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【ゲーム ネタバレ感想・考察】 HEAVY RAIN ~心の軋むとき

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この投稿は、ゲーム『ヘビーレイン』をプレイしてのネタバレ感想です。

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まだプレイしておられない方は、注意してください。

物語の始まり

ゲームが始まると、優男風のイケメン、イーサンの操作を迫られることになる。
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最初ということで、チュートリアル的なものも含んでいるんでしょう。
髭をそったりシャーワーを浴びたりと言った事をさせられ、その後、自宅の仕事場に向かって仕事を済ませる。
しばらくすると、妻や子供が2人の子供と一緒に帰ってくる。 妻の家事の手伝いをしつつ、子供と遊んで…といった感じで、絵に描いたような幸せ家族を体験。

これを書いている私は、まだ、結婚はしていませんが、こういう映像を見せられると、『結婚も良さそうだな…』と、つい、思ってしまう。

その後、日を改めて、家族はショッピングモールに出かける。
妻が兄弟の片方と用事を済ませている間、旦那はもう片方の面倒を見る事になるが、遊びたいざかりの子供なのか、まぁ、親の言うことを聞かない。
そして、『風船が欲しい』なんて言い出すので、仕方なく購入してお金を払っていると、風船を手にした我が子が狂喜乱舞して、何処かに走り去ってしまう…
こういうのを観ると、『やっぱり、子供とかいいか・・・』と思ってしまう。

見事に子供を見失ったイーサンは、必死になって子供を探すが、なかなか見つからない。
先程買った風船を目印に必死に探すと、ショッピングモールを出て道路の方に向かっている。
急いで追いかけて声をかけると、子供が周りを見ずに道路に飛び出すものだから、見事に轢かれてお亡くなりに…

幸せだった夫婦は絶望のどん底に突き落とされて、この事がキッカケで離婚。
『やっぱ、結婚も止めといたほうが良いのかな・・・』なんて事が頭をよぎる。

独身生活

このゲーム、まぁ、よく雨が降る。
ヘビーレインなんて名前なので、常に雨を降らしているのか、それとも、主人公たちの真理を天候で表しているのかはわかりませんが、とにかく、よく雨が降る。

そんな中、イーサンはというと、子供が死んだ事で妻と分かれ、もう一人の子供は心を閉ざし、自分は仕事も手につかずにPTSDを抱えている状態。
まぁ、最愛の子供が亡くなったんだから、そうなるのも仕方がないですよね。

離婚してからは、子供は定期的に父親と母親のところに交互に泊まりに行くという生活をしている模様。
そして旦那のもとに子供が泊まりに来る番が来たらしく、子供を迎えに行って世話をする主人公。 でも、子供は全くしゃべらない。まぁ、目の前で兄弟を亡くしているので、そうなっても仕方のない事なのかもしれない。
そんな状態に痺れを切らしたのか、子供に『公園に行こう』と言って2人で遊びに行く。
一通り遊具で遊んだ後、子供がメリーゴーランドに乗りたいというので、お金を払いに行く主人公。

アメリカの公園て、メリーゴーランドとか有るのね。 日本だと、ボール遊びしただけで怒られるため、公園は黙って座っている場所になってるのに、アメリカは凄いですね

公園にあるからといって、ただで乗れるわけもなく、お金を払いに行くと、そこで主人公の記憶が飛び、誰もいない道路に経っている。
そして、手には、折り紙が握られている。。
何がなんだか分からずに、取り敢えず子供を探すために公園に向かうも、子供の姿はない。これで、イーサンが子供を見失うのは2度目です。
私自身は、結婚もしておらず子供もいないので、我が子を目の前で亡くすという経験をした事がないのでわかりませんが、この演出は、若干、納得がいかない。

折り紙殺人

どうやら、このゲーム内では、折り紙殺人という名の連続殺人事件が起こっているようです。
手口としては、まず、子供が拉致されて、その後、数日で、子供が溺死体で見つかるというもの。
拉致された家族のもとに折り紙が送られるという事で、折り紙殺人と名付けられた事件は、犯人がまだ捕まっておらず、今回のケースも、折り紙殺人なんじゃないかという疑いを主人公が持つ。

2人目の主人公 私立探偵 スコット

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主人公が、我が子を拉致されている一方で、もう一人の主人公である私立探偵のスコットも動き出す。
折り紙殺人事件の遺族に頼まれたという事で、折り紙殺人の手がかりを探すという役割を担っていると思われるスコットは、とにかく、遺族の元に行きまくって情報をかき集める。

とはいっても、被害者家族は家族を殺されている上に、警察の操作も中途半端で犯人も見つからず、その上、犯人が見つかったとしても自分の子供が戻ってくるわけではないということで、操作には協力的ではないが、信頼関係を築きつつ、一生懸命に証拠集めをする。
途中で、聞き込みにで合った被害者遺族の1人の女声とパートナーを組んだりしつつも、捜査はかなり進み、金持ちのボンボンが怪しいという所まで突き止める。
外見がそんなに良いわけでもないスコットなのに、紳士的な態度と、警察も突き止められなかった所まで操作を進めたことで、パートナーの女性もスコットにべた惚れ状態に。

