だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

軽減税率よりも重税を

最近の政治関係の話題といえば、軽減税率の話ばかりですね。
軽減税率とは、簡単にいえば一部の商品の消費税を軽減しますよという話。
では何故、軽減税率が必要なのかという話になったのかといえば、消費税は消費した金額に対して税金が課せられる為、貯蓄にまわす余裕の無い貧困層負担が相対的に増えるからです。

年間1千万円もらっていた人が、400万円だけ使って残りを貯金した場合、消費税は32万円です。
その一方で、年収300万円の人が生活費に全額使った場合、支払い消費税は24万円。
32万円と24万円を比べると、確かに年収1000万円の方が払う32万円の方が多いです。
しかし年収との比率で考えると、年収1000万円の方は年収の3%しか支払ってませんが、低所得の300万円の方は8%の支出となり、相対的に支払額が大きくなってしまいます。

これが一般的にいわれている逆進性。
消費税の導入に対して厳しい意見が多いのは、これが原因です。

厳しい意見も多い消費税ですが、私は今のシステム上では、仕方のない制度だとも思っています。
本来であれば、一番良いのは金持ちから多額の税金を取ることです。
そもそも論として、いま世界中で経済的な問題が起こっているのは、二極化が起こっているからです。
では何故二極化が起こるのかというと、適切な再分配が行われていないから。

民間企業が再分配を行わず、労働者から搾取し続けるというのであれば、更に大きな枠組である国が税金という形で徴収し、社会保障という形で再分配する必要が出てきます。
そういった意味では、所得税累進課税等は当然の事といっても良いでしょう。

しかし、ここで問題が起こります。
それは、金持ちの合法的脱税です。
合法的なので、厳密に表現すれば節税なんですけどね。

具体的には、所得税や住民税の安い国に長期間滞在する事で、税金を安い国に納めようとする事ですね。
日本にもいますよね、基本的に海外に住んでいて、偶に日本に帰ってきて偉そうなコメントをして荒稼ぎして、また戻っていく芸能人とか。
累進課税によって、高額所得者の税金を上げれば上げる程、この人達は住居を日本以外に移してしまう。
そして厄介なことに、高額納税者は海外移住する為のハードルが低いんです。

この構図では、税金を上げれば上げる程、金持ちが海外に逃亡してしまいます。
逆に、所得税を安く設定している国は、大量の金持ちが引っ越してきてくれて多額の税金を収めてくれるので、何もしなくても国が儲かる。

海外逃亡する金持ちは、荒稼ぎしている国のインフラを使って儲けているのに、いざ税金を払う段階になって、他の国に支払うわけです。
これは企業も当てはまる構図で、法人税が高い設定だと、企業は節税で本社を税金の安い国に移してしまう。
累進課税や高い法人税を適用して金持ちに高い税率を課している国は、インフラ維持の為に、それだけのお金が必要だから設定しているのです。
にも関わらず、税金を支払わずにインフラをタダ乗りされてしまうので、たまったものじゃない。

こういう状況が進むと、当然の事ながら、国の運営は難しくなってしまいます。

そこで、仕方なく導入されるのが消費税。
付加価値に対して税金がかかり、消費された国に税金が落ちる仕組みの消費税が、脱税自体が難しい。
先に例を出した、『日本で稼いでいるのに海外に税金を収めている』人達も、日本で消費をすれば税金を払わざるをえない。
合法的脱税が出来ない点で、非常に優れた税金ではあるのだけれど、先程紹介したように、貧困層ほど納める比率が高くなってしまうという問題が出てきます。

これを是正する為に軽減税率の話が出ていて、○○党などが必死になって導入しようと頑張っているのですが…
この制度が、非常に胡散臭いんですよね。

というのも、軽減税率の発想が、生活必需品に対しては税金を下げようという発想なのですが、生活必需品は金持ちも使用するため、金持ちも同じように恩恵を受けてします。
前半部分でも書きましたが、本来税の徴収には所得の再分配という側面もあります。
しかし消費税の増税と、それに伴う軽減税率を導入しても、二極化が進むだけ。
富裕層はより住みやすく、貧困層をよりつらい状況に追い込まれてしまいます。

では、この状況を少しでもマシにする為にはどうすれば良いのでしょうか。
結論をいえば、昔から、そして多くの人が提案しているように、高額消費に対して段階的に消費税を増税していけばよい。
例えば車を買う場合、200万円を超える場合は15%、500万円を超えると30%、1千万を超えるものについては100%等、高額になればなる程、税金を上げていく。
逆に金額が小さいものに対しては、税金は低めに抑えておけば良い。

この税率と消費金額の関係は、車・家など消費するものが変われば、変化して良いと思います。
そして、軽減税率で分配される予定といわれている4000億円は、貧困層に限定して還付すれば良いのではないでしょうか。
この方が分かりやすく、線も引きやすい。

しかし今現在、軽減税率関連で行われている議論は、食料品に加工品や外食は含まれるのかなど、かなりどうでも良い議論ばかり。
何故、こんな議論になるのか。
これは想像になりますが、ある程度の権力がある組織を作りたかったのではないでしょうか。

日用品を軽減税率の対象にすれば、どの品物を軽減税率に組み入れるのかを審査することになり、そこに権力が生まれます。
また、膨大な量の商品を仕分けしていくわけですから、組織もそれなりの大きさになる。
これは、格好の天下り先になりますよね。
そしてその組織には、高額な公務員給与として税金が投入されます。

また、日用品という身近な商品に対して軽減税率を適用すると、政治家にとっても都合が良い。
選挙時に、『軽減税率を導入させたのは我々の党です!』と高らかに宣伝することが出来るわけですから。
政治家や官僚にとっては非常に良いシステムなんですよね。

しかしその一方で、国民的には何のプラスもない。
スーパーなどの日用品を扱う商店などは、レジのシステムを変えなければならない為、むしろ出費が増えるんですよね。
その設備投資の為に、売られているものが割高になれば、消費者にとって年間1000円程度しか変化がない軽減税率なんて全く意味が無いものになってしまうんですよね。

国民に出来ることは、こんな制度を導入して『国民のため!』なんて主張している政党を覚えておく。
そして、その不満を次の選挙に投票という形でぶつける事ぐらい。
その為にも、しっかり覚えておく必要がありますね。

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