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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

現金は必要なのだろうか

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こんなタイトルで投稿を書くと、このブログをずっと観ている方(そんな人がいるかどうかは知らないが)は、『また、脱資本主義とか左系の記事だよ』なんて思われるかもしれませんが、今回の内容は少し違います。
今回テーマになる『お金』ですが、概念やツールとして必要ないとか脱却すべきなんてことを主張したいわけではなく、実物としての現金が必要があるのかという話です。

こんなことを考えるようになったキッカケは、少し前に放送されていたWBSという経済ニュースです。
どんなニュースかというと、北欧の(確かスウェーデン?)では、国民が現金を全く使わないので、中央銀行としても通貨を刷らない事も検討しているというもの。
誤解して読み解く人も出てくると思いますので、もう少し丁寧に書くと、経済が停滞して国民が消費を出来ないという話ではありません。
電子決済の普及により、現金決済が必要無くなったという話です。
日本では絶対に起こらないようなことも、北欧のような小さな国では容易く実行できてしまうのでしょうか。ともかく現金決済がなくなり、ほぼ全てと言って良い経済活動が、電子決済に移行したようです。
txbiz.tv-tokyo.co.jp
これって、かなり凄いことですよね。日本は現金主義で、基本的な取引は、ほぼ、現金で行われます。
しかし冷静になって普段の生活を振り返ってみると、その現金主義が非常に面倒くさいことに気が付きます。
そして更に発展して考えると、現金決済には様々なデメリットも存在します。
という事で今回は、キャッシュレス社会について考えていきます。

日本に住む私達は現金決済に慣れていて、基本的な決済は現金で行います。
しかし現金決済を行うためには、結構な準備が必要になってきます。

売店を例に考えてみましょう。
店側は、客が毎回きっかりと払ってくれるわけではない為、『お釣り』の為の小銭を用意する必要が有ります。
その『お釣り』を用意する為に、開店前の忙しい時間に銀行に両替に行くという手間がかかります。
客の立場の場合、1万円を出して嫌な顔をされるのが嫌な場合は、事前に千円札でお金を用意していく必要が有ります。
現金決済をしている所為で、面倒くさい作業や気遣いが必要になってきます。

またこの小売店が食材を売っているような業態の場合、決済の為に汚いお金に触るのも、小さいながらもリスクです。
お金というのは、色んな人から人に渡ってきているもので、どんな人がどんな扱いをしているかわからない代物です。
地面に落ちたこともあるでしょううし、トイレに行って手を洗わずに扱う人もいるでしょう。財布に入れず、長期間選択していない服にそのまま突っ込んでいる人もいるでしょう。
そんな状態で何十人、何百人、下手をしたら数千・数万回も人から人に渡ってきているものです。
良く、パソコンのキーボードは便器より汚いなんて言いますが、お金はそれ以上に不衛生なものでしょう。
そんなものを、食材を扱い店が取引の度に触るというのは、結構、不衛生です。

その他には、犯罪面からも危ない。
現金決済ということは、その店の売上は一定期間は店のレジに保管されます。
店に多額の現金が絶えずあるということは、強盗被害のリスクも有ります。常時一人で営業させるワンオペで有名な牛丼屋は、強盗の格好の的になっていましたよね。
また、店から金融機関に運ぶ際に襲われるということも有ります。

外からの強盗が無かったとしても、多くの人が入れ替わりでレジを担当するような店だと、従業員・バイトがお金を盗むという事件も有るでしょう。
従業員のモラルが高く、レジから金を抜く人間が全くいなかったとしても、レジ担当のミスによって売上と現金が合わないなんて事は有るでしょう。
しかし全てが電子決済化されれば、金の受け渡しミスが無くなる為、こんなミスも少なくなるでしょう。

別の例で簡単に書くと、タクシーでの現金支払いです。
客として乗り込む場合、財布に1万円しか無い状態だと、事前にコンビニなどで買いたくもない小物を買って崩す必要が有ります。
この際、下手をするとコンビニ定員にも嫌な顔をされる可能性が有ります。にも関わらずこんな行動を取らなければならないのは、タクシーで1万円を出すと、もっと嫌な思いをするからです。
またそのタクシーは、現金を絶えず持っている上に運転手一人で営業ということで、絶えず強盗の危険と戦わなくてはなりません。

こうして一つ一つ考えていくと、現金決済というのはIT技術が進んだ現代では、かなり面倒くさい上にリスクの高い決済方法だったりします。

その一方で、電子決済の場合はどうでしょう。
電子決済なので、店側がお釣りを用意するなんてことも必要ありませんし、客側も『1万円札しか無いよ』なんて事は考えなくても良い。
また、店に売上金が貯まることもない為、強盗が入る心配は激減します。何故なら、店には現金はないんですから。
当然、現金を扱わないため、不衛生な現金に触る必要もありません。

この他にも、全てを電子決済で行うことで、何を購入したかという明細が簡単に確認できるようになります。
これにより、家計簿ソフトなどと連動させれば、簡単に月の収支を知ることも出来ます。
事業の場合は会計ソフトと連動させる事で、税金関係の帳面作成などが飛躍的に楽になることで、更なる恩恵が得られるでしょう。正に会計士要らず。

完全に電子決済化した状態でマイナンバーと口座を結びつければ、金の流れがほぼ完全に把握できる為、マネーロンダリング等の不正もしにくい。
そもそも裏金や、その洗浄なんてものは実物としての現金が有るから行いやすいわけで、金の流れがクリアに見渡せるようになれば、この手の犯罪も減るでしょう。
国としても、今まで不正によって未納だった税金が回収できることになり、これによって貧困層に対する負担が大きい消費税なども廃止に出来るかもしれない。

また、中国などではATMから偽札が出てくるなんて事も結構あるようですが、電子決済によって実物の現金が無くなると、偽札の心配もなくなります。

客観的な立場から冷静に今のシステムを見てみると、不正や犯罪・ミスは決済に現金が絡んでいるから起こっているようにしか見えません。
電子決済を導入することで、様々なリスクや不正を減らすことが出来、より効率的な社会になるように出来るのではないでしょうか。

勿論、電子決済ならではのリスクも出てくるとは思います、しかし、だからといって、古いシステムにしがみついて良いということにはなりませんよね。
新たに出た課題は課題として解決していく必要は有りますが、より進んだシステムがあるのであれば、それに移行していくほうが効率的で良いのではないでしょうか。