だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

SF的に神の存在を考えてみる

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【神】というと、何となくというか、宗教って感じがビシビシ伝わってきます。
ある人達は『一人しかいない』と言ってみたり、そうかといえば『たくさん存在する』といってみたり。
平和をもたらす象徴だったり、戦争の原因になったりする不思議な存在。
それが、私が持つ【神】のイメージです。

そんな神様ですが、SFの世界では、古代人的なもの神だったんじゃないかという説が結構あります。
超古代文明というものが存在していて、その文明は今よりも遥かに進んでいた。
その人達が、人間という存在を作ったんじゃないかという説。

具体例を挙げると、アサシンクリードというゲーム。
このゲームの設定では、人の記憶は脳に蓄えられるのではなく、遺伝子の中に蓄えられるという設定。
記憶を司る遺伝子を刺激すれば、過去の歴史を追体験する事ができるシステムが開発された未来の話。

その物語の中で、15世紀に生きたエッツィオという預言者が、神と呼ばれている存在と対峙するシーンが有ります。
自身をミネルバと呼ぶその人物は、『人類は私達が創った。そして、当時危機的状況だった地球環境で生きれるように、人間を私達と同じような形にした。』と主張します。
そして、対峙したエッツィオが生きる時代よりも600年程先に生まれる現代の主人公、デズモンドに対して時を超えて話しかけるという描写があるんですね。

これだけを聴くと、正に『神様』って感じなのですが、ミネルバは自身を神では無く【古き者】と名乗り、古代に生きた種族の一人だといいます。
人類を生み出す程の技術力を持つ【古き者】ですが、人口自体は少なかったようで、自身が創りだした人間の方が繁殖力が強く、人口が逆転。
その後、人類が古き者に対して反乱を起こす。
技術力で勝る古き者と、数で勝る人類との戦いは熾烈を極めたが、その結果として地球を取り囲む環境への警戒を怠ってしまった為、超古代文明は滅びることになったようです。
この混乱に乗じて人類の一人であるイヴは、その際に【古き者】が創った技術の結晶の様な存在である【エデンの果実】を持って逃亡。
その後の世界では、超古代文明の片鱗である【エデンの果実】を求めて、様々な争いが起こっていくという世界観。

似たような発想は、他の作品にも見られます。
漫画でいえば、【風の谷のナウシカ】もそうですね。

映像で残っているナウシカは、前半部分のストーリーだけを使用した作品なので、完結していません。
完結している漫画版では、世界観の説明が事細かにされています。
簡単に説明すると、ナウシカ達が存在する以前の地球は、今の人類が暮らしているような進んだ文明を持つ世界でした。
アニメ版でも、古い地層からエンジンを発掘するなんてシーンが存在していますし、ところどころに高層ビルが朽ち果てたような遺跡がありますよね。

その進んだ世界は、人類が創りだして生物兵器である【巨神兵】によって崩壊します。
火の7日間と呼ばれる事件で、巨神兵による核の光で地球全土が汚染され、生きていた動植物の殆どが死に絶えます。
そして数少ない人類の生き残りは、人類を核に汚染された土地でも暮らせる様な人類を創造し、土地を浄化するシステムを構築します。
その浄化システムが【腐海】と呼ばれる腐った森です。
腐海の植物は、大地から汚染物質を吸収して、瘴気という形に変えて空気中に放出する役割を持っています。
大地から完全に汚染物質がなくなった際には、腐海は成長を止め、崩壊するように設定されています。
この腐海を守るために生み出されたのが、そこに住まう蟲たちです。

一見すると素晴らしいシステムの様に思えます。
しかし、完全に浄化された世界では、毒に耐性を持つように改造されたナウシカの様な人達は体が対応できず、吐血して死んでしまいます。
人類が生き残る為には、王家の墓と呼ばれる聖地ににある技術を使い、再度、昔の人類を創り直す必要があるという話。
作中では、王家の墓は宗教施設の様な扱いを受け、そこに住まう人達からは、昔の人類は神のように崇められています。

この例は、今の人類が新たな人類を想像するという話ですね。

同じ様な話で、今後現実味を帯びてくる様な例が、これまたゲームの【スターオーシャン
このゲームの主人公は、はるかに文明が進み、他の生命体が住む星まで飛べる宇宙船を開発できる様な技術を持つまでになった地球に住む少年が、主人公。
そんな主人公が宇宙を航行中に、トラブルから文明が進んでいない星に不時着するところから、物語は始まります。
ゲーム中は、本当に普通のロールプレイングゲーム
中世的な世界観が出てきたり、魔法があったりというのが、ごくごく普通のゲーム的な世界観です。
しかしゲーム中盤になり、かなりの衝撃的な展開になります。

ゲーム内で重要な施設と呼ばれているゲートというのが有るのですが、そのゲートをくぐった先にある世界というのが、本当の現実の世界。
つまり、地球を含む様々な星や、そこで織りなされる物語の数々が、全て、その世界のゲームプログラマーが創ったオンラインゲームだったということ。
地球に生れて普通に生活をしていたと思い込んでいた主人公は、ゲームのプログラムの一部でしか無かったことが判明します。
先ほど、主人公達は中世の世界観の中を旅すると書きましたが、中世の世界観で需要となってくるのが、宗教です。
その星の宗教は多神教で、様々な名前のついた神々を進行しているのですが、その神の名前が、プログラマーの名前。

当時、このゲームをプレイしていた私は、この展開に衝撃を受けました。
この流れを経験した後で世の中を見渡すと、色んなモノが別の形で見えてきます。
例えば、光と時間と速度の関係。
光は、観測者がどの様な状態で観たとしても、秒速30万キロという固定の速度で動いているようですが、これはゲーム内のバグなのではないかと…
現実の世界がゲームなのか違うのかは置いておいて、今後十分あり得ると思わせるのが、今から30年後の2045年の技術的特異点の話。

技術的特異点後の世界では、人工知能が人間の知能を上回るとされていて、コンピューターが人間の感情を再現する事が不可能でなくなる可能性が高い。
そうなると、仮想現実内に創った世界の人々が、仮想現実内で全く予測できない文化を作り出す可能性もあるわけです。

当然の事ながら、人工知能を創った人間は、人工知能にとっては創造主である神となるわけですね。
こう考えると、時代は繰り返すという意味で、人類を創った超古代文明も有ったんじゃないかと思わされます。