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だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

資本主義の寿命

政治・経済 考え方 社会

最近よく思うのですが、先進国ではそろそろ、資本主義が限界に来ているように感じます。
限界が来る要因は、資本主義というシステムは、上手く回っていく期間というものが決まっている。
それを超えると、とたんに回らなくなる欠陥システムだからでしょう。

では資本主義の寿命はどれぐらいかというと、生活インフラが整い、大部分の人の生活が安定するまでの間。
つまり、需要が供給を大幅に上回っている発展途上状態では有効なシステムだれど、それを過ぎると不具合が出始めてしまう。
という事で今回は、資本主義の寿命とその要因について考えていきます。


資本主義は、資本が自由意志を持つように振る舞うところから名付けられた名前のようです。
名前はあくまで総称で、資本主義の中には小さな様々なシステムが混在している状態。
そのシステムを良く見ると、相反する矛盾した動きをするものも混ざっている。
これが、システムが上手く働かない原因でしょう。

資本主義のシステムを簡単に説明すると、資本家が資金を投下して事業を起こし、投資資金以上の収益を得る構造の事です。
何故資金を投下するのかといえば、それが将来に何倍にもなって帰ってくるからです。
逆にいえば、投資した資金が返ってこないのであれば、投資する必要はないということです。

投資した資金が、その額以上に返ってくる為に必要なのが、経済成長です。
つまり資本主義の下では、経済は成長し続けなければならない。
経済成長が続く限り有効なシステムですが、経済成長が止まった途端に破綻してしまうシステムです。
この資本主義というシステムに寿命が有るということは、言い換えれば、経済成長事態に寿命があるともいえます。

では何故、永遠に経済成長は続かないのかというと、資本家同士が闘うからです。

資本主義が共産主義よりも優れている点としてよく言われるのが、『共産主義は怠け者ばかりになってしまう』という理屈。
確かに、全員が公務員で就職率100%、給料が安定的に貰えるのであれば、サボりが増大するのも頷ける。
働いても働かなくても同じ給料なら、働くほうが馬鹿ともいえなくはない。
その一方で資本主義は競争社会。
皆が自発的に労働しなければ、生きていくこともままならない社会なので、発展はしやすいともいえます。

しかし皮肉なことに、この競争社会という仕組みが、資本主義の寿命に繋がってしまいます。

競争社会というのは、簡単にいえば昔の貴族同士の戦争のようなものです。
社畜という奴隷を使って、市場シェアという他の領地を奪いに行く。
相手を効率的に任すために、他者よりも優れた製品という名の武器を持って戦うわけです。

この戦争が繰り返されれば、いずれ数少ない大組織のみになってしまう。
【国】という概念がなかった頃の大昔であれば、土地の領主や部族長と呼ばれた人は、数多く存在していましたが、今は200カ国に満たない国にまとまっています。
これと同じように、資本主義の下では企業同士の競争が起こり、その競争を勝つために、様々な効率化が起こります。
効率が高まるというのは、別の言葉に置き換えると【生産性の上昇】という事になるのでしょうが、生産性が上昇する事で、経済成長が止まってしまうんですね。

これでは少し分かりにくいと思うので、別の表現で書いてみましょう。

生産性の向上は、言い換えれば一人の人間が1日で出来る仕事量を増やす事です。
増やす方法は様々です。
一番分かりやすいのは、労働時間の長期化ですが、これは最後の手段。
大抵は、システムの見直しや、機械の導入によるオートメーション化です。
これによって品質を維持しつつ生産コストを下げ、他者のシェを奪うのが王道といえます。

しかし、一人で生産・供給できる物の数が増えるという事は、労働力の重要性が落ちるという見方も出来ます。
例えば、ある会社が1日に供給する商品を1000人の労働力で生産していたとします。
これを機械の導入で自動化し、機械のメンテナンスやその他業務で100人だけで生産できるようになった場合、労働生産性は10倍になります。
会社にとっては人件費が10分の1で良いのですから、機械の購入費用を対応年数で割った金額が、削減した人件費以下なのであれば、その分だけ利益が出ることになります。
ですがその一方で、900人の人員が解雇されることになるわけで、労働市場では人が余る現象が起こってしまう。

結果として起こるのが、失業率の増加。
失業率が増加して求職する人が増えると、雇う側の企業にとっては好都合。
キツくて低賃金という労働環境でも、生活に困った人が職を求めて押しかけてくる。
労働市場は買い手市場になり、賃金が上昇しなくなって行く。

この賃金の低下が、資本主義にとっては大敵だったりするんです。
というのも企業の売上というのは、どこかから降って湧いてくるわけではありません。
その源泉は、労働者が得た賃金です。
しかし、労働生産性の工場によって、この賃金が安くなってしまうと、消費者は使えるお金が減る為に消費活動を行えない。
結果として、経済は停滞してしまう…

要は、共産主義よりも優れている点としてあげられていた競争によって、二極化。
富裕層が持つ資産額は増え続ける一方で、その人口は減り続ける。
逆に経済的奴隷である大衆の人口は増えるのですが、その大衆の収入が減り続ける事で、消費活動が行われなくなり、経済停滞が起こってしまうということですね。

この状態を回避する為には、富の再分配が行われる必要がありますが…
富の再分配を制度化出来る権力を持った人達が既得権益側の為、なかなか実行されないのが現状です。
過去の歴史では、行き着くところまで行った先には革命が起こっていたわけですが、日本でも起こってしまうんでしょうかね。

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