だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

仕事と趣味の境界線

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ここ最近思うのが、『仕事と趣味の境界線ってなんだろう。』って事です。
大昔、一次産業が主な仕事だった頃は、生きる為に行う事が仕事という考えも出来たと思います。
しかし今現在、虚業を生業とする人が増えてきて、その境界線が曖昧なものになっている印象を受けます。

わかり易い例でいうと、スポーツ選手。
子供の頃、学校や公園で、野球やサッカーをやったことが有る方は、多いと思います。
大人になっても、趣味や付き合いでゴルフを始める人が、一定数存在します。

でもこのスポーツは、競技のレベルが一定数を超えると、職業になります。
そのラインを超えられない人は、素人として趣味として行っていると認識されます。
野球・サッカー・ゴルフ等、プロというカテゴリーがハッキリと認識されている場合は、仕事と趣味の境界線が、なんとなく分かるような気がします。

しかし、認識がハッキリしていない分野ではどうなんでしょうか。
例えば、一部の方は知っていて、既に浸透している分野として、ゲームが有ります。
日本人にもプロゲーマーという方がいて、賞金を取る為にイベントに参加されたり、雑誌やテレビの取材を受ける事で、収入を得ています。
構図としては、先程挙げた野球等のメジャースポーツと同じなのですが、プロゲーマーという職業を知らない方の中には、『ゲームをして遊んでいる人』という認識しか無いのかもしれません。
ですがプロゲーマーも、賞金が出て、それに付随する行為で収入が得られるのであれば、単なる趣味ではなく、職業なのでしょう。

では、収入が発生すれば、職業なのでしょうか。
先ほど挙げた例に共通している点は、ゲームにしてもサッカーや野球にしても、技術レベルが一定レベルを超えていることです。
常人には出来ない事を平然とやってのける技術に対して、お金が支払われているとも考えられます。


では、技能がない場合は、職業とはいえないのでしょうか。
同じ様なゲーム関係でいえば、youtube等でゲームの実況プレイ動画をアップロードしている人達が存在します。
全く知らない方に簡単に説明をすると、ゲームで遊んでいる状態を自身で実況したものを、無料動画サイトに投稿している人達です。
この人達が上げる動画の中には、ゲームが下手な人も結構な割合で存在します。
自分でコンテンツを作って自分で投稿しているだけなので、オファーが有るわけでも有りません。

つまり、仕事としての受注がなく、ゲームの技能も必ずしも高くない。
しかし、人気が出てアクセス数が増えた場合、動画に広告を貼り付けておけば、アクセス数に応じたお金がもらえます。
思いyoutubeに動画投稿をする人たちの事を、youtuberと表現するそうですが、その人たちの中には、数億レベルで稼いでいる人達も存在するようです。
これは、趣味なのでしょうか、仕事なのでしょうか。
『お金が発生していれば、仕事でしょ』と断言する方も居らっしゃるかも知れませんが、私は、この辺りから認識があやふやになってきます。

少し別の例で考えましょう。
同じ様なネットコンテンツで、ブログというものが有ります。
ブログは主に文章コンテンツですが、これもアクセスが集まることで、広告収入が手に入る可能性があります。
これも、文章が上手い・内容が充実しているから、確実に購読数が増えるというわけではありせん。
人気だったり
話題だったり
炎上していたりと、アクセスが集まる理由は、メインの文章の質以外のところにある場合も結構あります。
ではブログは、収入が発生するという点で見て、仕事といえるのでしょうか。

webコンテンツの場合は、ネットニュースや掲示板の2chの文章を転載するだけのコンテンツも有ります。
コピペブログと呼ばれるコンテンツですが、気軽にニュースが読めるということで結構アクセスを集めているようです。
これだけで食べていける程に稼げる場合、これは仕事といえるのでしょうか。

同じ文章コンテンツとしては、販売されている雑誌・新聞等も存在します。
ここに書かれているものも、質として高いものも有りますが、必ずしも全ての質が高いとはいえません。
個人ブログの方が、遥かに有益なことが書かれているのではないか?と思わせる様な、雑誌やコラムも存在します。
ここで書いている人は、プロなのでしょうか。
それとも、原稿料を貰っても食べていけないレベルの人は、趣味なのでしょうか。


よくよく考えると、仕事と趣味の境界線は、結構曖昧なものだともいえます。
ここまで読んで『その行為単体で食べていけるなら、それは仕事だ』と仰る方も居らっしゃると思います。
確かに、そう考えると非常にシンプルに考えることが出来て、スッキリします。
しかし、一つ問題が出てきます。

例えば、零細企業を経営されている社長が居らっしゃったとします。
昔はそこそこ儲かっていたけども、時代の変化とともに製品の受注も減り、今では赤字経営だとします。
製品を制作する為の材料を書い、水道光熱費などの経費を払い、従業員給料を支払うと、手元に残らないどころかマイナスになってしまうとしましょう。
この社長は、その行為で食べていけるどころか、会社を経営しているだけでお金が減っていく状況です。

この社長が行っている行為は、金のかかる趣味なのでしょうか。
それとも仕事なのでしょうか。

先ほどの基準に照らし合わせると、この社長が行っているのは、趣味ということになってしまいます。
しかし多くの人が、【仕事】だと認識するのではないでしょうか。

このように考えると、仕事って結構、あやふやなもののように思えます。
まじめに行ったからといって成功するわけでもないし、気軽にやったから失敗するわけでもない。
他人から見たら遊びにしか見えないものも、実は利益が発生しているかもしれない。
辛いことを一生懸命、かなりの時間を削って行っていても、趣味以下の収入しか得られない場合もある。

こんな【あやふや】なものなのに、人生の大半の時間を奪っているって、なんだか不思議ですね。