だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

栄養制限ダイエットの副作用は遺伝する

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先日(2015年6月24日)。
私が聴いているネットラジオで、人には調節機能があるという話をされていました。
http://moteradi.com/20150620amoteradi.com


話は、アルコール中毒患者に断酒を行うと、アルツハイマーにかかりやすくなってしまう事例が有るというところから始まる。
そんな中、一部の患者が酢を飲み続ける事で、脳の機能を正常に保っていた。
後の患者の脳を調べると、本来は糖分のみをエネルギーとしていた脳が、酢を栄養源に切り替えていたという事実が発覚したという話。
酒は体内で分解された末に酢になる為、常時補給される酢を栄養源にする様に切り替えたということなのだろう。

ここから話は転じ、人体には元々調節機能が備わっていて、従来の常識とは離れた法則でバランスを取っている可能性の話に。

要約すると、無理な食事制限を続けた状態でダイエットに成功しても、体が飢餓状態になっている為、吸収率が上昇して太りやすくなる。
その一方で、人の体には余分なものを排泄する機能が有るので、食事を過ぎても無駄な分は排泄されるというもの。

話のオチとしては、『好きなモノを好きなだけ食べた結果、どうなると思いますか?今の貴方の体型が出来上がったんです』という笑いで締めくくられており、嘘か真か見極め辛い感じになっていました。
しかし、実際にこの様な説は存在するんですよね。

何処の国の部族かは忘れましたが、芋しか取れない地域に済む部族が特集されていた番組がありました。
芋の栄養素は大部分が炭水化物なので、芋しか食べないというのは栄養が偏り、本来であれば栄養失調になってしまう。
しかしその地域の住民は、元気に生活し、タンパク質をとってもいないのに筋肉隆々の体をしていました。
その部族を科学的に調べると、体内細菌が触媒となり、炭水化物をタンパク質に変化させていた事が分かりました。

これは、人にはそもそも環境に対応する能力が有る事の裏付けとなります。

似たような話が、【迷惑な進化】という本に書かれています。



迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか



(過去に紹介文を書いてます。迷惑な進化の紹介文はコチラ。

事例としては先程と正反対の、現代版栄養失調の話なのですが、根幹部分は同じなので、その例を取り上げてみましょう。

書かれていたことは、先程も書いた現代版栄養失調の話。
現代版栄養失調とは、ファーストフード等の低価格な食品ばかりを取ることで起こってしまう症状です。
ファーストフードは、基本的に栄養素が脂質と炭水化物のみです。
ビタミン・ミネラル・タンパク質というのが不足しがちで、大部分はカロリーのみの食品です。

この糖質と脂質に偏った食事を毎日の様に続けると、カロリーは十分に摂取できてはいるが、栄養不足となってしまう。
その為、体は栄養素を必死に取り込もうとカロリーを吸収し、最終的に大柄になってしまう。
栄養失調や飢餓といった言葉を聴くと、アフリカの貧しく痩せ細った人達を想像してしまいがちだが、先進国で起こっている栄養失調の殆どがこのタイプ。
この事は、アメリカの貧困層の大抵が大柄という事からも理解できると思います。

ここまで読んで、『さっきと真逆の事例じゃないの?』と混乱されていると思います。
確かに、ここまでは逆の事なのですが、この話には続きがあります。

現代版栄養失調は、世代を超えると更に悪化するんです。
具体的な例を上げて、説明しましょう。
女性が現代版栄養失調を患っている状態で子供を妊娠したとします。
母親の中にいる子供は、親の体を通して外界の情報を取り入れて、出産に備えます。
つまり、ファーストフードばかりをとっている現代版栄養失調を患っている女性の子供は、『外の世界にはカロリーだけで栄養が無い食事しか取れない世界なんだ』と認識してしまう。
子供は外界の環境に適応するため、、より栄養素を吸収しやすい体に変化させて生まれてきます。

結果として、同じカロリーを取っていてもより太りやすい体を持って生れてしまう。
どちらも共通している点は、人は短ければ1世代で、代が変われば確実に環境に合わせて体を変化させるという事です。

『しかし、結果が正反対じゃないか』という突っ込みがあると思いますが、両者の例で一つだけ違う点が存在します。
それは、前者の芋しか食べない部族は、天然のものを調理していた。
その一方でファーストフードは、人工的に加工された物で作られているという点です。

前者の芋の場合は、結果として体内に細菌を飼う事で、栄養不足を解消していました。
しかし、その細菌は人間が創りだしたものでは有りません。
その部族が住む大地に存在していたものを、殺さないように体が変化しただけです。
食べていた天然の芋も自然なものである為、炭水化物が中心の栄養素といっても、純粋な糖質しか無いというわけでは有りません。
ビタミンやミネラルは当然の様に存在しますし、まだ科学で解明できていない様な人間に絶対必要な栄養素も含まれている可能性も大いにあります。
体の変化できる範囲と、自然的な様々な条件が奇跡的に噛み合って、芋だけで全ての栄養素が賄えるようになったのでしょう。

しかし、ファーストフードはどうでしょうか。
パンの材料の小麦は、不純物を取り除かれて綺麗に生成され、ハンバーグの材料であるピンクスライムと呼ばれる肉は、必要以上に洗浄されています。
少し前に中国の食品工場で、落ちた食材やカビの生えた肉を製造ラインに入れて製品を作っていたと問題になりましたが、そんな環境で作っても食中毒にならないというのは、その後に洗浄する工程が有るからなのでしょう。
カビや落ちた際の雑菌迄もを強力に落とすわけですから、肉から栄養素まで削げ落ちていたとしても不思議ではない。

最終的に生まれた製品は、純粋な脂質・タンパク質のみ。
それをパンで挟んで出す為、出来上がった製品には体に絶対的に必要な何かが足りないのでしょう。
その何かがどんなものかは分かりません。
既に解明されているような、ビタミン・ミネラルといったものかもしれませんし、まだ解明されてないものかもしれません。
確実にいえることは、何かが足りないということだけです。
結果として現代版栄養失調になり、体はより栄養素を吸収できる様に変化する。
そして、その体質は悪化し、次の世代に受け継がれる。


長くなってきたので、そろそろまとめに。
巷にあふれている食事制限ダイエット法は、現代版栄養失調を誘発しやすいダイエットです。
貴方自身がダイエットに失敗してリバウンドをするのは勝手ですが、その後遺症はより強化され、子供に受け継がれることになります。
もし貴方が、『子供につらい思いはさせたくない』と思うのであれば、栄養価のある食事を適度にとって適度に運動をするという地道なダイエットをする事をお勧めします。