3人目の主人公 FBI捜査官 ノーマン

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私立探偵のスコットが、事件の真相をドンドンと解いていってくれているのに、この役割は必要なのか?と思わせてくれる警察サイドの人物が3人目の主人公ノーマン。
一緒に組む事になった市警察の相棒は、犯人らしき人間を捕まえると拷問にかけてしまうようなダメ人間なのに、警察署長はそいつの方を持つというダメっぷり。
そんな気の荒い相棒なので、とにかく、いたるところでトラブルを起こし続ける。

でも、捜査は進み、イーサンが怪しいんじゃないのかという事になる。
というのも、被害者の旦那は、1人目の子供を眼の前で亡くしてしまった事で、心を病み、カウンセリングに通っている様な精神状態だったからです。
カウンセラーの話によると、子供が溺死する夢に苦しめられているといった感じの相談を受けていたようで、警察も容疑者として扱うようになります。

そういえば、子供がいなくなった時、主人公は何故か、誰もいない道路に立っていて、手に、折り紙を握っていましたよね。自分で拉致して、自分で折り紙を追ったと感が得れば、辻褄は合う。
ここまでで、容疑者は2人。 一人は、金持ちのボンボンで、もうひとりは被害者家族の旦那。
この時点で、プレイしている私も、『やったのは、イーサンじゃないのか?』なんて思わせていましたし、シナリオとしては、かなり、上手く出来ている感じで感心しました。

4人目の主人公 ジャーナリスト マディソン

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ここで、全く関係がなさそうな、女性のジャーナリストのマディソンが主人公になります。
不眠症に悩まされていて、定期的にモーテルに行くなどして環境を変えないと寝れないという事で、モーテルに行くと、1人目の主人公が傷だらけで立っているのを目撃。
何で傷だらけなのかというと、子供が拉致された直後に、郵送で数個の折り紙が送られてきたからです。
その折り紙を解いて紙に戻すと、そこに、『高速道路を逆走しろ』とか『指を切り落とせ』といった感じの司令が入っていて、それをクリアーすると、今現在の子供の様子が記録された動画と、暗号的な数字が報酬として得られるからです。

イーサンは、その司令をクリアーする度に傷だらけになっていたというわけです。
その様子を見たマディソンは、警察に通報することもなく、献身的に介護をする。 何かは分からないけれども、命をかけて一生懸命になっているイーサンに行為を持った様子。
その後も、イーサンが危険に陥ると助けに来てくれるマディソン。 ジャーナリストのスキルを生かして、自身も独自で操作をするマディソン。
これで、操作をする人が3人になってしまいましたよ。

意外な結末

3人がそれぞれ操作をする事で、徐々に、事件の全体像が見えてくる。
折り紙殺人の犯人は、どうやら、子供の頃に兄弟を失っているようで、その原因に、自身の父親が絡んでいるということが分かってきました。

雨の日に、2人の子供が工事現場で遊んでいたところ、一人の子供が足を滑らせて、溝に落ちてしまった。その時、うまい具合に底の方に足が挟まったので、自力での脱出は不可能。
雨によってその溝に雨水が大量に集まってきて、このままだと数分で溺れ死ぬ。 唯一助かる道は、近くにいる父親に頼んで、助けてもらう事。

子供は、急いで父親のもとに行くが、父親にとっては母親の連れ子で、愛情も特にない為、助けること無く酒を飲み続ける始末。
結果として、兄弟は溺死。 この悲惨な経験を、他の人間にも味わって欲しい。 そして、自分とは違って、子供のために命をかけて助けにくる父親がいるのかを確認したい。
そんな思いから、子供を拉致しては、折り紙に無理難題を書き、父親に送るという行為をしていたのが、犯人の動機だったんです。

決着

その兄弟の母親が生きているという事を掴んだマディソンは、母親に面会に。
認知症の進んだ母親に、キッカケとなるような情報を与えて、何とか記憶を掘り起こし、生き残った子供の名前を聞くマディソン。

そこで語られた、生き残った方の子供、そして、折り紙殺人の犯人の名前は…



スコット



マジか!!
あれだけ、一生懸命、事件に真摯に向かい合っていたスコットが犯人。
そうか、スコットが必死になって事件の証拠を集めていたのは、証拠隠滅の為…

これはね、完全にやられてしまいましたわ。
劇中で、スコットって一番いいやつだと思って操作してたし、その様な選択肢を選んでいたのに、こいつが犯人かよと…
でも、それじゃぁ、メリーゴーランドの支払い後に記憶をなくしたイーサンに、折り紙を握らせたのもスコット? 記憶をなくしているかどうかは、他人から見てわからないものだと思うけど、自分が犯人だとバレる危険を犯してまで、折り紙を握らせたかったの?

まぁ、イーサンのくだりは、プレイヤーにミスリードさせる為の演出だったのかもしれないですが、リアリティーに欠けるような気がしないでもない。
後、マディソンがイーサンに簡単に感情移入するのも、意味が分からない。
マディソン パートでは、最初に複数人の男性に襲われる夢を見るというところから始まるんですが、それの意味も分からない。。

この辺りの保管は、DLCでやるつもりだったらしいのですが、ソニーともめて、DLCがなかったコトにされている為、色々と意味不明な点も多かったですが、物語としては楽しめました。
このゲームはマルチエンディングなので、私がたどり着いたエンディングはその中の1つだけで、今回はその事について書いてみましたが、他のエンディングが気になる方は、実際にプレイしてみると良いと思います。