だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

終わりの始まりといわれるテレビ業界 そろそろ終焉? ②

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今回の投稿は、前回の続きとなっております。
まだ読まれていない方は、そちらから読まれる事をお勧めします。
kimniy8.hatenablog.com

前回の投稿では、テレビ業界が自分たちの作り上げた帝国を守る事に集中し過ぎて、その間にネット動画のシェアを奪われてしまった事について書きました。

もちろん、『ネットとテレビは違うものだから…』という反論もあるでしょう。
しかし前回、私が両親にAmazonのプライムビデオを見られる環境をプレゼントし、使い方を教えたのをきっかけにして、テレビの視聴時間が劇的に減少したという話を書きました。
その事からも分かる通り、テレビとネット動画は違うものというのは、テレビ業界側の希望的観測に過ぎないと思われます。

では、どのようにテレビがシェアを失っていくのかという道筋を、考えていきましょう。

現状では、Amazon・hulu・netflixの3社が、日本の動画見放題サービスのシェアを奪い合っている形となっています。
その間、日本のテレビ局が何をしていたのかというと、特に何もしていない。
この3社が日本に上陸し、シェアを奪ってから、慌てて『TVer』なるテレビコンテンツが視聴できるプラットフォームを立ち上げている状態。

では、その『TVer』を積極的に宣伝しているのかといえば、そうでもない。
テレビでは報道番組などで立ち上げ時に一瞬取り上げただけで、広告などは一切行っていない。
前回紹介した、HDMI端子があればネット動画が見放題になる機器、Fire TV StickにもPS4にも対応していない。
こんな状態であるため、普通の人は、存在すら知らない状態だと思われます。

またこの『TVer』、サービス面からみても良いとは言えない代物。
例えば連続ドラマなどは、見られる期限が放送から1週間限定となっています。
連続ドラマは、通してみなければ意味が分からないものが殆どなのにも関わらず、ある程度、話が進まなければ評価が出来ないコンテンツです。
全13話で、8話ぐらいから物凄く盛り上がり、結果として素晴らしい出来になるという作品は結構あると思いますが…
8話を放送した段階で話題になっても、TVerでは第8話しか見られないわけです。
結局このサービスは、録画機が無くても1週間限定でさかのぼって見れますよというだけで、使い勝手が良いとは言えません。

…と、素人目から見ても、やる気が全く感じられない。
こんなサービスになってしまったのも、リアルタイム視聴率を計測して…という、今までのシステムの維持を最優先に考えた結果なのでしょう。

その一方で、海外製の3大プラットフォームは、現状に満足してはいない。
3社間では、顧客の奪い合い、囲い込み等のシェア争いを行う為に、コンテンツを充実させるなどのサービス拡充が行われています。
また、その3社の牙城を崩そうと狙っているプラットフォームも次々に控えている状態。

そんなこんなで、テレビ業界と海外製のプラットフォームとは差が開く一方。

唯一の利点といえば、テレビさえ購入してしまえば、無料で見れるというぐらい。
ただこの利点も、いつまで続くのかは不明です。

というのも、ネット企業の戦略などをみてみると、サービスを敢えて劣化させ、その代わりに無料化するという戦略をとっているからです。
これは、スマフォでアプリを使ったことがある方なら、容易に理解する事が出来ると思います。
例えば、一部の制限を加えたアプリを無料でリリースし、その制限を外したものを有料化する。
無料のものでも制限なしに使えるが、事あるごとに広告が挟まる。
基本無料のゲームなどでは、快適にプレイする為に課金を迫られる…なんてこともありますよね。

これを、動画見放題サービスで行うことで、基本無料のサービスを行うことも可能でしょう。
具体的には、無料会員が動画を見る場合、一定期間毎に広告が挟まるようになる。
動画の早送り等が出来ない、画質が悪い等の制限を加え、敢えて使い勝手を悪くする。
その代わり、月額数百円を支払うだけで、快適な環境で動画を楽しめる事が出来るといった具合です。

こうなれば、テレビの唯一の利点である『無料』すらも消え失せてしまいます。

これでもまだ、『ネット動画を見る為には専用機器が必要なんだから、ハードルは高いだろう』とおっしゃる方もいるでしょう。
ですが、今のテレビは、そんな機器すらいらないものが結構出ているんですよね。
私のテレビは、地上波デジタル放送が開始されるタイミングで買った古いものなので、テレビをネットに繋げる為の機器が必要でした。
しかし、今販売されているテレビは、最初からwifi対応しているものが多いです。
テレビの中には、リモコンに『NETFLIXボタン』が標準搭載されたものすら発売されています。
av.watch.impress.co.jp

つまり、専用機器を購入してつなげなければならないといった、ハードルすらない状態なんです。

この様に、動画見放題サービスの敷居は確実に下がっているわけですが、『テレビ自体に、無線LANと動画見放題サービス機能を付けてしまえる。』この考えをさらに発展させると、実はテレビを購入するよりも安上がりで動画を楽しむこともできてしまえます。

先ほどから、『テレビの視聴は無料』と書いてきましたが、実際にはテレビは無料では見られません。
というのも、テレビを購入した時点で、NHKの契約が成立して料金を請求されてしまいます。
しかし、4k画質の映像が映し出す事が出来るが、テレビの電波は受信できないモニターがあったらどうでしょうか。
これはテレビではなくモニターなので、当然、NHKを含めてテレビの番組は移りません。

ただ、このモニターには、無線LAN機能と簡単なOSが入っていて、動画見放題サービスのアプリをダウンロードすることが可能。
この場合、テレビ画面の様に大きな画面で動画を楽しむことはできますが、テレビ電波は受信しないため、NHKの受信料も発生しない。
NHK受信料は月額1310円なので、動画見放題サービスの中でも一番安いAmazonのプライム動画であれば、月額1000円程の節約が可能になってしまいます。
ハードルが低いどころではありませんよね。

…と、もう少し書きたいことがあったのですが、長くなってきたので今日はこの辺で。
続きはまた、次回にすることにします。