だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【本の紹介・感想】 (前編) 反逆の神話 カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか

今回、紹介する本は、【反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか】です。



この本を読もうと思った切っ掛けですが、去年(2015年)の半ばに、カウンターカルチャーについて興味を持った時期が有り、Amazonで関連書籍を探していた際に見つけました。

何故、カウンターカルチャーに興味を持ったのかというと、私は元々、生まれついての天邪鬼。
スーパーファミコン全盛期にはメガドライブを買いましたし、購入していた漫画雑誌は、ジャンプではなくチャンピョンでした。
元々マイノリティー文化に興味が有ったせいもあって、カウンターカルチャーも興味はあったのですが、なかなか調べる所までには至っていなかったんですよね。

そんな中で、東京ポッドキャストというオカルト系のラジオ番組に知り合い、この分野の情報を集中的に入手したせいか、興味に火がついたしまいました。
カウンターカルチャーについての知識は殆どない為、とりあえず全体的な歴史を知りたいなと思って辿り着いたのがこの本だったというわけです。


実際に読んでみた感想ですが、本全体の印象としては、よく分からない本
何がわからないかを簡単に書くと
・誰に向けて書いているのか
・著者のスタンス
・本を通して何を訴えたいのか
といったもので、本としては致命的な欠点を持っている本という印象を受けました。

だからといって読む価値が無いのかというと、そうでも無い。
前半部分のルールや秩序、それに伴う文化の発展の話は面白かったですし、個別に見ると面白いと思える部分も多かったのも確か。
また、本全体を通して間違ったことを行っているわけでもない。
ただ、何を主張したいのかは分かりません。

もう少し、詳しく書いていきましょう。

この本は基本的には、カウンターカルチャーの無意味さについて語っている作品です。
カウンターカルチャーは、思想や理想としては惹かれる部分が有ったとしても、最終的には消費社会に組み込まれ、社会システムの一部になってしまうというもの。
各章ごとにカウンターカルチャーの思想を取り上げ、それを論破していくというスタンスで書かれています。

ここで疑問を持つのが、そもそもカウンターカルチャーとは何なのかという事。
簡単に書くと、カウンターカルチャーとはシステムに対する反逆で、今現在のシステムを破壊に導く思想や行動をカウンターカルチャーと読んでいます。
では、反逆すべきシステムとは何なのかというと、今の社会だったり秩序だったり法律だったりルールだったりするわけです。

カウンターカルチャーがこれらのシステムを批判するのであれば、その反論をする場合は秩序やルールを正当化しなければなりません。
という事でこの本は、秩序の素晴らしさを説くところから始まります。

私個人の感想としては、この部分は非常に面白かったです。
確かにルールは、時には煩わしさを感じるものでは有りますが、自分の生活を見直すと、ルールによって守られている部分も非常に多い。
この世に法律がなく、人を騙そうが殺そうが捕まることもなく裁かれないのであれば、安心して外に出歩くことすら出来ません。

しかし一方で、この『ルールに守られている』事を忘れ、ルールを束縛としか捉えない人達が存在します。
日本にも居ますよね、15歳の少年にバイクを盗んで夜遊びすることを進めたり、夜の学校に忍び込んでガラスを割ることが格好良いことの様に表現する歌手とか。
不良・ヤンキーやヤクザを憧れの的の様に描くマンガ・ゲーム映画などの作品とかね。

私は天邪鬼ですし、世の中の風潮に逆らって生きていきたいと思うような人間ですが、だからといって、これらのものを持ち上げる気にはなりません。
もしこれらがカウンターカルチャーというのであれば、『一緒にして欲しくない』というのが本音です。

その点この本は、現状のルールの問題点を改善するような行為に関しては異議申し立てとし、カウンターカルチャーと一線引いているのが良いですね。
ただ一線を引いて分けている為、カウンターカルチャーに対する意見は厳しいものとなっていますが。


また、文化レベルと秩序の関係についての話も面白かったですね。
これは、文化レベルと秩序に相関関係が有るという話です。
因果関係についてはわからないので、文化レベルが上昇したから秩序が高まったのか、ルール化が進んだから文化レベルが上ったのかは分かりませんが、実際に起こっている現象として、興味深い話でした。

こうして考えると、世間では自由を賛美する風潮が有りますが、秩序の外に自由を求めるということは、それなりのリスクも負わなければならないことが分かります。
銃夢という漫画には、『自由なんて、力のあるものだけが手に入れられるものだ。 自分が欲しいのは、犬の首輪なんだ。』というセリフが出てきます。




このセリフも、この事を理解した上で聞くと、より理解が深まりますよね。

…と、前半部分は興味深いことも書かれていて、結構楽しく読めました。
問題は、後半以降にありました。

長くなってきたので、続きはまた次回。