だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

客の利便性を考えない日本メーカー

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私が愛聴しているとあるネットラジオで、こんな発言が行われました。
日本製品は、極力買いたくないよね。』
この言葉を聞いてマイナスのイメージを抱く方もいらっしゃると思うので、何の番組かは言いませんが、これを聴いて私は『ハッ!』としてしまいました。
私が最近購入した製品や、欲しいと思う製品の殆どが外国製品で、日本製は選択肢に入ってなかった事に気付かされたからです。

何故、『日本製品は買いたくない』と思うようになってしまったのか。
色々と考えてみましたが、辿り着いた結論は、メーカーが買う人間の事を考えていないからという結論に至りました。

普段、頻繁に使う製品にとって一番重要なのは、使いやすさや操作の理解のし易さだと思います。
この使いやすさ、解りやすさを全く考えていない商品に、日本製が多い。
これを読んで、『日本製品て、そんなに使いにくい? サポートとかしっかりしてて安心じゃない?』と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、具体的な例として、この画像を見ていただきたい。

これは、AmazonのFire TVという商品と、そのリモコンです。
その一方で、私が持っているレコーダーのリモコンがこれ。
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一目瞭然ですが、ボタンの数が全く違います。
Amazonの方はボタンが十字キーと他6個しか有りませんが、東芝レコーダーのリモコンは、PCのキーボードよりも多いんじゃないかと思ってしまうほどにボタンが多い。
で、どちらが使いやすいのかというと、ぶっちぎりでAmazonの方が使いやすいんですよね。

ここで疑問なのが、何故こんなにもボタンを付けたのか。

メーカーとしては、慣れれば便利な様に設計しているつもりなのかもしれません。
しかし、リモコンにこんなに沢山ボタンを付けられれば、目的のボタンを探すだけで一苦労。
また、そのボタンを正しいタイミングで利用する為には、2~3センチ程有るマニュアルを読まなければならない。
そして、何らかのタイミングでボタンを押し間違えて変な画面になって、それを戻すのに結構な時間を使ってしまう。
どう考えても、多すぎるボタンが邪魔にしかなっていない。

では、こんなにも沢山のボタンが本当に必要なのかというと、そうでもない。
というのも、このレコーダーを使用して10年近く経つのですが、触れてもいないボタンが半分以上有るんです。
何故、こんな事になってしまっているのか。
理由は、一つのボタンに対して一つの機能が割り当てられている、つまり、機能の数だけボタンが有るわけですが、画面中央付近に有る『クイックメニュー』というボタンを押せば、リモコンの専用ボタンがなくても、テレビ画面に映し出された選択肢を選ぶことで、それぞれの機能を実行できるからです。
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ここで思うのが、『じゃぁ、クイックメニューボタンがあれば、ボタンを削れるよね』って事。
ただ、『クイックメニュー』を押して呼び出すメニュー画面が結構面倒くさい。
クイックメニューを押すと、その画面で行える操作一覧が出てくるのですが、これを十字キーで選択して決定ボタンを押さなくてはならない。
ボタンでいうと3~4回押すことになる。
その煩わしさを解消する。もしくはこれに関するクレームを回避する為、言い訳として、数ある機能毎にボタンを用意するという非効率的な事を行っている。
もしくは、コスト削減の為に、昔ながらのリモコンのデザインをずっと使い続け、機能が増えるとボタンを1個ずつ追加するというマイナーチェンジの結果のようにしか思えない。
例えるなら、旅館が大規模なリフォームをしたくないが為に、建て増し建て増しを行った結果、出来上がったのが迷路といった感じ。

でも素人目に考えても、改善する方法はそこじゃないだろうと思うわけです。
クイックメニューを押した際に表示されるユーザーインターフェースを、見やすく直感的に使いやすいように改善したほうが良い。
その方が機能をより使いやすいし、リモコンのボタンも減らせるし、説明書も薄くなって皆ハッピーになれる。

実際に海外の製品はこの思想で発展してきていて、説明書は出来るだけ薄く、下手をすれば無い。
ボタンの数も極力減らされ、iPhoneなどは、ボリュームやマナーモード切り替えを含めても5個ぐらいしか無い。
肝心の使い勝手はどうなのかというと、使いやすい。

しかし日本メーカーは、この真逆を突き進んでいる。
家電を買うと今だに分厚い説明書と分かりにくい操作を強要される。
PCやタブレットを買うと、馬鹿みたいに大量のソフトやアプリが、使いもしないのに最初からインストールされていてストレージを圧迫している。
ユーザー視点ではなく、自分の都合で製品を作って客側に負担を強いているようにしか思えない

これじゃぁ、『日本製品は、極力買いたくないよね。』といわれても、買う選択肢から外されても仕方がないですよね。
日本国内のテレビ放送では、いまだに『日本の技術力は凄い!』を連呼していますが、こんなことを続けていたら、全世界のユーザーから見放される日も近いのかもしれません。