【下鴨神社の境内にマンション建設】報道からわかるマスコミの姿勢
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ここ最近、ニュース番組やワイドショーで、下鴨神社の境内にマンションが立つと話題だ。
下鴨神社といえば世界遺産で、葵祭等にも使われる、京都でも有名な神社ですが、その神社内にマンションが立つと騒ぎ立てている。
下鴨神社内には糺の森といわれる原生林が有り、境内内に建てるとなれば、その森の木々を切り倒してスペースを開け無くてはならない。
これが本当であれば、大きく景観が変わってしまう為、一大事である。
しかし結果からいうと、大して問題でも無い事を大げさに膨らませ、煙のない所に煙を立てるマスコミの体質が良くわかった出来事だと分かりました。
下鴨神社に行った方ならわかりますが、神社内は鳥居をくぐると、参道の両端が森の様になっています。
この森は、マスコミによると平安時代からの原生林を守り続けた森らしく、下鴨神社自身も客を呼び寄せる為の材料として使っています。
しかし、下鴨神社の境内の中には参道と両端の森、そして本殿が有るだけ。
マンションを建てる程の土地を確保する為には、東西のどちらかの森の木々を切り崩して更地を作らなければならない。
では東西のどちらを切りくずのか。
東の森は本当に待ちの中に突如現れる自然という感じ。
川も流れ、夏にはホタルも現れるようなところなので、潰してしまうには余りにも勿体無い。
その一方で西側は、気は少なく、舗装されていない道のようなもの。
ではこちらでスペースを確保すればよいのかといえば、そうは問屋が卸さない。
というのも、こちらの木々が少ないスペースでは、毎年五月に流鏑馬が行われている。
また、定期的に古本市なども開催されていたりする。
『古本ぐらい、古本市場やブックオフで買えばいいだろう!』という意見も有るが、それは行ったことがない人の意見。
実際に行くと、置いてある本の種類が全く違い、ただの中古の本ではなく、時代物の本などが売られていたりするんです。
つまり、地元民としては両方守って欲しいスペースなのですが、どちらかを潰さなければ、スペース的に建てることは出来ない。
では境内に建てるとはどういうことなのかと興味を持ってみていたのだが…
一向にどの部分に建てるのかということを言わない。
かなり不思議で胡散臭い感じがしてきました。
話は少し変わりますが、京都では同じ様なニュースが前にも有りました。
御所の近くにある神社で、建物の建て替えなどが出来ない為、収入源確保という名目で、敷地内にマンションを建てるという話。
この時も問題視され、大きく報道。
神社の組合的なものからも反対された結果、問題となった神社は組合を抜けて、自分の判断で建てたそうです。
京都ではこういった揉め事が多く、京都ホテルが建設された時や京都駅が建設された時等も問題が勃発。
市と神社仏閣側の代表が話しあった結果、最終的に合意案が出されて建築されたという事もあります。
では今回の件について、文句を言っている人が居るのかといえば、実はいない。
マスコミだけが騒ぎ立てている状況です。
何故なんだ?と疑問に思っていた所、やっとその理由が分かりました。
この地図を観て下さい。
これはグーグルマップから抜き出した地図に、私が加工したものですが、赤い部分がマンション建設予定地です。
見てもらえば一目瞭然ですが、下鴨神社入り口から通りを一本挟んだ向かい側のスペースに建てるだけ。
しかもこの場所は、森でも何でも無く、今現在駐車場と駐輪場として使われている場所。
少し奥に、現在は使われていないコンクリート製の武道館が有りますが、ここも取り壊して用地として使うようです。
そりゃ、誰も反対しませんよね。
だって、神社の境内じゃなくて、下鴨神社が所有する、隣接する土地に建てるだけなんですから。
ちなみにこの下鴨神社の前にあるとおりですが、この通り沿いには、産婦人科の病院や喫茶店、ガソリンスタンドなどが立ち並ぶ商業地です。
景観も何もあったものじゃありません。
また、直ぐ西にある通りは下鴨本通という片道2車線の京都の中では結構な大通りで、交通量も多く、高いビル(京都の中では)も建ってます。
マンションが完成し、もし不動産会社が『下鴨神社の境内の中にあるマンションで優雅な暮らしをしてみませんか?』といった広告を出し、現地に行かずに宣伝文句だけを聴いて購入した場合。
購入者は、現地に行って愕然とし、その気持はいずれ怒りに変わり、詐欺だと言って出る所に出るでしょう。
この件から分かることは、マスコミは、問題も何もない所からニュースを作り出すものなんです。
事件がなければ、綺麗な海に潜り、サンゴ礁に【KY】と彫って写真を取り、その写真を掲載する。
そして大げさなタイトルを付けて、注目を引き、『環境問題とは』と大層な持論を述べる。
世間ではテレビ離れ等といわれていますが、その原因は、客が離れる様な報道しかしない、テレビ側にあるのではないでしょうか。