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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

人口問題と景気

社会 政治・経済

ニュースを見ると、『少子化』『少子化
少子化によって物は売れず、経済成長は止まり、最終的には生活水準が下がり、国が崩壊する。
まるで少子化が止まって人口が増えれば、あらゆるものが好転するかの様な論調なのですが、個人的な考えでは、これらの考えには違和感しか有りません。

確かにGDPだけを考えれば、少子化よりも、子供が多いほうが有利でしょう。
子供が1人増えると、それだけ消費額が増えることになります。
単純計算をすれば、労働人口が増えることで、生産性も上がるのでしょう。

しかしこの考え方って、正しいのでしょうか。
よくニュースでは、『今の日本は人手不足が深刻で…』といった話を聞きます。
人手不足が深刻で、仕事がこなせない程に舞い込んで来ているのであれば、確かに、労働人口を増やすためにも、少子化対策はやるべきだと思ってしまいます。

しかし冷静に考えて、私達の給料は上昇してませんよね。
本当に人手不足なのでしょうか?

仕事が順調に回せない程の人手不足なのであれば、賃金はもっと上昇していてもおかしく有りません。
というのも、人でが欲しい企業は人材獲得競争に勝つ為に、より有利な条件で募集をかけます。
その条件にあっている人は、労働者に有利な条件を提示している企業に入社したがる為、優秀な人材を獲得する為には、他社よりも良い条件を提示しなければ、人が集まりません。
また、既に仕事をしている人も、自社の待遇が悪い場合は退社して再就職するという選択肢もあるわけですから、給料を引き上げなければ、社員確保も難しい状態になる。
結果として、労働者に有利な社会環境になり、賃金は上昇傾向になります。

で、もう一度聴きますが、給料って、上昇しているんですかね。
民主党政権から自民党に変わり、時を同じくして進んだ円安によって、株価や物価は上昇しました。
しかし給料はというと、安倍首相が財界に圧力をかけて、ようやく少し上がった程度。
その上昇幅も、物価上昇率よりも少ないため、インフレ率を考慮すると、実質賃金は低下している状態です。

人の言うことよりも、行動の方が信用できるものです。
客観的に企業の態度を観ると、『給料を上昇させなくても、人は集まる』という認識としか考えられない。

つまり、労働力不足というのは嘘と考えるべきでしょう。
性格には、低賃金で働いてくれる人が少ないだけ。
信じられない人は、ヨーロッパのケースを考えて見ればよいでしょう。

ヨーロッパは先進国ですが、対岸には北アフリカ諸国が有り、東の方は中東・アジアと接している。
移民が行きやすい立地にあるわけで、今までは移民を受け入れていましたが、今になって移民問題が勃発しています。
移民が安い賃金で職を奪っていく為、ヨーロッパの失業率は高止まり。
若者世代では、40~50%の人間が失業中という話もあります。

現状で起こっているシリア難民問題も、ドイツは『人手不足だから、受け入れ体制がある』なんて言っていましたが、なんやかんや言い訳をして、入国を一時停止している状態。
これも当たり前のことでしょう。
ギリシャ・スペイン・イタリア等の経済の弱い国の若者は、ドイツ語を勉強してドイツに引っ越して就職するというプランを練っている人達が結構な割合でいます。
ドイツが今現在必要な人数なんて、シリアから難民を受け入れなくても、EU圏内の若者の需要だけで賄いきれてしまいます。

EU圏内で考えるのであれば、むしろ職が足りない状態。
つまり、世界中で起こっているのは、労働力の供給過剰です。

では何故、移民を受け入れたりするのか。
それは単純に、海外からの出稼ぎ者を雇うほうが、賃金が安くて済むからでしょう。
EU内で、それなりに高い教育を受け、ドイツ語まで取得した人が、ドイツで低賃金で単純労働はしたがらないでしょう。
しかし、海外からの出稼ぎ者となれば、話は別。
母国で働いて年間5万円にしかならない人が、1ヶ月で15万稼げれば、生活費で10万使ったとしても、毎月の様に母国に年収分のお金を送金できます。

これは、アメリカの場合でも同じです。
アメリカは好景気で失業率も改善し、今年中にも金融引き締め策である利上げをするのではないかと言われています。
確かに、失業率という数値と物価上昇率だけで観れば、景気は回復しているのでしょう。
しかし、労働者の中身を観ると、悪化しているとしか思えない状況。

正規社員は首を切られ、代わりに非正規労働者に置き換えられています。

アメリカといえば移民の国。
毎月20万人の移民を受け入れている為、人口は増加し続けています。
しかし、市民生活が豊かになっているかといえば、実質賃金は低下。
その上二極化が進んでいるので、貧困層の生活は酷いことになっています。

翻って日本ですが、少子化対策を行うことで、本当に生活は豊かになるのでしょうかね。
日本の人口が増えることで、ただでさえ高い不動産価格は、ますます高くなるでしょう。
その一方で給料が上昇しないとすると、一体給料の何割を家賃に当てれば良いのでしょうか。

普通に考えると、可処分所得が下がって、ますます景気が悪くなる様な気さえします。
にも関わらず、『少子化ガー』『移民を~』なんて議論に向かってしまうのは、私には、根本的なものから目をそらそうと考えているようにしか思えないのですけどね。

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