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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【ネタバレ ゲーム感想】 Fallout4 (フォールアウト4)

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一年前の正月に購入したまま放置していたフォールアウト4(Fallout4)ですが、やっとメインクエストをクリアー(1周目)できたので、今回はその感想を書いていきます。
kimniy8.hatenablog.com
ネタバレ前回で書くため、興味はあってやってみたいと思ってる方は、読まないことをオススメします。
既にプレイ済み、または、プレイする予定は無いが内容に興味があるといった方は、そのまま読んでいただければ幸いです。


      

この物語は、1人の子供を持つ夫妻が、核シェルターの入居手続きをするところから始まります。
入居手続きとはいっても、世界は平和そのもので、まさか本当にそこに移り住むとは思っていなかった主人公。
しかし、契約を済ませて数分後、世界は核の炎に包まれます。
ニュースを見て、一目散で核シェルターであるボルト111に逃げ込む主人公一家ですが、除染ポッドに入れと促されて入った先が冷却ポッド。そのまま冷凍睡眠状態で保存されることになります。

そして、次に目覚めた時は、誰だか知らない人が配偶者と子供の入った冷却ポッドを開け、配偶者を殺して子供をさらう姿。
その直後に、また冷却が開始され、主人公は眠りにつくことになります。
次に目覚めた時は、Vault111は自分以外の人間は全て死に絶えている状態。そこから何とか抜け出した主人公は、初めて核戦争後の世界を目にすることになります。
戦前、ボストンと呼ばれていた場所は核戦争から200年たった今では連邦と呼ばれ、北斗の拳やマッドマックス的な世界へと変貌していました。

この世界、少し物語を始めると分かるのですが、人々はインスティチュートと呼ばれる都市伝説的な組織を恐れています。
インスティチュートは文明が崩壊した後にも科学力を保持しており、人間と見分けがつかないほど精巧な人造人間を作り、地上に派遣しています。
その派遣の仕方が問題で、街にいる人を拉致し、その人間と全く同じ外見の人造人間を作って入れ替えるというもの。
目的も不明で、人々は、ある日突然、知っている人間が人造人間に変わってしまうかもしれないという恐怖に怯えながら暮らしています。
日本の漫画でいうと、デビルマン寄生獣のような状態でしょうかね。

このインスティチュートと敵対する形の組織が、B.O.Sとレールロード。
B.O.Sは文明が崩壊した後も過去にあった科学技術を集め、その技術力を結集して軍隊をつくっています。
一応、連邦の平和を守るという名目で武装強化をしているので人々を守る行動を取るのですが、その人々からは胡散臭く思われている軍団。

レールロードは、インスティチュートがつくった人間に非常に近い第三世代人造人間の中で、自我に目覚めた人間を保護して救おうと考えている社会運動組織。
元ネタは、アメリカの南北戦争時代に、依然として黒人を奴隷として扱っていた南部から奴隷解放をした北部に黒人を逃がすという運動をしていた地下鉄組織のようです。
人造人間を製造して道具のように使い、自分達の意に沿わない動きをする人造人間を回収して再調整するインスティチュートに対して敵意を抱き、インスティチュートから人造人間を開放する為に地下で活動を続けています。
行動理念としては立派なのですが、取る行動が基本的にスパイやテロといった荒っぽい方法だったりします。

この他の組織としては、ミニッツメンが存在します。
普通にクエストを進めると一番最初に出会うであろう民間人のガービンが、ミニッツメンという団体の最後の生き残り。
この人物との交流を経て、ミニッツメンに加入できるようになります。ミニッツメンは、簡単に言うと農家の互助会の様なもの。
この世界では、北斗の拳のように『ヒャッハー!!』な人達が、食料や水を求めて近くの農家を襲う事件が頻発しています。
そんな無法者(レイダー)から身を守る為、自分が襲われた時には助けてもらえるが、仲間がピンチの時には助けに行くという協定を結んだ者達の集団です。
基本的にミニッツメンはインスティチュートを気持ち悪くは思っていますが、自分たちには直接関係がないので放置している状態。
ですが、メインクエストを勧めていってミニッツメンの規模が大きくなるとインスティチュートが人造人間を送り込んで戦争を仕掛けてくるので、ここで完全に敵対してインスティチュートの壊滅を目指します。

主人公は、インスティチュート・BOS・レールロード・ミニッツメンのどれかのメインクエストを進めることで、その派閥でのクリアーを目指すのですが…

これが、非常に良くてきている。
これらの組織は高い能力を持つ主人公を勧誘する為に、基本的に自分たちに有利な情報のみを主人公に伝えてきます。
敵が如何に極悪で、自分たちはその敵に打ち勝つ為に、どれほど苦労しているのか等。
裏表がないのは、ミニッツメンぐらい。

