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ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

【ゲーム感想】 アサシンクリード 3

結構前の事ですが、アサシンクリード3をクリアーしました。
という事で、今回はその感想を書いていきます。
ネタバレ要素を含みますので、クリアーしていない方はご注意ください。


 

アサシンクリードシリーズを全く知らない方は、シリーズを通しての説明を先に読まれる事をお勧めします。

この3をクリアーして思ったのが、『この物語は父と子の物語だな。』って事ですね。
アサシンクリード2で、主人公のデズモンド・マイルズはアニムスの中に囚われることになります。
その時に、今まで聞いた事のない男性の声が、外側から聞こえくるのですが、この声の主が、デズモンドの父親だったんですね。

主人公のデズモンドは、昔は父親に鍛えられていたらしいのですが、その父親の行動の意味が理解できずに、家を出ることになります。
その後は、自由気ままな生活をおくるわけですが、特に何かを成し遂げるということもなく、平凡に過ごします。

デズモンドが去っていった父親の人物像はというと、自分の使命を全うする為に生きてきた、堅物親父。
自分なりには子供に愛情を注いでいた様ですが、その行動が子供に伝わる事がなく、理解し合えないままに離れ離れになってしまったという感じでしょうか。

目的の為に自分の役割に徹する父親と、特に目的もなく周りに流される息子という、対比構造にもなっていますね。


この物語は、そんな2人の再会から始まります。
今まで潜伏していた場所から、先駆者の遺跡に場所を移したところで、デズモンドは遺跡側の干渉によって、再び先祖の記憶の中にダイブすることになります。

そのダイブ先が、ヘイザム・ケンウェイ。
イギリス紳士風の、落ち着いた雰囲気の男なのですが、一番びっくりしたのが、彼がテンプル騎士団の幹部だという事。
上からの命令に忠実で、マシーンの様にターゲットを殺していく人物です。

そのヘイザムですが、この物語の中で、任務中に一人の女声と心を通わせます。
そして生まれるのが、シークエンス4以降の主人公である、コナー・ケンウェイです。

つまりデズモンドは、アニムスによる追体験内で、父と子の2人の立場をついた意見することになるんですね。
自分の先祖に当たる、ヘイザムとコナー。
この2人の行動も、マイルズ親子の様に対比構造になっています。

ヘイザムは、テンプル騎士団で立場は違えど、自分の役割を認識して、自分で考えて行動を行います。
目指すべき世界が有り、自分が住む世界をそこに近づけるためには、残虐な行為も躊躇しません。

その一方でコナーはというと、自分というものが有りません。
一番最初に自分の村がテンプル騎士団によって襲われ、その復讐をしたいという目的は有ります。
しかし、その先に何があるのかといえば、何もない。

復讐する為に、言われるがままに元アサシンのアキレスの元を訪れて弟子入り。
その後は、アメリカ大陸が王党派(イギリス派)と愛国派(アメリカ独立派)によって混乱になるのですが、ケンウェイが先の時代を見据えて行動するのに対し、コナーは流されるままに愛国派側に力を貸します。
その流れで親子で共同作業を行う事になったりして、コナーは徐々に、ケンウェイを慕うようにもなったりします。

ただ、ケンウェイが自分の目的の為に重大な任務を任せていた人物、チャールズ・リーが、コナーにとっては母親の仇という事で、結局は理解し合えずに、悲しい最後を迎えてしまうわけですけどね。
この様な理解し合いたかったのに、戦わざるをえなかった、悲しい親子関係の話が本編になっています。

先祖の悲しい親子関係をついた意見したデズモンドは、現実世界で直ぐ近くにいる父親の気持ちを察しようとします。
父親がピンチになった時には、自身の身を顧みずに助ける事も。


2つの親子の物語を比べてみると分かるのですが、ケンウェイ親子に対し、マイルズ親子はかなり恵まれた環境に有ったんですね。
ヘイザムは、愛する女性が自身の子供を身籠っていることすら知らずに、暮らしていました。
そして、自身の命令を無視して暴走した部下が、知らない間に母親を殺していた事を、自身の息子から聞かされることになります。
そんな親子も、再開することで僅かに心を通わせる事になりますが、最終的には考え方の違いから、殺し合いに発展します。

こんな親子関係に比べたら、コミュニケーション不足から家出する事になったデズモンドの事情なんて、大したことではないんですよね。
2つの親子関係を相対比較することによって、デズモンドは父親と分かり合おうと努力します。

私自身は男なので、女性が父親に対してどの様な感情を持つのかは想像できません。
しかし、男親と息子の関係というのは、容易に想像することが出来ます。
そして、どこの家庭でも、事の大小は有ったとしても、心の行き違いという問題は抱えていると思うんですよね。
それを、歴史を超えた話と陰謀論を組み合わせた感じで表現するのが、凄いな!と感心してしまいましたね。

親子関係がギクシャクしている方は、このゲームを今一度プレイしてみるのも良いかもしれません。

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