だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

『一人呑み』は『課金ガチャ』

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私は、20代半ばぐらいから、週末になると一人で呑みに行くという行動をとっていました。
別に、お酒が特別好きだからとか、酔っ払う感覚が好きといったわけではなく、基本的に家ではお酒を飲まない生活を送っている為、お酒を呑むのは呑みに出かけたときだけ。
その為、20代の頃は毎週土曜日に欠かさず呑みに行くという生活を送っていたにも関わらず、呑んでいるのは月に4日程度。

現在に至っては、月に1~2回しか呑みに出かけることがないので、呑む回数自体が減っているわけですが…
間隔は空いても、『一人で呑みに行く』という習慣は続けていました。

しかし、最近になって、この私の『一人で呑みに行く』という行為そのものが、スマホゲーの課金ガチャと変わりがないんじゃないかと思い始めました。
何故、そう思ったのかについて、今回は書いていこうと思います。

そもそも何故 呑みに行っていたのか

今現在では、『一人で呑みに行く行為』そのものを、課金ガチャと同じとまで思ってしまっている状態なわけですが、そもそも何故、そんな行動をとっていたのかという事について考えてみます。
結果からいえば、寂しさが紛れるとか、リア充っぽく振る舞えるといった事が目的で、通っていました。

では何故、寂しさが紛れたり、リア充っぽく振る舞えたりするのでしょうか。
私が毎週のように呑みに行っていた店は、キャバクラとかクラブといった、女性がもてなしてくれる様な店ではありません。
チャージ無し~1000円までのショットバーがメインで、バーテンダーも、女性の店よりも男性が切り盛りしている店の方に頻繁に通っていました。

この様な経験をあまりしていない方にとっては、男性が切り盛りしているショットバーやパブに男性客が1人で行って、ストレス発散が出来るのかと不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、そういう店って、意外と私のような男性の一人客が多かったりします。何なら、女性客が入ってきたら、その場にいた客がみんな、浮足立つなんて事もあるぐらいだったりするんです。
では、こういう店に来る男性客は、何を目的にして、店に通っているのかというと…

店員と話したり、同じ様に一人で来た男性客と話したりして、時間を潰す為に行ってるんです。

男性が一人で切り盛りしている様なこじんまりとした雰囲気の店は、新規客がほとんど来ることはありません。
その為、定期的に店に通っていれば、その店での馴染みの顔になりやすく、それ程時間をかけずに、店員や常連客から声をかけられる、なんて事が結構あります。
そうすると、店や客が主催する遊び(バーベキューやスポーツイベントなど)にも誘われる事もあり、寂しさも紛れ、リア充っぽく振る舞う事が出来るようになるわけです。

普通にサラリーマン生活をして、人と知り合う機会が多い方にとっては、何故、この様な回りくどい事をしなければならないのか理解に苦しむという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、私のような家族経営の製造業などをやっていると、家族以外とそうそう知り合う事もなく、人間関係が広がらない。
そういった人間が避難するように行うのが、一人呑みだったりするんです。

一人呑みは博打

ここまでの話を聞いて、一人呑みに興味を持って、自分もやってみたい!と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、この一人呑み。結構、博打要素がデカかったりします。
というのも、友だちを連れて誰かと呑みに行く場合は、店に期待するのは、金額に見合った商品やサービスと、席が空いていることぐらいです。
しかし、単独で行くとなると、それに加えて、『その日に呑みに来ているメンツ』も、重要な要素になってきます。

同じ店に顔を出しているからといって、その客の全員と気が合うわけでも、仲良く慣れるわけでもありません。
中には当然、鬱陶しい客も結構います。 例えば、自分が話題の中心にならずにいられない人だったり、他の人同士が会話している中に強引に入ってきて、自分の話題に持っていったりする人達など。

こちらは、お金をもらって接待しているホストでは無いんですから、そういった客に気を使う義理もありません。
義理はないのですが、こういう人達は周りの人間に関心がなく、自分の欲求を満たせればそれでいいと思っているのか、その店の中心人物のように振る舞ったりします。

こういった人や、その人の太鼓持ちの様な人が数人いるだけで、その輪に入っていない他の人間にとっては最悪の時間に成り果てます。
目が合うと話しかけられ、よくわからない理論でマウントを取られてしまう為、目を合わせては駄目。かといって、お酒を一気飲みして直ぐに帰るのも変だし、何よりも、その客に負けたような気になってしまう。。
結果として、その場に居合わせた人間の取れる行動は、スマホニュースを見るという一択になってしまい、騒ぎ立ててる数人を覗いて、全員がスマホを凝視するなんて事もしばしば…