このゲーム、全ての組織と関わり合いにならなくてもクリアーできる為、ゲームを初めて間もないプレイヤーは一番最初に出会った組織の話を鵜呑みにして、その派閥クエストを進めてしまいがち。しかし、全ての組織に潜入して事情を聴いていくと、各組織がそれぞれ色んな問題を抱えています。
抱えてないのは、これまた主人公が最初の段階で将軍(パシリ)という最高位につける、単なる農家の互助会であるミニッツメンぐらい。

レールロードは、人造人間の開放のみに集中している為、その後の政治や連邦の行方などには特に興味はない。
また、救い出した人造人間が住み辛い連邦に絶望し、市民に迷惑をかけるレイダー(ヒャッハーな人達)のリーダーになったとしても、知らんぷり。

BOSはどうかというと、人間以外は全て抹殺対象なので、人造人間や連邦中に生息している放射能の影響を受けて変異してしまった人間であるスーパーミュータント(ハルクみたいな緑の巨人)や、グールという、ゾンビではなく全身が焼けただれた姿をしているが、実際にはゆっくりと老化しているだけの生きている人間なども抹殺対象。
しかし主人公が旅をしていく中で、放射能によって変異しても人の心を失わないグールやスーパーミュータント達と出会い交流していくと、『全員抹殺しても良いのか?』と疑問が湧いてくる。

では、連邦中の人達から敵視されているインスティチュートはどうなのかというと、都市伝説でも何でもなく、正体は単に地下で住み続けているCIT(MITがモデル)の科学者達。
戦前の発達した科学を保有し、より発達させてきた人類の未来という事を知る。
じゃぁ人類の味方なのかというと、大まかに言うと人類の為に行動をしているのだが、インスティチュートが考える人類は汚染されていない地下で暮らす自分たちだけで、汚染されて崩壊した地上は対象外。
ただ、特定の勢力が大きな力を持ってしまうと自分たちに被害をもたらすかもしれないから地上の情報収集もするし、情報操作や人造人間によって勢力の調整もするという感じ。
ナウシカでいうところの王家の墓みたいな存在といえば分かりやすいのかも。
そして一番重要な事なのですが、インスティチュートの代表である60歳を超えるファーザーは、主人公の誘拐された赤ん坊が成長した存在だということ。
この地上で唯一の肉親が属している勢力は、連邦中の人達から敵視されている組織。

全員から嫌われている組織には、自分が探し求めてきた子供が所属し、その組織は連邦を見捨てようとしている。
しかし、その子供は生後何ヶ月、もしくは1年程で誘拐され、次にあった時は自分よりも年上の老人になっている。そしてそれまでの過程で主人公に力を貸してくれている存在は連邦の人達。
物語の都合上、主人公は連邦の民か自分の息子が守ってきたモノのどちらかを切り捨てる必要が有ります。
私は結婚もしてないし子供もいないので、子を持つ親の気持ちは理解しきれないのですが、子を持つ人はこの決断でかなり悩むんじゃないでしょうか。

インスティチュートに敵対する場合は、残りの3つの派閥のどれに肩入れするかで物語が変わってくる。
人造人間の開放を掲げているレールロードと、人類以外全て抹殺のBOSとは相容れないので、このどちらかを選ぶと残りの一方からは敵視される。

ミニッツメンを選ぶと、残りの2つとは敵対せずに仲良くやれるが、ミニッツメンは基本的には農家の集まりにすぎない。
基本戦力が治安維持をするには足りない感じで、過剰な権力や大き過ぎる組織を得た場合は、組織内の派閥や権力争いなどが起こる可能性も否定できない。現に、主人公が最初にミニッツメンと接触した際にはミニッツメンは内部崩壊していて、一部がレイダー化していたわけです。
しっかりとした指揮系統も規律もない為、将軍の求心力が落ちれば、いつ崩壊してもおかしくはない状態で、かなり不安定。

レールロードはそもそも社会運動家の集まりで秘密組織なので、政治には無関心。
となると…残りはBOSしかないが、これは先ほどから書いている通り、人類以外は認めないという一種の選民思想的を持つ集団。

何も知らない状態で最短でメインクエストを勧めた場合は、何も知らないがゆえに簡単に派閥を選んでエンディングまで進めるのでしょうが、世界設定やそこに住む人達と交流すればする程、決断が難しくなっていくゲーム展開は、正に人生そのものといった感じで非常に面白くも有り、悩ましくもあります。
私はアマちゃんなので、1週目はとりあえずミニッツメンルートで終わらせましたが、全ルートでエンディングを観ると、感想もまた変わってくるんでしょうね。

長くなってきたので、一周目の感想はこの辺りで。
また全ルートをクリアーした暁には、全派閥の言い分や方向性を踏まえた上で、感想を書いていきたいと思います。