だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

最近の日本賛美番組を見て思うこと

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一昔前は、テレビをつければ日本の自虐的な事が発信されていたイメージが強かったです。
この原因は、マスコミがそもそも左翼思想だからなのかもしれませんが、自虐史観なんて事も言われていましたね。
テレビで、愛国的というと違ったニュアンスになるかもしれませんが、『日本大好き』といった感じの放送を積極的にしていたのは、テレビ東京ぐらいのものでした。

しかし、安倍政権が誕生したぐらいからでしょうか。
そんな空気が一変し、『日本はスゴイ!』系の番組が乱立し始めてきました。
日本の放送局が日本の良いところを紹介しているので、別に文句はなのですが…

そこは、やはり天邪鬼。
昔の自虐史観的な情報発信も、『どうなのか?』とは思っていましたが、ここ最近の『日本大好き!』も行き過ぎた感じがして、なんとなく違和感を感じてしまうのが、私だったりします。

ということで、日本のシステムや思考について、『どうなんだろう?』と思うことについて、書いていこうと思います。

ここ最近のテレビでは、冒頭でも書いたとおり、『日本のここがスゴイ!』的な番組が増えてきました。
しかし、本当に日本は凄いんでしょうかね。

確かに、家電製品で有名な会社は沢山ありますし、日本車の知名度も高い。
『モノ作り日本』なんて表現もありますし、実物があるハードという視点で見れば、日本も結構なレベルにあるのでしょう。

しかし、ソフト面で見てみるとどうでしょうか。
例えば映画は、最近は邦画も見直されてきたとは言いますが、やはり主流はハリウッド。
映像でいえば、アニメ作品がスゴイじゃないかという反論も来そうですけど、主流とは言えず、サブカル止まりですよね。

日本の漫画なんかもスゴイとは聴きますが、実際に映画化されて興行収入を得ているのは、スパイダーマンやアイアンマン、アベンジャーズ等のアメコミですよね。
ジャパニメーションといわれて評価をされている日本のアニメは、一般的に観るとマニアックな部分からは抜け出せていない印象を受けます。

では、ゲームはどうなのか。
確かに一昔前は、ゲームといえば日本って感じもしました。
ファミリーコンピューターを開発したのは、歴史的にもスゴイ偉業だと思います。

私が子供の頃、ゲーム機の能力が低かった昔を振り返ると、ゲームソフトはほぼ国産タイトルだった記憶があります。
日本のゲーム会社も乱立していて、まさに黄金時代といった感じでした。
ですが、ゲーム機が進化した現在、世界売り上げでみると…
2011年のデータで、アメリカのシェアが46%、ヨーロッパのシェアが40%、日本のソフトは14%と、完全に置いてけぼり状態。

私はPS4のソフトを7本持っていますが、そのうち3本だけが日本のゲームという状態。
その3本のうちの1本ソフトを作っているSCEは、本社を日本からアメリカに移すようなので、実質は2本ということになるのでしょうか。

これらの点から見ても、日本のオタク産業と呼ばれるものは、世界レベルで見れば凄いとは言えない状態になっています。

分野を少し変えてみた場合は、どうでしょうか。
現代の生活に無くてはならないものに、ネット環境があります。
そのネットを使う機器として、PCやスマートフォンが存在しますよね。
PCで見た場合、OSはapplewindowsの2択の状態。
両社とも、アメリカの独占状態です。

ではスマートフォンはどうなのかというと、これもOSは、googleappleの2強状態。
隙間に入り込むように、Microsoftが頑張っているという状態です。
いずれも、アメリカ企業ですよね。

では、中に入っているアプリはというと…
Twitterfacebookに代表されるSNSは、アメリカ製。
メールにとってかわったLINEは、本社が韓国。

…と、ソフト面からみた場合、実は日本は存在感が薄いんですよね。
にもかかわらず、最近では自分自身を称えるかの様な空気感に、結構、違和感があるんですよね。

確かに、『自分たちの住んでいる国はスゴイ』と連日のようにテレビに映し出されれば、悪い気はしません。
しかし、そこから何が生まれるのかといえば、特に何も生まれない。
慢心し、『このままで良いか』と思って努力を怠ってしまうだけなんですよね。

だからといっても、昔のような自虐に戻ればよいかといえば、そうでもない。
極度の自虐も自画自賛も、何も生み出さない。

現状で必要なのは、自分と他とを客観的にみて、冷静に分析することではないでしょうか。
そして足りない部分や負けている部分は、追いつけ追い越せの精神で進んでいかないと、ますます世界からおいて行かれるのではないでしょうか。