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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

新規住宅着工件数が宿泊業に与える影響

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先日(2017年11月30日)のことですが、WBSで不動産関連のニュースが流れていました。
www.tv-tokyo.co.jp

簡単な内容としては、ここ数年間で、住宅の着工件数が増え続ける一方で、空き家率が上昇し続けているというもの。
テレ東の番組ということで、空室率については全国平均などは出ておらず、首都圏中心のデータでしたが、日本中から人を吸い寄せている東京近辺のデータなので、結構甘めの数字かもしれません。
そんな甘い環境での空室率ですが、東京で35%前後、神奈川県などは40%に達する勢い。

着工件数が伸び続けている一方でのこの数字…
今現在、賃貸様物件を建てているオーナーは、10年後といわず、数年後にも地獄を見そうな環境ですね。

何故こんな事になっているのかというと、大きな原因は低金利でしょう。
日本は不景気で、お金に困っている人はたくさん居るのですが、銀行にとっては貸高値が返ってこない可能性のある貧乏人に貸す金はない。
でも、儲かっている人達や企業は投資をしてくれないので、回収できそうなところからは資金需要が全く無い。
結果として、不動産を担保にしたローンが発達し、不動産業者と銀行が結託し、営業を頑張った結果なんでしょう。

その他の要因としては、空き家や空き地対策として安倍政権下で行われた、税制改正でしょう。
活用されていない土地に対する固定資産税が6倍になったことも大きい。
ちょうど団塊世代の人達が寿命を迎え、その子供世代が両親の土地や家を相続したけど、その家には住む予定がない。
しかし、そのまま放置しておくと固定資産税が高いので、どうしようと考えている時に、上で挙げた様な不動産業者の勧誘に載って、建ててしまった。

その他には、消費税の増税というのも、関係があるでしょう。
消費税が5%だったものが8%の上がるタイミングで、建築需要が増加したという話を聴きました。

これらの要因によって、新築着工件数は毎年増えているわけですが、皆さんも御存知の通り、日本の人口は減少傾向です。
今現在、ただでさえ供給過剰状態の住宅ですが、住宅着工件数が伸び続けているわけですから、今後は更に大量の住宅が供給されることになります。
一方で、団塊世代団塊ジュニア世代と呼ばれる人達がドンドンと退場していくことで、空き家は更に供給されることになります。

では、その空き家や供給される住宅は活用されるのかというと…
結構難しいでしょう。というのも、今現在の日本の失業率は改善され、求人倍率も増加していると言っていますが、実際に求人がる得ている分野というのは、介護や保育の現場だったりします。
介護や保育といえば、重労働でで責任重大の割に、薄給で有名ですよね。
求人倍率3倍なのに、給料が14万とかの世界ですから。

そんな人達が、果たして、一人暮らしできるのかという問題が有ります。
14万から家賃を6万とか払うと、残り8万で生活やら貯金やらをしなければならないことになります。
そんな奴隷生活を少しでもマシにする手段は、実家に住んで生活費を安くする事。

こうなると、住宅が供給されたところで、借り手がいないという問題に直面します。
賃貸物件オーナーとしては、建物の建築費という莫大な借金を背負うわけですが、その借り手がいない。
高い空室率だと、借金返済時の利息とと固定資産税や物件の改修費などの費用分がそのまま赤字なわけですから、傷が浅い状態で撤退するためにも、早めに売り抜けたい。
こんな環境だと、こんな馬鹿みたいな営業が出てくるはずですよね。 まぁ、肯定は絶対にしませんけど。

で、今回、取り上げたニュース番組ですけれども、こんな現状を踏まえた上で注意喚起をする為に取り上げたのかというと、そうでもなかったりします。
当然ですよね。WBSは、『頭金無し、土地なしでも不動産オーナーに成れる!』というキャッチコピーで有名な、あの企業がスポンサーだったりしますから。

では、どんな方向でニュースが流されたのでしょうか。
内容としては、『今後、賃貸住宅市場の競争が激化するので、競争に打ち勝つために、他の物件と比べて差がつけられるような物件を建てよう!』という感じで、住宅メーカーの広告のようなニュースが流されていました。

まぁ、スポンサーがついているからというのも有りますが、大きな買い物をする際には、真剣に考えたほうが良いと思いますよ。
とは言っても、間違っても、銀行や不動産会社が主催するセミナーには参加しないほうが良いとは思いますがね。

…と、こんな感じの話は、前にも結構書いたことが有るんですが、今回は、これに加えて新たな展開をしていこうと思います。
この、現状で既に供給過多で、今後、更に供給が増えまくる住宅市場ですが、この悪影響は賃貸住宅の枠組みだけにとどまらず、宿泊業に波及してくると思われます。

先日、楽天トラベルが民泊サービスに参入すると発表したようですが、この、日本に余りまくっている住宅が、民泊サービスに使われる可能性が大きくなってきました。
現段階では、まだ規制が多く有る民泊ですが、今後段階的に規制緩和が行われる事になるでしょう。

そうなってくると、大変になってくるのが宿泊業だと思われます。
少し前に、Twitterのリプライで頂いた意見に、『宿泊業とかいて、宿は苦行と読むんですよ。』なんて意見もいただきましたが、現状でも、宿泊業は厳しいようです。

先日、角打ちに呑みに行ったという記事を上げましたが、一緒に呑みに行っていた方が、この業界に詳しいようで、現状を少し聞くことが出来ました。
kimniy8.hatenablog.com
それによると、業界は既に、ベトナム人に頼らないと回らない状態まで来ているという話を聴きました。
少し前までは、中国人留学生も安く使えるという話だったようですが、中韓の観光客が多い現状では、中国や韓国からの留学生は、日本語に加えて中国語や韓国語が話せる利点が有るということで、かなり賃金が値上がりし、手が出せないようです。
となると、現状で賃金的に魅力が有るのが、ベトナム人ということのようです。。。

ただ、アジア周辺を観てみると、日本だけが成長しておらず、他の国は成長しているという有様。
賃金や物価や待遇を、ベトナムと日本都で比べた際に、ベトナム人にとってベトナムのほうが魅力的という事態になってしまうと、そのベトナム人にまで見放されてしまう可能性が出てきている状態。
そんな中で、民泊の規制緩和によって、宿泊施設が大量供給されたとしたら?

宿泊業の経営者は、更なる地獄に突き落とされそうです。
というのも、建築年数が結構経っているアパートで、空室率が40%で家賃が3万しか取れていない物件の場合、一日あたり1部屋1000円で貸し出したとしても、賃貸物件経営よりも儲かる可能性が出てくるからです。
1部屋1000円の場合、4人で利用すれば一人あたり250円・・・
こんなのと戦わなければならないとなると、宿泊業関係者は、堪ったものではないですよね。

話を聞かせていただいた方の意見でも、今後は、高級ホテルか激安宿泊施設か、どちらかしか生き残れない可能性もあるとの事でした。

でも改めて、一人1000円以下で泊まれる環境を考えると、バックパッカーが訪れる、インドや東南アジア何かと同じって事なんですよね。
観光客の中でも特に多いと言われている中韓の人達から見れば、日本は安く手軽に異文化と触れられる後進国に映っているのかもしれません。

まぁ、消費者として使う分には、選択肢が増えて良いんですが、観光立国を目指す方向に舵を切って、そこに従事する人が報われないってのも、何だかなと思ったり。