だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

ホワイト企業を叩く精神によって追い詰められる日本

Twitterを観ていたら、TLにこの様なツイートが回ってきました。

内容は、ホワイト企業にバイトに行った方が、ゆとりを持って仕事を出来る環境に感動してツイートした事に対し、『甘え』『ホワイト企業というより、だらしのない企業』『仕事を舐めてる』といったバッシングが返信されたというもの。
まぁ、この辺りの認識が、日本がドンドン貧しくなっていっている原因なんだろうなと思いました。
www.from-estonia-with-love.net

という事で今回は、ゆとりのある企業を叩くと何故、貧しくなっていくのかについて考えていきます。

貧しい会社とゆとりのある会社に分かれてしまうのは、資本主義の構造的な問題で、資本主義を長く続けていれば、この現象は確実に起こっていきます。
というのも、資本主義というのは良くも悪くも競争社会。
他よりも優位に立つことが出来れば、利益を独占しやすくなる構造に有るからです。

その業界で利益を独占できれば、当然のように会社には金銭的な余裕が生まれるわけで、職場環境を良くすることが可能となります。
具体的にいえば、よりたくさんの人員を雇うことが出来るし、給料も沢山支給することが出来る。

人が潤沢な場合は、仕事を分割する事で早く終わらせることが出来る為、労働時間の短縮につながります。
労働時間が短縮されれば、無意味なサービス残業などが無くなる為、労働者は就業時間に帰宅でき、趣味などに時間を費やすことが出来ます。
この上、同じ業界内でも給料が高いとなれば、この会社の人気は非常に高まります。
すると優秀な人材は、この会社への就職を第一志望とする為、この会社は優秀な人材を選び放題となります。

余裕が有れば、人材の上澄み部分だけではなく、従来の考え方とは違った人も冒険的に雇うことが出来る為、多様な人材を確保できる。
こうなると、会社の考え方も柔軟になりますし、そもそも優秀な人達が集まっているので、仕事の効率も非常に高い元のなる。
すると当然のことですが、新しいアイデアを元にしたサービス・製品などが、この『ゆとりの有る会社』から多数発売されることとなり、この会社は、さらに業界内での地位を高めていく。

後は、この循環をキープするだけ。
それだけで、世界中から優秀な人材を集めることが出来て、最終的には世界と戦える企業へと挑戦できる可能性が出てくる。

その一方で、この様な流れを『甘え』『だらしのない企業』『仕事を舐めてる』と批判している方が勤めている会社はどうでしょうか。
普通に考えればわかりますが、先程の『ゆとりのある会社』とは真逆の循環が起こります。

つまり普通の人は、過酷すぎて勤めたくないと思っているような会社なので、普通の人は面接に来ず、『内定が取れないし、ここでも仕方がない』と考える学生や、他の会社で辞めたり捨てられたりした人が、生活する為の資金を稼ぐ為、仕方なくこの会社に面接しに来る。
労働環境が過酷な会社は、そもそも求人をかけても人が来ないような人気のない会社なので、そんな人材でも面接に来てくれたら雇うしか無い。
しかし、そういう消極的な理由で面接に来た人が、効率の良い仕事ができるはずもない為、予算内で仕事を納める為には、サービス残業をせざるを得ない。
この会社で働く労働者は、家と仕事の往復で、家に帰ってもご飯を食べて寝るだけで、当然、趣味などに費やする時間などもない。
というか、趣味なんてやってることが会社にバレたら、『そんな事をしている暇があったら、仕事をしろ!』『社会人が趣味とか、甘え』とバッシングされる為、精神的プレッシャーからも出来ない。
仕事しかしていない人は多様な考え方が出来ないため、当然のように、新しいアイデアなども浮かぶはずもなく、目の前にある仕事を低コストで受注する事しか出来ないので、ますます悪循環に突入する。

分かりやすくする為に少し極端な書き方をしましたが、今、起こっている事は、概ねこのようなことです。
そしてこの現象は、世界で起こっています。

つまりは、本当の意味で優秀な人材は、日本企業ではなく、AppleAmazonGoogleなどを目指すという事。
日本人に生まれたから、日本で就職しますというのは、今や常識ではなかったりする。

そういった目で、改めて日常の生活場面を振り返ってみると、先程のリンクではないが、日本の地位は年々下がっていることがわかる。
私がまだ子供だった頃、つまりは二十数年前は、自分の家に合った家電の殆どは、日本製でした。

しかし、今改めて家の中を見渡すと、PCはNECでは無くHP製だし、テレビは東芝からLGに変わってる。
冷蔵庫は三菱からハイアールに変わってるし、壁掛け時計は台湾製
PS4はソニーなので、日本の会社なのですが、保有しているソフトは90%以上がアメリカを代表とする海外製。
今や手放せないiPhoneはもちろん、中に入っているアプリでも、頻繁に使うものに日本製のものなんて無い。

当然といえば当然でしょう。
社内環境が良かった!と感想を書いただけで、様々な方面からバッシングされるわけですから、そんな国で新しいものを作れる柔軟な発想ができるはずがありません。
日本はとっくの昔に、下請け国に成り下がり、コストでしか張り合うことが出来ない国になっていたということなんでしょう。

戦時中のテレビや新聞は、日本軍が明らかに負けているにも関わらず、他の国を圧倒しているという情報を流していたと聴いたことが有ります。
今の日本のテレビ番組を見ると、『ホルホル番組』と呼ばれる、『日本はこんなに凄いんだ!』番組が多く制作されていますね。
新聞の方はといえば、中国や韓国の悪口が、さり気なく織り込まれていますね。
歴史は繰り返すのだとするならば、日本では、ある日突然、敗戦したと告げられるんでしょうね。

そういえば、中国企業が新卒を初任給40万円で雇用すると行った話が有りましたね。
news.yahoo.co.jp
これによって、日本から出ていきたくないと思っている優秀な人材も、他国の企業に吸い取られやすい状況が生まれましたね。

今現在、アジア各国では最低賃金の引き上げが行われているようですが、最低賃金比較で日本が最安値となった時、一体どうなるんでしょうね。
日本は、上から目線で『人手不足解消のために、外国人労働者を…』なんていってますが、外国人労働者にそっぽ向かれるどころか、日本人の中でも優秀な人間が、中国などに出稼ぎに行く未来も考えられますね。

そうなる前に、日本の労働者は『奴隷の鎖自慢』なんか止めて、自身の権利を訴えるべきだし、と思うんですけどね。
いきなり訴えるのは難しいのであれば、まず、職場環境が良い企業の話を聴いた際には素直に、『うらやましい』というところから、はじめてみるべきなんでしょうね。