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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【映画】 酔拳とワンチャイの共通点

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ここ最近、昔の映画を見ることが多くなってきたからか、子供の頃に観た映画の記憶が蘇ってきました。
私が子供の頃は、ジャッキー・チェン全盛期だったせいか、少し夜更かしをすると、地上波でジャッキー・チェンの○○拳シリーズがやっていました。

このシリーズは、ジャッキー・チェンと師匠と敵の3人がメインで登場し、基本的な流れとしては、ジャッキー・チェンが敵を倒すために特訓を受けて、最終的に倒すというもの。
特訓を受けて修得する拳法が、コミカルな動きを含む独特の動きのものが多く、思わず【すごいよマサルさん】のセクシーコマンドーを思い出してしまう。

蛇拳・笑拳と数多くのシリーズ物となっているのだが、その中でも一番印象に残っているのが酔拳




呑めば呑む程強くなる為、闘いながらも隙を見ては酒を呑む。
酔う事で更にトリッキーな動きとなり、自身の痛みも消え、力も増すという不思議武術。
それが酔拳

酔拳のエピソードである【ドランクモンキー 酔拳】ですが、ジャッキー・チェンは実在する人物を演じています。
その人物の名は、ウォン・フェイホン
中国近代史上で最大の英雄とされる人物だったりします。

しかしこの作品では、酔拳という武術がメインである為、キャラクターを掘り下げるということは余り行われていません。
その為、元ネタ他の人物を知らない人が意外と多かったりします。


しかしこの英雄ウォン・フェイホンの名は、別の作品によって広く世に知られることになります。
その作品が、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ



ツイ・ハーク監督で主演がリー・リンチェイジェット・リー)で作られたこの作品は、先程紹介した酔拳とは違い、人物を掘り下げる作りとなっています。
しかし、エンターテイメントという事で、少し過剰に英雄化されたウォン・フェイホン
船の上で戦う事を想定して手技中心に作られた南派少林拳を習得しているのですが、手技中心の武術にもかかわらず、足技が得意で、ついたあだ名が無影脚。
さらに職業は医者で、人を治す事も壊す事もできるというチートキャラ。
この英雄を、リー・リンチェイが見事に演じます。

また取っ付きにくい歴史物を、コメディータッチで表現することにより、間口が広がったことも有り、結構人気のコンテンツとなりました。
どれほど人気になったかというと、映画の世界を飛び越えて、SNKのゲームキャラになってしまう程。




面白いのはここから。
この後、最初に酔拳ウォン・フェイホンを演じたジャッキー・チェンは、酔拳2を撮ることになるのですが…
明らかにリー・リンチェイ演じるウォン・フェイホンの人物像にかなり影響を受けています。



ジャッキー・チェン風にはアレンジされていますが、衣装や仕草などは確実にリー・リンチェイ演じるウォン・フェイホン
しかも、前回に比べてストーリー重視となっている為、ジャッキーが演じるキャラクターがウォン・フェイホンだと印象付ける作品に仕上がってます。
この作品によって、ウォン・フェイホン酔拳という印象が強まったからか、面白い現象が起こります。


ワンチャイシリーズでウォン・フェイホンを演じているリー・リンチェイも、酔拳を使うように。




影響を受けてコンテンツを作ったら、そのコンテンツに影響を受けて更にコンテンツが作られた。
バンビを観て感動した手塚治虫さんが、自分のアニメ作品としてジャングル大帝を作ったら、それに影響を受けてライオンキングが誕生する様なもんです。
この関係性が非常に面白い。

しかも、両者が喧嘩するのではなく、楽しんで作っている感じが良いですよね。
私は映画に詳しい方では有りませんが、この様な関係性の作品は結構あったりするんでしょうね。