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【ゲーム感想】 アサシンクリード 4

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今回は、アサシンクリード4の感想を書いていきます。
ネタバレ要素も含むので、まだプレイしていない方は注意してください。



   


このゲームは、アサシンクリードシリーズのナンバリングの最後の作品。
時代的には、海賊の黄金時代。
アサクリシリーズ的な流れで見れば、3の冒頭に出てきたヘイザム・ケンウェイの父親の物語です。

過去のシリーズでは、ゲームの序盤でアサシンに成り、闇の世界から歴史を見ていくというストーリー。
しかしこの物語では、最期までアサシンになる事はありません。
そういった意味では、シリーズの中でも異色のストーリーとなっていますね。

物語は、主人公のヘイザム・ケンウェイが私掠船の乗組員として働いているところに、敵から襲撃を受け、載っていた船が沈没するところから始まります。
私掠船というのは、簡単にいえば海賊船ですね。
例えば、イギリスとフランスが戦争していた場合、イギリスの輸送船などを襲ってくれる民間の船というのは、戦況を優位に進める都合の良い存在ですよね。
本来であれば、船から物資を強奪するのは犯罪ですが、敵国の船を襲ってくれる分には都合が良いので、政府が見逃している状態。
敵から見れば海賊ですが、味方側からみれば傭兵的な存在が、私掠船の様です。

このゲームの舞台となっている1700年代前半は、私掠船で下積みをしてノウハウを覚えて、独立して船長になるというのが、サクセス・ストーリーの一つだったようです。
大海賊時代というのでしょうかね。

その私掠船の乗組員のエドワードが、何故アサシンと関わることになったのかというと、沈没した際に偶然近くにあった島に避難し、同じ様に避難してきたアサシンが金目の物を持っていそうという理由で襲ったことが原因です。
まぁ、はっきり言ってしまうとクズですね。
アサシンとの戦闘の後、身ぐるみを剥がして自分がアサシンになりすまし、アサシンが持っていた手紙や資料を持って行った先が、アサシンの宿敵であるテンプル騎士団だったというところから、物語は始まります。

最初は金になると思って潜入したテンプル騎士団ですが、自分が想像していたよりは稼ぎが少ないということで、あっさり裏切る。
この辺りも、やっぱりクズ。

…と、序盤から主人公のクズっぷりを見せつけられるわけです。
ゲームを進めていくと、過去の回想シーンなどが挟まり、エドワードの妻との会話も出てきます。
そこで出てくる会話も、見事なまでのクズ。
妻が探してきてくれた農場の仕事も直ぐに辞め、『俺はもっとビッグに成れるはずの人間だ!』と夢ばかりを語り、殆ど仕事をしない典型的DQNニート

唯一の取り柄といえば、私掠船時代に知り合った仲間たちが独立し、それぞれ海賊を率いていてビッグになっていること。
そのメンバーの中には、通称 『黒ひげ』のサッチもいます。
それらのメンバーの助力も有り、次第に海賊としては成長していきますが、言動は相変わらず、自己中心的なもの。
仲間も存在はしていますが、成り行き上『命の恩人』になった人達なので、一緒にはいるけれども…というかんじです。


通常であれば感情移入なんて出来ないような、そんなニート
ですが、数々の経験・自分の軽率な行動で起こった悲劇・仲間から見放されるといった経験を積むことで、徐々に一人前の男に成長していくんですね。
プレイしている時は解りませんでしたが、後になって考えると、中二病を患っているような思春期の少年が、時を経て様々な経験を積むことで、大人になるって事を表現したかったのかもしれませんね。

かなりネタバレに成りますが、エンディングのスタッフロール後のオペラハウスの映像も、シリーズを通して遊んでいる身としては良かったですね。
というのも、エドワードの子供であるヘイザムが主人公の1人として登場するアサクリ3ですが、冒頭シーンはオペラハウスから始まります。
そこでヘイザムは、『劇場には何度か訪れたが、最期まで見たことは一度もない』と発言するんですよね。

そして、4のラスト。
エドワードが、前の妻との間に生まれた娘と、再婚後に生まれたヘイザムを連れてオペラハウスで劇が始まるのを待つというシーンなのですが…
先程のセリフを思い返すと、その後に何が起こったのかを考えるだけで、いろんなことが想像できて楽しめますね。


ゲームとしては、3で少しだけ実装された海戦が更に自由度を増しました。
今までは町中を自由に駆け回るだけだったゲームに、海という要素が加わったことになりますね。
このゲームの楽しみの一つである、『その当時の雰囲気を感じる』という面では、非常に良い感じですね。




レディーリバティーで新たい加わった海底遺跡の探索も、据え置き機のクオリティーで復活。
海での行動が増えたことで、水の表現も更に向上。
4発売時点では、シリーズ中でもトップレベルの表現となっていますね。
海での公開中、高波が壁のように迫ってくるシーンなどは、かなり臨場感がありますね。

唯一の不満としては、現実パートのデズモンドが、物語から完全に外れてしまったことですね。
現実パート的には、後日談という感じになってしまいました。
まぁ、他のメンバーの姿が見れたのは、良い点でしたけれどもね。

総合的にみて、値段に見合った内容で、満足した作品でした。