここで一つの疑問が湧いてくると思います。

共産主義だけ前提が変わるのって、セコくない?』

確かに、その通りです。
皆が欲しがるものを欲しい数だけ揃えられるのであれば、それに越したことは有りません。
明日食べるものがないと言って、犯罪に走るものも居ませんし、争いも起こらないでしょう。
心の平和が実現できそうです。

おそらく多くの人が、こんな条件を整えることが出来るのであれば、共産主義の方が良いに決まっていると思われるでしょう。

逆の言い方をすれば、過去の世界から今までの間に、『全ての人が欲しいだけ得られる状態』というのを実行できた国は無いので、本当の意味での共産主義を実行できた国は存在しないということです。

共産主義を掲げ、資本主義と共産主義との争いで多くの血が流れましたが、そもそも、その共産圏の経済は、共産主義の条件を満たせていません。
『労働者の解放』を掲げて行動をしておきながら、実際には、搾取側が資本家から国に変わっただけ。
労働者の環境改善にもつながりませんでした。
またその一方で、全員公務員ということで競争力が無くなり、生産性が落ちて、ますます『民が欲しい量の物資』を作ることが出来なくなり、共産主義からはどんどん離れていってしまいました。
その結果、少ない物資を分配する必要が出てきて、結果としては権力者の力が非常に大きくなり、『社会主義』になってしまったということでしょう。

では、社会主義が悪いのでしょうか。
私は飲み屋などで政治の話が出た際に、左翼っぽい主張をする事が多いのですが、その際に多くの人が、『ソビエトも潰れたし、中国も方向転換しただろ!』と言われます。
確かに、分かりやすい例を出すと、そうかもしれませんね。

しかし、この様な反対論を主張して『ドヤ顔』する人の多くは、『イギリスをはじめとするヨーロッパは、社会主義ですよ。』というと、困惑するんですよね。

イギリスなどは『揺り籠から墓場まで』と云われる程に社会保障が充実している一方で、現役世代には高い税金が請求されます。
働いてお金を得ている層から大量の税金をとって、それを、働けない世代に再分配するという方式をとっているので、民主社会主義なんです。
平等という思想が間違っていたから、上手くいかなかったわけではないんです。

では、過去に潰れたり上手く行かなかった国は、何が駄目だったのか。
これは、権力を持つ機関の腐敗や、リーダーの素質がない人間が独裁者になるなど、別の要因で潰れているだけなんですよね。
別に、平等という思想が悪いわけではなく、運用する側に問題があったというだけでしょう。

国の運営者が無能であれば、資本主義でも国は崩壊します。

で、この共産主義の本当の意味を理解した上で私が思うことは、本当の意味での共産主義を実現する事が、人の幸福に繋がるのではないかということです。
この言葉だけを聞くと、かなりヤバそうな感じになってしまってるでしょうが、その誤解を解くための主張をするのは、また次回に。