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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【映画紹介】 26世紀青年 ばかたち

映画

先日のことですが、私が愛聴しているネットラジオBS@もてもてラジ袋』にて、とある映画が紹介されました。
http://moteradi.com/20161013b
そのタイトルは、『26世紀青年 ばかたち』
プライム対象ビデオの為、Amazonプライム会員であれば無料で見れるということで早速、観てみると・・・
完全に舐めてみた作品なのにもかかわらず、エンディングでは謎の感動で泣いてしまうという事態になってしまいました。




この作品。タイトルだけを聞くと『20世紀少年のパクリ?』なんて思ってしまいますが、邦題を寄せているだけで、内容的には全く違った作品となっています。
簡単なストーリーとしては、軍が冷凍睡眠技術を開発し、比較的平和なときに優秀な兵士を冷凍睡眠状態で保管、つまりストックしておき、有事の際には兵士を起こす事で何時でも優秀な軍隊を組織できるようにしようという計画が持ち上がります。
その計画が最終段階まで進み、後は人体実験のみとなったときに、主人公である平凡な男に白羽の矢が立ちます。
何故、平凡な男が選別されたかというと、いきなり優秀な人間を実験で使ってしまうのは勿体無い、初の人体実験ということで失敗も考慮した上で、天涯孤独で人間関係もなく、平凡な能力の主人公が選ばれたというわけです。
実験には男性だけでなく女性も必要ということでしたが、軍は都合の良い人間を見つけられなかったようで、仕方なく風俗店から売春婦を一人借りてきて、実験を行うことになりました。

しかし、この実験直後に、軍と風俗店の癒着が発覚。
計画は途中で破棄され、実験も中止。
平凡な男性と売春婦の女性も忘れられ、冷凍睡眠状態で放置されたまま、放置され続けることになってしまいました。
そんな主人公達、ある衝撃によって偶然にも冷却解除ボタンが押され、目が覚めました。
冷却ポッドの中で意識がなかった主人公にとっては一瞬しか経過していない感覚だったのでしょうが、周りの環境を見渡すと、今まで自分が見てきた風景が全く違っていました。

そして、そこにいる人達は今まで周りにいたような人間ではなく、まるで猿の様な知能しか無い人間たち…

状況が把握できないままに情報を探し続けた結果、主人公は自分が元いた時代から500年が経過していることを知ります。
それと同時に、500年後の人類が『ばか』になっている事も思い知らされることになるんです。

何故こんな事になってしまったのか。
簡単に説明すると、知能が高いエリート層は、子供が出来ることで受ける制限などを考慮し、将来のことや若くて子供がいないときにしか出来ないことを優先して効率的に生きようとし、晩婚化。仮に結婚しても、なかなか子供を作りません。
その一方で、何も考えていない『ばかたち』は、高校時代から『やらせてくれそうな女』に積極的に声をかけ、とりあえずヤる。
後先も考えずに『ヤる』。当然、避妊なんかもおろそかで、バンバン子供が出来ます。
その子供達は、生殖可能年齢になると直ぐに性行為に興味を持ち、子供が子供を産んで…と言った感じで、ものすごいスピードで増えていくという感じ。

こんな感じで500年が経過した頃には、優秀な頭脳を持つ遺伝子は駆逐され、『ばかたち』によって支配されてしまいました。
そんな未来に送られた500年前の平凡な男は、どの様にして過ごしていくのか?って話なのです。

先程も書きましたが、基本的にはコメディーで、何も考えずに観て笑うことが出来るように制作されています。
しかし、この作品の凄いところは、深く考えようと思えばいくらでも深く考えられるところです。

例えば、世界が『ばかたち』によって支配されているという話。これも、単純に笑い飛ばせる話ではありません。
ここ最近、話題になっていたり流行っていたりする動画などを観ると、何も考え特に教養が無くとも楽しめるリズムネタ等が多い。




別に、これらの動画が好きな方を批判するわけでは有りませんが、この様な流れが継続し、教養が必要なく何も考えなくても楽しめる方向にドンドン進む。
映画の中では、誰のものともわからない尻を90分写し続けるという映画が大好評になっていましたが、このまま突き進むと、こんな未来を迎えてしまうかもしれません。

政治の方に目を移すと、野党が与党の悪口を言っているところしか映像としては流れません。
最近のアメリカの大統領選なんかも、史上最悪の大統領選といわれる程ヒドく、誹謗中傷合戦になっています。
もしこんな状態で徐々に悪化していき、500年以上が経過したとしたら?

他の例を挙げると、コストコが異常なほど大きくなっていて一つの都市のようになっていたり、スターバックスがコーヒーではなく性的サービスを提供する店に変貌していたりします。
これも、資本主義の行き着く先を予言しているようで、真剣に考えると本当に実現していそうな未来。
資本主義は、お金を持っている者が正義です。企業は、自身の成長率を引き上げる為にライバルを蹴落とし、金になりそうな企業は買収して規模を追求していきます。
また、客の要望に答える形で、生き残るために業態事態を変化させることも珍しいことではありません。
その究極の形は、顧客のニーズを汲み取って生き残ることが出来た、少数の企業によって支配される世の中。

この様に、一見すると馬鹿馬鹿しい設定なのですが、一つ一つを真剣に考えていくと『こうなってしまう可能性はあるな』と思わせるところが、非常に興味深い。

また、主人公から見ると完全にディストピアな未来で、その状況に苦悩したりするのですが、そこに住む人達は『ばかたち』なので、特に真剣に考えること無く楽観的で、毎日を楽しんでいるところなどは『世界はただソコにあって、捉え方次第でどうにでもなる』という世界系にもつながる感じで、コメディーと言いながら詰め込める要素を全て詰め込んだ盛りだくさんな感じが楽しめました。
Amazonプライム会員なら無料で観ることが出来るので、興味の有る方は、一度観てみては如何でしょうか。

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