結果、スマホを観て2000円払って帰ってくるという現象が起こってしまいます。

店側は、そういった人間を出入り禁止にしないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、別に、その人達が全員から嫌われているわけではありません。
人の観点はそれぞれなので、そういう賑やかな人が好きな人もいるでしょうし、私のようにスマホをガン見して関わらないようにしている人間を観て、気分を悪くする人もいるでしょう。
これは、人の性格と組み合わせの問題なので、誰が悪いというよりも、組み合わせの良し悪し、つまり運としか言えないようなものなんです。

一人呑みは課金ガチャ

ここまでの話を読んでもらえれば分かりますが、一人呑みは、その場に居合わせている人間によって、当たり外れが非常に大きな遊びとなっています
自分と気が合い、話が弾む客が来ていれば、その場は至福のひと時となりますが、そうでなければ、一人で1時間ほどスマホを凝視して2000円払って帰るという…
ストレス発散をしに行ってストレスを貯めて、お金払って帰ってくるという苦行に成り果てます。

これは、2000円で10連ガチャを回して、SRやレジェンドが出れば報われるが、ゴミみたいなHRしか出なかったらドブに捨てたのと一緒という課金ガチャと同じです。
しかも、その活動を辞めたら今までの投資が無駄になるという所まで同じです。
スマホゲーは、どれだけ課金しても、ゲームに飽きたりサービス終了したら終わりなのと同じで、一人呑みも、店が潰れたり、その店から足が遠のいた時点で終了です。

『一人呑みは、今までに築き上げてきた、人間関係は残るんじゃ?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大抵は残りません。
毎週の様に通って、店のスタッフとタメ口同士で話すような中になったとしても、会うのは店にいる時だけ。 店に行く間隔が空いたとしても、大抵は心配して連絡してくるなんて事もありません。
客も同じで、アルコールが入っている上に、いつでも好きなときに来て好きな時に帰れるという独特の空間だから、一緒に飲んで騒いでいただけなので、個別で連絡をとって呑みに行くなんて事も、無い事は無いですが少ないです。
スマホゲーで、たまたまチャットが盛り上がり、『ID教えあって、次のゲームに移っても一緒にやろう!』って事が起こるぐらいの低確率です。

店の店主にとっては、呑みに行く人の出費がイコール売上に直結するので、足が遠のいた人に気を使うより、現状で金を使ってくれている人を優先するのは、仕事として当然。
人間的に余程気が合うなんて事が無い限り、店にいかなくなる=縁が切れると考えても良いのでしょう。

課金は計画的に

ここまで、一人呑みと課金ガチャには共通点が有るということを書いてきました。
読む人にとっては、一人呑みにネガティブなイメージを持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、誤解しないで欲しいのは、『一人呑みは無駄なのでやめましょう。』と主張しているわけではないということです。

スマホゲーも、イラストを書く人やプログラムする人、ゲームバランスを考える人やシナリオを考える人、サーバーメンテナンスをする人など、様々な人の手によって、運営されています。
その為、ユーザーが全員、無課金だと、システム的に成り立ちません。 その為、ゲームを楽しんだと思っている人の中には、御布施と称して月に数千円づつ課金すると決めている人もいらっしゃいます。
これは個人的な意見になりますが、スマホゲーは、これぐらいの課金の方が健全ですし、長く続けられるような気がするんですよね。

一人呑みも同じで、居心地が良く、楽しめる確率が高い店を見つけたら、その場所を維持する為にも、月に数千円は課金するぐらいの気持ちで行く方が、健全な気がします。
これが、『せっかく店に来たんだから、楽しんで元を取らないと!』とか『頑張って粘れば、面白い状態に遭遇できるかもしれない…』と思って頑張るのは、あまり得策では無いということです。
課金ガチャでも『今回のイベントで上位50位に入りたいから、絶対に特攻付いたSR以上を引き当てる!』なんて回し方をしていたら、続かないし、ゲームに冷めた時に後悔すると思うんですよね。

『一人呑みは課金ガチャ』『楽しめる場所を守るために、御布施の意味を込めて課金する。』これぐらいのスタンスが、後悔もしない丁度よいスタンスのような気がします。